2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
🔊明るく輝かしい音色とどこまでも軽快で天衣無縫な幅広い表現力👑不世出のトランペッター🎺モーリス・アンドレへの追悼⚱️
2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
マルティノンの感性で捉えた解釈💞スコアを読み取る柔軟なアプローチ🎑軽快さで曲想に推進力を持たせた🧬サン=サーンス:交響曲全集😇
ジャン・マルティノンは60代になってから精力的にフランス物の録音に取り組んだ。それらはベルリオーズ、ラヴェル、ドビュッシー、オネゲル、デュカスなど枚挙に暇がないくらいだが、このサン=サーンス交響曲全集も同時期、つまり1970年代のセッションでそれら総て
スプラフォンの切り札的音源🎙️良い意味での国粋主義的な演奏が楽しめる🥜ドヴォルザーク・シリーズ第5巻❗
チェコ・スプラフォンが順次リリースしているドヴォルザーク作品集シリーズの第5巻目にあたり、今回は既刊の9曲の交響曲を除いたその他のオーケストラル・ワークと彼の協奏曲全4曲を収めた興味深いものだ。このシリーズの特徴は総ての曲目をチェコ勢で固めた、良
👑ノイマン&チェコ・フィルのライフ・ワークとしてのポリシーに基いた👌🏻極めて燃焼度の高い❤️🔥ドヴォルザークのオーケストラル・ワーク集🪢
チェコ・スプラフォンが2012年にデジタル・リマスタリングのリニューアル盤として復活させたのが、この8枚組のオーケストラル・ワーク集だ。録音データの内訳を見ると『交響的変奏曲』が1968年、9曲の交響曲が71年から73年、4曲の交響詩が77年、3
ブロムシュテット🧓🏻シュターツカペレ・ドレスデン⛪モーツァルト晩年の熟成と陰影を表現しきった懐の深い名演☯️
日本でもおなじみの名匠ブロムシュテットと400年を越える伝統を誇るシュターツカペレ・ドレスデンという燻し銀コンビによる美しく香り高い名演。ブロムシュテットはかつての手兵シュターツカペレ・ドレスデンとモーツァルトの最後を飾る4曲の交響曲を録音した。
フルトヴェングラーEMI音源📻バジェット・ボックス第2集👌🏻基本的な解釈を充分抑えた上で自在な感興に任せつつ🏞️うねるように感情豊かな音楽を繰り出していくブラームス🌊
ワーナーでは2017年フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集のバジェット・ボックスをリリースして、それまで決してリーズナブルとは言えなかったEMI音源の個別売りやセット物がひとつに纏められた。これはその第2集に当たり、ブラームスの4曲の交響曲
🎚️UHQCD化されたブロムシュテット🤝シュターツカペレ・ドレスデンによる🥇R.シュトラウス交響詩集完結編🙌🏻
R.シュトラウスの交響詩集は密接に文学やそのストーリーに結び付けた音楽と言うより、文学作品から受けたイメージを洗練されたオーケストレーションによって発展させ、結果的にはタイトルの如何に拘らず、独自の音楽的なインスピレーションとアイデアを披露する場にな
🗺️中世ドイツの研究では第一人者だった阿部謹也氏による📚ドイツ史の専門的な俯瞰🛤️ドイツの特性を培った歴史と宗教及び地理的条件🏛️
中世ドイツの研究では第一人者だった阿部謹也氏によるドイツ史の専門的な俯瞰で、ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する、通史とは一味も二味も異なった魅力を持った一冊。この作品を読んでいると現在のドイツ的国民性や彼らの思考回路を
🗝️バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーに対応できる🔑機能性の優れたアンサンブルへと変貌させた🆕ジンマン&チューリッヒ・イヤーズ👍1995-2014(50枚組)
デイヴィッド・ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団がアルテ・ノヴァとRCAレーベルでこれまでに制作した全録音を収録したCD50枚組ボックス。デイヴィッド・ジンマンは1936年ニューヨークに生まれ、オバーリン音楽院他で学び、モントゥーのアシス
ドビュッシーの饗宴🍻マルティノンと名エンジニア🧑🏻💻ポール・ヴァヴァシュールの遺産ℹ️
この2枚組のUHQCDにはジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団によるドビュッシーのオーケストラル・ワーク集が収録されていて、それらは現在に至るまでSACD化を含む再販を繰り返している名盤の誉れの高いものだ。それは丁度クリュイタンスがラヴェル
ブロムシュテット🤝シュターツカペレ・ドレスデンによる精妙な🕋R.シュトラウス:交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』💌『ドン・ファン』
このディスクにはヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』及び『ドン・ファン』の2曲が収録されている。どちらも1987年にドレスデン、ルカ教会でのPCMディジタル録
リラックスのひと時に🥱今の世に“歌う楽器ヴァイオリン”の真髄を示し得る巨匠🎻スークの名演復活😴
先ず廃盤になって久しかったこのCDの廉価盤化での復活を歓迎したい。ヨゼフ・スークが60歳を迎えた1990年のセッションで、ピアノ伴奏はヨゼフ・ハーラ。彼らはこのほかにも幾つかのアンコール・ピースを録音していて、そちらの復刻も望まれるが、何と言っ
🤔音楽、建築、美術、演劇、文学にまで⚛️多彩な分野をさまざまな時代にわたって💗縦横無尽に駆けめぐりながら⛪バロックの本質に迫っていく魅惑の旅🛳️
本書は2001年に出版された単行本の文庫版で、ルネサンス、マニエリズム、ロココそしてバロックという美術史の流れを通して、バロック芸術の占める位置関係を明らかにしながら数多くの作品例を引用してその特徴や傾向、並びに意義が読み解かれていく。パリのポンピド
燃焼度の高いライヴ❤️🔥アンチェル&コンセルトヘボウのステレオ音源(2)⏺️
このセットはアルトゥス・レーベルから同時にリリースされたカレル・アンチェルのコンセルトヘボウ管弦楽団への一連の客演シリーズの第2集で、以前のターラ音源をリマスタリングした都合3枚のCDの完結編だが、最後のハイドンの交響曲第104番のみはオランダ放送フィ
アンサンブルの愉悦🎼スーク・トリオ全盛期のチャイコフスキー☪️ピアノ三重奏曲👍🏻《ある偉大な芸術家の思い出のために》👨🏻🎨
これは、チェコの名手ヨゼフ・スークが、ピアノのヤン・パネンカ、チェロのヨゼフ・フッフロとともに1976年に来日した時に録音されたもので、スーク・トリオにとって2度目の録音になる。彼ら3人の充実ぶりが如実に示され、3つの楽器が伯仲した力量で、実に白熱し
🍀ザンデルリンク&ベルリン交響楽団による黒光りする🖤ショスタコーヴィチ:交響曲第5番『革命』🌶️
クルト・ザンデルリンクは1960年にベルリン交響楽団の首席指揮者としてドイツ帰国を果たして以来、ヨーロッパの楽壇でもその実力が認められるようになった。ナチスの迫害を避けるための亡命だったが、25年に及ぶソヴィエト滞在はショスタコーヴィチとの交流やムラヴィン
燃焼度の高いライヴ❤️🔥アンチェル&コンセルトヘボウのステレオ音源(1)⏺️
1969年と翌70年にカレル・アンチェルがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演した時の音源の第1集になり、同時に残りの2枚分の第2集もリリースされた。これらは初出音源ではなく、既に全曲とも仏ターラ・レーベルから出ていたものだが、日本のアルトゥス
