スケジュールを立てながらの仕事。期日は9月10日。体は問題ない。心も充実している。若干遅れているが、なんとか間に合いそうだ。ちょっと休憩。「水羊羹、食べる?」と、冷蔵庫から出してくれる。私の好み。昨日は抹茶、今日は小倉。庭では白いアスターが咲き出した。そして八月はさよなら。...
キャットミント(Catmint) ~「お~い」と早生の洋梨~
「お~い、いるかい」いつものその元気で大きな声は誰だかすぐわかる。果樹農家の竹村さんが作業着姿で「ちょっとだけど早生の洋梨な」とレジ袋を。「選果ではじいた物だけどな」「いつもすみません」「いよいよ梨も始まってな。じゃあ」収穫期を迎えつつある果樹農家はこれから忙しくなるのだろう。初めて見る小さな赤い洋梨が10個入っていた。庭に出れば、四十雀がやってきてツーピッツピッツピッと話しかけてくれる。キャット...
朝食後、仕事に取りかかる前に、庭を少し漫ろに歩く。鳥の声を聞きながらよもに目を遊ばせる。秋明菊に蕾。藤袴、白山菊には少しの花。彼岸花も咲き出した。下に目をやり、露草の中に見つけたのはキツネノロウソク。そういえば7月の中旬にも出ていた。その時は小径の中央に。土を割って押しのけて。頭に枯れた小さな草を乗せていた。木に絡みついて朝顔が一輪。「私を見て……」と言うかのように。柿の実はほんのり色づく。数は去年...
ようやく夏らしい強い陽射しが戻る。気温も34℃を越え。お盆の頃に欲しかったなあ。庭では達磨萩が咲く。蜂がやってきて花から花へ。自由でいいなあ。半ズボンで歩いていたら蚊に数カ所を刺された。 萩咲く八月下旬知人よりコロナの文字がある個展中止の知らせ届く (居山聞涛)...
昨日の5時半頃、月下美人に咲く兆候が見られた。急いで私の部屋の中に入れた。夕食前に開きはじめた。食事を済ませて戻ると開花はさらに進んでいた。今している仕事の進捗状況を振り返りつつ、目で時々追う。夜に弱い私だが、彼女が部屋にいるときはできるだけ付き合うようにしている。いつもの強い香りが部屋中に広がる。このたった一夜の幸せを独り占めて楽しむのは今年三度目。正面の掛け時計は10時を指す。そろそろ眼が限界...
シンテッポウユリ(新鉄砲百合) ~「チチタケ(乳茸)を……」~
また穂波さんが「チチタケをナスと一緒に煮たから」と。ご夫婦で山に入り採ってきたのだという。名前は聞いたことはあるが、食したことはない。大きな枝が折れたといって、プルーンもいっぱい。カボチャも5つ袋に、「食べきれなくていつももらってもらいありがとう」と。「いえいえ、置いておけるし、助かるよ」さっそく夕食にチチタケを。香りはわずかに感じられる程度。それほど歯ごたえのある食感でもない。おいしいというより...
サンパラソルの葉の上にクダマキモドキを見つけた。体全体はほぼ緑色。葉に同化するようにしてとまっている。ほとんど動かないのでいろいろな角度で眺めた。触角は体長の2倍ほど。後脚は前脚の3倍ほど。そのバランスの妙はなかなか。朝に夜に虫の声が少しずつ増えてきた。目にするもの、耳にするものからも季節が進むのがわかる。...
庭に土手に垣根の下に……、と高砂百合があちこちで咲き始めた。毎年抜くのだが、数は去年よりもさらに増えている。大きくて高くて、堂々とした百合だが、完全に野生化した繁殖力旺盛な外来種。繡線菊の前の1本だけを残して処分しよう。四月に松本へ転勤になった知人から残暑見舞いが届いた。家族揃って“焼岳”に登頂した写真に、「小さな変化が楽しい」と手書きの文が添えられて。18年も会っていない。近況を知らせ、返事を出した...
白い野菊が咲いている。花はまだ数輪。ナンジャモンジャノキの下で毎年見られる。茎はいくつもに枝分かれをする。小さな花がその先に咲く。葉は細長くて、か弱い感じ。それらの特徴から柚香菊ではないかと思うが。野菊はどれも似ていて私には判別がよくできない。このところ毎日ミンミンゼミが鳴く。アブラゼミとはまたひと味違って、はっきりした声で力強い。あれやこれやもだんだんに入れ替わりつつあるようだ。...
