山百合や用水音もなく流れ ユリ科の多年草。中部以北の山野に自生する。 七月頃、茎の頂に、白色で内面に赤褐色の斑点のある大形で…
川沿ひの真つすぐな道灸花 アカネ科の蔓性多年草。山野、路傍などに自生する。 七月頃、鐘状で外側が灰白色、内側が紅紫色の小さい…
畑道を真つすぐ行けば青柚かな 結実して間のない、小粒で濃緑色の柚子の実をいう。 青柚は皮を擦ったり、細かく刻んだりして、煮物…
用水の苧や雨ほつほつと イラクサ科の多年草。茎はやや木質化し、葉は大きな卵形で先がとがり、裏面に綿毛を密生する。 夏から秋に…
川沿ひに降るる道なり百日紅 ミソハギ科の落葉高木。中国南部原産。 七~九月、枝先の円錐花序に紅紫色の六弁花をつける。白色の百日…
突き出せる路地の青柿潜りけり まだ熟しておらず、緑色をした柿の実をいう。 七月頃、青柿は硬く、渋く、生命力に満ちた若々しさを…
川沿ひの道の鬼百合暮れてきぬ ユリ科の多年草。北海道を除く各地の山野に自生する。また、観賞用や食用に栽培される。 七月頃、暗…
猫車押す農夫をり青林檎 未熟でまだ青い林檎をいう。 単に「林檎」といえば秋季だが、「青林檎」は夏季の季語。 果…
川沿ひのグラジオラスや眼福と アヤメ科グラジオラス属の多年草。原種は300種以上もあり、地中海沿岸、熱帯アフリカ、南アフリカ原産とされる。…
白南風や基地のぬけ道自転車も 梅雨が明けた後、夏空が明るく晴れ渡り、南東方から吹いてくるさわやかな季節風をいう。 梅雨が明…
梅雨晴の児童遊園子がひとり 梅雨の最中に、一時的にふと訪れる晴天や晴れ間のことを、「梅雨晴」といい、「梅雨晴間」ともいう。 …
虎杖の花や散歩の犬ばかり タデ科の多年草。荒地、斜面などいたる所に自生する。雌雄異株。 七月頃、先のとがった広卵形の葉の葉腋…
打ち合へるテニスの音や夏薊 薊はキク科アザミ属の多年草。単に薊というと晩春の季語になる。夏薊は五~七月頃に咲く薊の花をいい、夏薊という名の…
瀬音へと向く梔子の花多し アカネ科の常緑低木。暖地に自生するが多くの園芸品種があり、庭木として植栽される。 六~七月頃、枝先…
青胡桃揺らす夕風立ちにけり 殻がまだ固まりきらず、厚い緑色の果皮に包まれた未熟な胡桃の実をいう。 六~七月頃、木に実り、やがて…
萱草の色懐かしや川堤 ワスレグサ科(旧ユリ科)の多年草。中国原産。原野や土手などに自生する。 七月頃、高い花茎の頂にユリに似…
凡でゐることの楽しや竹煮草 ケシ科の多年草。山野や荒地に群生する。 六~七月頃、小さな白い花を円錐状に密集してつける。 …
凌霄の雨の川へとなだれけり ノウゼンカズラ科の蔓性落葉木。中国原産。 節々から吸根を生じ、樹木、壁などをよじ登る。 …
三島暦師の館 梅雨をきて三島暦の版木かな 梅雨の中、靴もズボンの裾もびしょびしょに濡れて三島暦師の館を訪れた。 館長に中を案内…
弘法大師腰掛石やアカンサス キツネノマゴ科アカンサス属の大型宿根草。地中海沿岸原産。 六月頃、長花茎に紫褐色の苞をもつ白色の…
三島・楽寿園 荒梅雨の潦(にはたづみ)なり楽寿園 楽寿館 梅雨はおおむね六月一〇日前後から葯一か月間雨の降り続く期間をいう。 揚…
青蘆を風渡る音聴いてをり 夏の水辺に青々と茂っている蘆をいう。 葭(よし)は異名で、蘆の音が「悪し」に通じるのを忌んでこう呼…
茄子の紺ほどの深みを欲しきかな ナス科一年草の野菜。インド原産。広く温帯・熱帯で栽培される。 五月頃、淡紫色の合弁花を葉のつ…
南蛮の花や薄日のすぐに消え イネ科の一年草。熱帯アメリカ原産。雌雄異花。 六~七月頃、雄花は茎の頂に十数本に分かれる長い花…
心地よき夕風の歩や青葡萄 夏季の、熟する前の青くて硬い葡萄の実をいう。 房状に小さな実がなり、次第に大きくなるが、夏の間は固…
