平成19年1月22日に環境省から発表済みの、「産業廃棄物の排出及び処理状況(平成16年度分)」によると 日本で1年間に排出された産業廃棄物の量は、約4億トンでした。 産業廃棄物の排出量は、平成8年度をピークに減少し続けていましたが、平成15年度から急に増加に転じています。
また、見かけは廃棄物なのに、「廃棄物ではなく、製品だ」と、当事者が主張する場合があります。 廃棄物処理法は、廃棄物にしか適用されない法律ですので、そのものが「製品」であるならば、製品の所有者が自由に売買または処分することが可能になりますが、それは、その製品が本当に製品としての価値を持つ場合だけです。 製品か廃棄物かがわかりにくい場合には、そのものが、本当に製品として売買され、実際に原材…
次に、一般廃棄物と産業廃棄物の違いがわかりにくいものがありますので、なにが、一般廃棄物と産業廃棄物を分けているのかを理解しておく必要があります。 例えば、事業活動によって発生した「おから」は、産業廃棄物であるように思えますが、「食料品製造業」他の特定の業種から発生したおからは、産業廃棄物になりますが、飲食店から出たおからは、一般廃棄物になります。 一般廃棄物と産業廃棄物を区別する必要があ…
産業廃棄物の処理を委託、あるいは受託するとき、「これは不用な物だけど、果たして産業廃棄物になるのだろうか」と悩む場面がよくあります。 そのようなときに役立つ、「産業廃棄物とはなにか」という解釈基準を、基礎から具体的にご説明します。 まず、ガスなどの「気体」や、「放射性物質」は、不用物であっても、廃棄物にはなりません。これらのものは、最初から、廃棄物処理法の適用から除外され、特別な法律の…
「特別管理産業廃棄物」とは、爆発性、毒性、感染性などを有している産業廃棄物のことです。 「特別管理産業廃棄物」の具体的な種類と内容については、下記の表のとおりです。 表 特別管理産業廃棄物の具体的な種類 種 類
「産業廃棄物とはなにか」で見たように、自分が取り扱おうとする産業廃棄物の種類を正確に把握しておくことは非常に重要です。 そのためには、産業廃棄物の定義に対する理解が不可欠なのですが、その際に、はじめて産業廃棄物に接する人がつまずきやすいポイントがあります。 1 「産業廃棄物」=「事業活動によって生じた廃棄物…
「一般廃棄物とはなにか」で見たように、廃棄物処理法は、具体的に一般廃棄物を定義していません。 具体的には、「廃棄物」から「産業廃棄物」を取り去ったあとに残るものが「一般廃棄物」ということでした。 では、産業廃棄物とはどんなものでしょうか。 「産業廃棄物」は、全部で20種類あります。 「産業廃棄物」の全20種類のうち、「汚泥」と「廃プラスチック類」の2つは、あてはまる廃棄物の範囲…
北海道新聞の報道によると、北海道大学大学院工学研究科の研究グループが、全国の不法投棄の解決事例を収集し、それをデータベース化する作業に着手した模様です。 北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/54296.html これは、大変興味深い取組みだと思います。 なぜなら、現在、不法投棄対策の成功事例といったものが、社会にまったく流通して…
「一般廃棄物」とは、「産業廃棄物以外の廃棄物」のことです。 これは廃棄物処理法を理解するうえでの重要なポイントの一つです。 なぜなら、「産業廃棄物」の定義さえ理解できれば、「産業廃棄物ではない=一般廃棄物」と瞬時に判断できるようになるからです。 産業廃棄物の定義については後述しますが、産業廃棄物の種類はわずか20種類しかありません。 しかも、それぞれの種類は比較的外見から判別し…
廃棄物処理法は「5章、34条と附則」で構成されています。 廃棄物処理法は、一般廃棄物に関する規定を、産業廃棄物にもあてはめていることが多くなっています。 そのため、産業廃棄物に関する内容を知りたいときは、一般廃棄物と産業廃棄物の条文を両方見比べる必要があり、法律を学び始めた当初は条文の読解に苦労することがよくあります。 こういった場合には、予備知識なしにいきなり法律の条文に当たるよ…
廃棄物処理法とは、正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)」といいます。 廃棄物処理法の目的は、 ・廃棄物の排出抑制 ・廃棄物の適正な処理 ・生活環境を清潔にする ・生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る ことです。 近年、廃棄物処理法の改正が相次ぎ、廃棄物処理に関する規制が強化されてきました。 廃棄物処理法制定当初は、「生活環境の保全」と「公衆衛…
今度は、ごみの回収ステーションに他人が出したごみ袋を、自宅に持ち帰って何日も保管し続けている場合を考えてみます。 この場合でも、「ぬいぐるみ」のときと同様、「ごみ袋」は「廃棄物」ではなくなるのでしょうか? 常識的に考えると、「ごみ袋」は誰が見ても「ごみ袋」なので、「不要物」=「廃棄物」と言わざるを得ないでしょう。 以上2例の、「ぬいぐるみ」と「ごみ袋」の違いはなんでしょうか?
「不要物」を決定する基準を表現するため、具体例を使って考えてみます。 ある人が20年前から大切にしているぬいぐるみがあったとします。 20年の歳月を経て、そのぬいぐるみは薄汚れ、もはや持ち主以外は誰も触れたいとは思わなくなりました。 しかし、そのぬいぐるみの持ち主にとっては、大人になった現在でも大切な思い出の品のままです。 こういった場合、客観的に見るとそのぬいぐるみは「不要物…
「廃棄物」とは具体的にはどんなものなのでしょうか? 廃棄物処理法で定義する「廃棄物」とは、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物」のことです。 一般的な常識としては、「廃棄物」=「不要物」という理解で十分なのですが、産業廃棄物処理の実務に携わる場合は、もう一歩踏み込んだ内容の理解が必要です。 「廃棄物」=「不要物」であること…
初めまして 廃棄物法務コンサルタント・行政書士の尾上雅典です。 どうぞよろしくお願いします! このブログでは、難解と言われる「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の内容や、廃棄物を理解するのに必要な基礎的な知識を、わかりやすくご説明していきます。 無料メールマガジンを発行しておりますので、関心のある方はこちらの方も是非ご購読ください。 「よく分かる!!廃棄物問題」
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