旅の下

こんな感じで旅に出てこんな町に行きましたなんだか懐かしい町なので懐かしいものを食べたのです空を見たらなんだか切なくなったので僕はまた旅に出るのです撮影機種/デ

盆の夜である

イージーオーダーの老舗、花菱縫製の工場取材に行ってきた。寸法やらデザインやら、規格の異なるスーツを一つのラインで縫い上げてゆく、イージーオーダーのシステムは圧巻。これぞメイド・イン・ジャパンの実力なのだ。さて、モノカキなどという因果な商売

『吉原手引草』

今、この本にはまっている。松井今朝子『吉原手引草』（幻冬社文庫）。これまでにも様々な吉原本を読んだけれど、本作は花街・吉原の文化が詳細に書き込まれていて、実に生々しい吉原を感じることができる。吉原一の花魁と謳われた葛城の失踪。その出来

虫はいつ眠るのだ

今年もあっという間に八月だな。年々時の流れが早く感じるのは、もしや歳のせいだろうか。調べ物の合間に窓を開けたら、心地好い虫の鳴き音と、草の匂いを含んだ夜の湿気が流れてきた。少々蒸すが、働き者の扇風機と冷たいハイボールがあれば大丈夫。も

炎天下に海を見に行く

今朝、目覚めと共に海へ行こうと思い立った。外は30℃越えの炎天下。がしかし、思い立ったらもう止まらない。というわけで、早速「いくぞ」と気合を入れつつ、自転車で東京湾を目指すことにした。まずは自宅から荒川を目指し、川沿いを走ること約一時間。

銭湯検定・公式テキストⅠ

ついに「銭湯検定・公式テキストⅠ」(草隆社）が出版された。これはもう、日本における銭湯の歴史を網羅した究極の銭湯本なのだ。これによると、例えば江戸時代初期の銭湯は、男女混浴が当たり前のこととされおり、風紀上の問題が頻発していたとのこと。現代で

暮れかかる午後に蝉が鳴きまくる

ベンチの上に転がって、大きな青い空を仰ぎ見る。そよ風が木々の葉を揺らし、木漏れ日が瞼の上で揺れている。ペットボトルの温いスポーツドリンクを飲み干すと、遠くの方で蝉が鳴きだした。ああ、なんと平和な休日か。やっぱり休みはいいですね。休みっ

秒殺プラネタリウム

本日は連載エッセイ「R階の魔人」の取材で、池袋のサンシャイン60に行ってきた。サンシャイン60と言えば、その昔、東洋一と謳われた超高層ビルだ。ビルの地下1階にある“超高速専用エレベーター”に乗り込むと、わずか数秒で地上60階の展望台に到着。で、このエ

新鮮組3

「久々の登場だな」「まったくでさあ」「ところで、奴は生きてるのか？」「へい、相変わらずアルコールばかり飲んでいるようですがしぶとく生きてるようで」「おのれ、しぶとい奴め。生意気に

号砲が響く夜

さて、新居に移り心機一転。明日からまた気を引き締めて、次なる目標に向けてスタートをきるわけです。ひとつ去ったらまたひとつ。人生はハードル競技のようだな。ハードルに躓いて転倒しないよう、そして、靴が脱げて無残な順位にならぬよう、慎重かつ大胆

飛んじまった悲しみに

昨夜のことになりますが、知人らと酒を飲んだ帰りに携帯電話を放り投げてしまい、ずっぷりと路上の水溜りに水没させてしまいました。あぁと萎れた声を上げつつ素早く拾い上げたわけですが、携帯はすでに息絶えており画面は真っ黒。困ったことに、データもすべて飛ん

ジャミラが現れました

部屋の荷物を片付けていたら、どこからともなくジャミラが出てきた。自分で買ったものだったか？それとも誰かに頂いたものだったか？まったくもって覚えていない。ジャミラはウルトラマンに登場した怪獣だ。見てくれは恐ろしいが、たしか、元々は人間

『精神』

渋谷のシアター・イメージフォーラム で、ドキュメンタリーフィルム『精神』を観てきた。これは、精神診療所の「こらーる岡山」に集う患者たちの様子を、淡々と映した記録映像。自殺未遂を繰り返す人や、不快な幻聴に苦しむ人。そこに至った理由は様々ながら、

言葉ではなく、何か別のもので伝えたいんだ

竹原ピストルさんがライブをやるというので、新宿のスモーキンブギへ行ってきた。ここ数日、i-podでピストルさんの曲ばかり聴いていたので、恋焦がれていた人にようやく会えるような、そんな初々しい緊張感を抱いての会場入りとなった。一人で行ったので誰と会

そのパンツを脱ぎなさい

1010の連載コラム「この銭湯の隠し味」の取材で、亀沢にある「幸楽湯」という銭湯に行ってきた。女将さんにいただいた“どらやき”をパクつきながら、あれやこれやとお話を伺う。何でも最近は、パンツを穿いたまま風呂に入ろうとする若い湯客がいるらしく、時代