半世紀も前に大人向けの映画を初めて映画館で観た。それが『七人の侍』だった。以後、映画館で観る機会は訪れずテレビで放映される度に、その場で運が良ければ見る事ができた。家庭用ビデオレコーダーが普及してからは運が良ければ録画できたが、VHSテープに録画していたので画質に問題があった。TSUTAYAが登場する前のレンタルショップを探し回っては、黒澤映画とくに『七人の侍』は置いてない事を確認してガッカリした。 …
本は電車で読もう!立川在住・一児の父が読書と子育てに明け暮れる日々を綴ります。
自宅(立川)と会社(川崎)の二つの図書館を駆使して読書に耽る中毒者(読書ジャンキー)のアスランです。 結婚前は暇に飽かして映画館に入り浸る映画中毒者でした。いまや夫婦で育児に追われる親バカ中毒者でもあります。 このblogでは、本を紹介し、立川で育児に悪戦苦闘する日々を報告し、そして愛しき映画の記憶を語ります。
七人の侍 新4Kリマスター版(2025年) (TOHOシネマズ立飛)
半世紀も前に大人向けの映画を初めて映画館で観た。それが『七人の侍』だった。以後、映画館で観る機会は訪れずテレビで放映される度に、その場で運が良ければ見る事ができた。家庭用ビデオレコーダーが普及してからは運が良ければ録画できたが、VHSテープに録画していたので画質に問題があった。TSUTAYAが登場する前のレンタルショップを探し回っては、黒澤映画とくに『七人の侍』は置いてない事を確認してガッカリした。 …
(その1)ではgoogleマップを駆使してクイーン父子の動線を追う事で、「パズラーに無縁なものは何一つない」(『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』)事を検証した。だが、実は「パズラーに無縁なもの」はちゃんと存在しているのだ。それは、論理的な推論を語るときには饒舌なエラリーが、ときおり話の腰を折るように口を突いて出てくるペダンティックな知識だ。 エラリーの小生意気な態度から皮肉が込められている事は十…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.6 People who were presented to him often felt a certain awkwardness, and that not entirely because they were alarmed by his reputation. (訳) 彼に紹介された人々はいくらか気おくれすることが多かった。しかもそれは、必ずしも彼の名声に…
前々から『ローマ帽子の秘密』の良さがよく分からなかった。会社のクイーン好きの同僚が特にお気に入りだというのが『ローマ帽子』で、その理由が「犯人を最後の最後の一人まで理詰めで絞り込んでいくからだ」と言っていた。だが、それは2作目の『フランス白粉の秘密』にも当てはまるのではないかと思った。まさに僕のお気に入りが『フランス白粉』で、その理由が「作品のクライマックスで、犯人を最後の最後の一人まで理詰め…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.5 Some books are to be read only in parts; others to read but not curiously, and some few to be read wholly, and with diligence and attention. (訳) 書物の中には部分的に読めばよいものもあるし、読むべきではあるが、しかし好奇心を持つ…
[第三首] あしびきの山鳥(やまどり)の尾のしだり尾の ながながし夜(よ)を ひとりかも寝(ね)む (柿本人麻呂) …
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.4 It is frequently said, and with considerable justice, that some persons enjoy ill-health. (訳) 健康でないことを楽しんでいる人もあるということが、しばしば、しかもかなりの正しさをもって言われている。 伊藤先生…
[第二首] 春すぎて夏(なつ)来(き)にけらし白妙(しろたえ)の 衣(ころも)ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま) (持統天皇)
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.3 You can examine them carefully under a good magnifying glass, or, better still, through a microscope lens. (訳) 良質の拡大鏡や、このほうがよいが、顕微鏡のレンズを通して、それらを注意深く調べることができる。 …
[第一首] 秋の田の かりほの庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は 露にぬれつつ (天智天皇) (…
子供の頃、正月の三が日にしか遊ばない小倉百人一首のカルタが家にはあった。出版元は鈴木出版株式会社。おそらく1950年代に両親が兄のために購入したのだろう。住む…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.2 I am always struck by the precedence which the idea of a "position in life" takes above all other thoughts in the parents’−more especially in the mother's—minds. (訳) 私はいつも、「社会的地位」という考えが両親の——特に母親の…
アレクサンドラ構文に続いてアミラーゼ構文についても検討しよう。アレクサンドラ構文よりも難度が高い構文とされ、アレクサンドラ構文の設問に正しく答えられた人のみに用意されている文章および設問のようだ。 アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
「機能的非識字」という専門用語があるようだ。Wikipediaによると「日常生活において、読み書き計算を機能的に満足に使いこなせない、文字自体を読むことは出来ても、文章の意味や内容が理解出来ない状態を指す。」と書かれている。こう書くと文字そのものを認識して発音(読み)と対応づける事まではできても、単語や句、文と言った意味を構成する単位の理解ができない事を指すように読めてしまうが、そうではないらしい。 …
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入—andとif」より。 15.1.1 Years ago, I used to receive letters from a friend, —very interesting letters, too. (訳) 何年か前、私はある友人から手紙、それも非常におもしろい手紙をよくもらった。 今回から『英文解釈教室』の掉尾を飾る第15章「挿入の諸…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(3) �@It is generally accepted that every intelligent person should know something about the history of the country—and if possible of the world—in which he lives, of the literature which he reads, of the trade or profession which he follows, of the religion he believes in. �AWhy not, theref…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(2) The Englishman learns by his mistakes, when once he is convinced of them; but it is only the brutal evidence of hard facts which will convince him,and,until these hard fact hit him in the face, his doggedness will make him hold on. It has been said that the English lose all battles and win …
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(1) It is not the rough and stormy sea that is most perilous to the ship. It is the dangerous rock-bound shore. When a ship is safely laden and fully manned, she is as safe on the sea as in a harbour. It is when she leaves the shore on departing and reaches it on returning, that she runs the ri…
