バク 第12話 白昼夢（2）

ブランコっていうものは好きだ。 たまに、ついつい乗ってみたくなる。小学生の頃、よく靴を飛ばして遊んでいた。誰が一番遠くまで飛ばせるかを競うのだ。俺らが小学校の…

バク 第11話 白昼夢（1）

「それはさー、正夢ってやつじゃないのー？」 相変わらず語尾を伸ばしながら、伸一は言った。こやつと話してると、日常生活という現実がどうでもよくなってくる。のんび…

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お越しくださいまして、ホントにありがとうございます。私が主の「だっき」でございます。このブログは以下のコンテンツからなっておりますので、時間があるときにでもチ…

バク第1話 初夢（1）

1．初夢 新年まであと残り15分。 テレビは紅白歌合戦が終わり、白組が圧勝した。ここにいる三人の中で、俺以外の2人は音楽には無頓着である。結果なんてどう…

バク第2話 初夢（2）

別にウケを取ろうとして言ったわけではない。本能的に答えてしまったまでだ。童貞を捨てる、いやむしろ、童貞を捨てたい、と。 新年になってからの開口一番のセリフが「…

バク第3話 初夢（3）

俺は思いっきりビールを噴出してしまった。炭酸がきいているので、口の奥から鼻に少し入ってしまったらしく、むせてしまった。語尾が伸びていないので、今の発言は深影に…

バク 第4話 初夢（4）

次の瞬間には新年の一番最初の昼間になっていた。 深影と慎一は初売りに行っていたらしく、何個か品物を買ってきていた。深影は、なんかの福袋。三千円したらしい。三千…

バク 第5話 初夢 （5）

第二回の冬休みが終わった。 第二回というと、なんだそれは？と思うだろうが、この休みは俺らの地元にしかない特殊な冬休みなのである。 地元は雪国であるため、都会…

バク 第6話 初夢（6）

前の席から腰をぐるっと回して、慎一が俺の机を叩いている。「モールス信号の練習か？」 はあ・・・と声が聞こえそうなため息を慎一はついた。飽きれてものも言えない…

バク 第7話 初夢 （7）

だいぶ空腹を感じるようになっていた。吸ったタバコは3本。タバコ1本吸うと寿命が何時間か短くなるっていう説があるが、あの説に正当性があるのなら、俺は今の喫煙で一…