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  • より親しくなりたいという時に

    誰かとより親しくなりたいという時、間を遮るものは出来る限りなくす方がいい。 楽しい食事の、ダイニングの椅子でさえもない方がかえっていい時もある。 直接床に腰を下ろす、和室のような場なら、相手との距離感が近づく。 ではフローリングのような洋室ならば? デザイン探偵はぴったりのローテーブルを見つけた。 フローリングの床に根を下ろし、その重厚さはしっかりとした存在感を表している。 知人を集めた食事会でも、誰かと二人きりのディナーでもよい雰囲気を演出してくれそうだ。 床に腰を下ろしお互いの距離感を縮め、親密さを増すことに一役買ってくれるはずだ。 ト-キョ-Hiテ-ブ..

  • 花の香り

    久々に晴れ間を見たような気がする。 見上げると澄んだ青空が広がっていた。 探偵はその日、室内調度品を見て回っていた。 ちょっとした小物から、背の高いスタンドライトなど、大小、用途も様々な中で、探偵は美しい曲面を描く、白い花瓶に見とれていた。 一見すると磁器製のようだが、ガラスで作られていた。 白く透き通るような表面の色合い、滑らかな曲線。 その展示された花瓶一点で、例え花はなくとも、彫刻のような美しさをたたえていた。 いや、デザイン探偵には美しい花が生けられたこの花瓶の姿を細部まで思い浮かべることができた。その花々から、普段は滅多に感じることのない、花の香りを嗅ぐことさえできそう..

  • 雨の日の女

    梅雨らしい、陰鬱な雨が降りしきる。 こんな日は誰もが、重苦しい雨雲で覆われた灰色の空を、恨めしげに見上げ溜め息をつく。 ビルの上から見れば、その光景は色とりどりの雨傘の花が咲き誇るように見えたかもしれないが、街行く大抵の人はその華やかさに気づかない。 苦しみの中の密かな成長や、悲しみの中の本当の幸せになかなか気づけないように・・・。 雨が降り続く午後、その女はデザイン探偵の事務所を訪れた。 透き通る白い肌、真っ直ぐに相手を見据える澄んだ瞳。 端正なその顔は、すれ違う誰もが振り返るだろうと思えた。 彼女の漆黒の髪は雨に濡れ、その毛先からは水滴が止めどなく肩に落ちていた。土砂降りの雨..

  • 通り雨

    通りすがりのカフェに駆け込み、急な雨をやり過ごす。 最近は大手チェーン店の影響か、内装・インテリアに力を入れた店が増えたような気がする。そのカフェの店内も、インテリアとソファ、椅子、テーブルがバランスよく配され、憩いの空間を作り上げていた。 探偵は、板張りの床に配置されたソファに腰を落とすと、深く息をつく。 そのソファはシャープな直線で構成されたフォルムをしているが、肌に触れるファブリックは優しげだ。 コンパクトな作りのようで、座り心地はゆったりしている。 ちょっと伸び上がったような姿勢の足回りも楽しげだ。 デザイン探偵は、トールサイズのカップに唇を触れ、ゆっくりとコーヒーを啜る。..

  • 青の世界へ

    今年は梅雨明けが、づれ込むようだ。 時折晴れ間を見せる日があったかと思うと、再び重苦しい雨雲に空が覆われてしまう。 探偵はこの日、ダイニングテーブルを眺めて回っていた。 夏が近い。室内にちょっとした“涼”を演出したいという依頼だ。 デザイン探偵が目を付けたのは、ガラスの天板を載せた逸品だった。 なんといっても特徴的なのは、天板を支えるスチールの脚部だ。 滑らかな曲線を描く向かい合わせの脚部は微妙な捻りを加え、まるで今にもガラスの天板を持ち上げたまま、歩き出す姿を夢想してしまう。ディズニー映画の「美女と野獣」に登場する歩き回る家具のように。 うっすらと青みがかったガラスの天板は、脚..

  • 突然、炎のごとく・・・

    ここ数日雨が降り続く。 あと、2週もしないうちに梅雨もあけるだろう。 そう分かってはいても、気持ちが沈みがちになってることは否めず。 仕事に対する意欲も少し失われているように、デザイン探偵は感じていた。 その日もいくつものデザインを目にし、触れていた。 その内で探偵の心を強く捉えたのは、手づくりのランプだった。 ランプから照り返す光は、赤い炎のごとく揺らめいていた。 探偵はここしばらく、後退していたような活力を取り戻していくような気がした。 壁や床に写り込んだ光は、やがて探偵自身をも包み込むように、赤く染め上げた。 世界にたった一つのオリジナルランプ

  • 温もりのコーヒーテーブル

    その日デザイン探偵は、依頼されたリビングテーブルをあれこれ当たっていた。 シンプルながら美しく、温もりがあり、尚かつリーズナブル・・・。 なかなか難しい注文ではあったが、探偵はすでにいくつかのテーブルをリストアップしていた。そして、最後に候補に上げたのがこの逸品。 そのコーヒーテーブルの天板の薄い窪みを形成する曲面の美しさ。 大きな木製プレートのようなフォルムは温もりがあった。 高さは低めに作られているので、住宅事情にも柔軟に適応できそうだ。 ちょっとした息抜きの時、誰かとの語らいの時、ゆったりとした場面を演出してくれそうだ。 日々慌ただしく追われるように過ごすデザイン探偵は、束..

