女性として暮らす父親に子供がいたというプロットに加えて、アカデミー賞を取っただかノミネートだか(記憶あいまい)でも話題になった作品です。プロットに強烈なインパクトがあるわりには実際にはそれほどアクの強さは感じられず、むしろドタバタありのロー
ハワード・ホークス監督、ジョン・ウェイン主演のモノクロ西部劇。激安DVDも出回っている、過去の名作です。テキサスで牧場を開いた主人公が牛の大群を連れて移動する、いわば開拓劇ですね。見所はなんといっても、牛の移動です。……といってしまうと地味
CMやミュージックビデオ界から進出!みたいな人の作品は、映画として通して見るのがツライ作品が多い。よく言えば印象的な、悪く言えば落ち着きのない映像やカットを多用し、雰囲気重視。偏見だとは知りりつつも、それが個人的な感想でした。この作品も同じ
なんだか相当今さらながらのスティーブン・キングによる『キャリー』の原作ですが、書籍ももちろん映画のほうも未見だったので、どきどきしながら読みすすめることができました。キング作品の原書では Dead Zone を読んだことがありますが、使われ
大好きな監督の一人、ウディ・アレンの新作です。公開当時はアレン熱がやや下がっていた時期だったので、見逃していました。舞台はロンドン。引退してコーチとなった元テニス選手は、スクールにやってきていたリッチな青年と知り合います。まもなく彼の妹と恋
見る前から「ある程度のレベルの映画だろうなあ」と高をくくってしまうのは、作品に対する評価を見る前から決めてしまうことにもなるので、あんまりよいことではない。でも、昨今のハリウッドのアクション映画に関して言えば、期待をずっと上回るという作品が
聞いていたとおり、かなり硬派な作りの「裁判映画」。『シコふんじゃった』や『シャル・ウィ・ダンス?』の周防監督による新作です。ストーリーはじつに単純明快。痴漢に間違われた主人公が逮捕され裁判にかけられる様子を描く、というただそれだけです。もの
薬品で突然変異を遂げた「グエムル」(ハングルで「怪物」)が漢江に出現。グエムルは、川岸で雑貨屋を営んでいた一家の娘を飲み込み逃げ去る。父親、祖父、叔父、叔母ら残された一家は悲しみに浸る間もなく、グエムルが撒き散らしたウィルスに感染した恐れが
1981年に出版され、今では絶版本となっている村上龍と村上春樹による対談本です。図書館で数ヶ月予約待ちの末、ようやく読むことができました。デビュー前のことから、奥さんのこと、自身の作品についてや当時の文壇のことなどを語っていて、楽しんで読む
15人の監督による、「時間」をテーマにした10分間の作品をまとめたオムニバス映画。2本に分かれており、この「人生のメビウス」のほうには、 ・アキ・カウリスマキ ・ヴィクトル・エリセ ・ヴェルナー・ヘルツォーク ・ジム・ジャームッシュ ・ヴィ
インド人家族と動物を乗せた貨物船が難破し、救命ボートに飛び乗ったのは一人の少年と一匹のトラ。恐ろしいトラと狭いボートで漂流することになった少年は、初めはおびえていたものの、徐々にトラがいることが生き延びる支えになっていることに気がつく。…と
数多くの素晴らしい作品を生み出しているイラン映画界。そのなかでも巨匠として知られるモフセン・マスマルバフ監督による作品です。舞台は、イスラム原理主義を掲げるタリバンが支配していたころのアフガニスタン。アフガン出身のカナダ人女性ジャーナリスト
子供のころはよくテレビで見ていましたが、ここしばらくごぶさただったヒッチコック映画です。電車で偶然知り合った男に交換殺人をもちかけられる、というサスペンスもの。片方の男は今で言うサイコパスで、その男の暴走ぶりがなかなか恐ろしい。もう一方は善
イタリアを舞台にした純愛&サスペンス映画。監督は『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ。夫や教え子たちの復讐を遂げるために、ある男のオフィスに爆弾をしかけたイギリス人女性(ケイト・ブランシェット)。しかし復讐を遂げることなく、彼女は逮捕さ
Denis Johnson "Jesus' Son: Stories"
デニス・ジョンソンの短編集。雰囲気としてはブコウスキーなんかの感じに似ているでしょうか。でも正直に言うと、ちゃんと読み込めたような気がしませんでした(もちろん英語力の問題で)。作者はもともと詩人だそうなのだけど、「英語で読む」という観点だけ