ショスタコーヴィチの夢🥰小粋で洒落たセンス🖍️色彩感豊かなオーケストレーション🎇幾らかお行儀の良過ぎるコンセルトヘボウ🙇🏻♂️
ショスタコーヴィチは若い頃からクラシック以外のジャンル、ポピュラー・ミュージックやジャズにも造詣が深く、習作とは言えないほどのかなりの数の本格的な作品を書いているし、また映画音楽にも取り組んでそのオールマイティーな才能を発揮した。それらは彼の後の
ルネサンスのプレリュード👁️ヨーロッパにおける諸学復興の黎明📖
ルネサンスと言えば日本では文芸復興と訳されて、フィレンツェ、メディチ家が私財を投じて設立したアカデミアでの当時の最高の知識人達による古典を基礎とした学術の探求に象徴されているが、温故知新に則った忘れ去られた過去の優れた文化の模索は既に12世紀には芽生
巨匠リヒテル🪆ボロディン四重奏団によるアンサンブルの矜持💍シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』♓
シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』にリヒテルのような巨匠が加わることは稀だが、若い頃からアンサンブルに積極的に参加していた彼だけに、ここでも超一級の協調性をみせた力強く隙のない合奏が特徴だ。ライヴならではの緊迫感がすこぶる快く、聴き手の関心の中心に
新時代のギター音楽の旗手🏁ナルシソ・イエペス(1927-97)🎸ドイツ・グラモフォンに録音した💯総てのギター協奏曲及びギター・ソロとオーケストラのための作品を収録したセット🧩
ナルシソ・イエペス(1927-97)がドイツ・グラモフォンに録音した総てのギター協奏曲及びギター・ソロとオーケストラのための作品を5枚のCDに収録したセットで、ライナー・ノーツの後半に初出時のオリジナル・ジャケット写真付の録音データが掲載されているが、当時
奔流のトリオ🎹ルービンシュタイン🫅🏻フルニエ🎻シェリングの協演
尽きることのない奔流を感じさせる名演。演奏家としては最晩年にあったアルトゥール・ルービンシュタインのリーダーシップがフルニエ、シェリングとの自由闊達な表現と阿吽の呼吸とも言うべき絶妙な合わせを成功させた演奏である。ルービンシュタイン最晩年の滋味
スペインの熱狂🔥デ・ブルゴス&パリ音楽院が小品で聴かせる絶妙なサウンド🎙️
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(1933-2014)は録音活動ではそれほど恵まれなかったが、ブラームスを始めとするゲルマン系作曲家の作品を得意としていた。その一方で母国スペインやフランスに代表される全く異なったラテン系の音楽もこよなく愛し、ここで
標題音楽と絶対音楽🎼宿命的な邂逅とせめぎあい🪐ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンの『英雄の生涯』♾️
自らの生涯を描いたと言われるリヒャルト・シュトラウスの壮大な音絵巻を、ブロムシュテットの豊穣にして端正な指揮、R.シュトラウスを知り尽くしたドレスデンのオーケストラによる極め付きの名演。1984年9月ドレスデン・ルカ教会でのセッション録音で、マスターの
🎻レオニード・コーガンの名演をランダムに集めた🧺メンブランからの10枚⏺️
コーガンは58歳という全盛期に他界し、奇しくも時を同じくしてモノラルからステレオ録音への交替期が訪れたこともあってレコーディングにはそれほど恵まれなかったヴァイオリニストだ。彼のセット物ではこれまでヴェネツィア・レーベルからソヴィエト音源を収集し
「ファイト一発!」❤️🔥「これでいいのだっ!」🔥という信念の固まり🌑シェルヘンが晩年にルガーノ放送管を指揮して完成した放送録音によるベートーヴェン交響曲全集📻
マーラーやシェーンベルクらのスペシャリストとして知られた指揮者シェルヘンが、最晩年に集中して行なった異常なライヴ演奏。驚くほど緊張力の強い、情熱的な表現で、このベートーヴェン全集によって、わが国でもシェルヘンの再評価が一躍、加速されたと思う。全集と
音楽の基本🆕UHQCDバージョンによるブロムシュテット🤝シュターツカペレ・ドレスデン🗝️モーツァルト:協奏曲集
首席指揮者時代のブロムシュテット、シュターツカペレ・ドレスデンによるモーツァルト協奏曲集で、1973年にルカ教会で収録されたやや古い音源だが、新規のリマスタリングとUHQCD化によって鮮やかな音質が甦っている。このディスクに収録された3曲の協奏曲とフルート
👑スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデンによるUHQCDバージョン🎶モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲🥳管楽器のための協奏交響曲🎚️
オトマール・スウィトナー、シュターツカペレ・ドレスデンによるモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲ハ長調及び管楽器のための協奏交響曲変ホ長調のドイツ・シャルプラッテン音源をUHQCDにリニューアルしたディスクである。前者は1975年のブロムシュテッ
🧓🏻ブロムシュテットのバランスのとれた💗スケールの大きい表現力に改めて敬服させられる🫡第1回目の『ロマンティック』⏺️UHQCD盤
名匠ブロムシュテット、シュターツカペレ・ドレスデンのコンビによる馥郁たる魅力にあふれたブルックナーの交響曲はこの第4番『ロマンティック』と第7番の2曲しか残されていない。少なくともセッション録音については他に見当たらないし、現在95歳というブロムシュ
🪐恐るべきヴィルトゥオジティ😱名匠マッテーオ・ゴフリラーによる🎼名器の音色と機能をフルに活かした鮮やかな弓さばき🏹ビルスマの協奏曲集
アンナー・ビルスマには古楽のパイオニア、ヨーロッパ古楽界の重鎮というイメージが定着しているが、一方でこの6枚組の協奏曲集及びデュエット集に聴かれるように、チェロの恐るべきヴィルトゥオーゾだったことを思い知らされる。このセットではアンサンブルを支え
モーツァルト的高度な愉悦🫥伝統的なブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンによるディヴェルティメント集🍃
1976年から77年にかけてドレスデン・ルカ教会で収録された3曲のディヴェルティメント及びアダージョとフーガハ短調をカップリングしたドイツ・シャルプラッテン音源で、リマスタリングとUHQCD化によって鮮明な音質が得られている。収録時間がいくらか短いが、その分音質
😔58歳という全盛期に世を去ったヴァイオリニストが遺した🧬珍しく際物を集めた🎻レオニード・コーガンの魅力的なアンコール・ピース集⏺️
1958年、レオニード・コーガン初のアメリカ・ツアーの途上、ニューヨークで録音されたアンコール・アルバムが半世紀を経てようやく世界初CD化。RCA及びソニーに録音された過去の音源をいわゆる箱物ではなく、単独あるいは2枚組のCDでリイシューするシリーズの
🕋虚飾を排した精妙なサウンド🎶UHQCD化されたブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデン🤝ブルックナー:交響曲第7番
ブロムシュテット、ゲヴァントハウスによるブルックナー交響曲全集のプロジェクトは2012年に完成され、日本では9曲の交響曲が9枚のSACDセットに纏められたが、何故か既に製造中止の憂き目に遭っていてばら売りでも入手困難な状態だ。一方こちらは彼のもうひとつの手
