言の葉(谷川俊太郎):ほんとうに病気にならないために主の御前で健康に気をつける。
お医者さまは病気をみつけるのが趣味ですというのも近ごろでは何故か病気になりたがっている人が多いからですどこも悪くなくてぴんぴんしてるのは鈍感みたいで恥ずかしいという銀行員に桃色と黄色と透明な薬をあげますひとつも病気がないというのも病気の一種だとお医者さまは分かりやすく説明してくれますお医者さま自身ももちろん病気です治らないように毎日湿布をしています(「朝のかたち」谷川俊太郎詩集Ⅱ角川文庫)☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★上記引用の詩は「お医者さま」というタイトルのわたしが大好きな詩の一つである。「現代人」というものにこれほど簡潔にユーモラスに警鐘を鳴らしている詩はあまりないと思う。この詩の中で特にわたしがこれは主よりの警告に使われたと思った一節は「近ごろでは何故か病気になりたがっている人が多いからです」で...言の葉(谷川俊太郎):ほんとうに病気にならないために主の御前で健康に気をつける。
2024/11/07 00:11