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中野京子
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2007/08/25

  • 趣味をけなされるのは許しがたい?

    数年前にアップしたものの再録です。ラ・ロシュフコーの箴言集からいくつか。「我々の自尊心にとっては、自分の意見をこきおろされるよりも趣味をこきおろされるほうが、いちだんと苛立たしく我慢できない」---穏やかそうな中年教授が講師室で罵りあいはじめたのを見たことがあります。どうやら一方が相手の山歩きについて、あれはスポーツじゃない、と言ったのが原因のようでした。。。「運命は一切を転じてその寵児たちの利をはかる」---幸運の星の下に生まれた人は確かにいますね~「年寄りは、悪い手本を示すことができなくなった腹いせに、良い教訓を垂れたがる」---要するに「最近の若者は」と言うようになったら、年取った証拠。「愛し合わなくなった時に、愛し合ったことを恥ずかしく思わない人は、めったにいない」---昔の恋人に再会してはいけな...趣味をけなされるのは許しがたい?

  • 「中野京子の西洋奇譚」と「こころの玉手箱」

    新版『中野京子の西洋奇譚』(中公新書ラクレ)が発売となりました!これまで単行本はみんな3年後くらいに文庫化しましたが、単行本から新書という流れは初めての試みです。西洋奇譚の本はいろいろ出ていますが、わたしはできるだけ奇譚が生まれた当時の歴史的事情や、その後の歴史との不思議なつながりについても解説しました。年表も付けたのでご参考にしてください。ドイツの「ハーメルンの笛吹き男」から始まり、ソ連時代のロシアで起こった「ディアトロフ事件」まで、この世はなんと謎に満ち満ちていることでしょう。どうぞ楽しんでくださいね!また5回という短期連載ですが、日経新聞夕刊「こころの玉手箱」へも寄稿しています。昨日から始まりました。ネットでも読めますので、読んでいただけたら嬉しいです。https://www.nikkei.com/...「中野京子の西洋奇譚」と「こころの玉手箱」

  • 現代のイケメンとして蘇る偉人たち

    面白いユーチューブを見つけましたよ~タイトルは「約150年前のイケメン偉人を【今風イケメン】っぽくしてみた」というものです。文字どおり、古いモノクロ写真に少し色をつけ、ヘアスタイルを今風にして、笑顔へと加工してあります。すばらしい技術ですね♪そして皆さん、みごとに現代の凛々しい若者に変貌してゆきます。東郷平八郎はジャニーズみたいだし、池田長発はサッカーやってそう。坂本龍馬は。。。う~ん。。そして福沢諭吉など1万円札の顔しか思い浮かばなかったけれど、若いころはこんなにハンサムだったんだあ!などと驚いてみてくださいませ。↓https://www.youtube.com/watch?v=eVabShCIbsI☆ヤフーニュースで「画家とモデル」が取り上げられたのでお読みください♪タイトルは「“友人の処刑”を見せら...現代のイケメンとして蘇る偉人たち

  • 遊びに行きたい空港ベスト10

    日経新聞の土曜版には「何でもランキング」という面白い記事があります。3月18日は「遊びに行きたい楽しい空港」。空港に詳しい専門家たちによる投票です。1位羽田空港2位新千歳空港3位中部国際空港4位伊丹空港5位福岡空港6位成田国際空港7位下地島空港8位那覇空港9位関西国際空港10位富士山静岡空港私が使った空港は、羽田、新千歳、福岡、那覇空港だけでした。関西までならやっぱり新幹線のほうが楽だと思ってしまいますね。羽田空港には江戸の町を再現した「江戸小路」なるものがあるそうで、ちょっと面白そうです。でも羽田を使う場合、行きは朝早く、帰りは夕方以降なので、空港内を見て回る時間は全然ないんですよね~それに比べて新千歳は、到着後に友人と待ち合わせて食事したりと、わりとのんびりすることが多いです。そして帰りは北海道の美味...遊びに行きたい空港ベスト10

  • イケてたころの俺 ー 「恐竜図鑑」展

    「怖い絵」展のキャッチコピー「どうして。」を考えついた兵庫県立美術館の学芸員岡本さんが、またすごいコピーを作りました。「イケてたころの俺」これは5月まで兵庫県美で開催予定(夏には東京の上野の森美術館に来ます♪)の異色の展覧会「恐竜図鑑ー失われた想像・創造」展のチラシコピーなのです。コピーの大意は以下「ゴジラのモデルにもなり超かっこいい恐竜だったイグアノドンが、今やその頃とは似ても似つかぬ弱弱しい姿に変化しています。「イケてた頃の俺」にはそのイグアノドンのイメージの変遷の悲哀が込められています。さらには幼い頃に恐竜図鑑に熱狂し、華やかな青春時代を謳歌した若い頃の「イケてた俺」を懐かしむ中年おやじのノスタルジックな想いもひそかに込められています。」そして展覧会の概要は以下「化石の出ない異色の恐竜展、美術館で開...イケてたころの俺ー「恐竜図鑑」展

  • 「そんな顔してたんだあ!」ー夜目遠目傘の内

    某出版社の担当者さんがこんなことを言って笑っていた。部署の違う新人(2,3年前入社)のもとへ書類を持ってゆくとき、たまたまマスクを外していた。すると彼女から「え~OOさんて、そんな顔してたんだあ!」と言われ、「そんな顔って、どんな顔?」と憮然とした由。でも確かにマスク社会だと、人物認定はかなり難しくなる。私も先日編集者さんと喫茶店で待ち合わせたが、初顔合わせが去年でマスク姿だったので、はて、どんな顔だったかなと記憶があやふや。誰かが書いていたが、中、高校生活は3年間ずつなのでこの間びっしりマスク強制だったら、後年クラス会をしても誰が誰やらということになるのでは、まして赤ちゃんへの悪影響ははかりしれないと。ほんとにそうだ。人間は「目」の印象が強いと思われていたけれど、存外そうでもないこともマスク社会でわかっ...「そんな顔してたんだあ!」ー夜目遠目傘の内