下校児の傘振る遊び梅雨きのこ 梅雨の長雨の時期に、湿気を含んだ地面や朽木などに生える様々な茸の総称。 梅雨は日照が少なく、…
捩花のそば走る人歩くひと ラン科の多年草。原野、芝地などに自生する。高さは10~30センチメートル。 六~七月頃、淡紅ないし…
羽開く川鵜を親子見てゐたり ペリカン目ウ科の鳥。湖沼や河川、沿岸海域などで生活する。内陸水辺の松林や杉林にコロニーをつくる。 …
郊外に広き畑や梅雨曇 梅雨時に、空一面が雲に覆われて薄暗く曇っている状態をいう。 梅雨特有の、湿り気を含んだ重い空、明るさの…
霊園に七福神や松葉菊 ツルナ科の常緑多年草。南アフリカ原産の鑑賞用植物。 五~七月頃、長い花茎の頂に紅紫色・桃色・白色などの…
昼顔や下校児らの声大きくて ヒルガオ科ヒルガオ属の蔓性多年草。原野に自生する。 六~七月頃、葉腋にアサガオに似た小形で淡紅色…
川沿ひの道暮れてきぬ半夏生 ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草。別名、半夏生。低地の水辺や湿地に群生する。 六~七月、茎頂にあ…
曇り日を歩き苗代苺かな バラ科キイチゴ属の落葉小低木。日本各地に分布し、日当りのよい原野の川原や道端に自生する。 五月、淡紅…
百合咲いて明るくなりぬ川堤 ユリ科の多年生球根草の総称。北半球の温帯に130種分布している。 六~七月頃、茎の上部に総状に美…
南天の花に肩触れ出かけけり メギ科の常緑低木。中国原産。西日本の暖地に自生し、また観賞用に植栽される。 六月頃、茎の先に大形…
濁流の橋渡りきて額の花 アジサイ科(旧ユキノシタ科)の落葉低木。暖地の海岸近くの山地に自生し、また観賞用に栽培される。 六月…
紫陽花の道を楽しむ齢かな アジサイ科(旧ユキノシタ科)の鑑賞用落葉低木。日本原産のガクアジサイの改良種とされる。 梅雨入りの…
曇り日の夾竹桃や瀬音して キョウチクトウ科の常緑低木。インド原産。日本には江戸期に渡来した。庭園、公園、緑地帯などに植えられる。 …
夕暮れは心しづかに沙羅の花 ツバキ科の落葉高木。東南アジア原産。山地に自生するが、庭木ともされる。 六月頃、葉腋に大きな白花…
歳取るを恐れず生きむ金糸梅 オトギリソウ科の半落葉低木。中国原産。鑑賞用に庭園に植えられる。 五~六月頃、つややかな黄色の梅…
何の花と訊かれて合歓の花といふ マメ科の落葉小高木。山地や川原に自生する。 六月頃、紅色の小花を球状に集めて夕暮に咲く。花弁…
麦の秋肥前旅せしことなどを 麦が黄金色に熟して取り入れ時になる五~六月頃のことをいう。 これは麦にとっての収穫期が「実りの秋…
風欲しき昼下がりなり千鳥草 キンポウゲ科デルフィニウム(ヒエンソウ)属の多年草または一年草。南ヨーロッパ原産。 五~六月頃、…
日の差して未央柳の金の蘂 オトギリソウ科の半落葉低木。中国原産。日当りのよい土地に育つ。 六~七月頃、径五センチほどの黄色い…
鬱のまま蛍袋に屈みけり キキョウ科ホタルブクロ属の多年草。山地、丘陵に自生する。 五~六月頃、淡紅紫色、または白色で、内側に…
桑の実の赤白黒と見たるのみ クワ科クワ属の落葉高木。 春、淡黄緑色の単性花を穂状に綴る。雌雄異株、稀に同株。 …
川沿ひを泣きじやくる子や立葵 アオイ科の鑑賞用多年草。中国原産。 五~六月頃、葉腋に紅・桃・淡黄・白・紫などの大型の花を総状…
枇杷撮つてをれば売るかと訊かれけり バラ科の常緑高木。石灰岩地帯に自生するが、改良品種が栽培される。 冬に花をつけ、翌年の六…
見回りのパトカー発てり蛇の目草 キク科の一年草。北アメリカ原産。 五~六月、細長い花柄の先にコスモスの似た、周辺が鮮黄色、中…
青梅のぞつくり生つて夕日かな 未熟で青い梅の果実をいう。 五~六月に梅の実は急速に育つ。熟す前の青緑の実が青梅である。 …