昨日も、弱まったり、急に激しくなったり、ちょっとやんだり、雷を伴ったりと。様々な形で雨。合間を見て一休みし、外に出る。川は激しく流れている。まだヒマワリは少し残っている。韮には白い花。コスモスも少し。見上げれば百日紅。マンネンダケが2本あった。そばには生まれたてほやほやの赤ちゃんタケも。このところの雨が促すいい条件になったか。ほかにもあるかと、下を見て歩く。白い和傘のようなモノ。椎茸に似た厚みがあ...
李の木の下に女郎花があります。それに数日前から黄色い花が咲き始めました。枝分かれした華奢な茎の先に。多くはまだ蕾です。盛りはやはり秋九月の声を聞いてということでしょう。その小さな花に胴のくびれたスマートなヒメバチがとまりました。 風立てば痩身の人のしなのごとくゆるく揺れて女郎花 (居山聞涛)...
待宵草にも雨粒が乗る。それはそれで素敵な情景。その黄色い花を見てふと思い出した。あの詩集の函に描かれている花ははこの待宵草ではなかったかと。書架からその西条八十の『感傷詩集』を取り出して見る。昭和8年発行、定価一円五十銭の古い詩集。表紙はボロボロ。装幀と挿画は加藤まさを。たしかにそれは待宵草だった。久しぶりにゆっくり丁寧にページをめくってすべてを読んだ。一番最後のページの詩は「夜」(Sara Teasdale)...
ツユクサ(露草・月草・あおばな) ~野の小さな一日花に見る純心~
こぶりになった雨の中、仕事の手を休めて庭に出る。青い露草。3枚の花びらは上の2枚が青く、下の1枚が白い。6本の雄蘂のうちの2本だけが、ほかの黄色い4本とは色形を違え、雌蘂と同じ長さに伸び出ている。小さい花だが、造型的な美を感じる。濡れた姿にはいっそうの「純心」を思い起こさせたり。いったい八月という夏はどこへ行ったのか。心を抑え惑わずに、目と手と足を愚直に働かせて、己の時間を静かに過ごす。 長く...
独活に花が咲いている。たくさんの小さな5弁花が球形にまとまって、打上げ花火のように放射状に広がる。独活は実を付けた次郎柿の横にある。そして近くにはそろそろ終わりになった向日葵も。雨の中、穂波さんが野菜を持ってきてくださった。西瓜2玉と30㎝ほどの長いゴーヤ3本と腕の太さくらいのズッキーニ2本。「今年はいろいろと豊作で食べきれなくてさ。じゃあ」と。この夏何回目だろう。いつもありがたい。 独活には花...
玄関前には月下美人の鉢が立つ。それに蕾が二つ。今年は7月の17日に一つ咲いた。それから10日後にまた四つ咲いた。そして8月、こうして三度目の蕾。その大きさや形からして、やはりあと10日ほどすれば開くのではないか。昨夕は秋虫の声を初めて聞いた。その主がなんなのかは明確に特定はできなかったが、涼やかにずっと鳴いていた。このところの最高気温は連日30℃を切って、虫たちも向秋の気配を感じ取ったのかもしれない。 ...
自分で作った細い道がある。李の木から栗の木のそばまでおよそ20㍍ほど。室内での仕事の休憩によく歩く。そして、下を流れる川を眺めたりする。そこには勝手に「思索の小径」などと名付けている。当然そのことは私以外知らない。雨が小やみになったので手を休めやはり歩いた。川は茶色い濁流となって大きな音を立てている。小径のふちにはマリーゴールドが並んで咲いている。腰を屈めているとタイミングよくモンシロチョウがとま...
季節が戻ったように雨が降り続きます。すべてを打ち付けています。今は夏です。お盆なのです。ただただ早くやんでほしいと祈るばかりです。鬼灯も濡れ姿です。 父と母にホオズキちょうちんを添えて感謝と無事の報告今年は雨の盆 (上武旋転子)...
八重咲桔梗が咲いたのは7月の初旬でした。一重の桔梗は7月中旬に。次々とその色と形を増やして、それぞれの趣を楽しませてくれました。しばらくして花仕舞いとなり、およそ一月が過ぎた一昨日。その茎にまた一輪の花がありました。朝陽を背に受けて、輝いて。「ありがとう……」。昨日は朝からしっかりの雨でした。その花びらが傷んでいました。いい姿は1日だけでした。しかたありません。すると、隣では新たに八重咲の桔梗も開き...
