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2007/08/04

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  • ミラクル・クリーク [book]

    アンジー・キム/早川書房/お薦め度 ★★★★MWA賞最優秀新人賞高気圧酸素治療施設「ミラクル・サブマリン」を営むパク一家、妻のヨンは夫のパクから嘘をつくように頼まれた。こんな書き出しで始まるリーガル・サスペンス。ダイブ中はカプセルから離れていけないことになっているが、その日、パクは抗議者に邪魔されそうになることを恐れ見回りに。ヨンにそのあとを任せていたが、ヨンは電池を取り換えるため席を立ち、自宅へ。なかなか電池が見つからず、娘メアリーの力をかりカプセルへ戻ろうとした時、火の手が上がる納屋が見えた。一年後、放火殺人でカプセル内で亡くなった少年ヘンリーの母親エリザベスが逮捕され、裁判が始まる。冒頭の数ページと容疑者エリザベスに違和感を感じながら読み進む。登場人物それぞれの過去、現在が語られる。韓国人移民のユー一家。ミラクル・サブマリンの患者一号の放射線科医と内科医の妻一家。自閉スペクトラム症の..

  • グレイヴディッガー [book]

    高野和明/講談社/お薦め度 ★★★★ 江戸川乱歩賞受賞第一作「グレイヴディッガー」とは英語で「墓堀人」の意味。魔女迫害の機運がイングランドに及んだ頃、異端審問官たちが何者かによって虐殺されるという事件が起こる。魔女裁判と同じ拷問の方法を使って。それに恐れをなした異端審問官たちが、魔女狩りを自粛したのではないかという。今となっては事件の真相は分からない。しかし、当時の人々は、拷問によって殺された男が墓の中から甦り、自分を殺した者たちに復讐をしたのではないかと噂した。そして、この甦った死者を、「グレイヴディッガー」と呼んだ。まず、「グレイヴディッガー」ありき。このアイデアをとことん膨らませ、プロットを組み立てたというのが真相ではないか!?わたし的には、「グレイヴディッガー」にとらわれすぎだと思う。江戸川乱歩賞受賞作「13階段」は圧巻なプロットの勝利だった。その構成力はいかんなく本書でも発揮され..

  • 地の告発 [book]

    アン・クリーヴス/東京創元社/お薦め度 ★★★★ペレス警部シリーズペレス警部も参列した知人の葬儀の最中、地滑りが発生、土石流が一軒の農家をなぎ倒す。捜索活動を開始すると身元不明の女性、黒髪、赤いドレスを纏う、の遺体と猫の死骸が見つかる。検死の結果、地滑りによる死ではなく、絞殺だったことが判明する。ペレス警部は身元確認を急ぐが、二転三転・・・やっとのことで女性の意外な正体とそのドラマチックな過去が明らかになるが、それでもなお全貌が見えない。事件関係者はペレスの知り合いばかり、さまざまな証言をもとに犯人を割り出す流れは完成度の高い本格ミステリー!シェトランドの風土、そこから生み出される濃厚な人間関係が本シリーズの肝、何物にも代えがたいものだ。インヴァネス署の主任警部、ウィロー・リーヴス、ペレスの婚約者、故人、の娘、キャシー、ペレス、三人の関係性がどうなるのか次作を待ちたい。

  • 網内人 [book]

    陳浩基/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆本格ミステリベスト10 海外編第二位ネット虐め?を苦に妹、15歳中学生、が自殺。姉のアイはハイテク探偵、アニエ、を紹介され、妹の死の真相究明を依頼する。料金はアイの預金すべて・・・至ってシンプルなストリー、ハイテク音痴のアイに、技術的なことを解説しながら事を進めるアニエ。この事は読者への解説もかねる。真相究明と並行して語られる零細IT企業への大手ベンチャーキャピタルからの投資話。どこかで交差するとわかっていても、なかなか全容が見えない。妹の虐めの実態は解明されたが、アイは妹の仇を討つため、復讐請負人もかねるアニエに復讐も依頼する。アイとアニエの復讐のせめぎ合いが凄い。最後の最後にアニエが怪盗ルパン探偵に変身、復讐劇と投資話に落ちがつく。何回も味変を愉しめる一冊だが、解説部分がやたら長い。次作は一気読みにしてほしいものだ。

