自由詩をはじめとして、五行歌、短歌、俳句、川柳、漢詩なども掲載していく予定の韻文ブログです。
韻文ブログ、とジャンルを幅広く見せている割に、現在自由詩とお題を借りた詩ばかりを掲載中です… 最近オフラインで多忙な為、更新頻度が下がっています。 そろそろ五行歌の掲載を始めようかと思っていたりもします。
水の中で踠く風は風としての形を保てず泡となり揺蕩う心地好さと息苦しさの同居暗い底から伸びた手は
皮肉効いてんのかなすっきりさせた筈の口の中漱ぐ為の水の生温さにげんなりして怨めしいぬるんだ夜に舌打ちして態々氷をぶち込んだプラスチック製コップがからぁんと鳴く冷蔵庫への道程は無駄なのかはたまた何もかもが無価値だったのか其れ等を判断する基準す
暗がりに身を投ずる光よりもうんと好きよおいでよ暗闇手招き苛立ち叫んでああこのここちよさよ
街並みから浮いた憂鬱なる僕の足取り怪訝さの彩りと真偽を問う視線の先と逃げ出したい帰路
咄嗟に身体を捻ってもどうにもならなかったのだ打ち捨てられたかのような衝撃足元には硬い言葉がごろごろと蠢いていた言葉に躓くとはなんたる為体だろうか先の先まで続いているのは磨かれぬ原石たる言葉風に浚われて失せたのは軟らか過ぎて崩れ去る言葉ひとつ
紙で切れた皮膚から赤がぽたりぽたり僕から細胞が流れ出る僕から離れて無機質の向こうへ無意識に噛んだ爪は僕から離れて僕に戻った交ざる細胞は融けて何処へ鈍化した僕のなかでぐるぐるりと細胞は別れや出会いに忙しない
掻き抱いた夢の欠片は風に舞いたいとこの指を摺り抜け消える根が張ったように立ち尽くすそんな自分はちっぽけで
僕は誰かの心なんて読めないし推し量る為の器具は此処には無いんだけどそれでもきっと鈍らせたら終わるよ曇らせたら終わるよ注意報から警報へと移行点滅した灯の色に顔色まで変化したりしてさそれは自覚出来るんだ恥じらいなんてちっぽけな自尊心なら最初から
少しずつきみは向き合い方を知ってくきっと近いうちには全部をきみが持ってる自分を自分よりも理解してしまうやもしれないねそれじゃなんだか悔しいからぼくも全部を持ってしまおうきみの全部ぼくの全部
唄を紡ぎたいの彼女は夢見る熱情で呟いたそれには大きな労力が必要だと解っていて努力だけでは向上しない要素があると知っていても夢見る熱情は醒めないのだ
冷めた鼓動を耳で聴きながら動かない思考回路に鞭打つ今が過ぎればきっと終焉だそれだけは避けたいんじゃないか冷めた鼓動は大事件にも動じないそれが人生最大の危機としても
逆のことなら幾らでも出来るのになあと君は呟くちらりと視線だけで批難の姿勢を見せたらきっと怯むだろうなあと小さく笑う途端に睨みああ怖いなかなか確認も難しいな
見た文字をひたすらに記していくその作業静かな夜はよそ見して僕の夜更かしには知らんぷり少しでも記憶していたくて少しでも知識を得たくて滑る鉛筆は止まらない珈琲から昇る湯気が見えなくなるまでせめて見逃し続けて欲しいものだ
彩りの言葉を必死に探して机にかじりつくもうすぐきっと大丈夫とそう確信したバラバラだった言葉は纏まり虹色の輝きになった行こう そして届けよう夜の深水から浮かぶ色とこの感情を
満身創痍の体でようやく振り返れば見える過去の自分笑って手を挙げている目だけは相変わらず思えば随分と劣化したものだどんどん下手になっている鈍った言語美的感覚と鋭さを増した創作感覚と釣り合わない天秤をひたすらに眺めたって何も変わりはしないのに握
小さなボトルにありったけの想いを詰め込んで閉じ込めて贈りましょうそれは言葉より雄弁に語り始めることでしょう
知らないうちに動いている知らないうちに流れている知らないうちにと思っているもの実は知ろうとしなかっただけじゃないのか知らないうちに知らない自分になっていた
動かなくなるのは果たしてどちらが先なのだろうか薄暗く拡がっていく雲の暗示/意味するところ斜に構え切り取られた枠で眺めた世界歪んだ立ち位置誰も知り得はしないこと
伝う熱の在処を見回して見定めて手を伸ばす届く位置に安堵するこれをああ呼ばずして何と言うきっとそれは相手にも理解されているから分かち合えるのかもしれないその熱はひどく優しい
二兎を追い二兎を得るそんな人が羨ましい限り究極の選択肢は心の奥底に鎮座しているんださぁてどちらを掴もうか
首を傾げる小鳥と同じように鏡合わせで首を傾げるぴぃぴぃと籠の中の小鳥は何も知らないようでその眼だけは誤魔化せない
泣いてもいいよ泣いてもいいんだよ我慢は毒を持つ沈黙は誤解を生む膿を出せ感情は凍らせるな吐露してしまえだから堪えなくていい泣いてもいいんだよ場所がないなら此方へおいで
ねこぐるみ抱いた君が余りにも甘く微笑むから僕が代わりになれたらいいのにそう思わずにはいられなかったあまいあまい笑顔の先には愛らしいねこぐるみ
ふわふわふわふわ歪む意識の裏側に何をゆらゆらゆらゆら何を考え何を見ている知り得もしない物に縋るのは君の悪い癖だろう
嫌いなの?まさか好きなの?とりあえずはっきりしなさいよね君は僕を思い切り叱り飛ばしたなんだいなんだい君は世の中全部好きか嫌いか裏か表か白か黒か悪か善かそんなにはっきりさせて生きてるとでもいうの?それは0か1かの機械の次元だろ人間にそんな要求
映る自分は非常に醜い形をしている踏めば消える偶像ならばいっそ良いものなのに
あかいあかい花が散る冷たい氷にひらりくらいくらい涙落ちる冷たい氷にぽたり冷たい氷は受け止めてそしてまた拒むのだ
追う文字は世界を生み具現化した街に降り立つその感覚は歓喜はたりと閉じた途端に現実という名の今日に戻りひとつ溜息を吐いた楽しい時間はとりあえずおしまい
底を這うならばまだ絶望的な方がいいそうすれば針で穴を空けたような光すら玉石のように輝いて見えるきっとそうに違いないだから今日もぬかるみ沈み込みそうな底を這い蹲る
文字そのものには感情などは無いはずなのにぽろり零れたひとしずくああその優しさに触れて僕は地に足を下ろす
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