「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.9 Queen Elizabeth introduced several reforms that were helpful to the nation, and guided her people step by step to prosperity and power. (訳) エリザベス女王は、国民のためになるいくつかの改革を導入し、国民を一歩一歩繁栄と強国へと導いた。 …
本は電車で読もう!立川在住・一児の父が読書と子育てに明け暮れる日々を綴ります。
自宅(立川)と会社(川崎)の二つの図書館を駆使して読書に耽る中毒者(読書ジャンキー)のアスランです。 結婚前は暇に飽かして映画館に入り浸る映画中毒者でした。いまや夫婦で育児に追われる親バカ中毒者でもあります。 このblogでは、本を紹介し、立川で育児に悪戦苦闘する日々を報告し、そして愛しき映画の記憶を語ります。
神保町逍遙2023/04/14 ~PASSGE、羊頭書房、東京堂書店、そして富士鷹屋~(その2)
PASSAGEを出たのが2時ちょい前。さすがに疲れてお腹もすいたので、キッチン南海に向かう。行列は多少短めで一安心。ちょっと驚いたのは、ほぼ90%以上が男性のはずの列に、めずらしく女性が何人か混ざっている。小津の映画に出てくるような幅狭なカウンターに丸椅子。両脇もぎちぎちに詰まった席なので、お世辞にもゆったりと食事できるわけではないが、食事の内容本位で常連となってくれる人が増えるのはファンとして嬉しい。…
神保町逍遙2023/04/14 ~PASSGE、羊頭書房、東京堂書店、そして富士鷹屋~(その1)
三ヶ月おきの通院。今回は期初の4月で仕事に余裕があるので年休を取得。主治医の順番待ちが割とスムーズに終わり、なにより会計の待ち時間が大幅に短縮したので午前中で用が済んだ。大井町から京浜東北線で田町駅下車、三田線に乗り換えて神保町へと向かった。着いたら、まず昼食と思っていたが、すずらん通りをPASSAGEの前まで来て、通り過ぎる事ができなくなった。 1月に来た時にはJR御茶ノ水駅から坂を下りてきたの…
中学生の頃、国語の課題として、読んだ本のタイトルと一行感想を付けた読書ノートを作らされた。教師に提出する事を踏まえて選んだわけではないが、やはりどこかお行儀のよい読書になりがちで、今で言えば「夏の文庫フェア」に入るような作品をよく読んでいた。高校になってからも本のタイトルを読書ノートに控える習慣は続けていたようだが、中学のお行儀の良さの反動で、太宰治や島崎藤村、芥川龍之介といった一部の小説家の…
前作では最後の頁を読み終えても、仕掛けの意味がわからずにくやしい思いをした。いや、「くやしい思いをするくらいやられることを期待していた」わけだから、著者のねらいにまんまとハマった事になる。そして、それがキッカケになって、また性懲りも無く、こうして続編を読むことになった。続編といっても前作と話のつながりは全くない。 今回は最初から注意して読み進めようと決めていた。余談になるけれど、僕自身エラ…
密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック 鴨崎暖炉(宝島社文庫)
前作「密室黄金時代の殺人 −雪の館と六つのトリック−」は、タイトルに魅せられて読んだ。「密室黄金期」と言えば、当然ながらディクスン・カーが密室物の名作の数々を世に送り出した時期だと想像したからだ。しかもサブタイトルの「雪の館」とくればカーター・ディクスン名義の「白い僧院の殺人」へのオマージュとなる作品に違いないと、本格ミステリーファンなら誰でも想像するではないか。ところがまったくの見当違いだっ…
グッゲンハイムの謎 シヴォーン・ダウド/原案 ロビン・スティーヴンス/著(東京創元社)
「グッゲンハイム美術館の謎」だとばっかり思ったら違った。前作が「ロンドン・アイの謎」だから「グッゲンハイムの謎」でバランスは取れているようだが、ロンドン・アイはイギリスにある観覧車の名前で、今回の舞台はグッゲンハイム美術館なのでなんとなく釣り合いが取れていないように感じる。でも原題が「The London Eye mystery」と「The Guggenheim mystery」だから致し方ないんだろうな。The Guggenheimと言えば、アメリ…
絶賛、伊藤和夫先生の「英文解釈教室 改訂版」を購読中だ。もちろん、予備校時代にお世話になった学習書を再読するのは、当時よりは多少はまともになった英語力できちんと読めるかどうかを確認するという意味合いもあるが、もう一つはきちんとした日本語に訳せるかという翻訳力を高める意味合いもある。というのも、この学習書では、公式どおりの訳出では日本語として不適切な事例に対して「訳出の工夫」という形で説明してく…
本の雑誌 2022年12月号( 特集「黒と誠」との謎と真実!)