  • 『画家とモデル』(新潮文庫)、解説は諏訪敦氏♪

    『画家とモデル』が文庫化されました。わたしにとっては初の新潮社文庫です。もう書店に並ぶころなので、どうぞお手に取ってくださいまし。これまで画家とそのモデルと言えば、男性画家が美しい女性をモデルにして恋に陥るというようなイメージで語られることが多かったですけれど、それは最小限にしました。むしろ男が描く男たちーー肖像画家として一世を風靡したサージェントが晩年に見出した「真のミューズ」、宗教改革に共鳴したクラナッハが作り上げたルターのイメージ、秘密を抱えたベラスケスがいっさいの美化なく描いた「宮廷の慰み者」たちなど。女が描く女たちーバイセクシャルのレンピッカが圧巻のボリュームで描いた娼婦、自らも母であるフォンターナが優しいまなざしでとらえた多毛症の少女、上流階級ゆえに中途半端に終わったモリゾが飽かず描き続けた愛...『画家とモデル』(新潮文庫)、解説は諏訪敦氏♪

  • どんでん返し映画ベスト10

    1967年製作白黒映画「殺しの分け前/ポイントブランク」をDVD視聴。傑作アクションの誉れが高いので、一度は見ておかねばと急に思い立ったのだ。ひどかった。なんじゃこりゃ。芸術めかしたアクション映画なのか。面白くな~い。というのが最初の感想。しかしところどころ、妙に目に焼き付く映像、そして耳に残ると音響があった(特に主人公が復讐する相手の家を目指して、リズミカルな靴音をたてて歩くシーン。これが長い。そしてその後の突発的アクション)。その晩、眠れなかった。何か見落としている感じなのだ。気になる絵を見たときと似た感覚だ。あれこれ考えて、ようやく気付いた。これはデヴィッド・リンチの「マルホランドドライヴ」系列ではないか、と。さっそく翌日もう一回、見直す。すると、ああ、そうだったのか、だからこんな動き、こんなセリフ...どんでん返し映画ベスト10

  • 脚気論争ー陸軍(森鴎外)VS 海軍(高木兼寛)

    連載が1つ終わったので、吉村昭『白い航跡』を集中して読めた。久々に長編の醍醐味を味わえて大満足。ご存じの方も多いと思うが、明治時代の陸軍対海軍の脚気論争が主軸だ。細菌説対栄養説の長年にわたるバトルの顛末。同時に高木兼寛という偉大な医学者の一生がつづられる。南極に彼の名にちなんだ高木岬というものがあり、欧米において高木兼寛は「脚気研究開発の第一人者」とされているのに、日本での知名度の低さのわけをこの本で知ることができる。明治時代、日本軍における最大の悩みは脚気だった。今でこそ根絶されているのでぴんとこないが、重篤化すると死に至る恐ろしい病で、特に兵士がよく罹かり、戦死者より脚気死者のほうが多いありさまだったから、原因究明は焦眉の急だった。イギリスで学位をとり、海軍医療部の最高責任者となった高木は、ヨーロッパ...脚気論争ー陸軍(森鴎外)VS海軍(高木兼寛)

  • 独ソ戦車戦-「T34 レジェンド・オブ・ウォー」

    ウクライナにドイツが戦車を供与することが決定され、これで勝利は決まったようなものと喜ぶ人がいる一方、戦車操縦の訓練は1年近くかかると楽観視を諫める論者がいる。私は後者の言うとおりだろうなあと思ったが、それは数年前にロシア映画『T34レジェンド・オブ・ウォー」を見ていたから。戦争映画で戦車隊員が主役になるのはそれまでほとんど見たことがなく(「戦国自衛隊」は見たけど)、なんとなく鉄壁の覆いに包まれて中の兵士は楽(?)なのかと思っていたら。。。戦車内部は息詰まる狭さ。弾丸を喰らうと、外側は損傷していなくとも中では音の衝撃波で、兵士は耳をやられ(飛行機の下降時に感じる耳鳴りを凄まじくしたようなものらしい)、苦痛に耐えねばならない。そのことを初めてリアルに感じさせられた。戦車同士の戦いともなれば、動きが鈍いだけに大...独ソ戦車戦-「T34レジェンド・オブ・ウォー」

  • ワンちゃんの腸捻転

    先日、某美術館関係者さんたちと会食でした。その時、一人の方が昨年起こった悲しい話をしてくれたのですが、それはーー家族の一員として長く暮らしていた愛犬(シェパードだったかな?)は、猫を見ると追いかけるのが癖で、ある時、庭で野良猫を見つけてさっそく追いかけて行ったそうです。すると猫はあっという間に高い塀を乗り越えて逃走。老犬も塀を駆け上がろうとしたけれども、もちろんできず、体をひねって倒れてしまう。でもその後もワンワンと吠えて元気そうだったので、飼い主も笑っていたというのです。でも翌日くらいから何となく元気がなく、その後食欲も激減し、息をするのも苦しそうなので、獣医のところへ連れていったそうです。猫との関係はその時点では全く考えていなかった由。すると診断は、急激に体を捻ったことによる腸捻転。もはや手は打てない...ワンちゃんの腸捻転

  • 朝日新聞「時代の栞」で「怖い絵」が取り上げられました♪

    朝日新聞夕刊の文化面「時代の栞」をご存じでしょうか。毎週水曜日に連載されている読みでたっぷりのコーナー(全5段抜き)です。主旨としては、「戦後から現代までに出版されたベストセラー本に焦点を当て、ベストセラーになった理由や時代背景、さらには現在とのつながりを考えてみるという企画。小説やエッセイ、専門書、漫画とジャンルは絞らず、これまで約200冊を取り上げてきた」とのこと。三島由紀夫『仮面の告白』、サン=テグジュベリ『星の王子様』、キース『アルジャーノンに花束を』、池田理代子『ベルサイユのばら』、五島勉『ノストラダムスの大予言』、吉村昭『三陸海岸大津波』など、錚々たる作品群です。そこに拙著『怖い絵』も加わらせていただきました♪小見出しは「美術鑑賞に新たな視点」「社会背景から謎解き人間に迫る」です。書籍の表紙や...朝日新聞「時代の栞」で「怖い絵」が取り上げられました♪