The exorcist (William Peter Blatty)を読む(その2)
チャイハナ(茶屋)から場面は変わって、遺跡からの出土品を管理する責任者の仕事部屋。原作には書かれていないが、発掘作業を取り扱う事務所もしくは博物館そのものの一室かもしれない。 [原文]( プロローグP.5) The painstaking inventory was finished by ten after six. The Mosul curator of antiquities, an Arab with sagging cheeks, was carefully penning a final entry i…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.9 It was my teacher's genius, her quick sympathy, her loving tact which made the first years of my education so beautiful. It was because she realized the right moment to impart knowledge that made it so pleasant and acceptable to me. perish. (訳) 私が受け…
The exorcist (William Peter Blatty)を読む(その1)
「ミステリを原書で読みたい」シリーズの次の作品は、ウィリアム・ピーター・ブラッティの『エクソシスト』にした。シリーズなどと言っても、前回はクリスティの『オリエント急行の殺人』をだいぶ前に読了しただけだし、その後は翻訳家・宇野利泰さんの「(翻訳の)盛り具合」を確認するために、エラリー・クイーンの『犯罪カレンダー』をひと月分だけ読んだ。あるいは、ジョン・ディクスン・カーの『髑髏城』で、旧訳・新訳を参…
フェル博士が活躍する長篇シリーズ第6作『三つの棺』では、作品の終盤になってフェル博士が「密室講義」を始める。何故?と聞かれて「われわれは探偵小説のなかにいるからだ。」と答える。それまで作中の人物としてのリアリティを体現していた存在が、それを演じていた役者にすぎないのだと赤裸々に話し出すのだ。当時としてはかなりぶっ飛んだ挿入シーンは、エンターテイメントが何事にも優先されてしまう現代でもかなり興味…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.8 Science may tell us that in the struggle for life it is the fittest who survive, but we who have lived through two great wars have seen with our eyes that it is the bravest, the noblest and the best who perish.
『絞首台の謎』を楽しむために、(その1)では首を切り裂かれた運転手の死体が操るリムジンが、霧がかかったロンドンの目抜き通りを疾走するシーンをgoogleマップと照らし合わせて再現してみせた。次はCarr Graphic Vol.1で指摘されている「ブリムストーン・クラブって何階建てでしょう?」という森咲郭公鳥さんの問いかけ(P.24)について、僕なりに考えてみようと思う。 何故、こんな事が問題になるかというと創元推理文…
ディクスン・カーの長篇デビュー作にしてアンリ・バンコランシリーズ第一作の『夜歩く』は新訳・旧訳あわせて何度も読んでるし、あまりに有名な密室トリックは忘れようもない。だが、第二作の『絞首台の謎』ときたら、そもそも読んでいた事すら忘れていたくらいだからどんな内容だったかも思い出せなかった、という話は書評で書いた。メインとなるトリックの「古さ」が論われ、作品自体の評価もカー・マニアの間でも低いらしい…
ヴォイニッチ写本の謎 ゲリー・ケネディ/ロブ・チャーチル(青土社)
恥ずかしながら、いや別に恥ずかしがる事でもないだろうが、つい最近まで「ヴォイニッチ写本」あるいは「ヴォイニッチ手稿」と言われる文献の存在を知らずにいた。知ったのは昨年の12月の事で、書店の新書コーナーで『ヴォイニッチ写本 世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む』(星海社新書)という本を見かけたのがきっかけだ。「ヴォイニッチ」というカタカナ表記のどこか禍々しい見た目と響き、それと「世界一有名…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.7 It is not by prayer that you cause things to go as you wish, but by acquiring a knowledge of natural laws. (訳) 物事を思いどおりに進行させられるのは、祈祷によってではなく、自然法則の知識を得ることによってである。 前回も書いたが、伊藤先…
『夜歩く』(1930年)でデビューしたカーが、翌1931年に出版した第2作である。アンリ・バンコランを探偵に据えたシリーズの第2作でもある。これまで読んでこなかったのはおそらくかつては手元になかった事と、「カーの代表作とはほど遠い」という世間(と言っても本格ミステリーファンに限られる世間)の評判ゆえだろう。タイトルが(カーにしては)平凡という事もあるかもしれない。バンコランシリーズ第4作『蝋人形館の殺人』の…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.6 It is not what people eat, but what they digest, that makes strong. (訳) 人間を強健にするのは、食べるものではなく消化するものである。 強調構文で主語、目的語、副詞的要素の順に例文が出てきたが、今度は主語に戻って…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.5 It was not until the shadow of the forest had crept far across the lake and the darkening waters were still that we rose reluctantly to put dishes in the basket and start on our homeward journey. (例) 森の影が湖の上に遠くまでのび、暗さをま…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その12)
(その11)で原註について検討するのを忘れていたので、そこから始めよう。 フレデリック・ダネイの自伝的小説『ゴールデン・サマー』の主人公ダニー少年は、知り合いの本屋の店主から新刊で発売されたばかりの『恐怖の谷』を貸してもらう。汚すこと無く新品のままに返す事が条件だったが、不注意からヨレヨレに型崩れしてしまい買い取る事になる。 [原文](INTRODUCTION P.9)
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.4 It's in self-sacrifice that a man fulfils himself.It's in giving all he has to those who are near and dear to him that he solves the riddle of life. (例) 人間が自己を実現するのは自己犠牲においてである。持てるもののすべてを、身近にいる親しい人に与えることにおいてこそ、人間は人生のなぞを解くの…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その11)
(その10)では、最盛期を迎えたクイーンの二人が悠々自適とは決して言えないが忙しい日々の合間を縫って、自らがやりたい事を思うように過ごしていたと描かれていたが、実際にはダネイには悲劇とも言える個人的な出来事がふりかかっていた。 [原文](INTRODUCTION P.10) The reality was harsher. Personal tragedy stalked Dannay through the years and caught him mor…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.3 It is worth while to consider what it is that makes people happy, what they can do to make themselves happy. (訳) 人間を幸福にするものは何か、自己を幸福にするために人間は何をなしうるかを考えてみるのは価値のあることである。 どこが強調構文なのかと…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.2 It is just the literature that we read for "amusement," or "purely for pleasure" that may have the greatest influence upon us. (訳) 我々に最も大きな影響を及ぼす可能性があるのは、まさに「娯楽」のため、つまり「楽しみだけを求めて」読む文学である。
