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  • 【目次】

    私は政治記者として多くの政治家を見てきた。その中で最も興味を持ったのが又市征治という人物だった。記者を辞めた今も独自に取材を続けていく内に、私はますます彼について書きたくなった。これは、そんな又市征治という一人の政治家の記録である。はじめに・又市征治との出会い1.苦難の少年時代・父の事故、母の早産・空襲、終戦、そして母の死・中学をやめた兄・新聞配達・高校へ行かせてくれ・初めてのストと団体交渉・弁護士への夢・父の急死、進学断念2.反骨の青年時代・反骨の若手職員・組合運動へ・弾圧と悔し涙・重い処分・生活を守る人を望む・反対された結婚・でっち上げ・励ましてくれた仲間3.剛毅な労組時代・1万人集会・兄の急死、弟の反抗・「望む」から「押し出す」へ・又市征治への人物評・自民党本部への「直談判」・福祉への執念・又市征治と加藤...【目次】

  • 政治家「又市征治」という男

    又市征治が描く「護憲議員連盟」構想への条件はどうか。自民党総裁選のとき自民党の党員・党友に対して共同通信社が調査を行った。その際「憲法9条を変えるべきではない」と答えた自民党員が26%にものぼった。加藤紘一らのような改憲慎重派の議員もいる。国民新党の中にも確かにいる。民主党や公明党の中にも護憲派議員は多い。こうした議員と連携していくことは不可能ではないし、又市は実際にこの選挙戦を通じて彼らと連携を深めている。平成22年までの間に、少なくとも総選挙が1回、参院選が2回はあるが、その中で「反自民・反改憲」派との連携をどう強化していくかに賭かっている。それができるのは又市以外には見当たらない。安倍自民党は参院選のマニフェストのトップに、予想通り「改憲」を掲げた。その中身については全く触れられていないが、国民の暮らしや...政治家「又市征治」という男

  • 超党派の「護憲議連」構想

    平成19年の国会は荒れに荒れた。野党共闘から離脱した共産党を除く3野党は、2月に党首・幹事長会談を開き、再び結束を確認した。閣僚の相次ぐ失言と暴言、次々と明らかになる「政治とカネ」の問題、閣僚の任命権者である安倍晋三の遅い決断は、現職閣僚の自殺という悲劇を生んだ。さらに安倍は、野党からの追及から逃げるかのように極端に強引な国会運営を行っていく。強行採決以外に法案成立の方法はないのではないか、と思えるほど与党は強行を繰り返していった。さらに問題は浮上し、沸騰する。「宙に浮いた」「消えた」と言われた年金記録問題で国民の怒りは頂点に達した。年金の給付が削られ、さらに年金にも課税されるようになった。それだけでなく、今度は誰のものか分からない記録が5千万件以上もあるという。「暮らしていけない」という国民の悲鳴に、住民税の...超党派の「護憲議連」構想

  • 「護憲」協定

    平成18年9月、任期中の改憲を掲げて登場した安倍政権は、教育基本法改定案、「共謀罪」創設法案、国民投票法(改憲手続法)案、防衛「省」昇格法案など、小泉政権時代に継続審議となった法案の「在庫一掃」を推し進めようとしていた。これに対し、又市征治は、秋の臨時国会の冒頭から4野党共闘の引き締めに取りかかった。自民党と同根である民主党や国民新党は、教基法改定や国民投票法案、防衛省昇格、さらに改憲も、基本的に賛成の立場である。放って置けば、民主・国民新は自民・公明になびきかねないと誰もが見ていた。しかし、野党はなかなか崩れなかった。教育問題に関するタウンミーティングにおいて「やらせ」「サクラ動員」「不正な謝礼」などの問題が発覚したにもかかわらず、与党は教育基本法案の衆議院での審議を一方的に打ち切り、単独で採決を行った。こう...「護憲」協定

  • 小泉の逃げ、安倍の登場

    平成18年6月に又市征治が仕掛けた4野党共闘は「小泉包囲網」と呼ばれた。4党は緊急アピールを採択し、ただちに与野党党首会談を与党側に申し入れた。米軍再編と、その費用の3兆円が日本側の負担になるということについて、政府は何の説明もせず国会から逃げ出した。又市は包囲網を作り、これを追い詰めようとしたのだ。当時の首相、小泉純一郎は困り果てたようである。小泉はアメリカ訪問を控えていた。もし与野党会談に応じてボロを出せば、ブッシュ大統領も良い顔をしないだろう。もともと説明したくないから、数々の法案を積み残したまま国会も会期中に終わらせたのだ。小泉はひたすら逃げまわる道を選び、与野党会談を拒み続けたのだ。理由は「訪米の準備で忙しく…」というものだった。一国の総理が外国を訪れるのに、自分で何日もかけて旅支度をするなどありえな...小泉の逃げ、安倍の登場

