幻桜

        満開の桜並木 目を閉じれば あの日と変わらぬ君が 笑っている  もう 何年経つのだろう さようならも言わず 突然風のように 僕の前から消えたひ…

冀望

          君と交わした    会話の全てを    一言も    漏らさないように    しまっておきたい    叫びたいほど    寂しい時や   …

悔悟

         真夜中の冷たいベッドの上で  どこか遠くから  僕を呼ぶ声に目覚めた  耳を澄ませても  時折聞こえるのは  微かな風音と  無機質な空調の…

心寄

         はなればなれで  寂しいけれど  想いはいつも  いっしょだよ  きみが笑顔になると   ぼくも笑顔になって   きみが涙ぐむと   ぼくも…

謹賀新年

        明けましておめでとうございます。旧年中は、拙い詩にも関わらず温かい応援をいただき、ありがとうございました。今年もマイペースですが、どうぞよろし…

クリスマスロード

       恋人たちの   笑顔が華やぐ   聖夜のクリスマスロード・・・     僕は人波を避けて   ひとりビルの谷間の夜空を仰ぐ     どんなにふり…

氷花

          瞳を閉じたまま   耳を塞いだまま   何も見えない   何も聞こえない   無音の空間に   ただ全てを委ね   微かに響く  君の鼓動…

僕の人魚

        ふれそうでふれない  君の指先を感じながら  無言で歩く黄昏の砂浜  「私ね～深い海の青が一番好き」  ひとり言みたいに君はつぶやくと  白い…

躊躇」

           紅葉の隙間から覗く 小さな青空を見上げながら  明日にはもう逢えない 君の繋いだ指先から 深い悲しみが溢れだす  強がって健気に振る舞う…

君の涙なら

     今にも消えそうな街灯の下で 声もなく背中で泣いている君を そっと無言で抱きしめた  なにも言わなくていいから 気のすむまで泣いたらいいよ  スコール…

誓い

           優しく髪を弄びながら   私の耳元で   時折呪文のように「好き」と囁く君   私は君が気にしている   目の下の小さなほくろを   い…

憶 う

         立ち上がれないほどの  気怠い喪失感が  崩れてゆく砂山のように  僕をゆっくり飲み込んでゆく    不器用な僕でも  あの日  君の心に響…

翳る

         風が誘うように暮れてゆく 短い秋の一日...   あなたのいない部屋は どこを見渡しても 精気のない絵画のように 夕陽に沈んでいる   明日…

灯

            日毎移り行く季節に逆らうように 僕の心はあの日のまま 一歩も進まず足踏みしてる  けだるい空気を振り払うように 窓を開け放し夜空を仰い…

僕が見る夢

           ほどけた靴ひもを結ぼうともせず 君は僕をふりきるように真っすぐ前を見つめ 乾いた街路樹を足早に歩いてゆく  たぶん今ならいつものように君…

いつの日か・・・

            ひたむきな君の愛が 少しだけ重たくて  逃げ腰だった僕の心を 見透かすように  ある日突然君は 僕の前からいなくなった  どんな言葉を…

愛の形（かたち）

           たまらないほど逢いたくて   真夜中電話をかけたのに   会えばなぜか   気の利いた言葉一つでてこない   君の笑顔は出会いのころと …

何度でも・・・

                   静寂をすり抜ける  夏の夜風のように   ふとした弾みで 記憶の欠片呼び覚ます   窓辺のベッドサイド・・・ 部屋のす…

祈り

          二人で描き合った未来の夢も 幾つもの思い出と共に かさねた愛の日々も  いまは胸の奥に沈んだまま 僕を捉えて離さないけれど ひとつだけ言わ…

今は・・・

           すぐにでも  塗りつぶしたい  白い絵の具で  あなたの  優しい笑顔と  片えくぼ・・・   あなたを消せない  胸の空洞  息をする…