ミステリーやホラー系の創作小説を長編・短編織り交ぜて書いています。
現在「最後の殺人」を連載中!---鶴木が手にしたゲームソフトはヴァーチャルで”殺人”ができるものだった。仮想世界での”殺人”を繰り返すうち、次第に現実との境目が見えなくなっていく・・・---
執筆者多忙の為、しばらくの間更新ペースが落ちます。申し訳ないです。★★ 07/11/11 更新 [:NEW!:]【長編】「最後の殺人」ACT5と【短編】「なごり雪」をUPしました。------------------------------
阪急電車桂駅。 東口のエスカレーターを上りきると、早朝から営業をしているパン屋から焼きたてのパンの香りが漂い、朝食抜きの鶴木は毎朝ここで空腹を感じてしまう。時間があればと毎朝考えているが、毎朝家を出るのがギリギリになるため、いつも横目で眺
ショルダーバックからパスケースを取り出すと、ぼくは定期券を抜き取ると、改札機の投入孔に差し込んだ。定期券は吸い込まれるように消えてしまい、向こうの穴から吐き出される。 いつもの変わらない風景・・・ 毎朝、毎朝変わりなく繰り返される。週に
京都駅の新幹線のホームは、最終の博多行きの到着を待つ人が寒そうに立ち尽くしていた。 ぼくは、外国たばこの看板のついた灰皿の前に立ち、何本目かの吸い終わった煙草を、灰皿に投げ込んだ。完全に消え切っていない煙草が、紫色の煙を上げる。 その煙は
【 1 】 バスが銀閣寺道のバス停に止まると、ぼくは降車口のステップを転がり落ちるように駆け降りた。 ぼくの乗っていた満員のバスに、河原町丸太町の辺りで乗車してきた肉付きのいい中年女性が、その体格にものをいわせて、わずかな空間に分け入ってき
《 GAME OVER 》 鶴木は、画面で千枚通しを手に呆然と立ち尽くす「ぼく」とそれを指差すOL風の女性の静止画像を見ていた。 「何で、急に終わってしまったんだ」 鶴木は、画面上の「ぼく」同様、呆然と画面を眺めていた。 《 ゲームを再
鶴木はインスタントの焼きそばを左手に、右手には冷蔵庫から取り出した缶ビールを持ちパソコンデスクまで戻った。 画面は、黒い背景に赤い文字で「LAST MURDER」というタイトルに戻っていた。 缶ビールを机の上の僅かな隙間に置くと、画面上の
【 1 】 夏の照りつけるような陽射しが、車の窓越しに井口紀行の右腕に照りつけていた。 「このエアコン、ホンマ効きが悪いな・・・・」 別にエアコンに当り散らしても、涼しくなるわけではないのだが、そうでもしたくなるような天候であった。七月
鶴木は、パッケ−ジのビニ−ルを破るようにして剥がすと、右手でビニ−ルを丸めて、部屋の隅に置いてあるゴミ箱に向かって投げつけた。彼の投じた一球は、ゴミ箱の縁に当たると上に向かってはね、そのままゆっくりと回転しながらゴミ箱の十センチ手前に落ち
『誰にでも、殺したい奴の一人や二人はいるだろう』 鶴木考太郎は、結局、金色の帯に赤字で書かれたそのキャッチコピ−につられて、そのゲ−ムを思わず買ってしまった。 正確に言うと、鶴木はそのゲ−ムソフトのことは数日前から知っていた。 たまたま知
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