寂し気な光に包まれた 秋の並木道 あなたの声が聞こえてきそうで 耳を澄ましてみたけれど 囁くのは気まぐれな風ばかり 足元に眠る落ち葉が 踊ることも忘れたのなら ひとひら拾って 心を紡ごう 時を止める魔法なんて どこにもなかったね 去年貰った青い手帳に 丁寧に挟んで閉じたなら ありがとうって呟いて それを最後の一ページにして
遠い日の約束それは見えない鎖鍵さえついていないのに解こうともしない 遠い日の約束ほんとうは心の支え誰にも気づかれないようにひとり守り続ける それでいいそれがいい
あなたの背中に吹く風を 遠くからずっと眺めてる 孤独な肩に触れながら 風はどこへ往くのだろう わたしの背中に吹く風を 目を閉じてそっと聴いてみる 同じ音色でありますように あなたの感じる 寂しさと
何気ない日常の なんでもないようなひと時の わけも覚えてないくらい 些細なことを思い出す それは決まって 今では届かぬ人のこと そしてなぜか 楽しかったことばかり
いつのまにか 「さよなら」という言葉を使わなくなって 「またね」 と手を振るようになった 小さな不安が言葉を選ぶ 少しでも未来へ繋がるように
メリークリスマス 眠れる町に耳を澄ました夜 窓を叩く風の音に 何かを思い出しそうな気がした ほんの小さな期待 それはきっと 忘れたかったことなのに 切なさも哀しみも 素敵な贈り物にしてしまう 不思議な夜
耳を澄まして 見上げる空に 聴こえる冬の足音 落ち着く間もなく 行ってしまう秋は 永遠を歌いながら 旅立った恋人のよう 気づかぬほどに 穏やかに取り残されてゆく 静かな夕暮れに 鳴く枯れ葉 想いはまだ 秋にぶら下がったまま
長い長い夢からの目覚め それとも 深い眠りにおちるのだろうか これから
幸せ色の衣装を選び 少しだけ微笑みの化粧して 空を見上げて 風を抱いて あなたがどこかで 振り返るかもしれない 懐かしいメロディを 奏で続ける 遠く遠く どこまでも 音が流れてゆくように
どこかから 覗きこんでいるものが きっと 心の中からと 薄々気づいてはいるけれど 誰かが待っているような 錯覚の中のふるさとが好き
大丈夫 だいじょうぶ ダイジョウブ 声は届かなくても 文字は届かなくても 言葉に波動があるのなら きっと この空が届けてくれる 遠いあなたへ
こぼれてしまうため息を 風が拾ってくれるなら そっと窓を開けましょう 今日の日付を塗りつぶし 秋風に耳を傾けて 空の彼方を眺めれば 今でも見えてくるかしら 夢の欠片の手招きが 痛みも忘れてしまうほど 穏やかな秋の空の色 風よどこへ行きますか? 心に翼をつけましょう
メリークリスマス 雪のような アイスクリームを食べる 凍った心がとろけるような まろやかで甘いアイスクリームを この日のために買った 小さな銀のスプーンで ひとり
ただ 月があまりにも綺麗で 行く先を変えただけのこと あなたのことを想い もう ひとまわり 遠まわり
わからなくなったら 図にしてみると簡単だよと 誰かが教えてくれたけど あなたに向かう矢印は 永遠に見えないほうがいい わたしに向かう矢印も きっと見えないほうがいい
おれはここにいるぞ!と 風は窓を揺らす 忘れかけていたわたしの日常に 雪崩れ込むような勢いで 震える硝子は わたしの心 毎日空を映していたのに いったい何を見ていたの 風のささやく音さえも 聴くことを忘れて
瞳を閉じればいつだって あなたの笑顔がそこにある 耳をすませばいつだって あなたの言葉が笑ってる 忘れない なんて思わなくても きっといつまでも覚えてる 忘れたい日がやってきたって きっと永遠に覚えてる
いつもは強い君が ふと見せた哀しげな笑み 誰も気づかなかった心の傷は 錆びついてボロボロと 剥がれ落ちてゆく ぽっかり浮かんだ月が 真上に昇るころ ぼくは拾い集めるよ 君の落とした哀しみを ひとつ残らず
「忘れないよ」 あなたが空を見ながら 握りしめてくれた手を 「忘れないわ」 わたしはいつまでも 握り返していた 夕暮れの中にふたり 取り残されたように 大きな空が暮れてゆくのを ずっとずっと眺めていた
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