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.1 It is want of imagination that prevents people from seeing things from any point of view but their own. (訳) 人間が自分の立場以外の観点からものを見ることができないようにしているのは、想…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その10)
引き続き、第3期について。ただし、クイーンの二人が、最盛期と言われる第3期を私生活ではどう過ごしていたかについて語られる部分だ。 [原文](INTRODUCTION P.9) These Period Three years, 1942-58, saw Dannay and Lee at the peak of their powers and popularity, selling millions of copies a year, praised as highly by critics and their fellow writers as by…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2 例題 It has become usual to indicate the close relation between the particular problems studies by the scientist and the social conditions and technical requirements of his age. This certainly helps to dispel the false impression that the "pure" scientist works in a vacuum, com…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その9)
いよいよ第三期について、だ。あらためて著者による第三期の長編小説リストを挙げておく。 [第三期(12作品)] 災厄の町(1942) 靴に棲む老婆(1943) フォックス家の殺人(1945) 十日間の不思議(1948) 九尾の猫(1949) ダブル・ダブル(1950) 悪の起源(1951) 帝王死す(1952) 緋文字(1953) ガラスの村(1954) クイーン警視自身の事件(1956) 最後の一撃(1958)
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.10 It may seem at first sight that it is quite obvious what the desirable qualities in a man are. (訳) 人間にあって望ましい性質が何であるかはきわめて明瞭だと、最初は思うかもしれない。
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.9 Gradually I taught myself to feel that it did not matter whether I spoke well or ill. (訳) だんだんと修練を積んで、私は、自分が話し上手であろうと、口べたであろうと大した問題では…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.8 You must ascribe it to my forbearance that I have put up with his rudeness so long. (訳) こんなに長い間、彼の無礼な態度に耐えてきたのは私が寛容だからと考えてもらわなくては困りま…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.7 At the outset let it be acknowledged that freedom in reading is a fine thing. (訳) 最初に、読書の自由とはすばらしいものだということを認めていただきたい。 こ…
[髑髏城へのアクセス] ジョン・ディクスン・カー『髑髏城』に出てくる髑髏城にはどうやったら行けるか。アクセスについて考える。 ライン川下り(マインツ〜コブレンツ)の地図
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.6 All who have fought in a battle know how necessary it is that someone should be in command. (訳) 戦闘の経験がある人ならみな、誰か指揮者がいることがどんなに必要か知っている。
米澤さん、今度は刑事物を書きたくなったのか、そう思った。 二月四日土曜日の午後十時三十一分、群馬県利根警察署に遭難の一方が入った。 … 十時五十九分、最寄りの派出所から急行した警察官が芥見から事情を聞いたところ、埼玉県さいたま市から来た五人連れのスキー客のうち、四人と連絡が取れないことがわかった。 非常に緊迫感あふれる乾いた筆致でたんたんと事件発生の状況を描…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.5 It is regrettable, but it is a fact, that children do not look upon their parents with the same degree of affection as their parents look upon them. (訳) 親が子供を見るときと同じくらい愛情をこめて…
(この文章は『屍人荘の殺人』にも登場する明智恭介に関するある事実を明かしています。それは結末に関わる事実ではないのでいわゆるネタバレとは言えないけれど、初読の人の楽しみを奪いかねないので、少なくとも『屍人荘の殺人』未読の方は読まないでください。) 確か「このミス」の第一位に、ある新人作家のデビュー作が選ばれたとの前評判を聞…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.4 It it not surprising that a man of such persistent and untiring energy should have exercised so great an influence over the thoughts of mankind for many hundreds of years. (訳) このように不撓不屈の力をそ…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.3 It is hardly to be expected that the less prosperous parts of the world will tamely accept the continually widening inequality. (訳) 世界の中で繁栄において劣る地域が、たえず広がりつつあるこの不平等を今後も従順に容…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.2 It would seem logical that if parents care for children when they are not yet able to enter the labor market, then children will care for parents when they are no longer permitted to remain in it. (訳) 子どもが労働…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.1 My father died on Tuesday. He had an intense love for me and it adds now to my grief and remorse that I did not go to Dublin to see him for so many years. (訳) 父は火曜日に死にました。父は私をとてもかわいがってくれ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1 例題 In the violent conflicts which now trouble the earth the active contenders believe that since the struggle is so deadly it must be that the issues which divide them are deep. I think they are mistaken. Because parties are bitterly opposed, it does not necessarily follow that they ha…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.6 If everyone undertook to form all his own opinions and to seek for truth by isolated paths, it would follow that no considerable number of men would ever unite in any common belief. (訳) すべての人があらゆることについ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.4 One day it occurred to a man named John Gutenberg that if the letters of a text could be made each one separate, they might be used over and over again. (訳) ある日、ジョン・グーテンベルグという名の人が、テキストの活…
