昨日、彼女と別れた 31

時刻はすでに8時をまわっていた結局一睡もできなかった俺は、ベッドを抜け出しソファーに座った珈琲を沸かし、できあがるの待ちつつタバコに火をつけた「今日は6日か・・・」3日に彼女の部屋に来てから、3度目の朝だった珈琲を飲みながら、一人また考え始

昨日、彼女と別れた 30

彼女はいつしか眠りに落ちていった時刻は2時半室内には、彼女がたてる荒い呼吸の音だけがしている俺は珈琲を沸かし、それを飲みながらいろいろなことを考えていたなぜ美和が出てきたのだろう？美和が出たのは、素直な気持ちを言いたかったからか？それとも、

昨日、彼女と別れた 29

それからの彼女は、ひどく混乱していた泣いてると思ったら急に笑い出したりそう、二つの人格が行ったりきたりしていたんだ「ねぇ、なおちゃん、私どうしちゃったんだろう・・・」のぞみが不安気につぶやいた「大丈夫、ワインと薬でちょっと酔ってるだけだよ」

昨日、彼女と別れた 28

凍り付いている俺に、あどけない微笑を浮かべたまた美和は優しく囁いた「でもねぇ、美和はなおちゃんが必要だよ。なおちゃんがいないと生きていけないし」美和・・・お前はのぞみの「本質」なのか？なら、俺はいない方がいいのか？いてあげるべきなのか？見え

昨日、彼女と別れた 27

俺は、思い切って美和に言った「ねぇ？のぞみは今、何してるの？」「のぞみちゃんはねぇ、今は寝てる。疲れたんだって〜」「そっか。ねぇ？のぞみ、起こしてくれないかな？」「あ〜、やっぱなおちゃんは、のぞみちゃんが好きなんだ〜」「いや、違うよ、ちょっ

昨日、彼女と別れた 26

美和は、真っ直ぐな愛情を俺に示していた俺の膝の上に座り、俺の首に手を回し俺の顔に頬ずりして、俺の顔をじっと見つめると何度も何度もキスをしてきたでも・・・いつもの美和とはちょっと違う気がする・・・美和は、正真正銘のMだいつもは俺を、まるでご主

昨日、彼女と別れた 25

美和はずっと、楽しそうに話をしている俺をどれだけ好きかこの2ヶ月どれだけ俺に逢いたかったかそんなことをねワインを飲みながら、俺の目をじっと見つめ愛らしい表情で、いつまでも話していた「のぞみちゃんに言われてたの『美和が出ると、なおちゃんに無理

昨日、彼女と別れた 24

ちょっと憂いを含んだ大きな二重の瞳で俺を見ながらいたずらっ子のように笑ってる、美和2ヶ月ぶりに見る美和はのぞみとは違い、何の迷いやためらいを感じさせない表情で楽しそうに俺を見つめていた「やっとなおちゃんに逢えた〜。美和、寂しかったんだからね

昨日、彼女と別れた 23

時刻は真夜中の1時をまわっていたいつものようにコンビニで飲み物を買い込み、俺たちは手をつないで道玄坂のホテル街を歩き回っていた愛し合うようになってから、もう何度目の夜の渋谷だろう？今日は彼女のリクエストで、シェイプアップ・マシーンがある部屋

昨日、彼女と別れた 22

俺たちは夜更けのファミレスで向かい合っていた彼女は「ちょっと待ってて」と言ってはトイレに消えてゆきつけまつげをつけたりエクステをつけたり戻ってくるたびにどんどん変身していきそれを見て驚いている俺の顔を見るのを喜んでいた俺も楽しかったが、下手

昨日、彼女と別れた 21

初詣を終えた俺たちは、また昨日と同じ商店街へ向かったんだぎこちなくつないだ指、途切れがちの会話ちらりと横を盗み見ると、いつもと変わらぬぼーっとした笑みを浮かべている彼女がいる彼女が何を考えているのか・・・わからない俺はどうしたいのか・・・わ

昨日、彼女と別れた 20

5日、土曜日彼女の家を捜しあて、一緒に過ごすようになってから三日目の夕方答えの出ない会話にケリをつけ、俺達は外に出ることにした「この部屋からなおちゃんが出て行くのは悲しい」そんな彼女の気持ちもあり、また昨日のように買い物をしてさ街中で別れる

昨日、彼女と別れた 19

翌日俺は12時に目覚めた例によって彼女はまだ眠っている今日は5日、元旦から3日まで彼女なりに相当の心労が重なっていたのだろう俺と一緒に眠る一昨日からは、彼女は本当によく眠っているそういえば今までも、俺と電話しながら途中でよく眠っちゃったっけ

昨日、彼女と別れた （回想録2）

そうやって週2〜3回くらいづつ逢っていた俺たちに事態は急激な変化をもたらした彼女には7年来付き合っている、一応「彼氏」と呼べる人がいるんだその彼が・・・12月中旬、彼女にプロポーズした「そろそろ籍入れようか？」・・・とその晩、俺たちは悲しみ

昨日、彼女と別れた （回想録1）

朝の木漏れ日を浴びながら、彼女は眠ってしまった朝7時、俺は彼女の横で珈琲を飲みながら、今までのことを思い出していた・・・俺たちが出会ったのは、去年の9月、あるサイトでだった互いの書く文章に惹かれあい、いつしかメッセのやりとりを始めさらに相手