🏙️高踏的な解釈が偏狭な民族主義の鼓舞に終わることなく『新世界』の普遍性を導き出した🗺️アンチェル&チェコ・フィルのリマスター盤⏺️
このディスクに収録された3曲は、いずれも1961年にプラハ・ルドルフィヌムで録音されたアナログ音源をリマスタリングしたブルー・スペック盤で音質にも非常に恵まれているが、それにも増してアンチェル、チェコ・フィルの情熱的かつ理知的な演奏に強く惹かれる。そ
鬼才バーンスタイン🎶20世紀を象徴する音楽家のプロフィール🗽
2018年は20世紀を象徴する音楽家レナード・バーンスタイン生誕100周年であった。彼はレコーディングにも肯定的で積極的な録音活動をしたために、既に大手メーカーだけでなくマイナー・レーベルからもさまざまなタイトルでLPからブルーレイ・オーディオまであらゆる
🗡️一朝一夕には成就できない♾️作品に対する徹底した見識と磨きぬかれたセンスが感じられる🌖ベームの至芸を俯瞰できる22枚のバジェット価格盤🌗
カール・ベームがウィーン・フィル及びベルリン・フィルを振ったセッション録音の中から、複数の作曲家の交響曲を網羅したセット物のリリースになる。ベートーヴェン、ブラームス、モーツァルトとシューベルトの交響曲全曲を22枚のCDにまとめたユニヴァーサル・
素朴な雰囲気の中にも⚛️鋭く野性的な力強さを持った🦬独特の味わいを持つ秀演🍄アンチェル&チェコ・フィルによるストラヴィンスキーUHQCD盤⏺️
この音源が1962年と翌63年にプラハで収録されたことを考慮すると、当時としては技術的にも最高水準の録音だったと想像されるが、UHQCD盤はその真価を明らかにしている。先ず第一印象としては音質の透明度が向上して、よりクリアーなサウンドが得られていることで、
🥀死に対する諦観やそれを乗り越えなければならない宿命🪖戦時中強制収容所で家族を失ったアンチェル自身の体験が反映された♾️渾身のドヴォルザーク『レクイエム』⚰️
このセッションが録音されたのは1959年だが、先ずその鮮烈な音質に驚かされる。最近この時代の録音を頻繁に聴いているが、いずれの演奏も当時のオーディオ・エンジニア達が録音に懸けた情熱が私達の想像する以上のものであったことが示されている。このスプラフォン音
🎼スコアに率直に対峙した結果をそのまま音化したような演奏☯️指揮者道を歩み続けてきたアバドが晩年に到達した🪟感動の質を問う未来のマーラー像🗺️
アバドは1970年代後半から、ウィーン・フィルやシカゴ響とマーラーに取り組み、ベルリン・フィルの首席指揮者となってからは、同オーケストラもまじえて録音を行ない、1995年にはそれらをまとめてアバドとしては初めてのマーラー交響曲全集を完成した。この
ピアニストの王道🗣️中世の騎士道物語を語っているような🏇🏻骨太で豪快なロマンティシズムが感じられ🖋️多分に文学的な要素を持つ👴🏻リヒテルのシューマン
リヒテルの演奏の凄さを示す1枚で、彼の幅広い芸風を示し、楽しませてくれる点でまことに興味が尽きない。シューマンの作品は多分に文学的な要素を持っていると言われるが、リヒテルのシューマンは中世の騎士道物語を語っているような、骨太で豪快なロマンティシズ
音楽の流れを全く遮ることなく🎻弦楽部に対する🎺ふたつのブラス・セクションをそそり立つ彫刻のように立体的に響かせたマタチッチ🗿過渡的な解釈のブルックナー第5番⛪
1970年にプラハで録音されたこの音源は、ロヴロ・フォン・マタチッチによって力強く彫琢された表現とチェコ・フィルハーモニー管弦楽団が底力をみせた名演として既に高い評価を受けていたので、今回UHQCDとしてリイシューされたことを評価したい。スプラフォン原盤
🆕リマスタリングによってピアノの音色に潤いが出て🎹音源を復活させた現行唯一ヘブラー旧録音⏺️モーツァルト&ハイドンのピアノ協奏曲集3枚🧩
タワーレコード・ヴィンテージ・コレクション・シリーズのひとつで、イングリット・ヘブラーがモーツァルトのピアノ協奏曲全曲録音に取り組む前に録音していたCD3枚分の音源を復活させたセットだ。ライナー・ノーツによればいずれも1959年から61年にかけてのセッシ
マルティノンのレア音源♍1970年3月11日🍾パリのシャンゼリゼ劇場で行われた🎭ベートーヴェン生誕200周年記念演奏会の一晩からピックアップされた4曲🌃
ジャン・マルティノン(1910-76年)はシカゴ交響楽団の音楽監督を辞任した後、故郷に戻ってからもフランス国立放送管弦楽団の首席指揮者としてコンサート、録音に精力的な活動を続け、その成果として仏EMIにかなりの量の音源を遺すことになる。ライナー・ノーツによれ
📰バッハの改訂の経緯からあえて1724年の初稿版を選び🛤️全曲を通じて常に緊迫した雰囲気を貫いて✝️『マタイ』とのコントラストを鮮明にした☦️ヨハネ受難曲🆕
リチャード・エガーとアカデミー・オヴ・エンシェント・ミュージックの演奏による最新の『ヨハネ受難曲』である。1973年に設立されたアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(エンシェント室内管弦楽団)の創立40周年を記念して録音されたこの『ヨハネ受難曲』
🖊️村上春樹氏の長編小説『1Q84』のテーマ音楽として印象的🔊非常に有名になったヤナーチェク『シンフォニエッタ』♉アンチェル&チェコ・フィルの古典的名盤復刻💿
近年では村上春樹氏の長編小説『1Q84』で印象的に語られたことによって、非常に有名になったヤナーチェク作曲『シンフォニエッタ』古典的名盤の待望の復刻である。ヤナーチェクの音楽には斬新な力強さや神秘性と共に強烈なローカル色があって、楽理的な追究に偏
🍒ウィーン時代の自由闊達な作曲技法が示された🫱🏻音楽的な深み娯楽作品という構想を遥かに超えた芸術的な高み💎ヘブラーのモーツァルト:ピアノ四重奏曲集🍀
イングリット・ヘブラーは言うまでもなくモーツァルトのスペシャリストだが、ピアノのためのソロ、連弾用や管弦楽作品の他に、幸いこのピアノ四重奏曲2曲を録音している。ヘブラーとベルリン・フィルの首席奏者たちとの共演は、これが唯一のものである。このジャ
🎹流麗なタッチと純粋な音色の美しさ🌐天才モーツァルトに寄せる共感を可憐で詩情豊かなピアニズムで歌い上げた🥂ヘブラーの美学👸🏻可憐な変奏曲集
イングリット・ヘブラーはモーツァルトの変奏曲を連弾用のK501を含めて都合15曲、CD3枚分の音源を録音している。このアンソロジーはこのうち比較的良く親しまれている6曲をピックアップしたタワーレコードのプレミアム・クラシックスの第1集としてリリースされたデ
💀アンチェル自身の強制収容所での悲惨な経験は人類愛に向けられ❤️🔥高踏的な芸術にし現代の先駆を成した🫵🏻ショスタコーヴィチ:交響曲第5番😭第1番
このディスクは演奏水準と録音状態で既に高い評価を受けていたものだが、UHQCD化によってその価値を更に高める結果になっている。また前回のコロムビアからの日本盤では交響曲第5番と祝典序曲のカップリングだったのが、同じメンバーによる交響曲第1番との2曲に
🧑🏻🔧アンチェルが手中に収めたチェコの作曲家の作品🍒当時の南西ドイツ放送響の恐るべき実力と録音状態の良さに驚かされる🤯『アスラエル交響曲』のステレオ音源⏺️
1967年にカレル・アンチェルがバーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団に客演した放送用音源2曲を収録している。曲目はヨセフ・スーク(1874-1935)のアスラエル交響曲Op.27及びイシャ・クレイチーの管弦楽のためのセレナータで、どちらもアンチェルが手中に収めたチェコ
