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  • 金魚を飲んだ話

    メメント・モリ と耳元で声がした そのとき僕はベッドで ふとんを頭からかぶって 今にも寝るところだった だからつい無視して そのまま寝てしまった ...

  • きになるもの

    気になる映画があります。 「悪魔とダニエル・ジョンストン」 躁鬱病のアーティストダニエル・ジョンストンというひとの映画 「非現実の王国で ヘ...

  • ただいま

    今日は歌をうたってきました。 誰にも内緒です。 だけどお母さんには言いました。 「おつかれ!」と言われました。 歌 すき!

  • 地球、ホーム、帰る場所 1

    シガレットというのは巻き煙草のことではなく、 ここでは僕の友人を指す。 彼女はいつも80年代を彷彿とさせる少々奇抜なワンピースを好んで着ている。 ...

  • 黄色い窓

    山をゆく列車に乗った 車体は鮮やかな黄色で わたしは自室の窓を連想した 列車は夕方の森のきわを ゆっくりと進む鈍行で 乗客は当たり前のようにまば...

  • 緑色のハンカチの話

    君が涙で濡らすハンカチを はじから干している それはもう長いこと。 君はさめざめと泣く。 僕の場所から君の目は見えないけど きっと大変な...

  • 見送った話

    君が星になるというので 僕は見送りにいくことにした。 家を出たのは4:45 太陽がようやく帰り道を辿り始めたころだ。 アパートの鍵はしっかりと閉...

  • わたしに会った話

    明け方近く もやのかかった道を曲がると わたしが街灯を見上げて立っていたので 横に並んで 街灯を眺めると 街灯は突然 しゅるしゅると光を失くして ...

  • 魚になった話

    真夜中過ぎに目が覚めて 腕がむずむずとしたのでこすったら ぽろりと うろこがはがれたので 仰天した 急いで ベッドから起きあがり サイドライトを点けて...

  • 間違えてしまった話

    知り合いの公爵夫人のランチにお呼ばれしたので 少しましな服を着て出かけた 駅を降りて手紙にあった地図の通りに歩き 屋敷の門のところで呼び鈴を鳴ら...

  • チェロの葬式

    コンサートの帰りに 黒い服の人々の列と出会った その列の終りに 鹿の角を生やした少女がいたので 「誰の?」 と尋ねると 「チェロの葬儀...

  • ココアを飲んだ話

    ベッドから起きあがって ココアを入れた それをテーブルの上に置いたとき 寒いような気がしたので セエターを着込んで 椅子に座り直して カップを口...

  • 流星群の夜の話

    友人の家を訪ねた帰り 地下鉄に乗るために 地下へと向かう階段を下りると そこには行きには無かったはずの光景が広がっていた 真っ直ぐと続く狭い通路の...

  • 燃える少女の話

    星が自由に星座軸を駆けめぐっていた夜 電車の窓から外を眺めていたら 電車と併走する少女を見つけた 彼女は 緋色のドレスを着ていて それはわたしに 先日...

  • 金魚鉢

    久しぶりにカフェへ寄ったら 入り口の扉の横に なにか青く ゆらゆらするものが見えた 金魚鉢だ 中には絵に描いたような赤い金魚と 二本の水草が揺れ...

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