  • 「世界一受けたい授業」に出演しました

    先週14日(土)の日テレ「世界一受けたい授業」に久々に登場しました(「美貌のひと」の回以来かな)いつもながら、放映が終わってからのお知らせですみません。テレビを見る習慣がないので(そもそも学生時代もテレビは持たなかった)、放映日時を忘れてしまうんですよね。後でDVDが送られてくるので、いつもそれで見ます。我が家のテレビはもっぱら映画DVD用。収録は年末でした。ひどい風邪をひき、喉は痛いし具合は悪いし前日もTV収録で疲れていたし(こちらは東京MXの「なんて美だ」。たぶん今月末放映)、スタジオで倒れたら大変だと必死でした。頑張ったわたし。収録で一番可笑しかったのは、拙著『名画の中で働く人々』の表紙にも使ったイームズ画「ところで君が最後にお父さんと会ったのはいつだったの」で、スタジオでクイズが出されたのですが、...「世界一受けたい授業」に出演しました

  • 「災厄の絵画史」、紀伊国屋新宿店新書部門売り上げ8位に

    明けましておめでとうございます。今年こそ日本が正常な状態にもどりますように!美しいことがたくさん降り注ぎますように!!さて、先日の日経新聞読書欄に嬉しい報道が。東京紀伊国屋書店新宿本店の2022年12月26日~2023年1月1日調べでの新書売り上げベスト10の中に拙著『災厄の絵画史』が8位に入っていました。8は末広がりだし、こいつは春から縁起がいいやい(私の心の声)ちなみに順位はーー1位「未来の年表」2位「ウクライナ戦争」3位「バカと無知」4位「日本史を暴く」5位「世界インフレの謎」6位「死は存在しない」7位「ドーパミン中毒」8位☆「災厄の絵画史」8位「世界インフレと戦争」10位「スピノザ」10位「岸辺露伴は倒れない」https://businessbooks.jp/nikkei/sr/2023/m01/...「災厄の絵画史」、紀伊国屋新宿店新書部門売り上げ8位に

  • 来年2023年は良き年でありますよう!

    3年前から続く災厄の年が、さらに悪化しながら終わろうとしています。今年はいろんなことが明るみに出てきた年でしたね。とはいえパソコンを使う人とオールドメディアしか知らない人との情報の格差は恐るべきものがあり、地方住まいの同級生でテレビしか見ていない人の中には、東京の人はコロナを持ってくるから怖いと、いまだ本気で信じている人もいます。アメリカがらみでは不正のまかりとおる嫌なことばかりが続き、「1984」の世界が現実化しつつある恐怖に襲われます。そんな中、日経新聞「わたしの履歴書」は今、イタリアの著名指揮者リッカルド・ムーティが連載しており、音楽を愛し、音楽に生き、先人に敬意を払い、家庭を大切にする彼の生き方に心が洗われるようです。来年こそ良き年でありますよう!!美しいことが降り注ぎますよう!!!毎週火曜日更新...来年2023年は良き年でありますよう!

  • 「太平洋奇跡の作戦 キスカ」

    今年後半に観たDVD映画で一番面白かったのは『太平洋奇跡の作戦キスカ』(丸山誠也監督)。全く知らなかった史実で、この映画についても全然知らなかった。教えてくれたのは、某出版社さんとのランチで新しい部長さんが私と同じ三船敏郎ファン。三船映画をあれこれ語っているうち、「キスカ」を見なくちゃ!と言われ、そもそもキスカ島のことも知らなかった私(恥・・・)。さっそくその日のうちにアマゾンで入手して見ましたよ~こんなすごい撤退作戦を日本軍は完遂していたのだ!!こんな良い話をなんで今まで知らなかったのだろうと驚きに次ぐ驚きでした。さらにはこの話を小説化した「八月十五日に吹く風」(松岡圭祐)も読んで知識を補給。松岡氏によれば、アメリカ側の日本占領戦略を大きく変えたのはこのキスカ島作戦によるのだという。確かにそれまでの日本...「太平洋奇跡の作戦キスカ」

  • 老人より子供を大事に

    老人大国日本は老人に手厚く、子供は差別されている。コロナになって、子供受難の度合いはますますひどい。子供は老人の命のために、ワクチンを打たされる。免疫力の強い子供にはほとんど必要ないどころか、副作用の方がずっと怖い注射なのに。最近では児童公園ができたらうるさいからと、中止に追い込まれた市まであった。こういう例はずっと前から起こっている。確か、当ブログでも書いたなあと、見てみると2014年だった。以下、再録。↡最近、日本各地で幼稚園への苦情が入り、子どもたちが園庭で遊ぶ時間が減らされるところまで出ているとのニュースを読み、つくづく悲しくなった。昔、今よりもっとずっと子どもの数が多く、公園でも路地裏でもおおぜいが遊んで、にぎやかな声が響きわたっていたころ、誰も文句を言う人はいなかった。ところがそのころすでに少...老人より子供を大事に

  • 『災厄の絵画史』(日経プレミア新書)発売です♪

    まだちょっぴり早いですが、お知らせ。12月10日に『災厄の絵画史』(日経プレミア新書)が発売されます。この本のもとは、2020年の日経新聞文化欄への寄稿からです。コロナで世情が騒然としていた当時、「文明のあり方への根本的問いかけ」として始まったミニ・シリーズ第一回目でした(以降は社会学者や歴史学者の方々による寄稿が続きました)これを読んだ日経BP社の担当者さんから、似た形での日経新聞web版への連載を頼まれ、1年半近く連載したものです。災厄を予兆する北欧神話から始め、聖書時代の水害、中世のペスト、山火事、コレラ、梅毒、三十年戦争、スペイン風邪などなど、最後は第一次世界大戦までを、さまざまな絵画とともに語りました。つくづく思ったのは、これほどまでに生きることは災厄とともにあるのだなという驚きです。そして人間...『災厄の絵画史』(日経プレミア新書)発売です♪

  • 夢のお告げと味噌買い橋

    拙著「怖い橋の物語」(河出文庫)について、先日、あるweb雑誌からインタビューを受けました(公開されたら告知しますね!)その際には話題にのぼらなかったのですが、昨日、友人からシンクロの話を聞き、味噌買い橋のことを思い出しました。拙文から一部紹介しますね。こんな話です。ーー橋は、運命の逆転に遭遇する場でもある。日本昔話の「味噌買い橋」が、そのことを語ってくれる。乗鞍岳の沢上に、長吉という貧しい炭焼きが住んでいた。ある夜、夢枕に老人が立ち、「飛騨高山の味噌買い橋に行けば、耳寄りな話が聞ける」と告げられる。さっそく高山まで出かけ、味噌買い橋を行き交う人々に話しかけるが、何日たってもこれという良い話などなく、すっかり落胆してしまう。こうした長吉の様子を、橋のたもとの味噌屋の主人が不振に思い、何をしているのかと尋ね...夢のお告げと味噌買い橋