青空に風の止みたる栗の花 ブナ科クリ属の落葉高木。低山地の落葉樹林に広く分布する。 五月頃、黄白色花穂を枝先に上向きにつける…
菜園を風渡りをり小町草 ナデシコ科の一年草または越年草。ヨーロッパ原産。江戸時代末に日本に渡来し、観賞用として庭園に栽培される。 …
川べりの野花菖蒲へ下りてみぬ アヤメ科の多年草。ハナショウブの原種。山地の草原や湿地に自生する。 五~六月、長い花茎を出し、…
フェンス越し基地なる茅花流しかな 茅花の穂綿がほころびる頃に吹く南風で、雨を伴うことが多い。 茅花はイネ科の多年草であるチガ…
繡線菊の宿す雨粒吹かれけり バラ科の落葉低木。山野の日当りのよい土地に自生する。また、観賞用として人家や公園に植栽される。 …
夕風を切りて頭上や夏燕 夏に見かける燕をいう。 春に渡来した燕が、初夏から盛夏にかけて日本で子育てをし、盛んに飛び交っている…
句会果て夕日の箱根空木かな スイカズラ科の落葉低木。各地の海岸に自生し、観賞用に庭木とする。 五~六月頃、漏斗状の花を数個つ…
清清と行く緑道や花石榴 ミソハギ科(旧ザクロ科)の落葉高木。ペルシア・インド原産。日本には平安時代に渡来した。 五~六月頃、…
犬吠えて卯月曇の川堤 卯月は旧暦四月の異称、陽暦ではほぼ五月にあたる。この頃の曇りがちな日和をいう。 あたかも、卯の花の咲く…
曇り日の畑隅の花卯木かな アジサイ科(旧ユキノシタ科)の落葉低木。山野に自生し、畑の境界や生垣などに植えられる。卯の花は「ウツギの花」の略…
じやがいもの花や泥臭くともよき ナス科の一年生作物。アンデス原産。 インドネシアからジャガタラを経て慶長年間に渡来したことか…
花樗風に翻弄されゐたり オウチは栴檀の古名。センダン科の落葉高木。暖地に自生する。 五月頃、淡紫色の五弁花を多数つけ、秋に黄…
静謐といふ語似合へる海芋かな サトイモ科オランダカイウ属の球根または塊茎をもつ多年草。南アフリカ原産。比較的寒さに弱い。園芸的には春植え球…
菜園の垣に垂るるやすひかづら スイカズラ科の常緑蔓性木本。山野に自生する。 五月頃、葉腋に二つずつ並んで細い筒形の花をつける…
薫風や山鳩前を歩みゐて 木々の緑の香りを運ぶ心地よい初夏の風をいう。 元々は和歌で花や草の香りを運ぶ春風が吹くことをいってい…
下校児の屯してをり山法師 ミズキ科の落葉高木。山地に自生し、庭木や並木として植栽もされる。 五~六月頃、細花を球状に密生し、…
睦まじき夫婦の通る紫蘭かな ラン科シラン属の多年草。関東以西の山地などの湿った所に自生し、庭園に植栽もされる。 三〇~五〇センチの…
リヤカーの置かれし芝やえごの花 エゴノキ科の落葉小高木。 五月頃、枝先に多数の白色の五弁花を下垂する。 果皮が…
矢車草菜園に人見え隠れ キク科の一年草。南ヨーロッパ原産。植物名はヤグルマギク。園芸ではヤグルマソウと呼ばれる。 四~五月頃、九…
川風に遊ぶ少女や花いばら バラ科の落葉低木。日本全土の山野に自生する。 五月の頃、枝の先や葉腋に五弁の白色小花を円錐状に多数…
をみならの声弾みをりジギタリス オオバコ科(旧ゴマノハグサ科)ジギタリス属の多年草。南ヨーロッパ原産の薬用・観賞用植物。 五…
文士てふ語の古りにけり鉄線花 キンポウゲ科の落葉蔓性植物。中国原産。日本には江戸時代に渡来した。蔓が鉄線のようなのでこの名がある。 …
木洩れ日に石楠花明き真昼かな ツツジ科ツツジ属の常緑低木のうち、ツツジ類を除くものの総称。 高山・亜高山に生え、高さ1~2メ…
香る薔薇香らぬばらや鼻寄せて バラ科バラ属の鑑賞用植物の総称。いくつかの原種をもとに、19世紀以後に膨大な数の品種が作られ、世界中で栽培さ…
夕風に揺るる牡丹を巡りけり ボタン科の落葉低木。中国原産。 平安時代初期に薬用植物として渡来し、寺院に植えられた。庭園で栽培…
