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  • メゾン・ド・ヒミコ/犬童一心/日本(2005年)

    メゾン・ド・ヒミコ(85点) マイノリティとしての生き様。 自分に忠実に生きることの是非を考えさせられる。 ゲイの為の、老人ホーム。 もちろんマイノリティにとって、心地良い空間ではないだろうが、少なくとも同士と共に暮らしていけることは幸せだろう。 但し、世間は眉を細めてそれを無きものとして存在付けるだろう。 しかし、彼らの表向きな明るさやエネルギーに羨望の眼差しをもってしまうことも、また明らかだ。 快楽に率直で、人生を楽しむ術を知っている。 時に短絡的でもあるが、自分の出来ないことをやってのける人には憧れてしまう。 ただしそれが人生においての幸せと..

  • ワサップ!/ラリー・クラーク/アメリカ(2005年)

    ワサップ!(82点) こんな時代錯誤な日常がまだあったのか。 アメリカの広大さと懐の深さを思い知った、ウエルカムな青春ムービー。 スケボーを乗り回すラティーノたち。ラティーノによるパンクミュージック。身に着けるウェアももちろんパンク。 70年代と80年代がごちゃ混ぜになった青春が、00年代に復活。 見方によってはダサい。 でも、まだまだ健全だったユースカルチャーが破天荒にも、この映画に存在する。 こういう生生しいのには憧れるし、ウエルカム。 ⇒blogランキング/  映画ブログ ▼amazonで詳細を見る ワサップ! ▼関連作品..

  • めし/成瀬巳喜男/日本(1951年)

    めし(86点) 男性優位の過去の日本。 倦怠期を迎える夫婦仲。 終わってしまいそうな関係の中でも、いつも「めし」があった。 古き名作と言われる映画の中で、小津映画はピンときたのに、どうも成瀬の良さって分かりにくいと思っていたが、この映画は良かった。 当時の生活は、もちろん良く知らないが、妙にリアルな感覚を持つことができました。 当時の女として、男としての有り方や喜び。見栄。根本は今とさほど変わりない。 なんてことない日常を描いたからこそ、現在の僕にも何か感ずるものがあったのだろう。 そしてふと感じたのが、嫌が上でも接点を持つ「めし」という時間。 今..

  • レイクサイド マーダーケース/青山真治/日本(2005年)

    レイクサイド マーダーケース(86点) 動物としての本能。他者が他物になる現代。 あらゆる可能性を受け入れなければならない時代への警告。 「うちの子に限って…」。 そんな古臭い考え方について、どうこう言いたくないが、この感覚は大いに生きている。 飲酒運転に関しての問題を見れば明らかだろうが、人はどうしても自分や身の周りの人間を特別視してしまう。 精神的な去勢を受ける前の子供であれば(最近は去勢されていない大人も多いが)、可能性は尚更高い。 もちろん昭和52年生まれの僕にとって、酒木薔薇や近年の少年犯罪は意外なものであった。 生きてきたバックヤードの違いから、彼ら..

  • スクール・オブ・ロック/リチャード・リンクレイター/アメリカ(2003年)

    スクール・オブ・ロック(87点) 自己主張が難しく、恥じらいを持つ子供時代に、こんな学校があれば人生は変わるだろう。 ストーリーは単純明快で、ロックしか知らないダメ教師の気まぐれと情熱に、クールに見せたがる子供たちが翻弄させられ、熱くなれる「喜び」を発見する。 ドラマなどでもありがちな展開ではあるが、大好きな作品だ。 ジャック・ブラックのキレっぷりも素晴らしい。 大人になると、学園生活の楽しさや、戻らない過去へ羨望の眼差しを向け、後悔を覚えてしまうが、これほど破天荒な学園生活ならそれも少なかったかもしれない。 オレもこの先生の生徒になりたかった。 ⇒blo..

  • アニー・ホール/ウディ・アレン/アメリカ(1977年)

    アニー・ホール(88点) アメリカ人も意外とナイーブで、病的な部分があるのだ。きっと。 ウディ・アレンの作品に共通しているのは、アメリカ人が表に出さない(出せない)感情が渦巻いていることだ。 自己主張の国であり、名誉だとかをある種日本より気にする国の人の本音を、この映画の中でも笑いを交えることで上手く、受け入れられるよう仕掛けが仕込まれている。 登場人物がスクリーンから観客に話しかけり、別の字幕で本音を見せたり、と創意工夫満載。 それでいて、ストーリーが崩れない。 感動的or情緒あふれるラストシーンが待っている。 アメリカらしい映画に新たなテイストを加えたてく..

  • 空中庭園/豊田利晃/日本(2005年)

    空中庭園(86点) 近くに居る人にこそ、話してはいけないことがある。 秘密は一切しないことがルールの家族。 本来家族はこうあるべきだ!なんて安易に思ってしまうが、実際は知りたくないことは多い。 自分がどこのラブホテルで出来た子供だとか、例えば父親なら、娘がいつ処女を喪失したとか死んでも知りたくないことだ。 結局相手の知りたいことだけを、上手く伝えなければ、聞く側に取っては悲劇以外の何物でもない。 一風変わったハイカラなマンションに、隠し事のない明るい家庭。 70年代辺りに、アメリカのホームドラマに影響されたような虚像が、現代に耐えられなくなって崩壊するのはしょ..

