男子高校生と女教師の、恋を抉る日常。
朝を迎えて間もない静かな教室では、綺麗な声を思いだす。 夕陽が校庭を染めると、茜に映える横顔を。 柔らかな街灯が照らす帰り道には、灯りを受ける黒髪を。 目尻を撫でる癖も、幅の狭い足音も、高すぎる体温も、全部全部覚えてる。 先生。 今でも貴女が愛しい。
当サイトでは小説「僕に綴る」、詩集「桃花水」を掲載しています。想い慕う女性に贈る、過去の記憶です。偽りを避けながら言葉を繋いでいるため、性的な表現を含みます。…
もっと嫉妬して欲しい貴方が醜くなる程に自惚れていられるのだから
綺麗な声を殺しているのに純白に色づく甘い気息が貴女の身体を隠そうと緩やかに濃さを増してゆく水の音を隠しているのに雪解けに似た無垢な清音が僕の身体を溶かそうと尚…
時間より貴女より早くここに来て貴女のことを考える時間が好きだった
真昼が、肌を焦がす温度になった。光と陰の温度の差は大きく、身体の循環を乱そうとする。制服の裾から色分けされた腕に身を伏せながら、なんとなく目を閉じていた。たっ…
自分ではない誰かに向けられる笑顔の先を嫉妬深く見据える度に僕のことを想う貴女を僕がどれだけ想っているかただ思い知らされるだけ
学校までの道程が、こんなに長く感じたのは初めてだった。傘を打つ、雨音でさえ心地いい。静かだった風景は、秒刻みで騒音を拡げている。その中に加わる自分が、不自然だ…
水道水に濡れた白いTシャツ陽炎に揺らぐのは僕の想いかただの欲望か
暦は6月に流れ、水を含んだ空気が季節を支配していた。それでも去年よりずっと、呼吸が楽だ。湿気に触発されて雨の日に繰り返し見る夢を、この梅雨はまだ見ていない。白…
「今日は優一君と一緒じゃなかったのか」「いつも一緒なわけじゃないよ」久しぶりに見た父さんは、何も変わっていなかった。気を削ることもなく、何かに押し殺されること…
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