❤️🔥アンチェルとチェコ・フィルとの精神的な結びつきの強さが示された名演奏🧈スメタナの書き記したスコアから総てを汲み取り🎼音楽に還元する手法を貫いた🔥『我が祖国』
このところ1960年代のアンチェル、チェコ・フィルによる録音を繰り返し鑑賞しているが、新規にリリースされたUHQCDでのストラヴィンスキーの『春の祭典』『 ペトルーシュカ』とショスタコーヴィチの交響曲第5番及び第1番の2枚が素晴らしい仕上がりだったためか、こち
🎇平板に流れず曲に一種の雄大な趣きさえ添えた驚くべき音楽の魔術師🪄鮮やかに甦ったコンヴィチュニー🤝チェコ・フィルによる『ザ・グレイト』🦸🏻
20世紀中葉を代表する巨匠の一人として今なお高い評価を得ているフランツ・コンヴィチュニー(1901-1962)がチェコ・フィルハーモニーに客演した貴重なステレオ音源をUHQCD化によってリニューアルした1枚。収録曲はシューベルトの交響曲第9番ハ長調『ザ・グレイト』と
シンプルでストレートな解釈💞モーツァルトへの愛を他のいかなる盤よりも深く感じさせる👸🏻ヘブラー第1回目のソナタ全曲集💯
イングリット・ヘブラーはこれまでに2回に亘ってモーツァルトのピアノ・ソナタ全曲のセッション録音を果たしていて、こちらはその第1回目になり1963年から67年にかけてのフィリップス音源が収録されている。ただし収録曲目は17曲のソロ・ソナタのみで、2台のピア
ヘブラーのバッハ🪞モーツァルトとは異なった次元での表現力が発揮され🎚️高度な幻想性を感じさせる🥲限りなくウェットなロココ風のフランス組曲🫧
フランス組曲には、ピアノによる演奏にも新旧何種類かの名盤・注目盤があるが、その中でも最も印象に残っているのが、筆者の場合意外なことながらこのヘブラー盤である。ヘブラーとバッハとは、ちょっと珍しい取り合わせのような気もするが、フランス組曲に関する限
👁️時代の趣味に囚われない音楽の本質を見極めることができた数少ないピアニスト🎹ギーゼキングのドビュッシー💗時代を超越したパフォーマンス⭕
ギーゼキングの演奏では未だに高い評価とその音楽的価値を失っていないドビュッシーのピアノ作品集の廉価盤化を歓迎したい。このセットの総てが1951年から55年にかけてのEMIへのモノラル録音だが、その類い稀な解釈から醸し出されるインプレッショニズムの世界は現
🎶ポリフォニーの音楽を一挺のヴァイオリンで精緻に再現するための普遍的な方向性を示した🏞️自然体で珠玉のように美しい🎻スークの《無伴奏》UHQCDでの久々の復活🔮
ヨゼフ・スークが1970年に録音したバッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全6曲を収録した2枚組のUHQCDになり、長い間製造中止になっていた音源が日本のリマスタード盤として復活したことを評価したい。ヴァイオリニストにとってバッハの無伴奏は
原典主義を貫き🎯音楽と文学🎭舞台美術などが離れ難く一体となった慣習という呪縛から開放させた🤴🏻ムーティの描く新時代のイタリア・オペラ像🆕
リッカルド・ムーティが音楽監督だった1994年5月のミラノ・スカラ座での公演のライヴ録音で、タイトルロールにレナート・ブルゾン、ジルダにアンドレア・ロスト、そしてマントヴァ公爵にロベルト・アラーニャを起用した会心の『リゴレット』だ。ムーティの2度
🫙広めの音響空間で再生すると🛤️鮮明なサウンドが広い音場の中で開放され迫力も充分で臨場感に溢れた🎇唯一のステレオ・セッション録音⏺️ケンペの『ザ・グレイト』
ルドルフ・ケンペが指揮したシューベルトの交響曲のレコーディングは第8番ロ短調『未完成』及び第9番ハ長調『ザ・グレイト』の2曲がある。後者はライヴは別としてセッション録音に関して言えば、この1968年のミュンヘン・フィル以外のオーケストラとの共演ではシュ
⚜️フランスを代表する古楽器奏者アンタイ3兄弟の1人👨🏻🎨チェンバリストのピエール・アンタイの色彩感溢れる鮮やかな🎇スカルラッティ・ソナタ第5集🎙️
フランスを代表する古楽器奏者アンタイ3兄弟の1人、チェンバリストのピエール・アンタイはミラール・レーベルに移ってから頻繁にドメニコ・スカルラッティの鍵盤楽器用ソナタ集のリリースを続けていて、今回で既に5枚目のCDになる。近年のピリオド楽器によるこ
🗝️飾り気の少ない重心の低さ🪩楽団の持っている伝統的なスタイルを熟知した🕯️現役最高峰のベートーヴェン指揮者🌋ブロムシュテット2度目の交響曲全集
ヘルベルト・ブロムシュテットは既にシュターツカペレ・ドレスデンとのベートーヴェン交響曲全集を完成させていて、このライプツィヒ・ゲヴァントハウスとのセットは彼がここ数年間で成し遂げた2度目の録音になる。ブロムシュテットはスクロヴァチェフスキ亡き後の
🌚真摯かつ柔軟なアプローチと鍛え上げられたアンサンブル💞開放感と歌心に溢れた表現🪟豊麗かつ甘美に歌い上げられた🎻イタリア弦楽四重奏団面目躍如のハイドン
イタリア弦楽四重奏団のしなやかで明るい音色と流麗な表現が面目躍如たる名演奏。ハイドンが弦楽四重奏曲で試みた嬉遊性と芸術性の統合が、彼らの演奏によって理想的に実現されている。取り組む曲に対する真摯かつ柔軟なアプローチと鍛え上げられたアンサンブル、そし
巨匠デ・サーバタの遺産🧬精緻でありながら振幅の広いダイナミズムによるスケールの大きな表現🏆グラモフォンとデッカからのモノラル録音4枚💿
この4枚に収録されたデ・サーバタの演奏は、例えばブラームスの交響曲第4番第2楽章における深みのあるリリカルなカンタービレや、ベートーヴェンの『英雄』第2楽章の壮麗なしめやかさに表れている。彼が引退後最後に公衆の前に現れたのは1957年1月のトスカニーニの
ポリフォニー音楽に対する高いセンスが示され🎶気負いのない穏やかさの中に🎵言い知れぬ精神の明るさと豊かさを実感させ♾️深い充足感をもたらす晩年のリヒテル👑
巨匠リヒテルの弾くバッハはどの作品も骨太で安定感のあるしっかりした音楽構成を聴かせてくれる。また彼特有の変化に富んだ多彩なピアニズムが美しいだけでなく、常にオリジナリティーに富んだアイデアを提示している。中でも彼の奏法の頂点を示しているのが『平
円熟期のツィマーマン🧑🏻🎨骨太でシンプルだがロマンティックできめ細かな精彩に富んだ解釈💞晩年のシューベルトの恐ろしいほどの寂寥感を伝える😱最後のソナタ2曲
ポーランド生まれのピアニスト、クリスティアン・ツィマーマンは今年66歳の大家として相応しい円熟期を迎えている。ニュー・リリースされたアルバムのプログラムはシューベルト最晩年の2曲のピアノ・ソナタというのも象徴的だ。作曲家が死の2ヵ月ほど前に作曲した3
📰美声に託された音楽性の豊かさ👨🏻🎤確実なアジリタのテクニックを披露🆕ジャルスキー充実のアルバム💿ヘンデル・オペラティック・アリア集🗞️
カウンター・テナーとして現在最も充実した時期を迎えているフィリップ・ジャルスキーは、バロック・オペラ全曲盤でも多くの主役を歌ってその美声に託された音楽性の豊かさと、確実なアジリタのテクニックを披露している。エラートからのヘンデル・アルバムでも期待
☕滋味に溢れる温かみには抗し難い魅力🎵人生の辛酸を舐め尽くした巨匠だけが成し得た圧巻の至芸👴🏻ケンプのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集💯(ステレオ録音)