目黒考二さんが亡くなった。今は無き書評番組「週刊ブックレビュー」で、初めてその存在を知った。ご本人の穏やかながら熱量のこもった言葉で、今でも僕が大切にしている作家や本をあれこれと教えてもらった。今野敏と「隠蔽捜査」や小野不由美と「十二国記」も、そんな作家であり本だった。 目黒さんを知って本の雑誌を愛読するようになり、椎名誠さんの「哀愁の町に霧が降るのだ」を読んで、ますます「本の雑誌」に、目…
「すべて、伏線」というのが前作「medium−霊媒探偵城塚翡翠−」を原作にしたTVドラマのキャッチコピーだった。最近は「伏線回収」という言葉と、それを売り物にしたミステリーが流行っているようだ。ミステリーの昔からのファンにしてみれば変な言葉だ。伏線を回収しないミステリーなどあるはずがない。もしあるとすれば、ずいぶん粗忽で無計画な作家もいたものだと笑うところだ。だから、そういう意味の「伏線」ではない事に…
昨年、二作目を原作とした「城塚翡翠倒叙集」がドラマ化されるにあたって、過去に放送した本作のドラマが再放送されたのを録画した。と思っていたが、完全に勘違いだと今さっきWikipediaを調べてわかった。なるほど、曲つなぎならぬドラマつなぎだったのか。どういう事かというと、昨年10月から「霊媒探偵 城塚翡翠」のタイトルで放送を開始し、途中で「invert 城塚翡翠 倒叙集」というタイトルに一新して装いも新たに放送した…
ミッドサマー (2022年11月17日,2023年2月12日 アマゾン・プライム)
80〜90年代にかけて、もっとも映画館に通いつめた。結婚し、子供が出来、親を介護し、様々な実生活の難問を抱え込むようになって、至福の時は過ぎた。それからは、たまに妻と映画館に見に行くか、あるいは録画した映画を時間を惜しむように自宅で観る事が多くなった。ホラーは苦手なジャンルだったので、通い詰めた時期でも後回しにしてお気に入りの映画を優先してきた。 今、Twitterとアマプラという2つのツールを活用…
「クリスマス・プレゼント」に続くディーヴァーの第2短編集だ。タイトルは日本の読者の好みを考えて代表的な短編のタイトルに付け替えているが、元々は第1短編集が”TWISTED"、本書が"MORE TWISTED"と、きっばりとしたものだ。「捻りをきかせた短編」から成るという特徴を示しているとともに、著者の自信の表れを感じさせるタイトルだ。ただし「クリスマス・プレゼント」の感想にも書いたが、出版社や読者に忖度した「善は善…
ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実 松本博文 (NHK出版新書)
プロ棋士がコンピュータと対局する「電王戦」が毎年のように行われてから、かれこれ10年ほどが経過してしまった。あの当時は、将棋界のトップであるプロ棋士が自らの存在意義を賭けて、相当な覚悟をもってコンピュータとの対局に臨む姿に感動していた。と同時に、すでに対戦前から「負け戦」なのではないかという一種の悲壮感のようなものを一ファンとして感じていた事も否定できない。 すでに情報処理の分野ではAI(人工…
昔々、母親がどこかで教わってきたのか、食パンを使ったレシピで朝食を作ってくれた。とりあえず料理の名前も知らずに食べていたのだが、そのうち自分でも作るようになり、一家を構えて息子と自分の二人分の朝食を用意する時の定番メニューとなっている。それをいつからか「クロックムッシュ」だと信じて呼ぶようになったのだけれど、どうやら違ったみたいだ。 ちなみに母親から譲り受けたレシピは、食パン二枚の片面にバ…
ドルリー・レーンが「悲劇四部作」を解決に導いたのは一体いつのことか?
ファイロ・ヴァンスに引き続き、今度はドルリー・レーンだ。言わずとしれたミステリー作家エラリー・クイーンが生み出した二人の名探偵のうちの一人だ。作家と同名の探偵は長きにわたって活躍する事になるが、ドルリー・レーンが解決した事件は「悲劇四部作」に限られる。エラリー・クイーンの研究家で知られる飯城勇三氏によると、バーナビー・ロス名義でクイーン名義とは違う出版社から出したけれど、クイーン名義ほど売れな…
続・ファイロ・ヴァンスの活躍した4年間とは一体いつのことか?
さて、またしてもヴァン・ダインが生んだ名探偵ファイロ・ヴァンスに関する話題である。しかも最初にとりあげた「ヴァンスの活躍した4年間はいつのことか」を蒸す返す事になる。前回の結論を以下にまとめてみた。 ・ファイロ・ヴァンスが活躍したのは、友人の地方検事マーカムの在任期間(4年間)に限られる。 ・長編全12作に事件発生の日付と曜日は書かれているが、西暦は書かれていない(少なくとも最初の4作に…
ベンスンが撃たれたのは額か、こめかみか?(「ベンスン殺人事件」)
ゆえあって、再びファイロ・ヴァンスの物語に関する話題の続きとなる。(犯人名は明かさないが、犯人を特定するための情報を引用しているので、未読の方は読まないでください。) 前回は「ファイロ・ヴァンスの活躍する4年間は西暦何年か」というトピックだったが、次なるトピックは「ベンスン殺人事件」での被害者ベンスンは「拳銃で額を撃ち抜かれたのか、こめかみを撃たれたのか」…
ファイロ・ヴァンスとは、ミステリー作家S.S.ヴァン・ダインが生み出した探偵である。かつてはエラリー・クイーンや同時期のアメリカのミステリー作家たちに多大な影響を与えた作家であり、その探偵であったが、今では諸々の理由から顧みられる事が少なくなってきた。諸々の理由とは、近年の伝記により数十年前までは信じられてきた神話の大半がデタラメだったと暴露された事と、読もうにも全12作の長編のほとんどが書店では…
第11回アガサ・クリスティ賞大賞受賞作だそうだ。ずっと以前に同大賞受賞作の帯がついた文庫を書店で見かけた事があったが、なんとそれは第1回(2011年)の「黒猫の遊歩あるいは美学講義」(森昌麿)だったようだ。この作品はいまだに店頭で見かけるような気がするが、読んではいない。以降の受賞作のタイトル一覧を一瞥しても、どれもこれも未読の作品ばかりだ。クリスティの名を冠した賞だから応募作の内容や作風に限定があるの…