  • やっぱり「風神雷神図」

    書棚で探し物をしていると、5年前の月刊『アートコレクターズ』における特集「私が選ぶニッポンの宝」という特集に、寄稿した短文が出てきました。日本美術についてはほとんど語っていない私なので、ちょっと珍しいと思ってもらえるかなと思い、ここに再録いたしますね。↡「中野京子が選ぶニッポンの宝ーー俵屋宗達『風神雷神図屛風」この俵屋宗達作品は国宝に指定済みの「ニッポンの宝」そのものなので、今さら「選ぶ」も何もないものだとは思いつつ、無条件に好きな絵なので挙げるしかない。暴風というもの、雷鳴というものをこのように具象化し、「これ以外に風神雷神の姿なし」と万人に有無を言わせず納得させる力技には惚れ惚れする。画面の両端をはみ出した風と雷は、荒ぶる神として怖くもあり、腕白小僧のようでユーモラスでもある。ダイナミックな躍動感、そ...やっぱり「風神雷神図」

  • 正露丸、恐るべし!

    前回、日本人傭兵の漫画について書きました。今日はその続き。ジャングルで生水しか手に入らず困っていた高部さんは、元日本兵からこういうことを聞きます。水筒の中に正露丸を4,5粒入れておきなさい、歩いているうちに中で水が揺れて正露丸も溶け、飲めるようになります、と。半信半疑で言われるとおりにすると、臭いはとれないものの水自体はきれいになり、飲んでも大丈夫になったのでとても助かったそうです。すごいなあ、正露丸!子供のときにおなかをこわすと飲んだことがあります。家の置き薬の中に必ずありました。こんな使い方もできるのなら、サバイバルには必須ですね♪話変わって、11月12日(土)の日経新聞読書欄の「あとがきのあと」に登場しました。『名画の中で働く人々』のインタビュー記事です。電子版でも読めるので、どうぞごらんくださいま...正露丸、恐るべし!

  • ロシアが自慢できる輸出品はウォッカとカラシニコフだけ

    1,2年前に当ブログで漫画「日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし」(にしかわたく画、高部正樹案)についてご紹介しましたが、待望の第2巻が発行されたのでさっそく読みましたよ~ほのぼの系の画風に、リアルな戦場の話。笑いつつ、ぞっとしたり、泣けたり、勉強になったり。。。お勧めです!銃器についての章で、こんな言葉がありましたーー「ロシアが自慢できる輸出品はウォッカとAKだけ」AKというのはカラシニコフのことです。数年前、パリのカフェが襲撃され、おおぜいの人が殺害された痛ましい事件がありましたが、その時、近くにいた女性が「銃声が聞こえました。あれば間違いなくカラシニコフです」と証言した、というのでびっくりしました。それでこのロシア製の小銃の名を記憶したのです。普通の日本人なら映画の中でこそ聞いてはいても、現実に発砲...ロシアが自慢できる輸出品はウォッカとカラシニコフだけ

  • 柿の老木の撤去費用

    先日、知人から聞いた話です。この方のご両親は田舎で年金暮らし。庭の柿の木が8メートル近くになり、落ち葉の始末も大変なので切り倒してもらうが、いいか?と連絡がきたとのこと。柿の実がいっぱいなって、子供の頃はよく食べたそうです。でももう80歳近い老木だし、老親も大変だろうからとOKしたそうです(実際には柿の木は長くて300年の樹命なので、まだ中年だったみたいですが)。ご両親が造園業者に撤去費用について交渉後、あれこれ悩んでいると、近所の人から「こんな立派な柿の木なら高く売れるんじゃないですか。木材屋さんに聞いてみれば?」とアドヴァイスが。するとこの話を聞きつけて業者さんが何人もやってきたそうです。そして最終的には120万で買い取ってもらったと。柿の木は固いので良い家具になるのだとか。何十万円か払って撤去しよう...柿の老木の撤去費用

  • NHKラジオ「ごごカフェ」に出ました

    先日NHKラジオ「ごごカフェ」に出ました。パーソナリティは竹内陶子さん。2時からの約50分くらいを、前半「絵画の見方」について、後半は新著『名画の中で働く人々」について話しました。あと5日間くらいはネットで視聴できますので、お時間あったら聴いてみてくださいませ。「ごごカフェ「2時台カフェトーク/名画の謎を読み解く」↓https://app.box.com/s/ftfbul16l22vunxttw0f0dvgaae4chq1◎山田五郎さんとの美術ユーチューブ対談です。①「父の訓戒」というタイトルに騙されてはいけません。あっと驚く現実は?https://www.youtube.com/watch?v=G-V6fRYKm68②「集団肖像画」というより「割り勘肖像画」というべきオランダ式合理性。https://w...NHKラジオ「ごごカフェ」に出ました

  • タクシーの「強制CM」

    昨日はラジオの収録で行き帰りにタクシーを使いました。そして延々CMを見せられ続けて頭がおかしくなるかと思いました。いくら目をそらしても目の隅に入りますからね。でもまだ行きのタクシーは画面が小さいので少しはマシだったので。でも帰りのタクシーの画面は何とその1,5倍くらい。なんなの、これは!!タクシー内の強制CMテレビなどという代物が設置されたのは、いったいいつ頃からだったかなあ。最初は客が自分で消せるように設定されていましたから、即、消しました。ところがいつの間にか音声しか消せないようになり、昨日の大画面のものは音すら消せません。運転手さんも消せないと言うのです。では運転手さんの真後ろに座ればいいかと思えば、そちらのドアは客が開けることはできないようになっているのです。こちらもいつからだったかな。ふと気づい...タクシーの「強制CM」