検死審問-インクエスト- パーシヴァル・ワイルド/越前敏弥訳(創元推理文庫)
パーシヴァル・ワイルドは1912年にデビューした米国の劇作家だそうだ。まったく聞いた事もないし、今回、越前敏弥さんが2008年に翻訳した本書が今年(2024年)の復刊フェアの一作に取りあげられなければ、読む事もなかったかもしれない。劇作家というからには戯曲を書く事が本業で、ミステリは副業というか余技だったようで、Wikipediaを見ても長篇が4作と、短篇集が2作あるだけだ。短篇集『悪党どものお楽しみ』(1929年)はエ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.4 It turned out that everybody at the bar knew Sonny. (訳) バーにいた者はみなソニーを知っていると分かった。 非常にシンプルな例文と訳なので、スキップしてもいいくらいだが、かえってIt+V+that…の構文を考えるには…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.3 As a rule it happens that a week or so of mild sunny weather occurs about this time. (訳) 1年のうち今ごろはたいてい、1週間やそこらおだやかで日のよくあたる日が続く。 ランダムハウス英和大辞典によると、occu…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.2 Probably in a modern city the man who can distinguish between a thrush's and a blackbird's song is an exception. It is not that we have not seen the birds. It is simply that we have not noticed them. …
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.1 If you are not honest with the doctor when you are ill, it may be that instead of curing you he will make you worse. (訳) 病気のとき医者にうそをつけば、おそらく医者のおかげでよくなるどころか、病気は悪化するだろう。
Chapter9.関係詞 「�@主格の関係詞」より。 9.1 例題(2) A schoolmaster recently said that out of the 250 pupils he taught the ones who watched TV were undoubtedly the most intelligent. We all know the people who sit through any and every programme night after night because they are drugged by TV. But I have yet to meet the child who, allowed to wat…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1 例題(1) The building up of a taste for those books which genuinely discriminating readers have decided, generation after generation, are worthy of preservation, is gradual. As your taste for books and knowledge of them increase, your earlier opinions will in many instances be changed, for this is a process o…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.8 America is now called on to do what the founders and the pioneers always believed was the American task. (訳) アメリカは現在、建国者や開拓者たちがアメリカの使命であると常に信じてきたことをするように要求されている。 またし…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.7 He was not excited over the prospect of marring her, for she stirred in him none of the emotions of wild romance that his beloved books had assured him were proper for a lover. (訳) 彼女と結婚すると考えても、彼は心がおどらなかった。彼の愛読す…
ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編/ ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編 井上真偽(小学館)
出版時期がちょうど一年前。おそらくオリオン書房の新刊本コーナーで平積みになっていた記憶がある。 BROTHER編 四人兄弟が、愛する地元のぎんなみ商店街で起きた不穏な事件に迫る。同じ事件、同じ手がかりを見ているのに、三姉妹とはまったく違う推理の展開に…? パラレルミステリ。SISTER編も同時刊行。 SISTER編 焼き鳥店「串真佐」の三姉妹が、愛する地元のぎんなみ商店街で起きた不穏な事件に迫る。同…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.6 Our guide was a man who we had been told was familiar with the locality. (訳) 案内人は、我々の聞いたところでは、その地方をよく知っている人だった。 この例文も前回(9.1.5)同様に「連鎖関係詞節」を用いた構文になっている。このぐ…
今村昌弘と言ったら、やはり『屍人荘の殺人』の殺人だろう。あの作品を読んだときは、かなりの衝撃を受けた。ゾンビに取り囲まれるという非現実的な状況を、ミステリと言うやはり一種の「非現実的な状況」の中に丸々取り込んでしまう。その、一見するとふざけたアプローチは、読み始めた時には、いま流行りの「なんでもあり」なエンタメの一つにしか見えなかったのだが、著者自身は大まじめに「ゾンビに囲まれた密室」という不…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.5 There are plenty of people who we know quite well are innocent of this crime. (訳) この犯罪とは無関係であることを我々がよく知っている人が多数いる。 =我々がよく知っているところでは、この犯罪と無関係な人が多数いる。 伊…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その8)
第二期について、ネヴィンズは以下のように総括している。 [原文](INTRODUCTION P.) Compared with the early masterworks, the novels of Period Two suffer from intellectual thinness, an overabundance of feminine emotion, and characters cut out of cardboard with the hope that they would be brought to life by movie performers. On the other hand, with th…