「仮面ライダー BLACK SUN」に続いてアマゾン・プライムの恩恵を早々に実感できる映画がついにやってきた。今年の5月から夏に向けて、映画館に足を運びたくて、でも結局時間がとれずに観に行けなくてヤキモキさせられた一本だった。ウルトラマン一期生の僕にとって、「ウルトラマン」はひときわ思い入れが強い作品だった。それを「ゴジラ」のリブート映画を撮った庵野監督と、平成ガメラ三部作を撮った樋口監督との二人が、ど…
なんだか最近の読書は、ジェフリー・ディーヴァー作品に踊らされているかのような事態に陥っている。この一年間に「魔の山」「クリスマス・プレゼント」「フル・スロットル」「ポーカー・レッスン」「死亡告示」そして本作「ファイナル・ツイスト」の6冊を読んでいる。そのうち4冊は短編集ばかりで、しかも「クリスマス・プレゼント」も「ポーカー・レッスン」もずいぶん前に購入して積ん読状態にしていたものだ。今年になっ…
最近ようやくTwitterを使い出した。経緯については「風が吹けば桶屋が儲かる」式の話があり、それを枕にしようと思ったら書けども書けども終わらない。ようやく枕が終わって、さて本題の「仮面ライダーBLACK SUN」について書こうと思ったら、ハタと手が止まってしまった。いろいろと言いたい事、突っ込みたい事があって、事前に手帳に書き殴ったメモは結構な分量になったのだから、いくらでも書けるはずだ。でも、筆ならぬキー…
まるでミステリ黄金期に書かれたかのように本格ミステリーの王道をいくタイトル。書店の平積みで見かけた時は、あまりにベタなタイトルに加えて、表紙のイラストがちょっと子供向けっぽいなぁと感じて、ノーマークでスルーしてしまった。その後しばらくして最寄りの図書館のYAコーナーで同じ表紙に遭遇して「ムムッ、アレがあるぞ」と気になってきた。最近始めたツイッターで、翻訳が越前敏弥さんだと御本人のツイートでよう…
「月曜日の抹茶カフェ」で青山ワールドに魅せられて以来、こちらがスピンオフ作品と知って、元となった「木曜日にはココアを」を是が非でも読もうと立川図書館の予約を待ち続けている。しかし、何しろ想像を絶する人気ぶりなのでなかなか行列の先頭にたどり着かない。そうこうするうちに、さらにマーブル・カフェのスピンオフ作品集「いつもの木曜日」が9月に刊行されたので、こちらも蔵書になったとたんに予約。スピンオフば…
僕のパソコンには昔からジャストシステムのATOKを搭載している。ATOKとは仮名漢字変換で日本語を入力するためのソフトウェアだ。当初は同社の日本語ワープロソフト「一太郎」のための入力ソフトとして開発されたが、パソコン上で日本語を入力するあらゆるソフトウェアの入力を受け持つIME(Input Method Editor)としての役割を果たすようになった。Windowsが動作するPCでは、開発元のMicrosoftが用意したIMEが最初から搭載され…
著者はNHKラジオ「実践ビジネス英語」の講師を32年以上勤めてきた。その経歴だけでも十分すぎるほどの箔がついているのだけれど、なんだか序盤から盛んに自らの実力自慢が続く。例えば「テキストは累計3000万部を超え、NHKの100年近い放送史において『最長寿の語学番組』」となったとか、「私も一度TOEICを受けたことがありますが、最後のところで慌てたので1問だけ間違えました。でも、次回受ければ満点を取る自信はあります…
休講の事、代償行動の事、慣れないアンプ作りの事、友人とのたわいもない陰口の事(1985年6月11日)
1985.6.11(Tue) 曇り時々雨(梅雨冷えつづく) 午後から大学へ行く。自動制御設計論は休講。生協でCDを注文。トラ技から「OPアンプのノイズ対策」についてコピーをとる。そろそろ、AMP直しの重い腰をあげねば。K研に行って、しばしS水と談話。「M子は何か夢をもとめて、それがかなえられず、常に失望している」のだと言う。 …
毎年行われて結果が発表されるたびに、新聞やテレビ、ネットなどで話題になるのが「国語に関する世論調査」だ。こういう企画って国立国語研究所(通称、国研)が担うものだと思ったら、文化庁国語課というところが担当している。さらには一般社団法人中央調査社という会社に委託(丸投げ?)している。どういう根拠や考え方で、アンケートの事例を選んでいるのだろうか。 調査目的:現在の社会状況の変化に伴う日本人…
夏場は体調が悪い事、雑誌「現代思想」1985年6月号の事、吉本隆明と別役実の事(1985年6月10日)
1985.6.10(Mon) 雨(蕭々と降る雨) 明け方の4:00まで眠れず。計測基礎論をサボる。11時頃起きて大学へ行く。OS-9ゼミと線形システム理論�Tを受講して、生協へ行って本(現代思想6月号)とテープを購入。 7時頃、M子(同じ研究室の同期)と一緒に大学に出る。地下鉄(都営三田線)の中で急に眠気がして、乗り過ごした(志村坂上駅で…
ジェフリー・ディーヴァーはすっかり短編創作の虜になってしまったようだ。本国アメリカで短編集「クリスマス・プレゼント」(2003年)を出版して以来、「ポーカー・レッスン」(2006年)と続き、さらに「Trouble in Mind」(2014年)を出した。デビューは1988年。リンカーン・ライムシリーズ第一作「ボーン・コレクター」(1997年)が注目を浴び、一躍人気作家になった。他にもキャサリン・ダンスシリーズが人気を博し、さらに最近あ…
まずは、二枚のカラーグラビアを見て欲しい。
「高田みずえ さよならコンサート」を見た事、ワープロソフト「ユーカラ」の事(1985年6月9日)
1985.6.9(Sun) 時々雨(気温が下がって涼しい) 1:00PM頃に起きた。「高田みずえ さよならコンサート」を見た。録画しておいて良かったなと思った。 部屋の掃除をするように母に言われてたが、そっちのけでビデオのLibrary作りに励んだ。ワープロを使って、1本々々ビデオの内容および一言コメントを付けた。
