偽ることなく 欺くことなく 傷つけることなく わたしのこころはそう語りかけるのに わたしはいうことをきかない
つぶやきは 幸福の呪文に決めている ひとりごとは 愛のコトバに決めている 泣きたいときはそう決めている
月は生まれてどこ行くの? ぼくは生まれてどこ行くの? 月は愛されてどうするの? ぼくは愛されてどうするの? ぼくは赤い目をして 月を仰ぎ見る
ぼくは東に夜明けを迎えに行って きみは西に沈む夕日を追いかけて それでもぼくたちは出会うよね ぼくが右に行くのを責めないで きみが左に向かうのを引きとめたりしないから だってぼくたちはめぐりあうからね ぼくたちは何度も何度もめぐりあい ぼくたちはくり返しくり返し旅立つんだね
天と地を隔てる地平線が 空と海を分かつ水平線が 北と南に横たわる赤道が 東と西に走る日付変更線がぼやけはじめて きみとぼくとのあいだに張りめぐらされた境界線は消えていく
待ちつつ゜け 待ちくたびれても 待ちつづけ 待つことに慣れても 信じつづけるむずかしさ
<br> 落ち葉が季節を語りかけるのは さみしい思いに埋もれた人ばかり 華やぎ色づき枯れていく そんな姿をさらしても 落ち葉は季節を語ります 季節はいつまでもとどまらないことを
わたしたちは 地に生まれ 水と遊び 風と戯れ 火と馴染む あの人は 地とともに生き 水ともに旅をして 風とともにさまよい 火とともに燃えつきる かの人は 地にあり 水にあり 風にあり 火にある
雲がひとつ 雲がふたつ ゆっくりと流れていく くっついては離れ 離れては抱きついて ゆっくりと流れていく 姿を変えて 形を変えて ゆっくりと流れていく ぼくのこころを映すように ゆっくりと流れていく
鈍いアタマに振りまわされて 狂おしくカラダをもてあます ピエロは夢中で踊りだす ピエロは化粧を落とさない ヒトの魔法に導かれ 聖女が妖しく腰を振る ピエロは悲しく笑います ピエロは本性をあらわさない
見えるものと見えないもの 聞こえるものと聞こえないもの ともにあるから それを感じながら そろそろ熱燗にしようとおもう 沈黙のなかの饒舌と 雄弁のなかのむなしさが ともにあるから 混乱しながら とりあえずビールにしようとおもう
人のこころはうつろいやすく ひとつところにとどまらない 人のこころはせわしなく とめどなくあふれる思いにせかされる 陽炎のようで 蜃気楼のようで 思いを放し飼いにするから 現実をつかむことができない 飼いならす方法を知りたい その最後のところを知りたい
日が暮れて 街の灯りがともるころ 家路をたどる人たちは 急ぎ足 みんな待ってるよ あなたの帰りを待ってるよ 魚屋のお兄さんも 八百屋のおばさんも お帰りなさいといってるよ みんな待ってるよ あなたの帰りを待ってるよ
ひらひらと枯葉が舞い落ちる 敷きつめられたひとひらひとひらが 誇らしげに色づいて 楽しそう まとわりつく落ち葉をを踏みしめながら やさしくて 温かな感触に 包まれる 今年もまた秋と遊ぶ
きのうは 今日がわからない あしたは 今日のことなど気にかけない 今日は今日を生きるしかないのです 今日は きのうをたくさんつくります 今日という日は あしたが次々となるのです 今日でじゅうぶんです 今日がすべてなのです
「ブログリーダー」を活用して、旅人さんをフォローしませんか?