わかもの

愛してください 愛してくださいどうか私を 愛してください私が私を愛せるように 私が私を忘れるようにどうか私に 愛をください嫌ってください 嫌ってくださいどうか…

ないたおに

泣いた 泣いた 鬼が泣いた地べたに這いつくばってのたうちまわる哀れなる人々をみて悲しいとおもう己の心におどろいて笑った 笑った 鬼は笑ったそうして泣いて 泣き…

両親は良心の呵責のごときいやらしさに似て

戸惑いこそ 最高の贈られ物不正直で不清潔な己自身のことは棚におきそれでも省みることのなき打算考えのない愛に踏みつけたき不快感をもって怠惰にのたまる安堵感を押し…

媚を売る

とあるところに 媚を売っている男がおりました男は今日も元気良く 媚を売りさばきますそこの道行くお嬢さん かの人の気をひくためにこのなまめかしい媚はいかがでござ…

呼号

生まれの負があるとするのならジャマな涙をふりはらい精一杯の産声をあげたい声の届く範囲でいいから声の届く範囲があるなら生まれの負があるとするのならジャマな生をふ…

ずるいうた

分裂太りうるさい騒音に耳をふさげば 右隣にはそっくりなドッペルゲンガー寸分たがわぬ外見に見知ったおめめおたがい 「 はい 」 と 「 いいえ 」 の自分自身…

迷い風

どこから吹いてくるのかわからず 迷い風どこでも吹いていいのかわからず 迷い風庭の小さな二本の梅に 小さな花が咲きました濃い桃色と紫のあい混ざった複雑な綺麗とは…

短い言葉

人の為 人の為 人の為と書いて偽りと読む本当の地獄へと 真っ逆さまに落ちてゆく道は人の善意でつくられていて這い上がることさえ ゆるさない

『 春の首絞め祭り 』 のお知らせ

生暖かく浮かれた空気に 苛立ちを覚える今日この頃皆さまいかがお過ごしでございましょうか今年も 首絞め祭りの奇節がやってまいりました 日頃のうっぷん 解き放つよ…

どうでもいいこと

どうでもいいことです人が人を助ける なんていうことはどうでもいいことです人が人を愛する なんていうことはどうでもいいことなんですそこに感謝の念を求める なんて…