木々渡る風の道ゆく立夏かな 二十四節気の一つで、太陽の黄経が四十五度のときをいう。 陽暦五月六日頃にあらるが、今年は五日。南…
輪になつてボール遊びやみどりの日 国民の祝日の一つ。平成元年昭和天皇の崩御にともない、それまでの「天皇誕生日」四月二十九日を改称し、「自然…
八重藤や写真を撮つてもらふとは マメ科フジ属の蔓性落葉木本の総称。 山野に自生するヤマフジとノダフジのほか、観賞用の多くの園…
簡単に夕飯済ませ朧月 春月のなかでも特に朧にかすむ月をいう。 この季節に多いヴェールのような薄雲の広がる夜には、月は朧に見え…
ぎしぎしや川幅狭き河川敷 タデ科の多年草。川のほとりや水田の畦などの湿り気のある肥沃な土地に自生する。 全体が緑色をしており…
春落葉用水沿ひの小道にも 椎、樫、檜などの常緑樹が晩春に落とす古い葉をいう。 こうした木は春、新しい葉が芽吹いてくるのと…
蔦若葉誰にも会はぬ道をきて 蔦は、キヅタ、ツタウルシなど蔓性木本の総称。 落葉しない蔦を冬蔦、落葉するものを夏蔦という。蔦若…
をだまきや昔大八通りしと キンポウゲ科の多年草。高山帯に野生するミヤマオダマキを母種とする園芸植物。 四~五月頃、先端に一~…
満天星の花やジョガーの走り過ぎ ツツジ科の落葉低木。日本原産。庭や垣に植えられる。 四~五月頃、若葉を上向きに開き、その下に…
恙なくけふも歩きぬ花楓 カエデ科の落葉高木。種類が多いが、多くは普通モミジのことをいう。 晩春、新葉とともに花をつける。雄花…
こでまりやベンチのをみな目を閉ぢて バラ科シモツケ属の落葉小低木。中国原産。江戸時代中期に日本に渡来したとされる。 四月頃、枝先…
霊園の夕日の当るつつじかな ツツジ科ツツジ属の常緑または落葉性低木の通称。山野に自生し、また観賞用に庭園に栽植される。 四~…
御苑内通勤のひと金鳳花 キンポウゲ科の多年草。日当たりのよい山野や山路などに自生する。 四~五月頃、茎は枝分かれし、枝ごとの…
松の花やうやく着きし真如堂 松はマツ科の常緑高木。雌雄同株。 四月頃、雌花は毬状で新芽の頂に生じ、雄花は新芽の下部に穂状に密…
哲学の道の疎水へ濃山吹 バラ科ヤマブキ属の落葉低木。一重のものは山野に自生し、八重のものは庭園に栽植される。 四月頃、黄色い…
永観堂放生池 京の空淡く映せり春の池 冬の間に氷ったり水位が下がったりしていた池が、春の訪れとともに変化していく様子を指す。 …
支考句碑前に来てをり春の鴨 京都の永観堂を訪れた。人がほとんど行かない滝の下の流れを囲むようにして、支考の美濃派「獅子門」の歴代宗匠たちの…
芝桜子供広場に声あふれ ハナシノブ科の多年草。北アメリカ原産。宿根フロックスの園芸品種。 四月頃、深く五裂する小花を、株一面…
桜蘂降る下に立ち話かな 桜の花びらが散った後、萼についている細かな蘂や茎が降ることをいう。 地面が落ちた蘂で赤く染まり、まる…
とびとびや米軍基地の蒲公英も キク科タンポポ属の多年草。古来、東日本に黄、西日本に白花が多いとされてきたが、セイヨウタンポポが殖えるにつれ…
一仕事終へて歩きぬ八重桜 八重咲きの里桜をいう。山桜から変化したもので、花期は四月中旬から五月上旬、桜のなかで最も遅い。 ぼ…
昼過ぎの畑の菜の花明かりかな アブラナ科アブラナ属の総称。古くから野菜として、また行灯などの灯火に使う「菜種油」を採るために広く栽培されて…
ポケットに小銭入れのみ紫荊 マメ科の落葉低木。中国原産。庭木として植栽されている。 四月頃、葉に先立って紅紫色(蘇芳色)のつ…
ファインダー越しの御衣黄揺れやまず バラ科サクラ属の落葉高木。ソメイヨシノが散った後の四月中旬から下旬に、緑色を帯びた花をつける。 …
林内に小流れありぬ諸葛菜 アブラナ科の一年草。中国原産。日本には江戸時代に渡来した。 三~五月、茎の上にまばらな総状花序を出…