本盤に収められたベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は、ケンプが2度にわたってスタジオ録音した全集のうち、1960年代半ばに行った2度目のステレオによるものであるが、いずれの楽曲も素晴らしい名演と高く評価したい。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は
名人芸の披露に留まらず🪔演奏者の人間的な成熟度が否応なく反映されるベートーヴェン♾️来たるべき円熟期を期待させる🌟キーシンのニュー・アルバム🎹
久しくソロの新譜をリリースしていなかったエフゲニー・キーシンが2006年から2016年に亘るインターナショナルなコンサートのライヴ録音からベートーヴェンの作品を纏めたダブル・アルバム。2枚組のCDに自身の選曲によるソナタ5曲とヴァリエーション1曲の都合
🔥一気呵成に燃え上がる高揚感❤️🔥全く溜めのない奔流のような推進力🌠稀にみる緊迫感を漲らせる💪🏻ジュリーニ&ケルン放送交響楽団による鮮烈な放送ライヴ⏺️
カルロ・マリア・ジュリーニが壮年期にドイツで振った放送用ライヴ音源シリーズからの3曲で、独ヘンスラー・プロフィール・レーベルの良好なリマスタリングによってケルン放送交響楽団との鮮烈な演奏が甦っている。3曲の中では最も古い録音が最後に収録された19
👑チェリビダッケが得意としたブルックナー♉ミュンヘン・フィルの持ち味を活かしながらも🌍全く異なったアプローチで纏め上げる手腕はヴァント円熟期の至芸🧑🏻🎨
このセットでギュンター・ヴァントがミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団に客演した最初のライヴ録音は1993年のシューベルトの『ザ・グレイト』で、この時期は奇しくも彼と同年齢のチェリビダッケが同オーケストラの首席指揮者として彼の最晩年を迎えていた。
初々しい情感と男性的な気概⚛️心理の微妙な変化😟ユーモアと身を切る自虐💘夢と現実のもつれ🪞F=ディースカウ&エッシェンバッハ🤝シューマン:「詩人の恋」「リーダークライス」
シュライアーがシューベルトの「水車小屋」を十八番としているように、フィッシャー=ディースカウの十八番は、この「詩人の恋」といってよいだろう。彼は6種類のディスクを残しており、そのいずれもが名演で、それらを凌駕する他の演奏は見当たらないといっても過
♾️長年に渡って研鑽を積んだ合奏能力はきわめて高度🎚️細部に至るまで作品情報が掌握されたℹ️アルテミスSQのベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集❤️🔥
現代ドイツを代表するカルテット、アルテミス弦楽四重奏団が1998年に開始し、途中2人のメンバー・チェンジを経て2011年に完成させたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集。1989年にドイツのリューベックで結成されたアルテミス弦楽四重奏団は、アルバン・
👩🏻🎤レナータ・スコット会心のヴィオレッタ👛瑞々しい声の魅力と超高音でも自由自在にコントロールする歌唱表現が面目躍如🏆ヴォットー&スカラ座の『椿姫』💰
1963年の録音で、レナータ・スコットの歌唱表現が面目躍如の『ラ・トラヴィアータ』だ。筆者は幸い彼女の舞台を実際に観ることができた。またオペラ引退後もイタリアでのコンサートやリサイタルでも彼女の衰えない豊かな表現力を堪能することが歌手の1人である。
📰ブラームスの作品独自の重厚な音構造、和声感覚、ディテールの入念な動きをことごとく表出📔ジュリーニ&バイエルン放送響👞ブラームス:交響曲第1番🌚
独ヘンスラーのプロフィール・レーベルからリリースされているカルロ・マリア・ジュリーニがドイツのオーケストラに客演したラジオ放送用ライヴ録音シリーズのひとつ。1979年1月26日に収録された質の良いステレオ音源は、大手メーカーのセッション録音に引け
🪖ソヴィエトの軍事介入を受けながら💂🏻オーケストラを守り抜いて全盛期を築き上げた功績🦧ノイマン&チェコ・フィル🤝スメタナ:連作交響詩『わが祖国』
作曲家スメタナはこの連作交響詩『わが祖国』をチェコの首都プラハに捧げている。歴史的に外部からの度重なる苦難を強いられ、そして奇しくもこの曲が作曲された後の時代にも、更に国家的な危機を迎えなければならなかったチェコの民衆の愛国心を鼓舞し続けた、まさにチ
🎭イタリア・オペラの発展的上演に精力的に取り組んできたムーティのヴェルディ🧌ドラマに対する洞察力の鋭さ⚽音楽の高貴さや周到さ👼🏻EMIに集積された11曲のオペラ🙌🏻
現役の指揮者でイタリア・オペラの発展的上演に誰よりも精力的に取り組んできたのがリッカルド・ムーティであることは間違いない。アバドの後を継いでスカラ座の芸術監督に就任して以来、彼は過去の上演で歌手や指揮者達が恣意的に作り上げた、ストーリーと乖離した
若くして死地に赴かざるを得なかった薄幸のピアニスト😇リパッティ死の2か月前⚱️遺言🧬精神の音楽⚰️ブザンソン音楽祭における最後のリサイタル[SACD]💀
若くして不治の病でこの世を去らなければならなかった悲劇のピアニストであるディヌ・リパッティであるが、本盤に収められた演奏は、死の2か月前にブザンソンにおいて重い病をおして敢行した歴史的なコンサートの貴重な記録である。演奏はまさに凄いという他はない。
🫥現代でも屈指のヴィルトゥオーゾと呼べる資質と明晰な解釈🤯新たな切り口とゾクゾクさせる刺激を与えてくれる🆓唯一無二の個性を持つウゴルスキ🎹
旧ソ連出身のウゴルスキは、事情があって西側でのデビューが遅れた。だから新進ピアニストと思いがちだが、実際にはポリーニと同年(9か月の年少)で、2023年秋には81歳になる。腕達者なウゴルスキは、スケールの大きな演奏をやってのけたが、技巧を売り物にす
ブリテンの指揮者としての実力🧑🏻🎨抒情的な表現に優れた腕前🪞哲学的な内容を持つ高邁な舞台音楽🎭シューマン孤高の大作『ゲーテのファウストからの情景』🪶
シューマンはオペラこそ『ゲノフェーファ』一曲しか完成しなかったが、声楽と管弦楽が織りなす大規模な作品を三曲遺している。それが『ゲーテのファウストからの情景』、『楽園とペリ』及び 『マンフレッド』だが、いずれも全曲演奏されることは稀な曲だ。オペラ
🎶ホールで聴いているような明瞭で自然な奥行きのある音響🎙️ジュリーニ&バイエルン放送響🤝ハイドン:交響曲第94番『驚愕』/ラヴェル:『マ・メール・ロワ』組曲🥰
独ヘンスラーのプロフィール・レーベルはカルロ・マリア・ジュリーニが壮年期に手掛けた演奏を独自のリマスタリングで次々と復活させている。中でも彼がドイツで客演した放送用ライヴ音源はマスター・テープの保存状態も良く、1960年代以降の音源は総てがステレ
🧑💻技術的に完璧なセッションを残すことで🦻聴衆の前で演奏するライヴに賭けた潔い音楽家🎹気品を湛えた自然な表現🏞️リヒテルならではの味わい深いモーツァルト
フィリップスのライヴ音源から蒐集されたCD2枚分のモーツァルト作品集で、リヒテルはあるインタビューの中で語っているが、古典派の作曲家の中ではモーツァルトよりハイドンを好んで取り上げた。それはコンサートのプログラムに組み入れる曲目としてはハイドンの
スコットの身上である絶妙な心理表現💝バルビローリの晩年を特徴づける🎀美しい抒情性とスケールの雄大さ🪐温かく細やかな情緒の表出を満喫できる🎌プッチーニ:蝶々夫人
イギリスの名指揮者バルビローリは、マーラー、シベリウス、ブラームスの交響曲やイギリスの管弦楽曲の録音が有名だが、オペラにおいても名演を残している。パーセルの「ディドとエアネス」やヴェルディの「オテロ」と並んで、この「蝶々夫人」は、このユニークな名指揮