いったい、いつ頃からこんな言い方するようになったんだろうか?「いちゃこらする」の意味をご丁寧に説明してくれて、「シニア層の人が使うことがある」とまで書いているサイトまであった。しかし、こんな言葉は以前には無かったし、「シニア層」ってどの時期のどの年代を指しているんだろう。「こら」が「こりゃこりゃ」というかけ声から来ているみたいな説も根拠があるようには思えない。 そもそも、この言葉に最初に遭…
ちょっと面倒な話から始めようと思う。大学生の頃だったか、スペインの映画作家ルイス・ブニュエルの特集が今は無き三百人劇場で組まれて、良い機会だからと何回か通いつめて初期の作品やら代表作を観た想い出がある。後にも先にもブニュエルをしっかりと観たのはそのときだけで、なかなかテレビでも放送されずに今に至るので、内容がうろ覚えのものが多い。今にして思えばブニュエルの遺作だった「欲望のあいまいな対象」が最…
ちょっと前に「えんみ」という言い方が流行っているという記事を書いた際に、他の言葉も取り上げようと思っていたら、肝心の言葉を忘れてしまって書けなくなってしまった。一昨日の夜のバラエティ番組で、激安スーパーの食材を使った料理をゲストが食べた際に、その言葉が出てきてようやく思い出した。「にくにくしい」だ。 …
オムライスの事、「愛と喝采の日々」の事、ふたたび「n個の性」あるいは安眠マスクという事件の事(1985年6月8日)
1985.6.8(Sat) 朝から雨(梅雨入り) 雨が降っているので、大学へ行くのはやめた。ゆっくりと起きて、オムライスを作って食べた。安眠マスクのおかげで眠りが深かった。 「愛と喝采の日々」を録画で観た。「愛と追憶の日々」と間違えていた。映画としては、ちょっとダメだ。 夕方、アルバイトへ行った。取り立てて言うべき…
Hi-Fiビデオの事、「n個の性」の事、安眠マスクの事、友人の悩みの事(1985年6月7日)
1985.6.7(Fri) 晴れのち曇り 視覚情報処理のあと、O本さん(ブラジルからの留学生)の自室(A台にある寮)へ行った。Hi-Fi ビデオがすごい。色がキレイだ。それから個室にクーラー(cooler)。とんでもない!2:45から精密システムの授業。その後、図書館に本を返却に行った。 M宮(同期の友人)は、性を究極にすれば、釈迦のよ…
あの「紙鑑定士」がシリーズになって戻ってきた。前作を読み終わったとき、一作だけで終わらせるには惜しい設定だなと思った。紙鑑定士という架空の職業を持つ人物を主人公に配し、ディオラマなどを作る造形家とタッグを組んで謎を解き明かすという趣向にうならされた。主人公である紙鑑定士・渡部の過去に含みを持たせていたので、いずれ続編が書かれる事になるとは思っていたが、2年ぶりに短編集という形で実現した。 …
高橋真梨子コンサートの事、通院の事、「さよならジュピター」の事(1985年6月6日)
1985.6.6(Thu) 晴れ(今日も暑い) 午前中、ディジタル制御ゼミ。午後から医者へ行く。N田(兄弟研究室の同期)から高橋真梨子のコンサートの誘いがあった。M尾さん(研究室の助手)の購入したチケットが余っているらしい。が、視覚情報処理のレポート提出が迫っているので断った。風邪もなおったばかりだし。医者は、予約してなかっ…
睡眠不足、アイマスクが必要な事、東京標準テストの事(1985年6月5日)
1985.6.5(Wed) 晴れ(暑い、2階は27〜30℃) 又々、大学を休む。どうも朝方に眠りが浅くなって、睡眠不足だ。午後1時頃に起きて食事。やっと昨晩から人並みの食事を摂れるようになった。3時半ごろに自宅を出て、神保町で本を物色。大学の生協で買うためにメモを取る。 アルバイトに行く。S吉、I沢(いずれもアルバイト先…
さいきんの食レポ番組を見てると、さかんに「えんみ」という言葉が聞こえてくる。若いレポーターが「えんみが効いてる」とか言っている。かと思うと、料理番組でも「(この食材は)えんみが強いので、しっかりと塩抜きしましょう」などと言う料理研究家がいる。何故か、「えんみ」が大流行している。でも「塩味」と書かれていれば、まずは「しおあじ」と読むのが一般的だろう。いつから「えんみ」が幅を利かすようになったのだろ…
引き続き体調不良、不動通りのタコ焼き、科学博、パソピア(1885年6月1日~4日)
1985.6.1(Sat) 晴れまたは曇り 朝から熱っぽく、ダルかった。寝ては朝食、また、寝ては昼食。さらに寝て6時PMに起きた。お腹が空いたので、たのんでタコ焼きを買ってきてもらったのが、まずかった。夕食の頃には気分が良くない。腹が重い。 夜、「椿三十郎」を観ながら寝ていたら、とてつもなく腹が痛くなり、気分が悪くな…
風邪と腹痛の事、祖母の事、CDプレーヤーの事(1985年5月30日~31日)
1985.5.30(Thu) 曇り 胃の調子がおかしい。咳が出る。火曜日にクーラーの効いた部屋で寝たのが原因だ。昨日大学を休んだおかげで、デジタル制御の予習ができず、冷や汗をかいた。パターン認識原論の後に、我慢できずに吐いた。早々に帰宅。お婆さん(同居している父方の祖母)も気分が悪いらしく、二人して夕食はおかゆだった。 …
「金曜日の妻たちへ」の事、希薄な生活感、持病について(1985年5月29日)
1985.5.29(Wed) 曇り時々雨 今日は大学を休む。前日深夜「金曜日の妻たちへ」を4本観るというバカをやった。おかげで調子が悪く、アルバイト終了後に気分が悪くなり、お腹が痛かった(往きと帰りに一回ずつ吐いた)。傘を忘れた。 今日、父と母は会社の退職者旅行で京都に出発した。帰りはあさって。 生活感が希薄だか…
高校の友人との再会、自動制御応用ゼミ、トポロジー、風船の法則(1985年5月26日~5月28日)