穂状の花は庭藤。色はピンクと白のさわやかツートン。咲いたのは6月初旬。いつも中秋まで咲く息の長い花。放任のまま手もかからず。遠くで小綬鶏が鳴いた。大きなその声にいつも「はいよ」と返事したくなる私。 8月半ばようやく軌道に乗る手仕事取りかかれば早いといつも分かってはいる (実野滸人) ...
桧扇が咲いた。扇型に広がる剣状の葉。数本に分枝する花茎。花は橙色。中に散りばめられる赤い斑点。立ち上がる三本の黄色い雄蕊。突き出る先の三裂した雌蕊。 花は朝に咲き夕に萎む一日花。捻れたその様は美しき人の悶えあるいは悲哀。いろいろな背景で見る。いろいろな光で見る。どう見てもどこを切り取ってもいい。 燃ゆる日に今を尽くす桧扇その時一会の佇みと眺む (居山聞涛)...
ヒマワリ(テディベア・リッチレモン・etc) ~今年は数種類を~
向日葵は毎年植える。オーソドックスな大輪種の1種類だけをずっと。今年は植える面積を広くした。それで初めて数種類のを植えることにした。もちろんこれまでのものの分は別途に1面大きくとって。巨大輪咲ロシア。八重咲のテディベア。淡黄色のリッチレモン。茶系のムーランジュール。低い多花性のイオス。ほかに3㍍近くにもなる高性のものなども。花の大きさ、高さ、色合い、形、数の違い……。それぞれに表情と個性があって楽し...
片付けた。いろいろを動かしほこりを拭いた。あれこれをまとめ、あれこれを捨てた。でこぼこをなくし、縦横をそろえた。すっきりした。きれいになった。ほんとは予定の仕事するつもりだったのだが。結局それは何もしなかった。アメリカ芙蓉が大きく開く。蕊もさやに。少し離れたところに雀が二羽おりてきた。5秒ほどして飛んでいった。 土の上をちょんちょん夏雀二羽兄妹か恋人かチュンチュンチュン (上武旋転子)...
リュウキュウアサガオ(琉球朝顔・クリスタルブルー) ~かなたなる海の色~
今、庭のところどころに琉球朝顔が顔を出している。南天に絡みついたり。梨の木のそばであったり。鬼灯と一緒だったり。あるいは花水木の根元から伸びていたりと。この花にはクリスタルブルーと名がついている。何年か前に、遠地でベントがあった際の帰りに立ち寄った天竜川そばのホームセンターで一つの苗を買った。タグについていたその名前と、説明書きに瞬時に惹かれてだった。〈多年草〉〈花色がブルーからピンク!〉〈上手に...
ヒマワリ(向日葵・ムーランジュール) ~暦はすでに秋立ちぬと~
ムーランジュールは花びらが茶系の向日葵。通常の色とは違ってちょっと暑苦しさも感じさせるが、またその様もいい。伸びた茎は分枝してそれぞれに数個の花を咲かせる。中に花粉を体につけた蜜蜂がいた。人の顔に似た小さな花蜘蛛も。疲れたり、行き詰まったら庭に出てリフレッシュする。昨日は立秋。まだ猛暑日は続きそうだが。 3:50分定時にいつものバイク音お茶を一口飲んで取りに行く暦はすでに秋立ちぬと (上武旋転子)...
まだガウラが咲いている。この花が咲き出したのは6月中旬だった。思い出せば去年は9月の末頃までその蝶が舞うような姿を見せてくれている。長い花だ。近寄るとそばの野紺菊の葉に蝉の脱殻が一つ。小さい命が自然の中で必死に生きている。仕事の集中が続かず、冷蔵庫から冷えた爽健美茶を出して飲む私。頭の上で「おい、おい、がんばれよ」の声がする。 「おい、おい、がんばれよ」ともう一人の自分が励ます毎年八月は (居...
二紀会に所属する知人から展覧会の案内葉書をいただいた。思うように進まない仕事の手を休めて、ドライブがてら高速に乗って会場のある伊那市まで出かけた。彼女はいなかったが、その団体の事務局長をしている知人が受付にいた。少し話をした。退職後もまだ継続して仕事を続けながら、制作しているという。すごいバイタリティーだと敬服する。広い会場に100号を中心に31点が並ぶ。彼女の作品はこのところシリーズで取り組んでいる...