前回の(その17)でとりあえず完結したはずだったのだが、その際に「髑髏城の歩き方を書こうと思う」と言い添えておいた。諸事情があってずいぶん寝かしてしまったが、そろそろちゃんとまとめておかないと、もうガタが来ている僕のメモリが次々とデータを忘れてしまいそうだ。だから、この散策文を整理して「歩き方」を書く準備をしようと思ったら、最初から挫折してしまった。挫折の原因は、髑髏城の両耳にあたる二本の塔(tow…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その7)
本書では、エラリイ・クイーンの第二期の作品について次のように書き出している。 [原文](INTRODUCTION P.7) It's convenient to date the beginning of Queen's second period from Halfway House (1936) since this is the first of Ellery's cases not to contain an adjective of nationality in the title. But the new title format is merely symptomatic of chan…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その6)
いよいよINTRODUCTIONは佳境に入る。クイーンの全作品を概括していくのだが、クイーンは時期を追うごとに作風を変えていったので、ネヴィンズはそれを第一期〜第四期に分類している。日本では新本格ミステリの作家や批評家たちが初期・中期・後期などと分類するようになっているので、必ずしもネヴィンズの分類が一般的だというわけではない。しかし、とりあえずはネヴィンズの主張につきあうためには、この分類は重要だ。ここ…
中学生の時にかぐや姫を知り、風を知った。それ以来だから四十年以上も伊勢正三のファンを続けてきた事になる。だから、今さら言うのも何なんだけれど、正やんという人は結構変わった人だと思う。本人いわく、かぐや姫解散後に先の予定が決まっていなかった彼と、同じく猫解散後に先が決まってなかった大久保一久とが、残り物同士で結成したのがフォークデュオ「風」だった。だから当初から長く続くとも思っていなかったように…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その5)
エラリー・クイーンのデビュー作『ローマ帽子の秘密』は1929年8月にフレデリック・A・ストークス社から出版された。発表当時の時代背景を考える上で、禁酒法と世界恐慌について少し知っておいた方がよさそうだ。手もとには、滅多に活躍しないが時々見返す事がある『クロニック世界全史』(講談社)という百科事典(?)がある。索引で「禁酒法」をたどると以下の年月日にヒットする。 1846年 アメリカ初の禁酒法が…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その4)
ダネイもリーもニューヨーク市ブルックリンにあるボーイズ・ハイスクールに通ったが、その後リーはニューヨーク大学に進学し、ダネイは一足先に広告会社に就職して、コピーライター兼アートディレクターの仕事に就いた。リーは遅ればせながら映画会社で映画を宣伝する文章を書く仕事に就いた。 [原文](INTRODUCTION P.4) They met almost every day for lunch and among th…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その3)
懸賞金付きの小説募集に応募して、いったんは内定したにもかかわらず受賞を逃した二人の若者は、南フランスに移住してプロの作家としての生活を始めるという夢をとりあえず棚上げし、今の仕事を続ける事にする。 [原文](INTRODUCTION P.1) In the normal course of events, Frederic Dannay and Man fred B. Lee would probably have remained with their jobs in advert…
すでに「いけない」「いけない�U」と続けて読んできている読者ならば、次なる狙いが写真や地図などの画像ではなく音にあるという事はすぐにわかるだろう。「体験型ミステリ」とは、著者が名づけたのか、それとも出版社が仕掛けたのか分からないが、このジャンルを現在切り拓いている著者が、「いけない」シリーズの続編ではなく一ひねりした形で提供した体験型ミステリの作品が本作だ。 「いけない」シリーズは、短編の連…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その2)
『エラリイ・クイーンの世界』は次のように始まる。 [原文](INTRODUCTION P.1) ONE DAY IN THE FALL OF 1928 TWO YOUNG NEW YORKERS, first cousins, decided to write a detective novel. The occasion was a newly announced $7500 prize contest, sponsored jointly by McClure's Magazine and the publishing house of Frederick A. Stokes. The work consumed the you…
フランシス・M・ネヴィンズJr.『エラリイ・クイーンの世界』を散策する(その1)
手もとに一冊の本がある。奥付を見ると「1980年4月15日初版発行」と書かれているから、ちょうど浪人が決まってお茶の水の予備校に通いだした頃だろう。前年は年も押し詰まるまで病院で悶々とした日々を送っていたのだから、当然受かるとは思っていなかったが、いざ浪人すると決まった時は、それなりにショックだった。病名も分からず、直ったとは言いがたい状況で退院し、爆弾をかかえたまま、よちよち歩きの状態からなんとか…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 例文9.1.5の直前の解説について考える。 (a) My friend did not appear. (b) I expected that he would help me. この2文を関係詞を用いて1つにまとめると以下のような文になる。 (A) My friend, who I expe…
「Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.4 Quite a number of my best friends are people who, when I knew them only by sight or repute, filled me with positive loathing. (訳) 現在、私の最良の友人になっている人の多くは、顔や評判を知っているだけのときには、何ともいやなやつだと思えたような…
髑髏城三階(ダイニングルーム)(第16章) いよいよ最終回。髑髏城の三階にあるダイニングルームを渉猟したら、僕の髑髏城散策も一段落だ。前回は髑髏城の最上階(四階)にあるガラス張りの丸屋根の部屋を詳しく見て回った。そこから下の階に降りるところから始めよう。 (原文)[第16章P.206] The dining-room, as I have already indicated, was on the…
「Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.3 People regard the multiplication table as characteristic of all education—something which once learned stays with you through life. (訳) 人は九九の表をすべての教育の特徴をなすもの、つまり一度覚えてしまえば忘れることのないものと考えている。
(今回も、多少ストーリー後半のネタを割ります。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) 髑髏城一、二階(中央広間〜回廊)(第16章) 引き続き、髑髏城の大髑髏の内部を散策していく。前回は一階と二階の描写をたどって第16章に続いて第18章にワープしたが、再…
「Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.2 The modern American schools provide the young of all classes with the common background that in an old, rural society is provided by tradition, by the dairy life in each community. (訳) 現代のアメリカの学校はあらゆる階級の若者に共通の生活体験…
