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  • タブー

    この会社の人は、足元に転がってきた電話にまで気付かない振りを決め込むのだろうか。ここがXXX社での社内でなければ思い切って「すみませんが、そちらの足元に転がっている電話をこちらに転がしてもらえませんかね」 と隣の人に声をかけていることだろう

  • Rest room

    トイレの個室に入り青いアロハシャツに着替え、シャツの裾をパンツに突っ込もうとしたら、腰に着けていた大きな携帯電話を床に落としてしまった。アメリカの公衆トイレの個室というのは、足元に仕切りがない構造になっているため、床に落ちた電話は、あれよ、

  • 誰にも干渉されないのをいいことに、私はさっきシルビアから受け取ったばかりのアロハシャツを、一枚ずつ広げては体に当てて洗面台の鏡に映してみる。アロハシャツは、赤、青、緑、オレンジ、黄色の色違いが五枚、どれも目が覚めるような派手な色で、胸にはX

  • 更衣室がないということで、女子トイレで着替えることにしてトイレに入ると、洗面台の鏡の前でキャリアウーマン風の女の人が三人、化粧直しをしている最中だった。女が三人寄るとかしましいはずなのに、かしましいどころか、女の人はまるで他の人のことは全く

  • 更衣室

    見た目も性格もシビアなシルビアの部屋を出ると、ショーンに「ユニフォームに着替えて小部屋に戻るように」 と言われた。「OK」 と返事はしたものの、まだ更衣室の場所を教えてもらっていなかったので、ショーンに尋ねると「更衣室なんてないよ」 と軽く

  • Mサイズ

    「Mサイズね」 シルビアは、水色の瞳をチラリと動かして私の体型をチェックすると、傍らに置いてあるコンピューターをカシャカシャと細い指で叩き、部屋の奥からカラフルなアロハシャツを何枚か取り出してきて、私に差し出した。シルビアが私を見ても表情ひ

  • Sylvia

    「Hello?」 ショーンの声で我に返ると「Yes」 部屋の奥から、背の高い痩せた女の人が出てきた。今朝このビルに入ってから、初めて見る白人の人である。年の頃は私と同じくらいか、少し上、といったところだろうか。ストレートのブロンドヘアを顎の

  • 伊香保

    さすがハワイという土地柄だけあって、ユニフォームもとてもトロピカルである。若い頃に、伊香保温泉のホテルで宴会コンパニオンのアルバイトをしていた時のホテルの衣裳部屋が、ちょうどこんなかんじだった。吊り下がっている制服のデザインは少し違ってはい

  • ユニフォーム

    ユニフォームが管理されている部屋は五階で、エレベーターを降りてすぐ右手のところにあった。ショーンがドアのインターフォンに向かって用件を伝えると、中からドアのロックがオートマチックで解除される音がガチャリと響いた。ショーンは、私の先に進んでロ

  • 社風

    小部屋を出て、ユニフォームを取りに行く途中、ショーンは、社員専用のキッチン、休憩室、カフェテリアなどにも案内してくれた。さすがXXX社ともなると、社員専用の設備もきちんと整っている。廊下ですれ違う人のほとんどは、皆、日系の人ばかりであった。

  • フォンリスト

    ショーンのいうフォンリストというのは、これまた見たくれはただの大学ノートだった。大学ノートに、自分の使用する携帯電話の番号を記入する。この小部屋に入ってから、ショーンが私に説明してくれた今までの手順は、何だか意外なことばかりであった。次は何

  • 電話カバー

    おまけに電話の一台一台には、ご丁寧に、これまた今時こんなもの見せられた日にはビックリ仰天ものの、黒い渋ーいレザーの携帯電話カバーが被せてある。旧式とはいえ、どの電話もあまり使用されていない様子で、箱の中でヌラヌラと黒光りしている様子が、変に

  • 携帯電話

    「次に、この箱の中からどれでもいいから適当に一台携帯電話を取り出して。電話はいつでも仕事の依頼が請けられるように、必ず電源をONにして常に腰に携えておくこと。使用する電話の電話番号はこのフォンリストに記入して、退社するときには必ずこの箱に電

  • タイムシート

    「えーっと、そしたらまず、いつも朝出勤したらこのタイムシートに自分の名前と出勤した時間を書いて。そして退社する時また退社時間をここに書いて、横に自分のサインを入れてね」ショーンがタイムシートという名称で呼んだそれは、何でもないただの普通の大

  • ダイヤモンドヘッド

    「What are you doing?」 ショーンが笑いながら、シュルシュルシュルッとブラインドを全開にしてくれる。窓の外には一面の青い海。左手には白い海岸線の続くワイキキビーチ。前方にはダイヤモンドヘッドを望むことができた。こんなすごい

  • 「ここがボクたちの部屋」 簡単にオフィスのなかの説明をしてくれた後に、ショーンが案内してくれたのは、あの、てっきり偉ーい重役さんが使うものだと思っていた、例の洒落た小部屋であった。小部屋の中には、中央にデスクが四つ集めるようにして配置され、

  • 個室

    オフィスの中にはスチール製のデスクと、コンピューターがズラーッと並べられ、デスクとデスクの間には、アルミニウム製の板で仕切りがしてあったり、してなかったりであった。窓側にはいかにも[ここは特別]といった感じの洒落た小部屋が並んでいる。会議室

  • Office

    エレベーターが十階に到着すると、ショーンは長い廊下を右に曲がったり左に曲がったりしながらオフィス内に入っていった。エレベーターを降りてから、この地点に到るまでの道順ももうよくわからないというのに、オフィス内に入ると私はすでにどこをどう来たの

  • Mark

    「Hello」 握手で答えると、ショーンは「OK,Come」 と私を奥へと案内してくれた。ショーンは綺麗な顔立ちをした男の人・・・というより、まだ少年といった風貌で、彫りの深い顔立ちに、黒い瞳が、昔好きだったマークによく似ている。マークのお

  • Sean

    ダニー社長に指定された日時にXXX社を訪れて、受付の女の人に自分の名を名乗ると、女の人は「はい、伺っております。どうぞこちらでお掛けになってお待ちください」 と、とても丁寧な日本語で応対をしてくれた。「はい。わかりました。ありがとうございま

  • Husband

    その日仕事から帰宅した夫に、XXX社に出向することになった報告をすると夫は「へえー!すごいじゃないか」 と感心していた。一年中毎日が観光客で賑わうここハワイでは、たとえ日本企業とはいえ、XXX社といえば知る人ぞ知る大手なのである。何度もしつ

  • Danny

    初め派遣会社のダニーさんに「すごーく楽な仕事けどやってみる?でも楽すぎて退屈しちゃうと思うけど」 と言われたときはなにか胡散臭いニオイもしたけど、でも派遣先がXXX社と聞くと、胡散臭いニオイはたちまちおいしそうな香りに変わってしまった。しか

  • 派遣

    最近ちっとも仕事がおもしろくない。仕事といっても週に30時間しか働かせてもらえないパートではあるが、仕事は仕事である。現在私はワイキキにある大手旅行会社のXXX社のパート社員だが、もともとはダウンタウンにある派遣会社からXXX社に派遣された

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