  • 野党共闘の中心に

    民主党からは小沢一郎・鳩山由紀夫、共産党からは志位和夫・市田忠義、社民党からは福島瑞穂・又市征治、そして国民新党からは綿貫民輔・亀井久興。正にそうそうたる顔ぶれだった。そこでは様々な議論がなされたが、やはり米軍再編問題についての話になろうとしたそのとき、又市はこう切り出した。「この中には米軍再編や基地機能強化に賛成の人々がいる。そのことは私も重々承知している。だが、3兆円という莫大な負担の問題について、政府与党は何か説明をしただろうか。その財源も含め、誰か納得しているのだろうか。ここは野党で一致して追及していくべきではないか。」この又市の提起に異論をはさむ者はいなかった。又市が起案した合意文書案は緊急アピールとして採択され、4野党による党首・幹事長会談は成功裏に終わった。さらにこの会談は、単なるアピールでは終わ...野党共闘の中心に

  • 党首・幹事長会談へ

    野党共闘を裏切り、与党に歩み寄る民主党に筋を通させるためにも、4野党の党首を集めようと考えた又市征治だったが、これは簡単な話ではない。代表・委員長・党首、いろんな呼び名があるが、要するに政党のトップである。そのトップどうしが話をし、合意したとなれば、その合意の重みは大きく、お互いに一定の拘束力すら持つ。その意味が重すぎるがゆえに、これまで全野党を集めた党首会談というのは4年前の夏から行われていなかった。さらに民主の小沢、国民新の綿貫は保守色が強く、理念的には共産、社民との間には大きな溝があった。とりわけ共産は元々、自分たち以外の政党を敵視しながらこれまでやってきた閉鎖性がある。その委員長が、呼ばれたからといって簡単には出てこない。民主や国民新にしても、共産と同席してもメリットはないし、民主は野党共闘を裏切ったば...党首・幹事長会談へ

  • 野党合意と裏切り

    平成18年6月8日、民主・共産・社民・国民新の4野党は、幹事長・国対委員長会談を開いた。これは表向き、民主党の鳩山由紀夫が呼び掛けた形になっていたが、実質的には又市征治が仕掛けたものだった。その席上、又市はこう切り出した。「小泉首相の任期は9月まで。つまり秋の臨時国会は別の内閣だ。内閣が替わる以上、小泉内閣が提出しながら今国会で成立しなかった法案は全て継続審議ではなく、廃案にすべきだ。」これには、民主の鳩山・渡部が難色を示した。民主は与党案への対案を出していた。「民主の対案も廃案にするのか。」民主党は対案路線の危うさに懲りていなかった。又市は即答した。「当然だ。」「与党がどうしても通したい法案であれば、次期内閣がまた新たな法案を出してくるだろう。民主党はそのとき、どうしても対案を出したいならば改めて出せば良い」...野党合意と裏切り

  • 民主党の危うさ

    野党共闘が低調だった間も、何とか野党の攻勢は続いていた。その頃ちょうど、ライブドア事件、耐震強度偽装問題、米国産牛肉問題、防衛施設庁談合事件の、いわゆる「4点セット」があったからだ。野党の厳しい追及に、政府与党は劣勢に立たされていた。しかし野党第一党である民主党に、思わぬ落とし穴が待っていた。民主党の永田寿康による「偽メール事件」である。この民主党の自滅によって「4点セット」はうやむやになり、与党が攻勢に転じる。民主党は永田が議員辞職、国対委員長の野田佳彦、そして代表の前原が辞任に追い込まれる。その後、代表に就任したのが小沢一郎だった。ようやく本当の喧嘩の仕方を知っている人物が現れたのだ。又市征治は、小沢に警戒感を持ちながらも、わたり合う相手として不足はないと歓迎した。この通常国会、政府与党からは、教育基本法改...民主党の危うさ

  • 共闘の停滞

    又市征治が奔走して実現した野党共闘は、自衛隊イラク派遣延長問題で、小泉内閣を追い詰めた。このことは野党側にとって大きな自信となった。この平成16年の共闘について、又市には一つの思いがあった。実はこの年の7月、3名の政治家がアメリカを訪問していた。1人は自民党副総裁(当時)の山崎拓、次が自民党国対委員長(当時)の中川秀直、3人目は民主党代表の岡田克也だった。政治家はアメリカへ行くとおしゃべりになる。山崎は「自民・公明・民主の3党大連立による憲法改正」を唱えた。中川は「自民・民主の連立による憲法改正」を打ち出した。そして岡田は「憲法を変えて、集団的自衛権を行使できるようにする」と発言した。現自民党幹事長である中川秀直の「公明党外し」論は興味深いところだが、それはともかくとして憲法問題で鍵を握るのは民主党だった。そし...共闘の停滞

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