  • 「機能性とデザイン」

    最近のボックスティッシュは、箱自体スリムになったが、案外置く場所によってはスペースが気になる。例えば机の上。 ボックスティッシュはスペースの関係性ということもあるが、横に寝かせて置くより、立てて置くことの方が案外使いやすい。 実際デザイン探偵もデスクの上のボックスティッシュは、壁に立てかけるようにして使っている。 生活雑貨をあれこれ物色していた探偵はその日、スタンドタイプのティッシュボックスに出会った。シンプルで美しいデザイン。 これなら立てかける必要もない。手前にティッシュを引いても、ボックスが倒れないように、底辺の設置面積を広く取り、安定性も考えられている。 「機能性とデザイン」..

  • I'm a super star take.1

    デザイン探偵はその日いくつかのスニーカーをチョイスしていた。 こういった依頼は珍しいが、市場に溢れ帰るスニーカーの数といったら、もはや把握しようもない。オリジナルやら復刻やら、コラボモデルやら、そういった物の中で、まず候補を絞るのも骨の折れる作業だ。 だが、誰しも自分にぴったりの一足を求める。なにしろ、自分を常に支え、友に歩き行動する。文字通り“共に生きていく”存在とも言えるのが、足下を固める存在だ。 スニーカーの奔流を掻き分けるうち、探偵が目を留めたのは、一足のsuper starだった。 Vintageと呼ばれるこのモデルは、靴内部のレザー仕様や、加工にこだわりを持って作り込まれて..

  • 新世代の“白物家電”?

    日々、膨大な書類の山と格闘する職場というのは実に多い。 情報保護が法的にも社会的に叫ばれる中で、各種書類の処分に気を使う企業も増えてきている。 もちろん企業だけでなく、一般の家庭においても、ちょっとしたゴミとして出る、個人情報の記載された書類の処理に気を使う場面も増えた。 シュレッダーというのも、一般家庭のありふれた家電の一つとなりつつあるのかもしれない。 デザイン探偵が出会った、そのデザインシュレッダーは外観的に文字通り、新世代の“白物家電”と呼ぶべきか。事務用品とはかけ離れたどこにでも溶け込んでくれそうな外観。書類だけでなく、CD・DVDも裁断できる点も申し分ない。 ありふれた事..

  • 七夕の午後

    ここ数日どんよりとした灰色の雨雲が空を覆っていた。 ようやくというべきか、梅雨なのだと実感する日が続く。 珍しくデザイン探偵は、雑居ビル最上階の事務所の僅かなスペースで、デスクワークに勤しんでいた。 取り寄せていた資料のチェックと整理整頓。探偵はこういった類いのものを、几帳面にもファイリングして、しっかりと管理していた。 そして各種の支払いのチェック。領収証も丹念に整理し、まとめられていた。 壁掛け時計は午後二時を回っていることを示している。 ふと、窓の外を観ると雲の切れ間から日が射していた。向かいのビルを照らすその日射しは、思わず探偵が子供のような歓声を上げてしまうほど、美しかっ..

  • 日常の王者

    デザイン探偵は、王者を讃えるための玉座を依頼された。 それは某国の王族が来賓として来るためでも、スポーツのチャンピオンのためでもない。 もちろんそういった人たちが腰をかけたとしても一向に構いはしないが・・・。 これは、自分に打ち勝ち、自分の壁を乗り越え、新しい視点・新しい位置に自分が立った時、そんな自分を誇りに思い、讃えるための椅子だ。 ほんの束の間でも、自分の達成した偉業を大いに讃える。どんなことだっていい。今まで自分に出来なかった事、無理だと思い込んでいたこと。そんな事を一つでもやり遂げたとき、自分を讃えることがあったっていいじゃないか。 たとえ後になってみれば、次の自分の成長へ..

  • テーブルに海辺の空気をのせて・・・

    梅雨の晴れ間が覗いた午後。 デザイン探偵はその日、リビングに置くテーブルをピックアップしていた。 生活の中で家族や友人が集まる場にあって、中心に置かれる存在。 どんな部屋にしたいか・・・、いやどんな生活にしたいか、むしろどう生きていくのか?家具というのはその人のライフスタイルをある意味具現化したものかもしれない。 そんなことを漠然と考えながら、探偵は一つのローテーブルに目を留めた。 シャープなRを描くそのテーブルはまさに“サーフボード”そのものだった。実際に「サーフボード」と呼ばれることもあるらしい。 部屋の中に鎮座していたとしても動き出しそうな、そのテーブルからは夏の情景が思い浮..

  • 残業を楽しく。

    一日中雨が降りしきっていた。時に弱く、時に激しく窓ガラスを叩く。 デザイン探偵はこんな日はあまり元気がない。何しろ相棒である年代物の白いベスパと街に出れないからだ。勝手気まま思いつくままに移動できないというのは不自由なものだ。 この日探偵は、とある会社からオフィス用の家具の見積もりを依頼され、電車とバスを乗り継ぎに苦労しつつ、あちこちを当たっていた。 あるショップで探偵は赤い座面が印象的な一脚のオフィスチェアを目にする。 座面はナイロンメッシュで手触りもいい。 デザイン探偵はそのチェアに腰掛けた。 幅広く作られているので、すこし身体を崩して座ってもよかった。 ソファに座っているよ..

  • AFRICA

    デザイン探偵はアフリカのサバンナを目の前にしていた。 空はどこまでも広がり、地平線の彼方まで大地が続いていた。 まばらに生えた木々、草原と赤茶けた土・・・。 広大なサバンナをRV車を駆って、どこまでもどこまでも走る自分がいる。 だだっ広い草原がすごい速さで流れていく。 遠くを走る、草食動物の群れ、空を覆うフラミンゴの大群。 いつしか探偵は自分が運転する車の存在を忘れ、自分の両手両足で疾走しているような感覚を覚えた。 「もっと早く走れる。もっと遠くへ飛べる」 探偵は野生動物のように美しいフォルムで疾走し続ける。 余計な意識や、思考から解き放たれて、探偵は今や自然そのもの、“命”..

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