クリスティの『そして誰もいなくなった』を本歌取りした作品はこれまでに数多く出版されている。以前、調べた限りでは国内で、この作品をリスペクトしたタイトルの小説は30冊近くもあり、ミステリに限って言うと15冊を越えている。
(今回も、多少ストーリー後半のネタを割ります。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) 髑髏城2階の回廊(第8章) いよいよ、今回から髑髏城の大髑髏を散策していく。長く遠い道のりだったが、これで僕の髑髏城散策も大団円だ。今回で完結するかと思ったが…
「Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 そろそろ「共通関係」に飽きてきたので、Chapter14の序盤の�@が終わったところで中断。関係詞のChapter9に取り組もうと思う。 9.1.1 I know no stateman in the world who with greater right than I can say that he is the representative of his people. (訳) 自分が国民の代表であると、私よりも…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.10 You can hardly imagine a blind deaf girl holding a lively conversation, reading books, writing letters, and above all, enjoying life. But such is Helen Keller. (訳) 盲目で耳の聞こえぬ少女が活発な会話をし、本を読み、手紙を書いているところ…
今回はまたまた寄り道。例の「マイロン・アリソンは、はたして転落したか否か」を考える。 すでに僕の髑髏城散策では「転落していない」という結論が出ている。旧訳は髑髏城の胸壁、というより髑髏城の回廊の上部の狭間胸壁から城壁(30フィート)の下まで落下している。一方、新訳は、同じく回廊の上部の狭間胸壁から回廊の下すなわち城壁の上に落下している。しかし、原文をよくよく読み込んでいくと、回廊の上部には胸壁…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.9 Queen Elizabeth introduced several reforms that were helpful to the nation, and guided her people step by step to prosperity and power. (訳) エリザベス女王は、国民のためになるいくつかの改革を導入し、国民を一歩一歩繁栄と強国へと導いた。 …
(今回も、多少ストーリー後半のネタを割ります。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) ダンスタンの回想(第13章) 今回は予告通り、別荘の客の一人ダンスタン卿が人妻イソベル・ドオネイと密会を企て、髑髏城まで赴いてアリソンの悲劇に遭遇した時のことを回…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.8 Formerly girls were usually taught at home by governesses and received only a very narrow kind of education, in which science played no part at all. (訳) 昔は、女の子はふつう家で家庭教師につき、受ける教育の範囲は非常に狭く、その中に科学はまったく…
今回も篠田真由美著『ミステリな建築 建築なミステリ』出版記念の企画だ。著者が十代の頃から魅了されてきた作品『髑髏城』は、どうやらミステリ愛好家やカー愛好家からもあまり評価されてこなかった事に、著者はずいぶんと悔しい思いを抱いてきたようだ。著書の第二部「ミステリを建築で読む」の第4章「ディクスン・カー『髑髏城』」の冒頭で、本格ミステリを誰よりも愛し、カーへの愛を惜しげも無く開陳してきた江戸川乱歩と…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.7 People used to think, and some still do, that Latin should be a universal model for language. (訳)ラテン語が言語の普遍的範型であるべきだと昔の人々は考えていたし、今でもそう考えている人もいる。 この文はいろいろと考える事がある。何よりも「ラテン語が」で始まっている事に違…
ミステリな建築にして建築なミステリの『髑髏城』を散策する 前回の終わりで、次は「ダンスタンとイゾベルとの逢い引きの場面」と書いたのだが、状況が変わった。ついに髑髏城中毒を標榜する方の本が出版されたのだ。その名も『ミステリな建築 建築なミステリ』(篠田真由美)。もちろん髑髏城は、この本の中で紹介される建築にしてミステリの一つに過ぎない。ただ、僕自身が『Yの悲劇』あるいは『グリーン…
後追いになるが、目次と内容についてまとめようと思う。 自分でも驚くくらいに長々と書き綴ってきたおかげで、自分でも何がどこに書かれているか確かめるのが難しくなりつつある。もし奇特な人がいて、『髑髏城』を再読する際にこの文章を読んでみようと思っても、いったい何がどうなっているのか分からなくなると思う。まだ、散策は完結していないのだが、書き継ぐ度に目次の方も書き足していく事にする。
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.6 Every aged person reminds us of our own death, that our body won't always remain smooth and responsive. (訳)老人は誰でも我々に、自分もいつかは死ぬこと、自分の体もいつまでも柔軟で敏感なままではいないことを思い出させる。 この文には納得できない。訳文がというより、この英文…
(今回以降は、多少ストーリー中盤のネタを割る事になる。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) 前回はついに髑髏城の外観を目の当たりにする事ができた。もちろん僕個人の目に映った髑髏城である事を断っておく。僕にはこう見えた(読めた)に過ぎない。今回は髑髏城の内部を探索す…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.5 She has a good memory for bits of fresh gossip, or little stories of some celebrity that she had read or heard somewhere, and a knack of telling them entertainingly. (訳)彼女はいくつかの新しいうわさ話や、どこかで読んだり聞いたりした、有名人に関する小話をよく覚えていたし、また、それをおもしろ…
半世紀も前に大人向けの映画を初めて映画館で観た。それが『七人の侍』だった。以後、映画館で観る機会は訪れずテレビで放映される度に、その場で運が良ければ見る事ができた。家庭用ビデオレコーダーが普及してからは運が良ければ録画できたが、VHSテープに録画していたので画質に問題があった。TSUTAYAが登場する前のレンタルショップを探し回っては、黒澤映画とくに『七人の侍』は置いてない事を確認してガッカリした。 …
(その1)ではgoogleマップを駆使してクイーン父子の動線を追う事で、「パズラーに無縁なものは何一つない」(『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』)事を検証した。だが、実は「パズラーに無縁なもの」はちゃんと存在しているのだ。それは、論理的な推論を語るときには饒舌なエラリーが、ときおり話の腰を折るように口を突いて出てくるペダンティックな知識だ。 エラリーの小生意気な態度から皮肉が込められている事は十…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.6 People who were presented to him often felt a certain awkwardness, and that not entirely because they were alarmed by his reputation. (訳) 彼に紹介された人々はいくらか気おくれすることが多かった。しかもそれは、必ずしも彼の名声に…
前々から『ローマ帽子の秘密』の良さがよく分からなかった。会社のクイーン好きの同僚が特にお気に入りだというのが『ローマ帽子』で、その理由が「犯人を最後の最後の一人まで理詰めで絞り込んでいくからだ」と言っていた。だが、それは2作目の『フランス白粉の秘密』にも当てはまるのではないかと思った。まさに僕のお気に入りが『フランス白粉』で、その理由が「作品のクライマックスで、犯人を最後の最後の一人まで理詰め…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.5 Some books are to be read only in parts; others to read but not curiously, and some few to be read wholly, and with diligence and attention. (訳) 書物の中には部分的に読めばよいものもあるし、読むべきではあるが、しかし好奇心を持つ…
