オリジナルBL小説 <R18> 大学時代の友人×借金返済のため風俗で働くリーマン「広くて長い」他
シリアス・コメディ・SFと取り揃えておりますが、耽美傾向強しです。
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みなさま、こんにちは「広くて長い」 いかがでしたでしょうか。蜘蛛王でのグダグダぶりを強く反省し、今回は珍しくラスト前までを書き上げて更新日を宣言してのスタートでした。ここまで自らを追い込まなければいけない自分ってどんなけダメダメなんだ?と思いつつ本文は出来てるし、推敲をかけながら更新し→合間にラストまで仕上げてさ→あまった時間で蜘蛛王も書き進めてね~~♪ などと、超予測の甘いプランを想定しいてました...
<16> 手のひら半分ほどリーチの長い腕と牡鹿のようにすらりと長い脚が、腕や足に重なり縺れ、解けてまた絡まり合う。そうやって、唇も指も肌も紅雷にゆるゆると結びつけられていく。 全身を湿らせていたシャワーの滴りも薄っすらと躯を覆う汗に変わり、触れる部分をより密着させてふたりの肌を繋いだ。「裕紀、こっち向けよ。顔を見せて」「嫌だ」 身についたルーティンも経験もまったく役には立たない。 気持ちが良いのに...
<15>「東夷のクラブはなくなるよ」「……そうか」 例え、アルデバランが存続しても、もう自分は雇ってはもらえないし、紅雷の身内が経営するクラブだと知った今、もう寄り付くこともないが。 まさかアルデバランが、あの幸田のクラブだったとは。道理で、幸田と紅雷の雰囲気が似て……とそこまで考えた瞬間、裕紀は昆布茶の碗を手に持ったまま立ち上がっていた。「なにいきなり立ってんだよ、トイレ?」「いや」 見上げてくる...
<14> 紅雷から 『話したい、会社の表で待っている』 という内容のメールが届いたのは、レジデンスで紅雷と別れた翌日、つまり佐野にクビを言い渡された同じ日だった。 残業で無理だという断り文章を、すぐに思い直して 『もう会いたくない』 と打ち替えて送信し、着信拒否にした。 金を作る目処は立たず、退職願も出しそびれたまま。生活も気持ちも何もかもが中途半端に燻った時間だけが過ぎて、手詰まり感だけが濃くな...
<13> 木枯しが吹く度、枯葉が乾いた音を立てアスファルトの上を転がってゆく。車1台がようやく通れるくらいの狭い道が夢のような金色に染まったのは、ほんの短い間だった。 食べ終えたトンカツ弁当の容器をポリ袋に突っ込み、後半のスケジュールを再確認して車を出す。 新年の挨拶を兼ねて何軒かの得意先を回り、会社に戻ったころには就業時間も過ぎていた。「シマちゃん、太田部長って出張?」「広島で、戻られるのは週明...
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