1985.5.26(Sun) 曇り I上(高校からの親友)が筑波から帰ってきた。秋葉原に行き、I上は電機パーツと500円の靴2足を買った。神保町に行き、本を見て帰った。レコード数枚借りた。本を数冊貸した。 夜は、明日のOS−9ゼミの予習でてんてこ舞いだった(現在4:00AM。眠い…)。 今度、お茶の水の中古CD屋でCDを買うこと…
アルバイトの帰り道考えた事、再び「死語の戯れ」(1985年5月25日)
1985.5.25(Sat) 雨(台風) 大学に行く。S島さん関係のプログラムのつながりがはっきりしない。白色化フィルタのプログラムは、どこにいったのでしょうか? アルバイトの帰り道、考えた事。 松本健一「死語の戯れ」についてもう一度考えた。「死語の戯れ」とは、言ってみればテレビでタケシ(ビートたけしの事)やタモリ…
紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人 歌田年(宝島社文庫)
今年になって「紙鑑定士」シリーズの第二弾が出版された。それを読む下準備として一作目の「模型の家の殺人」(宝島社)を再読するところから始めて、書評も書いた。そうこうするうちに、SeeSaaブログでは、ツイッターなどのSNSと連動して投稿記事の紹介ツイートができる事に遅ればせなが…
キャンパスの行き来の事、授業「視覚情報処理」の事(1985年5月24日)
1985.5.24(Fri) 雨 Nキャンパスへ行く。また、一駅乗り越してしまった(寝過ごした)。授業が終わってからOキャンパスに戻った。OS-9ゼミ関連でプログラムを見直していたが、使用法を忘れたり、S島さん(研究室の2年先輩)のやってくれた部分がさっぱり分からなかったりで、さんざんだった。 経験則 人は、赤色(…
友人からの電話の事、加藤典洋「アメリカの影」の事(1985年5月23日)
1985.5.23(Thu) 大学の身体検査に行った。血圧120〜61、他は正常。視力 右1.2、左1.0。以前より良くなったのは何故か? I上(中学・高校からの友人)から電話あり(通っている大学の研究室から掛けてきた)。日曜日の午後、池袋の東急ハンズに一緒に行く約束をする。OS-9ゼミの発表原稿をそれまでに作らねばならない。 加…
大学の事、「アメリカの影」「死語の戯れ」の事(1985年5月22日)
1985.5.22(Wed) 今日は12:00に研究室の写真撮影があった。13:00からだと勝手に決め込んでいたので間に合わなかった。M子(同じ研究室の同期、もちろん男性)の電話で驚かされて、あわてて飛んでいったが、大学に着いたのは12:30だった(と言っても、あわてて飛んでいったというのは、いかにも紋切り型な表現だ)。T橋さん(研究室助…
なぜ平匡はみくりの「因数分解」を「素因数分解」と言い直すのか?
高校時代、理系組と文系組に分…
詰将棋ドリル② 1手詰 初・中級編 森信雄七段(廣済堂出版)
僕の将棋歴は浅い。幼い頃はほぼやった記憶がない。下町の庶民の暮らしには将棋は重要な…
僕が次回作を楽しみに待っているシリーズ物は、そう多くはない。すぐに思いつくのは宮部みゆきの杉村三郎シリーズ。ジェフリー・デ…
「青春ドラマ夢伝説」を読んだ際に、著者の岡田晋吉氏は当時出版されたばかりの本作を「一晩で一気に読…
このGWは昨年同様、宿泊を伴う旅行はしなかった。先が見えないコロナ禍では遠出をする気になれない。それでも、やはりせっかくのGWだし、緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置も出ていない状況で、日帰りのレジャーくらいは楽しもうという事で、江ノ島に出かける事にした。もうずいぶんと前に「えのすい」こと江ノ島水族館には家族三人で行った事がある。調べてみたら2009年だった。あれから13年も経っているのか。その時は、…
編者・山前氏の解説によると、夏目漱石の「吾輩は猫である」には次なる一節があるそうだ。
本書は2019年の第18回「このミステリ…
クイーンのライツヴィル(ハヤカワミステリマガジン 2021年3月号)
ハヤカワミステリマガジンの3月号でエラリ…
三省堂書店本店が、社屋建て替えのために一時閉店したようだ。板橋の実家に住んでいた頃には、通っていた高校も都営三田線沿線にあったので、毎週のように通い詰めていた。立川に越してからは、そうそうは訪れる事ができなくなってしまった。それでも最近は、確か半年前ぐらいに行っている。JR中央線に乗ってお茶の水…
青春ドラマ夢伝説 「俺たちシリーズ」などとTVドラマの黄金時代 岡田晋吉(ちくま文庫) (その2)
前回の記事では、本書のテレビドラマ草創期の苦労話をすっとばしてしまったので、そこか…
青春ドラマ夢伝説 「俺たちシリーズ」などとTVドラマの黄金時代 岡田晋吉(ちくま文庫)
書店で新刊文庫の表紙を見て、即座に購入を決めた。表紙はカースケとオメダとグズ六の3…
いよいよGWに突入したけれど、我が家は一足お先に、先週末ムーミンバレーパークに行ってきた。昨年の秋以来なので7ヶ月ぶりになる。立川から車で1時間15分くらいで行けるので、定番のお出かけ先になっている。同じ埼玉の川越も定番と言えるが、昨今はあまりに人気が出てしまい、人混みの中をぶらつくのはコロナ禍で気を遣うし、なにより空きの駐車場が見つかるかどうかから心配しなくてはならない。そこへいくと、埼玉県飯能…
昨年(2021年)11月に亡くなられた喜多條忠さんの追悼記事をその2まで書いたけれど、かぐや姫、風、南こうせつ、山田パンダへの提供曲までで終えていた。その3を書く事を予告しておきながら、すでに4月になってしまった。今回は、歌謡曲を中心に喜多條さんが生み出した楽曲の数々を取り上げて、追悼を締めくくりたいと思う。 頼りとするのは歌詞検索サービスサイトだ。検索順で最初に出てくるUta-Netは発表日順に並び替えできるので便利かと思ったが、肝心の発表日の記載がない。しかも、古い順に並べても、かぐや姫の「神田川」が最上位に出てこない。これは怪しそうだ。別のサイトを調べたらUtaTenというサイ..