🥲ペーター・ダム独特のややメロウな響きによる🎶のびやかな歌の味わいが格別👑ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンモーツァルト:ホルン協奏曲集🎗️
2016年末に旧東独のドイツ・シャルプラッテン音源が50枚の高音質UHQCDシリーズとしてリイシューされた。その1枚がブロムシュテットがペーター・ダムをソロに迎え、気心の知れた自分の所属オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンのもとで録音したモ
🔆余人を寄せ付けないような風格、威容、格調の高さ🏙️至高の秀演揃い🏆クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管のシューマン:交響曲全集🛣️序曲集
クレンペラーがニュー・フィルハーモニア管弦楽団(厳密に言うと、第4番はフィルハーモニア管弦楽団)とともにスタジオ録音したシューマンの交響曲全集、序曲集はいずれも素晴らしい名演と評価したい。クレンペラーのシューマンにおけるアプローチは、悠揚迫らぬゆっ
🎶音楽の深さや大きさは忘れられていた👤"人間"の存在を音楽家たちに思い起こさせる🤔今なお色褪せることがない名演👍リヒターのバッハ:音楽の捧げもの☸️
1963年の録音にもかかわらず、いまだにこれを超えるディスクは出ていない。この曲の平凡な演奏は"寄せ集め"的印象を強めるが、この演奏は晩年のバッハが到達したポリフォニーの世界を一種の緊張感をもって再現している。ピリオド楽器による演奏が興隆する以前に
チッコリーニ🗣️「ほほえみで諷刺した喜劇作家モリエールがそうだったように😤サティとその音楽もまたモラリストなのだ」👻サティ:ピアノ作品全集🍵
日本でのサティ・ブームは1980年代ごろから爆発的におこったが、チッコリーニは、1960年代の前半に、すでにサティの作品全集の第1弾を手がけていた。つまりチッコリーニは、いわゆるサティ・ブーム以前からサティ演奏をしている、年季の入った筋金入りだ。
いぶし銀のような美🌌夢想のなかにあるウィーンの雰囲気が現実にℹ️ウラッハ&ウィーン・コンツェルトハウスSQ🫥モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲🕯️
ウィーンの名手ウラッハの至芸を伝えるだけでなく、録音から半世紀以上を経てなお当2曲のベストともされる不滅の名盤。録音はいささか古くなったが、往年のウィーンのスタイルの美質が集約されており、ウラッハ畢生の傑作とも言える演奏。モノーラルなので音はあまり
🧚🏻パガニーニ国際コンクールで第1位に入賞🏆その栄誉をたたえられた🧑🏻🎨アッカルドのパガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番「ラ・カンパネッラ」🎻
賭博に明け暮れ、無一文になったパガニーニは、ある商人からヴァイオリンを借りて演奏会の舞台に立った。コンサートは大成功、熱狂した聴衆を見て商人は言った。「どうぞ、このガルネリをあなたのものとして、いつまでもお使いください。ただし、あなた以外の誰の手にも
🏞️自然としか思えない人工美で🖼️ナイーヴとしか思えない凝った情感が歌われる稀有な世界🧑🎤絶頂期のシュライアー&シェトラー🧑🤝🧑シューマン:歌曲集
ペーター・シュライアーは、1969年にはリート歌手としての実績が高く評価されて「ロベルト・シューマン賞」を受賞した。その3年後にノーマン・シェトラーとエテルナ・レーベルで録音した「詩人の恋」と「リーダークライス(Op.24)」のLPが、まずドイツ・グラモフォン
🕯️モーツァルト没後200年記念企画🍃伝統的なモーツァルト像と新しいモーツァルト像との見事な融合を成し遂げた🧚🏻レヴァインとウィーン・フィルによる交響曲全集💯
モーツァルト没後200年記念として企画されたレヴァインとウィーン・フィルによる交響曲全集は、極めて高い評価を得た。レヴァインはオーケストラの個性や特質を十全に引き出して、豊かな情感を湛えた造形美に溢れる演奏を繰り広げている。オーケストラの伝統的
✝️「私にとって、モーツァルトはイエスの次にくる人だ」♾️「本当に満足できる録音」🌕グルダ&アバドのモーツァルト:ピアノ協奏曲第20、21、25、27番💯
ウィーン出身のグルダは演奏活動の初期からモーツァルトの作品を録音しているが、その数はあまり多くない。「私にとって、モーツァルトはイエスの次にくる人だ」というだけに、グルダはモーツァルトの演奏にはとくに慎重だからである。そのグルダが「本当に満足できる
🪆ニコラーエワのショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ🎼作曲者が彼女に相談しつつ書いた曲だけに㊙️まるで自分自身の音楽のように弾いた決定盤🙌🏻
ニコラーエワの同曲集3回目の録音で、決定盤といってよい名盤。20世紀に生まれた重要なピアノ曲の正統的な名演として、長く声価を失わないアルバムだ。この作品はショスタコーヴィチがニコラーエワのために作曲し、彼女が初演したものだけに、作品の解釈と演奏の歴
充実した響きで表情に輝きを与え🌟左手の細かな表情も魅力的🪬豊かなエネルギーと結びついて闊達な演奏を展開💖グールドのベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集🎹
一際ユニークな全集だ。第1番は非常な名演で、第1楽章の速いテンポと小気味良いリズムは、天才的な即興の閃きを示す強弱や小味な弱音効果の多用とともに、あたかもモーツァルトのような自在感をもって自然に流動してゆく。ゴルシュマンの指揮も生命力に満ちた素晴ら
神々しいまでの崇高さ⛩️朝比奈としても死の7か月前に漸く到達した至高・至純の境地🌓老巨匠の白鳥の歌🦢ブルックナー:交響曲第7番(2001年録音)⚰️
朝比奈隆はブルックナーの「第7」を数多く演奏してきたが、東京都交響楽団との演奏は、この約10日前に大阪フィルと演奏したものに続き、生涯最後の「第7」ということになる。もっとも、朝比奈の手兵は大阪フィルであるが、オーケストラの技量は東京都交響楽団が明ら
🏛️1969年シャンゼリゼ劇場に於けるライヴ録音⏺️ヨッフム&フランス国立放送管弦楽団🙌🏻ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(ケンプ)🔆ブルックナー:交響曲第5番
1969年シャンゼリゼ劇場でのライヴ録音で、いずれの楽曲も至高の名演と高く評価したい。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は、ケンプが74歳の時のものであり、テクニックに関してはやや衰えているが、演奏の持つ味わい深さにおいては、本演奏がダントツであると
🏛️パリ万博の折(1937年)シャンゼリゼ劇場で行われた🎁ワルター&ウィーン・フィルによる演奏旅行の歴史的ライヴ🛳️モーツァルト:レクイエム🥈
1937年、パリ万博の折、シャンゼリゼ劇場で行われたワルター&ウィーン・フィルによる演奏旅行の歴史的ライヴで、当時テスト盤まで作られたのに技術的に気に入らない点があり、ワルターが発売を許可しなかったという曰くつきのレコードである(初出は1986年)。
📰線的に構成された音楽という以上に🎇性格的な暖かさが伝わってくるロマン派的な解釈🌊シチェルバコフのショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ🪔