[第三首] あしびきの山鳥(やまどり)の尾のしだり尾の ながながし夜(よ)を ひとりかも寝(ね)む (柿本人麻呂) …
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.4 It is frequently said, and with considerable justice, that some persons enjoy ill-health. (訳) 健康でないことを楽しんでいる人もあるということが、しばしば、しかもかなりの正しさをもって言われている。 伊藤先生…
[第二首] 春すぎて夏(なつ)来(き)にけらし白妙(しろたえ)の 衣(ころも)ほすてふ 天(あま)の香具山(かぐやま) (持統天皇)
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.3 You can examine them carefully under a good magnifying glass, or, better still, through a microscope lens. (訳) 良質の拡大鏡や、このほうがよいが、顕微鏡のレンズを通して、それらを注意深く調べることができる。 …
[第一首] 秋の田の かりほの庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は 露にぬれつつ (天智天皇) (…
子供の頃、正月の三が日にしか遊ばない小倉百人一首のカルタが家にはあった。出版元は鈴木出版株式会社。おそらく1950年代に両親が兄のために購入したのだろう。住む…
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入——andとif」より。 15.1.2 I am always struck by the precedence which the idea of a "position in life" takes above all other thoughts in the parents’−more especially in the mother's—minds. (訳) 私はいつも、「社会的地位」という考えが両親の——特に母親の…
アレクサンドラ構文に続いてアミラーゼ構文についても検討しよう。アレクサンドラ構文よりも難度が高い構文とされ、アレクサンドラ構文の設問に正しく答えられた人のみに用意されている文章および設問のようだ。 アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
「機能的非識字」という専門用語があるようだ。Wikipediaによると「日常生活において、読み書き計算を機能的に満足に使いこなせない、文字自体を読むことは出来ても、文章の意味や内容が理解出来ない状態を指す。」と書かれている。こう書くと文字そのものを認識して発音(読み)と対応づける事まではできても、単語や句、文と言った意味を構成する単位の理解ができない事を指すように読めてしまうが、そうではないらしい。 …
Chapter15 挿入の諸形式「�@語句の挿入—andとif」より。 15.1.1 Years ago, I used to receive letters from a friend, —very interesting letters, too. (訳) 何年か前、私はある友人から手紙、それも非常におもしろい手紙をよくもらった。 今回から『英文解釈教室』の掉尾を飾る第15章「挿入の諸…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(3) �@It is generally accepted that every intelligent person should know something about the history of the country—and if possible of the world—in which he lives, of the literature which he reads, of the trade or profession which he follows, of the religion he believes in. �AWhy not, theref…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(2) The Englishman learns by his mistakes, when once he is convinced of them; but it is only the brutal evidence of hard facts which will convince him,and,until these hard fact hit him in the face, his doggedness will make him hold on. It has been said that the English lose all battles and win …
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3 例題(1) It is not the rough and stormy sea that is most perilous to the ship. It is the dangerous rock-bound shore. When a ship is safely laden and fully manned, she is as safe on the sea as in a harbour. It is when she leaves the shore on departing and reaches it on returning, that she runs the ri…
チャイハナ(茶屋)から場面は変わって、遺跡からの出土品を管理する責任者の仕事部屋。原作には書かれていないが、発掘作業を取り扱う事務所もしくは博物館そのものの一室かもしれない。 [原文]( プロローグP.5) The painstaking inventory was finished by ten after six. The Mosul curator of antiquities, an Arab with sagging cheeks, was carefully penning a final entry i…
Chapter7. It . . . that . . .「�B 強調構文」より。 7.3.9 It was my teacher's genius, her quick sympathy, her loving tact which made the first years of my education so beautiful. It was because she realized the right moment to impart knowledge that made it so pleasant and acceptable to me. perish. (訳) 私が受け…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.2 It would seem logical that if parents care for children when they are not yet able to enter the labor market, then children will care for parents when they are no longer permitted to remain in it. (訳) 子どもが労働…
Chapter7. It . . . that . . .「�A It(形式主語) . . . 名詞節」より。 7.2.1 My father died on Tuesday. He had an intense love for me and it adds now to my grief and remorse that I did not go to Dublin to see him for so many years. (訳) 父は火曜日に死にました。父は私をとてもかわいがってくれ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1 例題 In the violent conflicts which now trouble the earth the active contenders believe that since the struggle is so deadly it must be that the issues which divide them are deep. I think they are mistaken. Because parties are bitterly opposed, it does not necessarily follow that they ha…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.6 If everyone undertook to form all his own opinions and to seek for truth by isolated paths, it would follow that no considerable number of men would ever unite in any common belief. (訳) すべての人があらゆることについ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.4 One day it occurred to a man named John Gutenberg that if the letters of a text could be made each one separate, they might be used over and over again. (訳) ある日、ジョン・グーテンベルグという名の人が、テキストの活…