  • ゴッホの「ひまわり」にトマトスープ

    先週の金曜日、環境活動家グループJustStopOilを名乗る若い女性2人が、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されているゴッホの「ひまわり」にトマトスープをぶちまけたというニュースがありました。彼女たちの着ている背中に髑髏模様のあるTシャツは、もしかして石油製品じゃないの?と言いたくなります。動画はこちら↡http://totalnewsjp.com/2022/10/18/saiene/幸いにもガラスが嵌められているので、絵画本体には損傷がなかったようでよかったです。たぶんガラスがあるからやったのでしょうね。でなければ弁償額は莫大なものになります。こういうことがあると必ず模倣犯がでるので、著名な画家の作品はすべてガラス越しにしか見られなくなるかもしれない。実に実に腹立たしいことです。◎山田五郎さんと...ゴッホの「ひまわり」にトマトスープ

  • 怖い絵プラネタリウム、名古屋、横浜でも上映決定

    7月から有楽町マリオン(9階。コニカミノルタプラネタリアTOKYO)で上映中の「星と怖い神話ー怖い絵×プラネタリウム」ですが、好評により名古屋と横浜でも上映されることに決まりました♪開始は12月2日からですが、予約は今週からできるとのこと。詳しくは以下↡https://www.fashion-press.net/news/94335ちなみに横浜はコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA、名古屋はコニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYAが上映館です。横浜では英語の音声もあるようです。現在、東京では毎日4回の上映。満員のこともありますので、予約してからのご来場をお勧めいたします。どうぞ楽しんでいただけますように!◎山田五郎さんとの美術ユーチューブ対談です。①「父の訓戒」というタイトルに騙されてはいけませ...怖い絵プラネタリウム、名古屋、横浜でも上映決定

  • 幸せホルモン~セロトニン

    3年にもわたる疫病下で、女性たちの鬱病が深刻化しているという。自死も増えている。女性はもともと非正規で働いている場合が多く、解雇の不安や収入減の直撃に痛打されているのだろう。政府は外国人留学生よりも「非正規で働く日本人女性」のほうを優遇すべきではないのか。心底、腹立たしい。それとは別にもう一つ、原因も考えられる。それは日光だ。在宅が多くなり、外出時は日傘にマスク。これでは太陽の恵みを受けられない。太陽光にはセロトニンという脳内物質を促進する働きがあるというのに。セロトニンの異名は「幸せホルモン」。なぜならセロトニンには、身体の活動性を高め、痛みを抑制し、ストレスを軽減し、興奮を鎮め、恐怖や不安を和らげ、食欲をコントロールする働きがある。自律神経失調症や鬱病の予防にもなるのは当然だろう。かつて北欧では冬に自...幸せホルモン~セロトニン

  • 新刊『名画の中で働く人々』が出ました♪

    新刊『名画の中で働く人々ー仕事で学ぶ西洋史』(集英社)が書店に並びました♪昨日の朝日新聞、今朝の日経新聞にも広告が載りましたので、目をとめてくださった方もいらっしゃるかと思います。「青春と読書」10月号の巻頭インタビューにも出ておりますのでごらんくださいませ。集英社webで1年半連載したものを加筆訂正しての単行本化です。「はじめに」は三船敏郎についてわりと長く書いたので、最初、担当者さんは「別の雑誌原稿を間違って送ってきたかと思いました」と驚いていました。読者の方も一瞬そう感じられるかもしれませんが、ちゃんと「仕事」に結びつきますので、ご安心を!表紙はイギリス人画家ウィリアム・フレデリック・イームズの『じゃあ君が最後にお父さんを見たのはいつだったの?』。こういう歴史画は『ジェーン・グレイの処刑』と同じで現...新刊『名画の中で働く人々』が出ました♪

  • 「8人の女たち」でストレス解消

    感想を書き忘れていましたが、9月初旬にサンシャイン劇場で『8人の女たち』を観たのでした。体調が万全ではなかったので、もし面白くなかったら途中で帰ることになりそうだな、と恐る恐るの観劇。結果はー-開幕から爆笑に次ぐ爆笑。いやあ、あんなに笑ったのは久しぶり。全員元タカラジェンヌですから、決めのポーズもすばらしいのですが、それすらも笑いに変えての盛り上がり。水夏希さんが、容姿に難ありでコンプレックスの塊という役柄を、嬉々として演じていました。もちろんご本人は美女ですから、着るものや動作や表情などでデフォルメした「もてない女性」を造形していました。実は水さんとは、ずいぶん前になりますが雑誌で対談したことがあります。宝塚ではアントワネットものを上演する際、ギロチンや剣や槍などもまとめて神主さんにお祓いしてもらうとい...「8人の女たち」でストレス解消

  • メルカトル地図の呪縛がとけると。。。

    地図というのはとても面白い。以前も書きましたが、「東京23区凹凸地図」を見ていると、いつも歩いている道が平面ではなく、高低がよくわかり、散歩も楽しくなります。東京は坂の多い町なのだなあ、と(故郷はオランダみたいに平坦だったので、私には新鮮)。オーストラリアで使われている地図を見たときも驚きました。オーストラリアやアフリカが上にあって、日本やヨーロッパが下にあるので、ちょっと方向感覚が狂う感じです。昔、ドイツの短編を翻訳していて舞台はチリでしたが、そこに「南に行けばいくほど寒くなる」という描写があり、「北」の間違いじゃないのかと印刷ミスを疑ったことがありました。見慣れた地図の呪縛は凄いです。さて、メルカトル図法。この地図が各国の正確な面積をあらわしてはいないということは、中学校で習っているので知らない人はい...メルカトル地図の呪縛がとけると。。。

  • 絵画作品に唾をつけてこする~NHKBS「プレミアムカフェ」

    またもや放送後のお知らせになってしまいましたが、NHKBS「プレミアムカフェ」に出演しました。我が家はBSが映らないので、放送日を忘れていましたあ。自分もまだ見ておりませぬ(あとでDVDが送られてくる予定)この番組はずいぶん前に一度出演したことがあります。ハプスブルク関連だったかな。5回連続でした。今回は絵画がらみで3回、つまり3夜連続放送でした。NHKはアーカイブの宝庫なので、優れた作品を再放送するにあたって、上映後にアナウンサーとゲストの10分くらいの対談というか解説を入れる方式を取ります。そこの部分に登場したわけです。モナリザについてと贋作家についてと「スリーパー」と呼ぼれる名画探偵?の3作品でした。スリーパーといえば、私のようにスパイものが好きな人間は政治にはからめても絵画にはからめて考えていなか...絵画作品に唾をつけてこする~NHKBS「プレミアムカフェ」

  • ニシキヘビに愛は通じなかった?

