長編と短編を織り交ぜて書いている。現在は、「はるかなる邂逅」と「トウ子の憂鬱」がメイン。
「はるかなる邂逅」 三十路の遠山遥と、ある事件をきっかけに一緒になったシュルネ(鈴音)と一緒に日常と非日常を行き来する物語。彼女自身に心の救済はあるのか? 「トウ子の憂鬱」 山田トウ子という目が不自由な中学一年生が織り成す、日常における困難とそれを取り囲む人々のふれあいを描く。
優子は満腹でビールを煽ったので、中ジョッキ一杯でも崩れなかった。アルコール耐性が上昇したと勘違いをし、二杯目を頼もうとしたが、さすがに連れて帰れなくなるので…
トウ子の母親より早く、イサミの母がバス停に自動車を横付けしました。イサミは自動車に呼び込まれ、後部座席を開けてトウ子の話を続けました。しかし、夕方以降はバスの…
優子はラーメン店・楮で大盛を完食し、自分が残した麺に手をつけた。ラーメン並盛では二玉半の太麺が投入されているのだが、優子の場合、四人前を超す量が入っている。…
中学校ではトウ子とイサミは同じ養護クラスです。彼女たちの下校時間は一般生徒と同じですが、身体に不自由を持ち、保護者の送迎があるため、部活動の終了時間を最大とし…
日本における災害の死傷者数を塗り替える大惨事となった。その事件現場から流れてくる情報に社内はもとより、商店街の者たちも釘付けである。事件発生が日曜日で、今日…
母親にとって、六時間の睡眠は不足ではありませんが、体が思うように動きません。父親がキッチンから起こしに来て、ようやく体を持ち上げていました。寝ぼけたまま朝食…
ミセリや鈴音が玄関先で長崎に捕まること自体、珍しい。普段の朝なら、魔性の長崎の出方をドアの隙間から伺い、アメリカンフットボールのように一気にコンクリートの廊下…
風呂場からの物音を聞いた兄とトウ子は、蜘蛛の子を散らしたように離れ、残された父親は両腕をテーブルに置いたまま、テレビを見詰めていました。しばらくしてピンク色…
アパートに到着し、ミセリと鈴音はそれぞれの家に戻った。彼女たちは一人で一台のテレビにかじりつき、事件の詳細を得ようとしていた。自分はそんな鈴音を部屋に放置し…
マンションに戻った母親は両手にビニル袋を提げ、コンクリートの廊下を歩いていました。散発的に帰宅するサラリーマンとすれ違い、そのたびに頭を下げて軽く挨拶をして…
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