今年度のアカデミー賞も期待されている、クリント・イーストウッド監督の作品(『父親たちの星条旗』との二部作)。前作『父親たちの星条旗』に比べると、スケールとしてはやや小ぶりな印象。それもそのはずで、向こうは戦場の兵士と国家・国民全体との乖離を
平凡な主婦として日々を送るアリス。しかし突然の事故で夫を亡くしたアリスは、一人息子とともに、かつて歌手として活動していたカリフォルニア州のモンテレーを目指すことに。その旅のさなかで、彼女は男性や友人たちにめぐり合い、一人の女性としての喜びや
子供と大人、それぞれの時間の流れ方を軽やかに、かつ密やかに描いた作品。『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督による、長編デビュー作です(たぶん)。小学生のタカシは、逆上がりができない4人と一緒に放課後に居残り練習をさせられることに
言わずもがなの『ダ・ヴィンチ・コード』映画版。ルーブル美術館長の殺害を発端に、隠されたキリストの謎が暴かれる、という歴史サスペンス(?)ものです。ダン・ブラウンによる原作に関して言えば、個人的にはいまひとつぴんときませんでした。確かにpag
公開時は恋愛・純愛映画っぽい打ち出し方がされていたような気がしますが、実際には純愛の要素もありながら、サスペンスふうの筋立てになっている作品です。ちなみに同じ監督の『シティ・オブ・ゴッド』も実際はコミカルな部分さえある映画ですが、犯罪都市の
大好きな映画『下妻物語』の中島哲也監督による新作。今回も『下妻』同様、(ちょっぴり)道を外れた女性が主人公です。ここで言うやや道を外れた女性というのは、たとえばお水の世界に生きる女性とか、ろくでもない暴力的な男ばかり好きになる女性だとか、(
日本ではつい先月公開され、今年のアカデミー受賞が有力視されている作品。仕事もうまくいかない変わり者ばかりの“負け組”家族が、娘のミスコン出場のための旅によって、家族のきずなを深めていく、という物語です。負け組だとか勝ち組だとかはひとまず置い
炭鉱で働く女性が職場でのセクシャル・ハラスメントを訴え、勝訴を勝ち取るまでを描いた実話に基づく映画です。彼女の訴えは、その後の全米でのセクハラ裁判の先駆けとなったそうな。実話に基づいているだけあって、ストーリーは骨太で説得力も十分。陰惨ない
Bret Easton Ellis "The Informers"
映画にもなった『アメリカン・サイコ』、『レス・ザン・ゼロ』などで知られる米作家ブレット・イーストン・エリスの短編集です。で、読み始めてから知ったのですが、この短編集は本格デビュー前に書き溜めていた習作のようなものらしいです。読んでみると、『
『キッズ・リターン』のような、じりじりとくすぶり続ける暴力のにおいにファンタジックな要素をプラスしたかのような作品です。個人的にはそのファンタジックな要素であるクラゲのエピソードが、登場人物たちの本来のエピソードといまひとつうまくかみ合って
ジョン・アーヴィングといえば、とにかく長い小説を書き、性的描写を含めたいくぶん赤裸々過ぎる描写を得意とする作家です。そんなアーヴィングの小説『未亡人の一年』を映画化したのがこの作品。僕はアーヴィングのファンですが、『未亡人の一年』に関しては
見るからにB級感漂うタイトル、そしてパッケージ。しかし監督は、秀作『クリフハンガー』『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン。ちなみに出演はクリスチャン・スレーター(これは微妙)。そんなわけで、期待と不安の入り混じる本作品ですが、結果はなかなか
『大脱走』しかり、『ショーシャンク』しかり、「脱獄」ものは「潜水艦」ものと並んでハズレが少ないジャンルです。そしてこの映画も同様でした。この映画でクローズアップされるのは、なにより主人公のポール・ニューマンのクールネス。『大脱走』のような脱
書店で立ち読みした雑誌『Cut』の映画ベスト101みたいな記事で、わりと上位に入っていた映画です。主演がジョン・キューザックで大外れはなさそうだったので、試しに見てみました。ジョン・キューザックの役どころは殺し屋。その殺し屋が同窓会に出るた
企業というものを「精神分析」するとどうなるか? というのがテーマのドキュメンタリー作品です。当然といえば当然のことながら、企業や資本主義を批判的にとらえています。ドキュメンタリーものといえば『ボウリング・フォー・コロンバイン』などのマイケル
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