    ネット上にこんな話が載っていて、ゾッとしました。ニシキヘビをペットにしている若い女性がいた。可愛くて可愛くて、夜はいっしょにベッドで寝るまでになった。するとだんだん蛇は衰弱し、食欲も全く無くなってゆく。心配した彼女が獣医に相談すると、こんな答えが返ってきた。蛇は獲物を丸呑みする。それで大きな獲物を狙う前には胃を空っぽにしなければならないので、エサを食べないようになる。ホラーですね。しかしこれは人間関係や国際関係にも当てはまるのではないでしょうか。こちらが良かれと思っておこなった行為が、相手に感謝されるどころか恨まれ憎まれ、いつか復讐してやると爪を尖らせているのに全然気づかないかもしれないのです。相手を自分と同じと思う愚を犯さないようにせねば。◎山田五郎さんとの美術ユーチューブ対談をごらんください。①「父の...ニシキヘビに愛は通じなかった?

  • 山田五郎さんのユーチュブに出演しました

    山田五郎さんの「おとなの教養講座」にゲスト出演してきました。収録は7月。場所は山田さんの事務所。山田さんが収集した絵画、彫刻、楽器、陶器などが所狭しと並んで壮観でしたよ~髑髏も多かったな。そんな中、一つだけ私も持っているものがありました。フィンランド製の木製サンタさんです。とても可愛いの♪ちょこんと座っておりました。ぶらぶら美術館のときもそうですが、山田さんとのかけあいはいつもぶっつけ本番というか、こちらは全ておまかせ状態。私の説明の抜けた個所を全てフォローしていただきました。知識量がすごく、気配りと頭の回転も速く、人間力もたっぷりの山田号という大船に乗った気分です。今回も絵の順番だけ決めて、雑談のあとすぐ収録。撮り直しもなく無事終了。第一回は、拙著『フェルメールとオランダ黄金時代』からボルフの「父の訓戒...山田五郎さんのユーチュブに出演しました

  • 「あんたが人騒がせなことをするから」!

    日経新聞の人気連載「私の履歴書」は、いま山崎努さんです。期待通りの面白さ!前回に続いて今日も『天国と地獄』(黒澤明)についてです。あの凄まじいラスト・シーンはたった一回でokが出て、撮り終わってもスタッフはみな黙りこくっていた由。迫力に気圧されたのでしょうね。あの時、山崎さんは手指を火傷したのだそうです。ライトが当たっていた金網が発熱していたからですが、演技中は熱さを感じず、控室にもどって火傷に気づいたとか。映画は大ヒットし、またこれを模倣した誘拐事件もあったりして社会現象となり、山崎さんはタクシーの運転手さんから「あんたが人騒がせなことをするから」と言われたそうです。笑ってしまいますが、でもそれほど真に迫った人物像を造形したということでしょう。私もこの映画は大好きで何度も見ています。山崎さんもすばらしか...「あんたが人騒がせなことをするから」!

  • 夏は怪談 ちょっと怖い体験

    暑い季節は怪談がいいですね。ホラー小説集を買いました。でも夜は読めない。怖がりは怖いもの好き。わたしが直接聞いた一番怖い話は、霊感の強い妹の体験談です。日中、家事をしていると突然眠くなってソファに横になったらうとうとしてしまった。すると金縛り。いつもは目もあかないのに、なぜかその時ははっきり見えた。小さなおばあさんが胸の上に乗って、妹を見下ろしていたのというのです。うわあ。聞いただけで怖かった。話している妹もまた怖くなったらしくて、「デパートへ行こうか」となりました。服を買って、ホッ。男性には理解できないでしょうね。さて、では自分が一番怖かったのはというと、何も起こらなかったけれども、起こったかもしれないというものです。昔々の学生時代。スペインでのこと。友人とのヨーロッパ旅行でしたが、彼女とはフランスでい...夏は怪談ちょっと怖い体験

  • 「真珠の耳飾りの少女」になりきりコスプレイベント

    拙著をお読みくださっている方はすでにご存じでしょうけれど、印象派時代前後まで、画家が自分でタイトルを付けることはほとんどありませんでした。特に今に残る大画家の有名作品ほどそうです。なぜなら発注者が、「我が城のこの部屋のここの壁に飾るヴィーナスの絵を、いついつまでに頼みたい」と言い、画家は「はい、はい。できました。どうぞ」となるわけです(この時点で絵の大きさも確定します)ティツィアーノやルーベンス・クラスになると、「3年先まで無理です」「いくらならやってもいいですが(あまり気乗りしない)」ということもありました。いずれにせよ売買証明書などに「ヴィーナスとマルスの絵をOO家に納入」と書く程度なので、それをもとに後世の美術館や批評家がタイトルを付けて今に至ります(昨今はおそろしくダラダラと長いタイトルに変えられ...「真珠の耳飾りの少女」になりきりコスプレイベント

  • 「陸軍中野学校」で描かれた工作員

    日本版ダラス事件と疑いたくなる衝撃的暗殺が起こったため、ふと思い出して「陸軍中野学校」(市川雷蔵主演)のDVDを立て続けに見ました(シリーズ5作もあるのです!!)007は見ていたのにこちらは初めて。ものすごく面白かった♪やはり一作目が一番面白いのですが、2作目の「陸軍中野学校雲一号指令」(森一生監督)は何やら現代までつながっていて興味深い。日本女性を殺し、顔のよく似た〇国女性が彼女になりすまし、軍人にハニートラップを仕掛ける話なのです。映画は60年代半ばの作品。半世紀前にすでにもう。。。話変わって、集英社webで連載していた「名画の中で働く人々」が秋に書籍化されます。その前に2章分がネット公開されますのでお読みくださいませ。※7月25日16時公開■名画から読み解く、19世紀の大女優たちの「大成に必要だった...「陸軍中野学校」で描かれた工作員