パーシヴァル・ワイルドは1912年にデビューした米国の劇作家だそうだ。まったく聞いた事もないし、今回、越前敏弥さんが2008年に翻訳した本書が今年(2024年)の復刊フェアの一作に取りあげられなければ、読む事もなかったかもしれない。劇作家というからには戯曲を書く事が本業で、ミステリは副業というか余技だったようで、Wikipediaを見ても長篇が4作と、短篇集が2作あるだけだ。短篇集『悪党どものお楽しみ』(1929年)はエ…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.4 It turned out that everybody at the bar knew Sonny. (訳) バーにいた者はみなソニーを知っていると分かった。 非常にシンプルな例文と訳なので、スキップしてもいいくらいだが、かえってIt+V+that…の構文を考えるには…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.3 As a rule it happens that a week or so of mild sunny weather occurs about this time. (訳) 1年のうち今ごろはたいてい、1週間やそこらおだやかで日のよくあたる日が続く。 ランダムハウス英和大辞典によると、occu…
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.2 Probably in a modern city the man who can distinguish between a thrush's and a blackbird's song is an exception. It is not that we have not seen the birds. It is simply that we have not noticed them. …
Chapter7. It . . . that . . .「�@ It+V+that . . .」より。 7.1.1 If you are not honest with the doctor when you are ill, it may be that instead of curing you he will make you worse. (訳) 病気のとき医者にうそをつけば、おそらく医者のおかげでよくなるどころか、病気は悪化するだろう。
Chapter9.関係詞 「�@主格の関係詞」より。 9.1 例題(2) A schoolmaster recently said that out of the 250 pupils he taught the ones who watched TV were undoubtedly the most intelligent. We all know the people who sit through any and every programme night after night because they are drugged by TV. But I have yet to meet the child who, allowed to wat…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1 例題(1) The building up of a taste for those books which genuinely discriminating readers have decided, generation after generation, are worthy of preservation, is gradual. As your taste for books and knowledge of them increase, your earlier opinions will in many instances be changed, for this is a process o…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.8 America is now called on to do what the founders and the pioneers always believed was the American task. (訳) アメリカは現在、建国者や開拓者たちがアメリカの使命であると常に信じてきたことをするように要求されている。 またし…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.7 He was not excited over the prospect of marring her, for she stirred in him none of the emotions of wild romance that his beloved books had assured him were proper for a lover. (訳) 彼女と結婚すると考えても、彼は心がおどらなかった。彼の愛読す…
出版時期がちょうど一年前。おそらくオリオン書房の新刊本コーナーで平積みになっていた記憶がある。 BROTHER編 四人兄弟が、愛する地元のぎんなみ商店街で起きた不穏な事件に迫る。同じ事件、同じ手がかりを見ているのに、三姉妹とはまったく違う推理の展開に…? パラレルミステリ。SISTER編も同時刊行。 SISTER編 焼き鳥店「串真佐」の三姉妹が、愛する地元のぎんなみ商店街で起きた不穏な事件に迫る。同…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.6 Our guide was a man who we had been told was familiar with the locality. (訳) 案内人は、我々の聞いたところでは、その地方をよく知っている人だった。 この例文も前回(9.1.5)同様に「連鎖関係詞節」を用いた構文になっている。このぐ…
今村昌弘と言ったら、やはり『屍人荘の殺人』の殺人だろう。あの作品を読んだときは、かなりの衝撃を受けた。ゾンビに取り囲まれるという非現実的な状況を、ミステリと言うやはり一種の「非現実的な状況」の中に丸々取り込んでしまう。その、一見するとふざけたアプローチは、読み始めた時には、いま流行りの「なんでもあり」なエンタメの一つにしか見えなかったのだが、著者自身は大まじめに「ゾンビに囲まれた密室」という不…
Chapter9.関係詞 �@主格の関係詞」より。 9.1.5 There are plenty of people who we know quite well are innocent of this crime. (訳) この犯罪とは無関係であることを我々がよく知っている人が多数いる。 =我々がよく知っているところでは、この犯罪と無関係な人が多数いる。 伊…
第二期について、ネヴィンズは以下のように総括している。 [原文](INTRODUCTION P.) Compared with the early masterworks, the novels of Period Two suffer from intellectual thinness, an overabundance of feminine emotion, and characters cut out of cardboard with the hope that they would be brought to life by movie performers. On the other hand, with th…
前回の(その17)でとりあえず完結したはずだったのだが、その際に「髑髏城の歩き方を書こうと思う」と言い添えておいた。諸事情があってずいぶん寝かしてしまったが、そろそろちゃんとまとめておかないと、もうガタが来ている僕のメモリが次々とデータを忘れてしまいそうだ。だから、この散策文を整理して「歩き方」を書く準備をしようと思ったら、最初から挫折してしまった。挫折の原因は、髑髏城の両耳にあたる二本の塔(tow…