昨日、彼女と別れた 18

時刻は明け方の4時になろうとしていたお風呂から出た彼女は、俺のためにご飯を作ってくれた「はい、肉男のなおちゃん用に、しょうが焼きだよ〜」「おっ、嬉しい、ありがと」俺たちはベッドに差し向かいに座り、彼女が作ったご飯を食べた「うわ、マジうまい！

昨日、彼女と別れた 17

買い物の最後は、アクセサリーの店だったここでも彼女はたくさんのアクセサリーにおおはしゃぎできょろきょろと店内を見回し、気に入ったものを俺につけて見せて可愛い顔で笑っていた俺は彼女に、ネックレスを買ってあげた彼女はとても喜んでくれたんだそれか

昨日、彼女と別れた 16

俺たちは、手をつなぎながら商店街の中を歩き回ったまだ薬の抜けてない彼女はたまに足がふらついたがそのたび俺が抱きとめてあげて、支えるように並んで歩いた彼女は凄く幸せそうだったこの二日間の苦しみなど全てわすれたように次から次へと、俺の手を引っ張

昨日、彼女と別れた 15

俺は呆然と、彼女の顔を見ていたきょとんと俺を見ていた彼女が、あわてて言いなおした「ごめん、なおちゃん、ごめんね」「ううん、いいよ。まだ薬が抜けてないんだね？」「うん・・・。同居人いるから、この部屋には男の人入れてないの。 たくちゃんが前に来

昨日、彼女と別れた 14

それから、俺は彼女の横で少し眠った最初は並んで眠っていたが、少したつと彼女が俺に覆いかぶさってきたまた腕枕をしてあげて、髪を優しく撫でながら、いつしか俺も眠りに落ちた次に目を覚ました時、時計はすでに12時を過ぎていた彼女は相変わらず安らかな

昨日、彼女と別れた 13

ふと彼女が目を開けた「あ、なおちゃんだ〜」「そうだよ、俺だよ」「わ〜い、なおちゃんがいるぅ〜」「うん。ずっと一緒にいたんだよ」「そっか〜、よかった〜」寝ぼけまなこの彼女は、目をこすりながら大きく伸びをしたそれから、まだ事情を察せてないのか？

昨日、彼女と別れた 12

目覚めると、朝の光が柔らかに差し込んでいたどこからともなく、初詣に向かう人々の楽しげな声が聞こえてくる時計を見ると、9時を少しまわったところだった彼女は俺の肩に顔を乗せ、小さな寝息をたてている昨日薬を何錠飲んだかはわからないが、おそらく昼過

昨日、彼女と別れた 11

俺は眠れなかった・・・俺の左では、彼女が安らかな寝息をたてていた俺は天井を見つめ、一人考え込んでいた「彼女はどんな気持ちでいるんだろ？」「本当に別れる気だったのだろうか？」「なら、混乱してるとはいえ、なぜ『帰っちゃだめ』と言ったんだろう？」

昨日、彼女と別れた 10

薬を飲んだ彼女は、さらにテンションがあがっていったただ、暗い方向ではなく明るい方向だったので、まぁ安心はできた完全に幼児退行してしまい俺と同居人に甘えまくってきた慣れている同居人は軽くあしらっていたが、俺はかなり困惑し叱るに叱れず、ただ彼女

昨日、彼女と別れた 9

それから俺たちは、二人だけでいろいろな話をした彼女はまだ混乱しているようで、話が次々と変わり、何について話してるのかが理解できないことのほうが多かったただ、少しづつ顔に生気が戻り、表情も柔らかくなりつつあったそんなとき、同居人が帰ってきた俺

昨日、彼女と別れた 8

食後のコーヒーを飲み終えると、俺は立ち上がったそして、自分の中の思いを断ち切るように、強い口調で言った「じゃあのぞみ、帰るね」彼女は即答した「帰っちゃだめ」「だって、お前は俺を嫌いなんだろ？」「うん、嫌い」「なら、帰る」「だめ」「なんで？」

昨日、彼女と別れた 7

俺はただ、彼女の言うことをうなずきながら聞いていたこういう時は、彼女がすべて吐き出し終えるまで待つに限るそうしないと話が出来ないことは、今までの彼女との付き合いで理解していた1時間くらい？一気に話し終えた彼女は「なおちゃん、今日泊まっていく

昨日、彼女と別れた 6

それから俺たちは、彼女のベッドの上でいろいろな話をした俺は彼女の表情を読み取りながら、当たり障りないところから話をしていった「ねぇ？昨日はどのくらい飲んじゃったの？」「えっとねぇ〜、50錠くらいかなぁ〜」「そんなに飲んだの？」「うん、もっと

昨日、彼女と別れた 5

焦る気持ちを押さえ、ドアをゆっくりと開けたそこに立っていたのは、見るに耐えないくらいやつれた、愛する女だった「あ、なおちゃんだ〜、なおちゃんが来た〜」「・・・大丈夫か？」「なおちゃんだ〜、っていうか、なんでいるのぉ〜？」「心配で飛んできた。

昨日、彼女と別れた 4

18時になっても、俺は席を立てなかった躊躇していたんだ、自分のしてることに何本もタバコを吸い何度も頭を整理しでも、生きている顔を見たい一心で、俺は「弱気」にケリをつけ立ち上がろうとした、その時・・・ケータイに着信！「もしもし？」「・・・もし