1983年の第1回ラフマニノフ国際コンクールで優勝歴を持つロシアのピアニスト、シチェルバコフ(Konstantin Scherbakov 1963-)によるショスタコーヴィチ(Dmitrii Shostakovich 1906-1975)の24の前奏曲とフーガ全曲(1999年の録音)。この曲集にはニコラーエワ(Tatiana
㊗️ザルツブルク・フェスティヴァル👨🏻🎨巨匠フルトヴェングラー自らピアノを弾きながら助言🧐演奏活動の重要な課題とした♉イタリアSQのベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集
イタリアSQは、ここで新しいベートーヴェン像を描き出そうとしており、全曲を通じておおらかなリリシズムが支配する明るく流麗な表現と息の合った絶妙なアンサンブルが特徴だ。4人の奏者の音楽性には見事な均一性が保たれ、しなやかな弦の味わいが終始貫かれてい
1981年9月20日😇急逝した巨匠カール・ベーム追悼コンサート😔オイゲン・ヨッフム&ウィーン・フィル 🎓(ベームが得意としたレパートリー)を完全収録🔯
1981年9月20日、ザルツブルク音楽祭の開催中に亡くなったベームの追悼コンサートで、ウィーン・フィル・ムジークフェラインザールの伝説的な記録の一つ。ヨッフムが担った9月最初の定期公演は追悼公演となり、ほぼ全容を2枚にまとめたものになる。この最初の定期公演
🌓ゆとりをもってモーツァルトにアプローチ🎫余分なものを付け加えずにエッセンスを取り出してみせた👍🏻バレンボイムのピアノ・ソナタ&変奏曲全集🌛
バレンボイムのモーツァルトというと、20代のころに録音した、ピアノ協奏曲の全曲録音が有名だが、それ以降、久々に録音したのが、1984年から85年にかけておこなわれたピアノ・ソナタ全集である。指揮者としても伴奏者としても、幅広い音楽ジャンルに挑んでいる
自然体のアプローチ🎌我が国でも敬愛された🫡ウィーン・フィルの名コンマス👍🏻1992年に不慮の事故のために52歳で急逝した😔ヘッツェルの最初で最後のソロ・アルバム🎻
1992年に山岳事故のために52歳で急逝したウィーン・フィルのコンサートマスター、ゲアハルト・ヘッツェルの最初で最後のソロ・アルバム。同フィルの来日公演でも要となって活躍し、わが国でも敬愛されたこのヴァイオリニストの今となっては貴重な形見だ。しかし
✨切れば血が噴き出てくるような強靭な生命力🩸とても83歳の老巨匠とは思えないほどの圧倒的な迫力🌟ベーム&ウィーン・フィル1977年来日公演ライヴ🗾
本盤には、ベームが1977年に3度目の来日を果たした際のライヴ録音を収めており、楽曲は、モーツァルトの交響曲第29番、ブラームスの交響曲第2番、R・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」など、ベームのお得意のレパートリーで占められているのが特徴である。
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2012年2月に鬼籍に入ったモーリス・アンドレのEMIへのセッションをまとめた13枚組のボックス・セット。彼の没後ユニヴァーサルからも6枚組の追悼盤が逸早くリリースされたが、そちらのほうは曲目の殆んどがバロック音楽に絞られている。それに対してこ
ジャン・マルティノンは60代になってから精力的にフランス物の録音に取り組んだ。それらはベルリオーズ、ラヴェル、ドビュッシー、オネゲル、デュカスなど枚挙に暇がないくらいだが、このサン=サーンス交響曲全集も同時期、つまり1970年代のセッションでそれら総て
チェコ・スプラフォンが順次リリースしているドヴォルザーク作品集シリーズの第5巻目にあたり、今回は既刊の9曲の交響曲を除いたその他のオーケストラル・ワークと彼の協奏曲全4曲を収めた興味深いものだ。このシリーズの特徴は総ての曲目をチェコ勢で固めた、良
チェコ・スプラフォンが2012年にデジタル・リマスタリングのリニューアル盤として復活させたのが、この8枚組のオーケストラル・ワーク集だ。録音データの内訳を見ると『交響的変奏曲』が1968年、9曲の交響曲が71年から73年、4曲の交響詩が77年、3
日本でもおなじみの名匠ブロムシュテットと400年を越える伝統を誇るシュターツカペレ・ドレスデンという燻し銀コンビによる美しく香り高い名演。ブロムシュテットはかつての手兵シュターツカペレ・ドレスデンとモーツァルトの最後を飾る4曲の交響曲を録音した。
ワーナーでは2017年フルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集のバジェット・ボックスをリリースして、それまで決してリーズナブルとは言えなかったEMI音源の個別売りやセット物がひとつに纏められた。これはその第2集に当たり、ブラームスの4曲の交響曲
R.シュトラウスの交響詩集は密接に文学やそのストーリーに結び付けた音楽と言うより、文学作品から受けたイメージを洗練されたオーケストレーションによって発展させ、結果的にはタイトルの如何に拘らず、独自の音楽的なインスピレーションとアイデアを披露する場にな
中世ドイツの研究では第一人者だった阿部謹也氏によるドイツ史の専門的な俯瞰で、ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する、通史とは一味も二味も異なった魅力を持った一冊。この作品を読んでいると現在のドイツ的国民性や彼らの思考回路を
デイヴィッド・ジンマンとチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団がアルテ・ノヴァとRCAレーベルでこれまでに制作した全録音を収録したCD50枚組ボックス。デイヴィッド・ジンマンは1936年ニューヨークに生まれ、オバーリン音楽院他で学び、モントゥーのアシス
この2枚組のUHQCDにはジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団によるドビュッシーのオーケストラル・ワーク集が収録されていて、それらは現在に至るまでSACD化を含む再販を繰り返している名盤の誉れの高いものだ。それは丁度クリュイタンスがラヴェル
このディスクにはヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』及び『ドン・ファン』の2曲が収録されている。どちらも1987年にドレスデン、ルカ教会でのPCMディジタル録
先ず廃盤になって久しかったこのCDの廉価盤化での復活を歓迎したい。ヨゼフ・スークが60歳を迎えた1990年のセッションで、ピアノ伴奏はヨゼフ・ハーラ。彼らはこのほかにも幾つかのアンコール・ピースを録音していて、そちらの復刻も望まれるが、何と言っ
本書は2001年に出版された単行本の文庫版で、ルネサンス、マニエリズム、ロココそしてバロックという美術史の流れを通して、バロック芸術の占める位置関係を明らかにしながら数多くの作品例を引用してその特徴や傾向、並びに意義が読み解かれていく。パリのポンピド
このセットはアルトゥス・レーベルから同時にリリースされたカレル・アンチェルのコンセルトヘボウ管弦楽団への一連の客演シリーズの第2集で、以前のターラ音源をリマスタリングした都合3枚のCDの完結編だが、最後のハイドンの交響曲第104番のみはオランダ放送フィ
これは、チェコの名手ヨゼフ・スークが、ピアノのヤン・パネンカ、チェロのヨゼフ・フッフロとともに1976年に来日した時に録音されたもので、スーク・トリオにとって2度目の録音になる。彼ら3人の充実ぶりが如実に示され、3つの楽器が伯仲した力量で、実に白熱し