「ブログリーダー」を活用して、アスランさんをフォローしませんか?
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.9 Queen Elizabeth introduced several reforms that were helpful to the nation, and guided her people step by step to prosperity and power. (訳) エリザベス女王は、国民のためになるいくつかの改革を導入し、国民を一歩一歩繁栄と強国へと導いた。 …
(今回も、多少ストーリー後半のネタを割ります。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) ダンスタンの回想(第13章) 今回は予告通り、別荘の客の一人ダンスタン卿が人妻イソベル・ドオネイと密会を企て、髑髏城まで赴いてアリソンの悲劇に遭遇した時のことを回…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.8 Formerly girls were usually taught at home by governesses and received only a very narrow kind of education, in which science played no part at all. (訳) 昔は、女の子はふつう家で家庭教師につき、受ける教育の範囲は非常に狭く、その中に科学はまったく…
今回も篠田真由美著『ミステリな建築 建築なミステリ』出版記念の企画だ。著者が十代の頃から魅了されてきた作品『髑髏城』は、どうやらミステリ愛好家やカー愛好家からもあまり評価されてこなかった事に、著者はずいぶんと悔しい思いを抱いてきたようだ。著書の第二部「ミステリを建築で読む」の第4章「ディクスン・カー『髑髏城』」の冒頭で、本格ミステリを誰よりも愛し、カーへの愛を惜しげも無く開陳してきた江戸川乱歩と…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.7 People used to think, and some still do, that Latin should be a universal model for language. (訳)ラテン語が言語の普遍的範型であるべきだと昔の人々は考えていたし、今でもそう考えている人もいる。 この文はいろいろと考える事がある。何よりも「ラテン語が」で始まっている事に違…
ミステリな建築にして建築なミステリの『髑髏城』を散策する 前回の終わりで、次は「ダンスタンとイゾベルとの逢い引きの場面」と書いたのだが、状況が変わった。ついに髑髏城中毒を標榜する方の本が出版されたのだ。その名も『ミステリな建築 建築なミステリ』(篠田真由美)。もちろん髑髏城は、この本の中で紹介される建築にしてミステリの一つに過ぎない。ただ、僕自身が『Yの悲劇』あるいは『グリーン…
後追いになるが、目次と内容についてまとめようと思う。 自分でも驚くくらいに長々と書き綴ってきたおかげで、自分でも何がどこに書かれているか確かめるのが難しくなりつつある。もし奇特な人がいて、『髑髏城』を再読する際にこの文章を読んでみようと思っても、いったい何がどうなっているのか分からなくなると思う。まだ、散策は完結していないのだが、書き継ぐ度に目次の方も書き足していく事にする。
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.6 Every aged person reminds us of our own death, that our body won't always remain smooth and responsive. (訳)老人は誰でも我々に、自分もいつかは死ぬこと、自分の体もいつまでも柔軟で敏感なままではいないことを思い出させる。 この文には納得できない。訳文がというより、この英文…
(今回以降は、多少ストーリー中盤のネタを割る事になる。犯人を直接示すようなネタバレではないが、前もって知っておくとストーリーの面白さを損なう可能性があるので、未読の方は読まないで下さい。) 前回はついに髑髏城の外観を目の当たりにする事ができた。もちろん僕個人の目に映った髑髏城である事を断っておく。僕にはこう見えた(読めた)に過ぎない。今回は髑髏城の内部を探索す…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.5 She has a good memory for bits of fresh gossip, or little stories of some celebrity that she had read or heard somewhere, and a knack of telling them entertainingly. (訳)彼女はいくつかの新しいうわさ話や、どこかで読んだり聞いたりした、有名人に関する小話をよく覚えていたし、また、それをおもしろ…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.4 It is hard enough to know whether one is happy or unhappy, and still harder to compare the relative happiness or unhappiness of different times of one's life. (訳)自分がいま幸福なのか不幸なのか知るだけでも容易なことではないのに、一生の中の異なった時代の相…
ついに(その10)になってしまった。こんなに続ける事になるとは当初は思ってもみなかったけれど、カーの原文を手探りしながら、調べ物しながら、図を書きながらと、いろんな事に手を出していたら、こんな始末になってしまった。特に今は図を書くのに時間がかかっている。いよいよ今回で髑髏城の外観図が完成するからだ。いままで仕事でもパワーポイントはずいぶん使ってきたつもりだけれど、体裁のいいグラフや図を駆使すると…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.3 The New World has a large and rapidly increasing population of its own and, after more than a century of abuse, not a little of its soil has lost or is in process of losing its fertility. (訳)新世界ではそれ自体の膨大な人…