  • 「シャネル展」とシャネルの五番

    先月は友人と「シャネル展」に行ったのでした。ほぼドレスと装飾品の展示で、シャネルの生き方そのものにはほとんど触れられていなかったことと、展示室がお化け屋敷なみの暗さだったこと(作品を守るために仕方ないことだったでしょう)がちょっと残念でした。でも帰りに「シャネルの5番」のプレゼントがあったのは嬉しかったな♪あれから1カ月足らずでこんな恐ろしい事件が起こるなんて。。。マスコミ報道は「撃たれて死亡」ばかり。どうして「暗殺」「要人殺害テロ」と報じないのか謎。日本政治史の大事件なのに。いろいろ書きたいこと、思うことはあるけれど、ここはそういうブログではないのでやめておきましょう。前回、「これから『ゴッドファザー3』をDVD鑑賞予定」と書きましたが、この映画はオペラ『カバレリア・ルスティカーナ』がとてもうまく使われ...「シャネル展」とシャネルの五番

  • この半年で観た映画DVD

    すっかり映画館から足が遠のいてしまいました。気づけばツタヤの更新もし忘れて、レンタルもしなくなりました。お店自体も縮小して、アクション映画ばかりになってしまったのもあり。。。それでアマゾンで昔観た映画をメインに買いまくり、ストレス解消のために観ております。この半年だけで何と50作近く観ていました。どれだけ暇なんだ!もとい、どれだけストスの多い生活をしているんだ、と自分を憐れみます。とりわけ新作で外れるとさらにストレスが溜まり、泣きそうです。たとえば。。。とタイトルをあげようと思いましたが止めましょう。映画でも本でも趣味でも、自分でも下らないと思いつつ妙に惹かれる場合があるし、それをけなされると嫌ですものね~で、今年観た「何度見ても面白い作品」をあげておきますね。私の趣味はどちらかといえば男っぽいかも。恋愛...この半年で観た映画DVD

  • 女性蔑視の名言

    女性蔑視の「名言」(?!)として有名なのはショーペンハウアーの以下の言葉。「女は気が変わりやすく、思慮が浅く、単に種の維持のためにのみある」ショーペンハウアーは母親が烈女だったからなあ、とクスリとしてしまうが(余裕の私)、故渡部昇一氏によれば、近代ヨーロッパの思想家のうちで女性蔑視の言を吐くのは圧倒的にプロテスタントの由。また氏によれば、女性の乳房に対する反応もカトリックは「輝かしいものとして」、プロテスタントは「卑猥なものとして」見ているので、前者の画家はオールヌードを嬉々として描いたが、後者の画家は服を着せたという。この点に関しては「カトリックの守護者」たるスペインという例外があるのだけど。。。それはともかく驚いたのは、アメリカのピューリタニスム。二十世紀になってもこんなことが!!ーールーズベルト大統...女性蔑視の名言

  • カトリック、プロテスタント、イギリス国教会

    数年前になりますが、日系ブラジル人のタクシー運転手さんの車に乗りました。ブラジルでは高校卒業後、友人3人と神学校へ通った由。神父になる夢を3人で固く誓ったはずなのに、自分ともう一人は早々にリタイア。一人だけが神父になったそうです。どうして諦めたんですか?と問うと、2人とも恋人ができたからと明るい答え。結婚して子供もできて日本に来てハッピーとのことでした🎵カトリックの神父は生涯独身、プロテスタントの牧師は妻帯OKです。ではイギリス国教会は?私は長いこと妻帯NGと思っておりました。というのも、20年くらい前かな。日本人の哲学教師と某大学で知り合い、たまに講師室で雑談していたのですが、そのうち彼がクリスチャンであることがわかりました。カトリックですか、プロテスタントですかと訊くとイギリス国教会ですとの答え。日本...カトリック、プロテスタント、イギリス国教会

  • 『芸術新潮』での新連載「悪の系譜」

    書き忘れていましたが、『芸術新潮』6月号から「悪の系譜」のタイトルで新連載を始めました。第一回は「異形としてあらわれる悪」です。視覚第一の絵画では、善悪の対比として伝えやすいのが肉体的異形だったので、ルネサンスくらいまでは、今なら差別としか思えないような表現法が使われていたのです。しかし現実としては、いかにも善人ぶっていた者が実は裏でとんでもないことをしているという例は数えきれないほどあるわけで、それをどうやって伝えるかが工夫されてきたわけです。そんなあれこれの絵画を楽しんでくださいね!話し変わって、先日友人と新宿でランチをしましたが、その時、新しい政党「参政党」が演説会をしていました。まだ選挙前なのに老若男女ものすごい人波で、しかも熱気あふれていて驚きました。立ち上げたばかりの新党なのに、もう党員が5万...『芸術新潮』での新連載「悪の系譜」

  • 星と怖い神話 「怖い絵」×プラネタリウム

    先日のラジオ番組でも紹介いただきましたが、7月1日から銀座マリオンのコニカミノルタ・プラネタリウムで「怖い絵」とのコラボのプラネタリウム番組が上映されます。個人的にプラネタリウムは好きで、若いころはたまに行っていました。星の写真が怖いくせにどういうことなのかなあと思ったら、星空が好きだけれども宇宙空間のイメージや星そのものがアップされると怖いみたい。今回も制作過程で土星のアップを見たのですが、やっぱり恐ろしかったなあ。。ま、それはいいとして、コロナ直前の数年前に友人と池袋のサンシャイン水族館を見て、まだ少し時間があったのでプラネタリウムも観ました。それがコニカミノルタだったので、そのすぐ後にこの仕事のオファーが来た時には驚きました。「そしてすべては迷宮へ」(文春文庫)にも書きましたが、タクシーの運転手さん...星と怖い神話「怖い絵」×プラネタリウム

  • TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」に出ました

    竹中直人さんや伊集院光さんの番組に続き、またTBSラジオに行ってまいりました。5月29日の「安住紳一郎の日曜天国」です。安住さんは私と同じ道産子なので、なんとなく広々した感じ(ふふふ)。そのうえ明るくて話しやすくて、人気のわけも納得です。ラジオで絵を語るというのは、これまでも何度かやってきましたが、なかなかハードルが高くてもどかしかったのですけど、この番組はあらかじめ絵を選定してTwitterで流しておくという画期的なやり方でした。多くの方がそれぞれ絵を見ながら聴いてくださったようで、反響も大きかったです(メデタシ、メデタシ)youtubeでも聴けますので、興味のあるかたはぜひ覗いてくださいませ(私の登場は11時から11時40分まで。全体の3分の1くらいのところから始まります)https://www.youtu...TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」に出ました