  • ナイト・エージェント [book]

    マシュー・クワーク/ハーパーBOOKS/お薦め度 ★★★★スパイスリラーFBI局員のピーター・サザーランド、ホワイトハウスの夜勤電話番、一年弱の勤務で電話が鳴ったのはたったの一度、上司に繋いだだけで内容はわからない。そんなある晩、二度目の電話が鳴った。かけてきたのはローズ・ラーキンと名のる若い女性、叔父夫婦の家で銃撃犯に襲われ、近所の家に逃げて来たのだ、と。叔父から電話番号と合言葉、「ナイト・アクション」、を教わり、「オスプレイは正しかった、六日後に起きる、赤の台帳を手に入れた」という伝言を託されたと言う。ピーターの仕事は電話を確実に上司に取り次ぐことだが、ルールを無視、救助を要請する。そのことが彼を国家を揺るがす陰謀の渦に巻き込んでいく。ピーターは更にルールを逸脱、結果としてローズに接触することになる。一方、ローズは信用出来る人間はピーターひとりと直感、ピーターに助けを求め、ふたりは行動..

  • 13階段 [book]

    高野和明/講談社/お薦め度 ★★★★☆江戸川乱歩賞受賞作受賞の言葉の中に、「職人で結構」とは、映画監督岡本喜八の言葉です。自分も、一流の娯楽職人を目指して頑張るつもりです、と語る著者。導入のプロットからしてエンターテインメント的。喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、それを見守ってきた刑務官。彼らに持ちかけられた仕事は記憶喪失の死刑囚の冤罪を晴らすこと。期限は三ヶ月、成功報酬は一千万円。死刑囚の微かな記憶とは、「階段」。あの時、自分は、階段を上っていた。今と同じように、死の恐怖に駆られながら、階段を上っていた。冤罪を晴らすには、凶器、通帳、印鑑を見つけ出さなければならない。その隠し場所と階段が関係するのか?死刑執行は四日後に迫る。最後のどんでん返しもしっかり用意され、第一級のエンターテインメントに仕上がっています。死刑囚の心情、刑務官の仕事ぶり、刑務所の様子などよく書けています。押さえるところは..

  • 素晴らしき世界 [book]

    マイクル・コナリー/講談社/お薦め度 ★★★★バラード&ボッシュロス市警ハリウッド分署のレイトショー、深夜勤務、のレネイ・バラード刑事、署に戻ると見知らぬ男が古いファイルボックスを漁っていた。そこはかつて「職質カード」、シェイク・カード、で一杯だった。その見知らぬ男の名はハリー・ボッシュ。ボッシュは現在、サンフェルナンド市警の予備警察官、彼が追っている事件は9年前に起きた15歳の少女の未解決事件。ボッシュに共感を得たバラードは協力、空き時間を利用して捜査、を申し出る。ボッシュはもうひとつの未解決事件、ギャングによるギャング殺し、も調べていて、その企みの一部の証人になる男を追いかけていたが、捜査情報の漏えいに気づいたボッシュの身に危険が迫る・・・一方、バラードもハリウッドのストリートで繰り広げられる様々な人間模様に忙殺されながら事件捜査を続ける。ボッシュと別行動を余儀なくされ、こちらも思わぬ..

  • 熊の皮 [book]

    ジェイムズ・A・マクラフリン/早川書房/お薦め度 ★★★★ MWA賞最優秀新人賞受賞作 ターク山自然保護区の管理人ライス、過去は問わない財団に雇われ、世捨て人同然の生活を送っていた。ある日、管理区域内で胆褒を切り取られた熊の死体が発見される。胆嚢はアジアで高値で取引されている。ライスは密漁者を追うが、地元民はよそ者を見るように極めて冷ややかな態度をとる。 地元の熊猟師からライスの前任者、生物学者のサラ、が三人組?にレイプされ、未だ犯人は見つかっていないことを聞く。サラは保護区の近くに今も住み財団の連絡役としてライスとかかわっているただひとりの味方・・・ 物語はすんなり進まない。地元の無法者一家、元海兵隊員、麻薬捜査局の捜査官、ライスの元彼女・・・が絡みあらぬ方向へ舵を切る。ライスの過去の因縁が世捨て人ライスに降りかかる。 自然を舞台にした物語、表現はすばらしい..

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