リナリア(Linaria・姫金魚草) ~そんなに動き回って~
仕事が滞る。気分転換に庭に出る。燕が群れて飛んでいる。スーッときて、サーッとひるがえる。向こうからこっちへ、こっちから向こうへと。見ていて気持ちいい。ところで鳥は熱中症にかからないのだろうか。帽子もないのに。そんなに動き回って。 2日続けての熱中症警戒アラート出て私は臘梅の木陰燕は空を自由に (上武旋転子)...
ブルーベリーも少しずつ色づきます。下にその青い実がいくつも落ちています。すでに小鳥が啄みにやってきているのでしょう。まだ全体では固くて小さなものが多いですが、二回目を小籠に摘みました。ついでに濃い色のを2,3その場で口に入れました。8月6日の朝です。若い頃に買った詩集を取り出しました。1969年の発刊です。だいぶ色褪せています。扉は赤松(丸木)俊子さんの絵です。きょうまた静かに読みます。 詩人と画家...
ルドベキア・タカオ(Rudbeckia・triloba ‘Takao’) ~熱中症警戒アラート~
昨日は県内に初めて「熱中症警戒アラート」が出た。「暑さ指数」も「危険」とされる「31」を超えた。外出を控え、エアコンなどで涼しくして過ごすなどの対策をするよう呼び掛けられる。その高温と強い陽射しの中に立つ花たち。水やりをするが追いつかない。浸透する間もなく、土はすぐに乾いていく感がある。まさに焼け石に水のごとくで。石楠花などは葉灼けをおこしている。植物が潤う程の雨が欲しいと思いつつ、また散水ホースを...
ひまわりがさいた。ヒマワリガサイタ。向日葵が、咲いた。高さはそれぞれに不揃いで。花の膨らみにも個性があって。5月4日に種を蒔いた。円弧に並べた。芽が出て、葉が出て、茎が伸びて。さいた、サイタ、咲いた。小さな筒状花に紛れてミツバチがいた。 向日葵咲いて白いランニングシャツと麦稈帽子と半ズボンの少年Bの心で水まきす (上武旋転子)...
ハルシャギ(波斯菊') ~「お会いできてうれしいです」~
若い女性が訪ねてきた。いや、私より若い女性というのが正しい。「今年で50歳になりました」という彼女なのだから。あれは今年の6月の初め頃だっただろうか。用あって、美術博物館に図書員を訪ねたときだった。携えた資料を説明していたとき、入ってきたのが彼女だった。「○○○○ですよね」私の顔を見てそう言った。でもその顔は記憶から瞬時には引き出されない。「尾東です。○○○○覚えていませんか。尾東です」思い出した。旧姓、...
ホスタ・ハルシオン(Hosta 'Halcyon') ~「ゆっくり話ををしような」~
ほかのホスタに遅れてハルシオンにも花が咲いた。花茎が短く、花の間隔が開かずまとまる。花自体もやや小振りで、花弁の開きが少ない。葉色がやや青みがかるのも特徴。その中に花虻などが毎日やってきて体を入れる。山あいの美術館で個展を開催中の友人から電話があった。「また、あらためて時間をとってゆっくり話をしような」と、個展を初日に見に行ったそのお礼。その付き合いは若い頃からだから相当の長い年月となる。活躍する彼...
空は夏色。水やり。草取り。肌も焼ける。ピンク、紫、青……と矢車菊が咲いている。そして八月。 饒舌でも響かない言葉があり朴訥でも染み入る言葉がある八月は特に (実野滸人)...
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更紗空木は、内側が白く外側が薄紫の色混じりの花です。その名は、それが更紗染めに似ていることからの名付けのようです。八重の花で下向きにたくさん咲きます。昨日は枇杷に袋掛をしました。どうやら夜に白鼻心がやって来ているようなのです。朝に食べられた後のが散らかっています。毎年見られる光景です。高いところなどは無理しないで、手の届くところだけです。効果があればいいのですが……。 くよくよせぬ腹を立てぬ憎ま...
先週のことである。高速バスで東京に行った。地下鉄に乗って、六本木ヒルズ森タワーを目指した。52階の森アーツセンターギャラリーに入った。10人の芸術家によるMUCA展を観た。その中にバンクシーの作品が数多く展示されていた。それが目的だった。進みゆくと、奥の方に、あのシュレッダーにかけられた「ガール・ウイズアウト・バルーン」があった。そこだけは警備員が立っていた。正面からじっくり観た。左右の側面からも見た。そ...