  • 今日書店に並びますー『フェエルメールとオランダ黄金時代』

    最新作『フェルメールとオランダ黄金時代』(文藝春秋)が今日書店に並びます。ぜひお読みくださいませ!これは新シリーズで、まずは17世紀オランダ篇。一人の画家の生きた時代とその国を俯瞰するものです。フェルメールを中心にしましたが、もちろん同時代のレンブラント、ハルス、ステーン、メツーなど絵画をふんだんに使いました。編集者さんが何度も印刷所に通ってくれて、絵画の色味と輪郭がかなり鮮明になっています。たとえばフェルメールの一番人気作『デルフト眺望』のあの四角い壁の黄色。プルーストが小説の中で触れた、丹念に色を塗り重ねた特別な箇所、それが美しく出ています。嬉しいな🎵本書の内容については以前書いたものを以下に再録しますね。↓オランダはほんとうに面白い。海を埋め立てて広げていった人工的な国であり、あのスペイン・ハプスブルク家...今日書店に並びますー『フェエルメールとオランダ黄金時代』

  • 古代エジプトとアメリカ開拓時代の平均寿命

    平均寿命はどんどん長くなっているーー医学の進歩や衛生・栄養状態の改善で、これは事実と言っていい。しかし特殊な状況下では必ずしもそうはならないわけで、アシモフによれば、古代エジプトの平均寿命は35歳。アメリカ開拓時代(ワシントンが大統領になった1789年の統計)では、男性35,4歳、女性36,5歳だったという。ほとんど同じじゃん!!アメリカ開拓時代を生きてゆく過酷さは想像を絶していたのだなあ。西部劇映画を見ても、それはなんとなく想像できたけれど。ちなみにアシモフはこうも書いている、「アメリカの開拓時代の大家族のイメージは、でたらめである。孫どころか、青年となった息子を見るのは、ほとんど不可能。フィラデルフィアの1790年のデータによると、100人中の3分の1が、6歳以前に死亡、26歳以上まで生きたのは4分の1であ...古代エジプトとアメリカ開拓時代の平均寿命

  • 里中満智子さんに編集者が放った残酷な一言

    日経新聞の「私の履歴書」は、今回は漫画家の里中満智子さんです。毎回とても面白く読んでいますが、今日は9回目。高校を2年で中退し、単身、上京することになった里中さん。ほんとうは卒業したかったのに、すでに漫画家として連載をもっていたため、学校側から仕事は禁止と通達され、やむなく中退せざるを得なかったのです。今なら1年くらいお目こぼしがありそうですが、でも考えたら松本清張も小学校中退だったし、才能のある人に学校は必要ないのかも。けれど里中さんでも最初は順風満帆とはゆかず、連載打ち切りの目にあってしまいます。その時の編集者さんの言葉が、「君にはがっかりした」「大阪に帰ったら?」鬼ですね。そう言えば、この前「出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記」(宮崎伸治)を読んだのですが、そこでにもひどい一言が書いてありました。宮崎...里中満智子さんに編集者が放った残酷な一言

  • フェイクニュースだらけのこの世の中で

    この疫病があらわにしてくれている、世の中のさまざまな歪み、嘘つきたち。全く嫌になるけれど、名言を思い出しましょう。「すべての人間を時にだますことはできるし、何人かの人間をいつもだますこともできる。しかし全ての人間をいつもだますことはできない」(リンカーン)「我々が恐れなければならないのは、恐怖そのものである」(ルーズベルト)「国が自分に何をしてくれるのかを問う前に、国のために自分が何をすることができるかを考えなさい」(ケネディ)「私はあなたの主張には反対だ、しかしあなたがそう主張する権利は死んでも守る」(ボルテール)★怖すぎるアナグラム↓DELTAOMICRON→M-E-D-I-AC-O-N-T-R-O-L☆☆新刊『運命の絵もう逃れられない』の解説(「怖い絵展」をプロデュースしてくださった藤本聡さん)が「本の話...フェイクニュースだらけのこの世の中で

  • 『フェルメールとオランダ黄金時代』~予告編

    ちょっと気が早いんですけど、5月に新刊『フェルメールとオランダ黄金時代』(文藝春秋)が出ます🎵以前文春本社で行ったオランダ関係の講演をもとに膨らませたものです。オランダはほんとうに面白い。海を埋め立てて広げていった人工的な国であり、あのスペイン・ハプスブルク家と血みどろの戦いの末に勝利して独立した国であり、17世紀の世界の海を制覇した国でもあります。そしてもちろんオランダ人は「目の人」ですから、レンブラントやフェルメールをはじめとした画家の宝庫です。さまざまな絵を使って黄金期のオランダがどんなふうだったかを再現したいなと思って書きました。地味で堅実、でもチューリップバブルのような投機好きの一面も。宗教に寛容で魔女狩りも早々とやめていた一方で、ウィッテ虐殺という血なまぐさい行動。平坦な土地に風情はないにもかかわら...『フェルメールとオランダ黄金時代』~予告編

  • 比嘉愛未さんの舞台「怖い絵」コメント

    比嘉愛未さんの、舞台「怖い絵」コメントのユーチューブがアップされましたので、ごらんくださいね🎵https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?p=%E6%80%96%E3%81%84%E7%B5%B5+%E8%88%9E%E5%8F%B0&ei=UTF-8&ifr=tl_sc本舞台では紅一点。真っ赤なドレス姿の彼女は、ある時は妖艶に、ある時は下品に、ある時はか弱い少女のように、ある時は愛に対して侮蔑的に、ある時には・・・とにかく変幻自在でした。すばらしい悲劇女優です。いつかギリシャ悲劇やサロメをやってほしいなあ。そしてこの舞台、再演してほしいなあ。。。☆日経ビジネスweb版連載の「災厄の絵画史」はもう13回目になりました。最新版は「コレラの惨禍死をもたらす神の使い」。絵はヴ...比嘉愛未さんの舞台「怖い絵」コメント

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