前回の(その8)で仕切り直しをした。そこで確認したのは「マイロン・アリソンはどこにも落ちていない」という事だった。そこで、再び城壁内部の通路と階段をぐるりと巡った終着地courtyard(中庭)にたどり着く事になる。そこから散策を再開しよう。 ところで、今、非常に後悔しているのは、(その7)の終わりに髑髏城の城壁上部を俯瞰した図を出してしまった事だ。もちろん、あの図を出す事で、城門からどのように内部の通…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14.1.2 It is, and has been for a long time, the most prized national possessions, the sense of humor. (訳)ユーモアの感覚は、わが国民が持っているものの中で、現在もこれまでの長い時間にも最も尊重されているものである。 共通関係をどう日本語で表現す…
緊急事態だ。 (その7)で僕らは髑髏城の正面入口である城門から城壁の内部に入った。そのまま通路と階段を経巡り、ついには城壁の屋上とでも言うべき中庭(courtyard)にたどり着いた。そして、そこで見たのは狭間胸壁(battlements)への階段であり、回廊はまだ見あたらない。その階段を登ればやがて回廊は見えてくるのだが、肝心の回廊の屋根にあたる位置に別の狭間胸壁など見あたらないのだ。では、いったい炎に包まれたマ…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より、まとめの例題を書き直す。 14.1 例題(2) In the late summer of that year we lived in a house in a village that looked across the river and the plain to the mountains. In the bed of the river there were pebbles and boulders, dry and white in the sun, and the water was clear and swiftly moving and blue in the channels. Troops went …
(その6)で城の正面の城門を通って幅の広い石敷きの通路(a wide passage of stone)に出た。城門を入ってすぐ右手には低いくぐり戸(a low door)があって、中は番人の詰所になっている(はず)というところまで来た。謎の人物が城壁の上で持っていたたいまつが通路に放り出されていたのをホフマンとフリッツが見つけたのも、この場所だ。ここには城門の上から溶かした鉛を敵の頭上に流す装置があり、鉄製の桶を火にかけるために、…
「Chapter14. 共通関係 �@文の主要素の共通関係」より。 14章の冒頭に戻る。共通関係とは「and,but,orなどの等位接続詞で結ばれる2つの語句の関係」を指す。従来の参考書では「例外的な形を雑然と収集し、雑然と提示するだけ」にとどまっていると指摘し、この本では「文の基本構造と修飾構造の2面から順を追って考え」るとしている。もちろん、全15章からなる「英文解釈教室」をここまで読んできた人にとっては当たり前…
8章「THE BODY IN THE TOWER」(旧訳「塔上の死体」、新訳「塔の死体」)で、バンコランとフォン・アルンハイムが連れ立って髑髏城に向かう。7章の終わりでバンコランはジェフに「レインコートを用意した方がいいぜ。びしょぬれになるおそれがたぶんにある……」と言い切っているので、外は暴風雨の嵐のようだ。ライン川巡りのサイトや書籍を見ると悠々とした流れの画像ばかりで、とてもじゃないが暴風雨で荒れたライン川を想…
PASSAGEを出たのが2時ちょい前。さすがに疲れてお腹もすいたので、キッチン南海に向かう。行列は多少短めで一安心。ちょっと驚いたのは、ほぼ90%以上が男性のはずの列に、めずらしく女性が何人か混ざっている。小津の映画に出てくるような幅狭なカウンターに丸椅子。両脇もぎちぎちに詰まった席なので、お世辞にもゆったりと食事できるわけではないが、食事の内容本位で常連となってくれる人が増えるのはファンとして嬉しい。…
三ヶ月おきの通院。今回は期初の4月で仕事に余裕があるので年休を取得。主治医の順番待ちが割とスムーズに終わり、なにより会計の待ち時間が大幅に短縮したので午前中で用が済んだ。大井町から京浜東北線で田町駅下車、三田線に乗り換えて神保町へと向かった。着いたら、まず昼食と思っていたが、すずらん通りをPASSAGEの前まで来て、通り過ぎる事ができなくなった。 1月に来た時にはJR御茶ノ水駅から坂を下りてきたの…
中学生の頃、国語の課題として、読んだ本のタイトルと一行感想を付けた読書ノートを作らされた。教師に提出する事を踏まえて選んだわけではないが、やはりどこかお行儀のよい読書になりがちで、今で言えば「夏の文庫フェア」に入るような作品をよく読んでいた。高校になってからも本のタイトルを読書ノートに控える習慣は続けていたようだが、中学のお行儀の良さの反動で、太宰治や島崎藤村、芥川龍之介といった一部の小説家の…
前作では最後の頁を読み終えても、仕掛けの意味がわからずにくやしい思いをした。いや、「くやしい思いをするくらいやられることを期待していた」わけだから、著者のねらいにまんまとハマった事になる。そして、それがキッカケになって、また性懲りも無く、こうして続編を読むことになった。続編といっても前作と話のつながりは全くない。 今回は最初から注意して読み進めようと決めていた。余談になるけれど、僕自身エラ…
前作「密室黄金時代の殺人 −雪の館と六つのトリック−」は、タイトルに魅せられて読んだ。「密室黄金期」と言えば、当然ながらディクスン・カーが密室物の名作の数々を世に送り出した時期だと想像したからだ。しかもサブタイトルの「雪の館」とくればカーター・ディクスン名義の「白い僧院の殺人」へのオマージュとなる作品に違いないと、本格ミステリーファンなら誰でも想像するではないか。ところがまったくの見当違いだっ…
「グッゲンハイム美術館の謎」だとばっかり思ったら違った。前作が「ロンドン・アイの謎」だから「グッゲンハイムの謎」でバランスは取れているようだが、ロンドン・アイはイギリスにある観覧車の名前で、今回の舞台はグッゲンハイム美術館なのでなんとなく釣り合いが取れていないように感じる。でも原題が「The London Eye mystery」と「The Guggenheim mystery」だから致し方ないんだろうな。The Guggenheimと言えば、アメリ…
