呼吸(いき)を弾ませ、わたしたちはしばしベッドの上に転がったまま動くことさえ億劫になっていた。手を伸ばせば届くところにマキさんの身体がある。 彼女も...
男の情けなさと女のしたたかさを思い知らされたひと月あまりだった。 敢然と家を出たスズキを、わたしは、「へぇ、こいつも男だったのだ」と見直し、友人とし...
カオリが別居を躊躇している隙に、スズキとマキさんのほうに進展があった。 驚いたことにスズキが家を出た。女とつづいていたのか、それとも復活してしまった...
10月を迎えてしまった。 激変の9月だった。よくぞ体力がつづいたものだ。気を張っていなかったら、精神的にもボロボロにされていただろう。 カ...
あの夜以来、カオリからは再びメールが途絶えた。 金曜日の夜だというのでどこのラブホテルも満室かもしれないと、半ば覚悟をしながら車をカオリの住む...
土曜日の午後から今夜まで、あまりに多くのことが重なり、疲労困憊である。ここに記しているのがとてもじゃないけど追いつかない。カオリのこと、スズキのこと、マ...
カオリに会った。ひと月ぶりである。 実家と自分の家との二重生活で疲れているはずなのに、やつれてはいなかった。 カオリが指定したコンビニの駐車場に...
今夜、カオリと会うことになった。 1時間でいいから会えないだろうかとメールがきた。夜なら2時間でも3時間でも時間はあると書いたのに、カオリからは、1...
「あの夜、おまえは泊りがけで出かけていたんじゃなかったのか?」 そう訊きたかった。 灯りの消えた家の中にスズキがいないというからわたしも大胆になれ...
夕方……といっても昨日のことだが、雨の予報もあったし、カオリからの連絡で気持ちが楽になっていたので、早めに帰宅しようと定刻で帰り支度をしているとデスクの...
昼休み、カオリからのメールで、彼女がしばらく自分の実家へ帰っていたことを知る。父君の健康がすぐれず、その看病で夏休みを消化して終わったという。 ...
カオリが独り暮らしを始めた。 「約束どおり、家族を捨てて独りになったわ。一緒に住んでくれるんでしょう?」 カオリのそんな声が聞こえた。「約束なんか...
カオリからの連絡が途絶えている。昨日、パソコンへメールを入れたが、それさえも無視されたままだ。何度、メールをチェックしたことか。明日になれば、携帯電話へ...
金曜日のことをここに記している間にも、わたしの状況は少しずつ変化していった。 カオリとは相変わらずメールだけの日々だけど、そのメールがとだえが...
長くなってしまった。先を急ごう。 ホテルのバーでの時間はいつのまにか探り合いのようになってしまった。 わたしが話題を転じようとしても、マキ...
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