  • ロード・オブ・ドッグタウン/キャサリン・ハードウィック/2005年(アメリカ)

    ロード・オブ・ドッグタウン(85点) 日本の中・校生はアナーキーなストリートに憧れ、授業中にぼんやりと校庭でも見つめているのだろうか。 1970年代のカリフォルニアでスケートボードをメジャーにした、若者たちの生活が描かれている。 貧乏で破天荒。オープンな女性関係。 そして何より、ひたすらスケボーのテクニックを磨くひたむきさ。 オールドなVANSやまだまだタイトなファッションもカッコいい。 僕らが憧れた青春がここにある。 最終的には「金」という大人が介入し、好きなことに打ち込む青春は陰りを見せるものの、スケボーで深く結びついた思春期の絆は永遠だった。 ⇒blo..

  • RIZE/デビッド・ラシャペル/2005年(アメリカ)

    RIZE(75点) 本当の肉体美。芸人まで体を鍛える時代の究極はここにある。 「映像はいっさい早回しをしていません」 早い。確かに早い。 ロスのスラム街で成されるダンスは人類の限界ともいえるスピードだ。 ダンスの形式も型がなく、野生的。 そしてそれを生み出す体は、無駄な肉が削ぎ落とされ芸術的でもある。 ブラジルでサッカーがスラムから抜け出す一つの方法としてあるように、このダンスも生きていく為の術であり、喜びでもある。 要するに気合が違うし、ダンスに人生がやどっている。 己の肉体で人生を得ようとする、生生しく力強い躍動感には、日本人としてはただただ嫉妬。..

  • 祇園の姉妹/溝口健二/日本(1936年)

    祇園の姉妹(84点) 日本映画史に残る傑作と言われるこの作品。ただし時代性という想像力が必要。 小津にならぶ巨匠溝口だが、僕にはどうもピンとこない。 テーマが何であれ、いい監督が撮った作品はどれも面白いと言われれば、溝口の作品は面白いと思うが、インパクトがないのは事実だ。 1936年製作を考えればそれはしょうがないのかもしれない。 僕が生まれる41年前に撮られ、71年後に観たのだから公開当時の時代背景が湧かないのだ。 小津であれば、カメラアングルと情緒とか哀愁が突出しているし、ファザコンを描いた東京物語など、インパクトは大きかった。 今作も封権社会に従順な所謂昭和..

  • ねじ式/石井輝男/日本(1996年)

    ねじ式(88点) つげ義ワールドに石井輝男のエロとダークネスがプラス。浅野忠信のはまり役と「がんばれちよじ♪」 シュールなのに意味ありげな、つげ義ワールド全快! いくつかの原作を繋ぎ合わせているが、違和感はなく、欲望なのか、夢なのか、現実なのかよく分からない不思議な感覚に陥る。 どことなく文学的だし、エロも、J太郎(笑い)も、ありで、おもしろさも幅広い。 でも個人的には「がんばれちよじ♪」に尽きるのだ。 ⇒blogランキング/  映画ブログ ▼amazonで詳細を見る ねじ式 ▼関連作品 地獄 無能の人 ねじ式 (小学館文庫)..

  • 小さな泥棒/クロード・ミレール/フランス(1988年)

    小さな泥棒(70点) 定説:ちょっとオマセな美少女は、イケてないオヤジへ走る? シャルロット・ゲンスブールが好きかどうか、美少女が好きかどうかでこの映画を観るか否かは決まる。 内容はどうでもいい。見飽きるほど出し尽くされた、十代の少女が自分を理解してくれないと、ダメなオヤジにはまっていく物語。 自分が学生時代もかわいい女の子が年上のヤンキーと付き合ったりしていた。よくある現実だ。 適当に自分をおよがしてくれ、多少世間を知っていて、一見自由な存在が、少女には心地がいいのだろう。 やっぱり内容はどうでもいい。 発育しきっていない、シャルロット・ゲンスブールの裸体を..

  • クラッシュ/デヴィッド・クローネンバーグ/カナダ(1996年)

    クラッシュ(80点) ひたすら快楽を追い続けなければ満たされない、人間の悲しい性(さが)。 油断してはいけない。この映画では飯を喰うようにSEXが繰り広げられる。 女は自ら乳を曝け出し、男はそれを優しく口に含むと、挿入という欲望を駆り立てられる。 場所を変え、相手を変え、快楽を求める男女。最終的に行き着いた先は交通事故だった。 SEXという生を生み出す行為に、対照的な破壊という死を加えることで彼らは新たなる快楽の根源を見つけ出す。 事故の衝撃、生傷。それが悲惨であるほど、彼らの快楽は危ない橋を渡るスレスレの快楽を手に入れる。 テーマとしてはありふれている。 ..

  • 好色一代男/増村保造/日本(1961年)

    好色一代男(85点) 女がいなけりゃ人生はつまらん。女は怖いが、素晴らしい。 ご存知、井原西鶴の原作を映画化したものだ。 主人公の放蕩息子を演じる市川雷蔵は、色を好み、女を愛することに人生を捧げる。 女の幸せを自らの幸せと感じ、「女のためにはいくらでも金を使うが、男のためにはびた一文も使わない」生活で次々と女を幸せに導く。 単なる助平ではなく、女性を仏様より尊び、金がなかろうが、死の危険があろうが、一途に女性を愛していく姿は、肝の据わった生き様として尊敬の念を覚えてしまった。 オレも女は好きだが、あそこまでやり切れない。単なるスケベ止まりだ。 特筆として、..

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