クルト・ザンデルリンクは1960年にベルリン交響楽団の首席指揮者としてドイツ帰国を果たして以来、ヨーロッパの楽壇でもその実力が認められるようになった。ナチスの迫害を避けるための亡命だったが、25年に及ぶソヴィエト滞在はショスタコーヴィチとの交流やムラヴィン
1969年と翌70年にカレル・アンチェルがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に客演した時の音源の第1集になり、同時に残りの2枚分の第2集もリリースされた。これらは初出音源ではなく、既に全曲とも仏ターラ・レーベルから出ていたものだが、日本のアルトゥス
ショスタコーヴィチは若い頃からクラシック以外のジャンル、ポピュラー・ミュージックやジャズにも造詣が深く、習作とは言えないほどのかなりの数の本格的な作品を書いているし、また映画音楽にも取り組んでそのオールマイティーな才能を発揮した。それらは彼の後の
ルネサンスと言えば日本では文芸復興と訳されて、フィレンツェ、メディチ家が私財を投じて設立したアカデミアでの当時の最高の知識人達による古典を基礎とした学術の探求に象徴されているが、温故知新に則った忘れ去られた過去の優れた文化の模索は既に12世紀には芽生
シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』にリヒテルのような巨匠が加わることは稀だが、若い頃からアンサンブルに積極的に参加していた彼だけに、ここでも超一級の協調性をみせた力強く隙のない合奏が特徴だ。ライヴならではの緊迫感がすこぶる快く、聴き手の関心の中心に
薫り高いドイツ音楽の王道をバックボーンにもつ名匠ブロムシュテットと名門シュターツカペレ・ドレスデンによる名盤の誉れ高いディスク。モーツァルト後期の傑作交響曲のカップリングであるが、いずれも素晴らしい名演だ。ブロムシュテットによる本演奏に、何か特別な
本盤には、フィンランドの歴史的な名指揮者ロベルト・カヤヌスのシベリウス録音が収められているが、カヤヌスこそは、シベリウス作品を全世界に広めたパイオニア的存在である。いま改めて聴いてみると、いまさらのようにカヤヌスの偉大な芸術に感嘆させられてしまう。
1970年代半ばのカラヤンは、耽美的表現が完成した時期であり、カラヤンの切れ味鋭い棒の魔術をたっぷりと堪能できる。演奏は文句のつけようがないほど素晴らしく、カラヤンはチャイコフスキーを十八番にして、得意中の得意としていたが、豪壮華麗な演奏で、チャイコ
2013年にヴェルディとワーグナーという、どちらも劇音楽の大家でありながら一方は人間の喜怒哀楽を、そして他方は神々の世界を執拗に描いた音楽史上対照的な2人の作曲家の生誕200周年記念を迎えたことで、既に複数のレーベルからオペラ全集を始めとするセット物が
アバドお気に入りのルツェルン祝祭管弦楽団やモーツァルト管弦楽団のメンバーも兼任するソリストたちとの愉悦に満ちた、現代最高と評されるモーツァルト演奏である。本盤に収められたアバド&モーツァルト管弦楽団のメンバーによるクラリネット協奏曲、ファゴット協奏曲
このCDの音源はリヒテル・アメリカ・デビュー盤のひとつとしてLP時代から評価の高いものだった。過去にはラインスドルフ&シカゴ響とリヒテルの爆演のように言われたこともあるが、良く聴いてみるとシカゴ響はラインスドルフによって非常に良くコントロールされてい
ダヴィッド・フレーはこれまで既に2枚のアルバムでシューベルトの作品集をリリースしている。彼が最初に手がけたのがカナダのアトマ・レーベルから出た『さすらい人幻想曲』で、リストのロ短調ソナタとのカップリングだったが、それはどちらかというと彼のヴィルトゥオ
古今東西の名指揮者の中で、誰が最もモーツァルティアンかときかれた時、筆者はためらわずに最初にカラヤンに指を屈するであろう。特に1960年代以降の円熟したカラヤンに。1つにはカラヤンの天性が、モーツァルトの“歌”を歌うことができることである。指揮者
本盤に収められたドヴォルザークの交響曲第8番及び第9番「新世界より」は、クーベリック&ベルリン・フィルのコンビによる交響曲全集からの抜粋である。クーベリックは、ドヴォルザークの交響曲、とりわけ「第8」及び「第9」については何度も録音しているが、その中
当時のFM東京の音源は2002年に初出の際、レギュラー・フォーマットのCD2枚組でリリースされた。これは本当に凄いバッハで、初めて聴いた時、筆者はシェリングの傑出した表現力とそれを支える万全なテクニック、そしてその鮮烈な音質に驚いたものだが、その後リ
洗練を極めたジュリー二の『ドン・ジョヴァンニ』である。バス歌手によって歌われたタイトル・ロールとしては1954年のフルトヴェングラー、シエピによるザルツブルク・ライヴが個人的には圧倒的な名演として思い出される。一方バリトンが歌ったものではこの195
ブロムシュテット初のブルックナー録音で、シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を務めていた時期(1975~85年)に残された最良の演奏のひとつ。同じコンビによる「第4」も極上の名演であったが、本盤もそれに優るとも劣らない出来を誇っている。「第7」
本盤には、ビゼーが作曲した南フランスの牧歌的な風景の中で繰り広げられる劇音楽から編纂した馴染み深いメロディが次々に登場する「アルルの女」組曲と情熱的なスペイン情緒を背景にした歌劇の名旋律を独立したオーケストラに再編した「カルメン」組曲などが収められてい
オトマール・スウィトナーは長くNHK交響楽団を指揮をしていたので日本になじみが深かった指揮者である。この5枚組CDでは、スウィトナーが最も得意としてきたモーツァルトのオペラ演奏の最良の録音を聴くことができる。スウィトナーは当然ながら自国の作曲家モー
2013年2月17&21日、ロンドン、バービカンセンターに於けるライヴ録音。2011年にリリースされた交響曲第4番「ロマンティック」が、近年の充実ぶりを示す演奏内容との高評価を得ていたハイティンク&ロンドン交響楽団が、今度はブルックナーの交響曲第9番
2013年亡くなったコーラスの権威、エリック・エリクソンへの追悼としてワーナーからリリースされた6枚組のバジェット・ボックスで、まさに合唱の最高峰、エリクソン畢生の名演がここに蘇った。CD1-3が『5世紀に亘るヨーロッパの合唱音楽』そしてCD4-6が
R.シュトラウスの楽曲というと、筆者としてはどうしてもカラヤンの呪縛から逃れられないが、カラヤンの演奏だけが正解ではないはずで、別のアプローチの仕方もあってしかるべきである。カラヤンとは正反対のオーソドックスなアプローチで、R.シュトラウスの名演を成し
シューベルトの抒情的特質が最も純粋な形で発揮されたD.899、シューマンが曲集全体をひとつのソナタとみなしたこともあるD.935。霊感溢れる楽想が凝縮した即興曲集は、シューベルトのピアノ曲のなかでも最も人気の高い清冽な詩情と孤独な心情を美しく謳い上げた
最近プラガ・ディジタルスからリリースされたSACDの1枚で、若き日のフリードリヒ・グルダが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲第9番変ホ長調『ジュノーム』、ウェーバーのピアノ小協奏曲へ短調及びR.シュトラウスの『ブルレスケ』の3曲が収録されている。モーツァル
ここに収められたCD26枚のバッハの教会カンタータ集は以前アルヒーフから同内容でリリースされ、既に法外なプレミアム価格で扱われているもので、ユニヴァーサル・イタリーによる全歌詞付126ページのブックレットを伴ったバジェット盤企画の快挙を評価したい。尚