絶賛、伊藤和夫先生の「英文解釈教室 改訂版」を購読中だ。もちろん、予備校時代にお世話になった学習書を再読するのは、当時よりは多少はまともになった英語力できちんと読めるかどうかを確認するという意味合いもあるが、もう一つはきちんとした日本語に訳せるかという翻訳力を高める意味合いもある。というのも、この学習書では、公式どおりの訳出では日本語として不適切な事例に対して「訳出の工夫」という形で説明してく…
目黒考二さんが亡くなった。今は無き書評番組「週刊ブックレビュー」で、初めてその存在を知った。ご本人の穏やかながら熱量のこもった言葉で、今でも僕が大切にしている作家や本をあれこれと教えてもらった。今野敏と「隠蔽捜査」や小野不由美と「十二国記」も、そんな作家であり本だった。 目黒さんを知って本の雑誌を愛読するようになり、椎名誠さんの「哀愁の町に霧が降るのだ」を読んで、ますます「本の雑誌」に、目…
「すべて、伏線」というのが前作「medium−霊媒探偵城塚翡翠−」を原作にしたTVドラマのキャッチコピーだった。最近は「伏線回収」という言葉と、それを売り物にしたミステリーが流行っているようだ。ミステリーの昔からのファンにしてみれば変な言葉だ。伏線を回収しないミステリーなどあるはずがない。もしあるとすれば、ずいぶん粗忽で無計画な作家もいたものだと笑うところだ。だから、そういう意味の「伏線」ではない事に…
昨年、二作目を原作とした「城塚翡翠倒叙集」がドラマ化されるにあたって、過去に放送した本作のドラマが再放送されたのを録画した。と思っていたが、完全に勘違いだと今さっきWikipediaを調べてわかった。なるほど、曲つなぎならぬドラマつなぎだったのか。どういう事かというと、昨年10月から「霊媒探偵 城塚翡翠」のタイトルで放送を開始し、途中で「invert 城塚翡翠 倒叙集」というタイトルに一新して装いも新たに放送した…
80〜90年代にかけて、もっとも映画館に通いつめた。結婚し、子供が出来、親を介護し、様々な実生活の難問を抱え込むようになって、至福の時は過ぎた。それからは、たまに妻と映画館に見に行くか、あるいは録画した映画を時間を惜しむように自宅で観る事が多くなった。ホラーは苦手なジャンルだったので、通い詰めた時期でも後回しにしてお気に入りの映画を優先してきた。 今、Twitterとアマプラという2つのツールを活用…
「クリスマス・プレゼント」に続くディーヴァーの第2短編集だ。タイトルは日本の読者の好みを考えて代表的な短編のタイトルに付け替えているが、元々は第1短編集が”TWISTED"、本書が"MORE TWISTED"と、きっばりとしたものだ。「捻りをきかせた短編」から成るという特徴を示しているとともに、著者の自信の表れを感じさせるタイトルだ。ただし「クリスマス・プレゼント」の感想にも書いたが、出版社や読者に忖度した「善は善…
プロ棋士がコンピュータと対局する「電王戦」が毎年のように行われてから、かれこれ10年ほどが経過してしまった。あの当時は、将棋界のトップであるプロ棋士が自らの存在意義を賭けて、相当な覚悟をもってコンピュータとの対局に臨む姿に感動していた。と同時に、すでに対戦前から「負け戦」なのではないかという一種の悲壮感のようなものを一ファンとして感じていた事も否定できない。 すでに情報処理の分野ではAI(人工…
昔々、母親がどこかで教わってきたのか、食パンを使ったレシピで朝食を作ってくれた。とりあえず料理の名前も知らずに食べていたのだが、そのうち自分でも作るようになり、一家を構えて息子と自分の二人分の朝食を用意する時の定番メニューとなっている。それをいつからか「クロックムッシュ」だと信じて呼ぶようになったのだけれど、どうやら違ったみたいだ。 ちなみに母親から譲り受けたレシピは、食パン二枚の片面にバ…
ファイロ・ヴァンスに引き続き、今度はドルリー・レーンだ。言わずとしれたミステリー作家エラリー・クイーンが生み出した二人の名探偵のうちの一人だ。作家と同名の探偵は長きにわたって活躍する事になるが、ドルリー・レーンが解決した事件は「悲劇四部作」に限られる。エラリー・クイーンの研究家で知られる飯城勇三氏によると、バーナビー・ロス名義でクイーン名義とは違う出版社から出したけれど、クイーン名義ほど売れな…
さて、またしてもヴァン・ダインが生んだ名探偵ファイロ・ヴァンスに関する話題である。しかも最初にとりあげた「ヴァンスの活躍した4年間はいつのことか」を蒸す返す事になる。前回の結論を以下にまとめてみた。 ・ファイロ・ヴァンスが活躍したのは、友人の地方検事マーカムの在任期間(4年間)に限られる。 ・長編全12作に事件発生の日付と曜日は書かれているが、西暦は書かれていない(少なくとも最初の4作に…
ゆえあって、再びファイロ・ヴァンスの物語に関する話題の続きとなる。(犯人名は明かさないが、犯人を特定するための情報を引用しているので、未読の方は読まないでください。) 前回は「ファイロ・ヴァンスの活躍する4年間は西暦何年か」というトピックだったが、次なるトピックは「ベンスン殺人事件」での被害者ベンスンは「拳銃で額を撃ち抜かれたのか、こめかみを撃たれたのか」…
ファイロ・ヴァンスとは、ミステリー作家S.S.ヴァン・ダインが生み出した探偵である。かつてはエラリー・クイーンや同時期のアメリカのミステリー作家たちに多大な影響を与えた作家であり、その探偵であったが、今では諸々の理由から顧みられる事が少なくなってきた。諸々の理由とは、近年の伝記により数十年前までは信じられてきた神話の大半がデタラメだったと暴露された事と、読もうにも全12作の長編のほとんどが書店では…
第11回アガサ・クリスティ賞大賞受賞作だそうだ。ずっと以前に同大賞受賞作の帯がついた文庫を書店で見かけた事があったが、なんとそれは第1回(2011年)の「黒猫の遊歩あるいは美学講義」(森昌麿)だったようだ。この作品はいまだに店頭で見かけるような気がするが、読んではいない。以降の受賞作のタイトル一覧を一瞥しても、どれもこれも未読の作品ばかりだ。クリスティの名を冠した賞だから応募作の内容や作風に限定があるの…
「仮面ライダー BLACK SUN」に続いてアマゾン・プライムの恩恵を早々に実感できる映画がついにやってきた。今年の5月から夏に向けて、映画館に足を運びたくて、でも結局時間がとれずに観に行けなくてヤキモキさせられた一本だった。ウルトラマン一期生の僕にとって、「ウルトラマン」はひときわ思い入れが強い作品だった。それを「ゴジラ」のリブート映画を撮った庵野監督と、平成ガメラ三部作を撮った樋口監督との二人が、ど…