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  • 日々の恐怖 7月27日 八重咲きの桜(1)

    日々の恐怖7月27日八重咲きの桜(1)友人の実家には、大きな桜の木がある。品種のわからない、八重咲きの桜だ。ソメイヨシノよりも色が濃く、ちょうど入れ違いに咲く。この桜、見事な花を咲かせることで地元でも知られているのだが、そのわりに特別手入れもされていない。いや桜に限らず、友人の家の庭木はあまり手入れをされていないらしい。邪魔になれば枝を切るくらいはしていたらしいが、あとは伸びるも枯れるも成り行き次第という風だった。元々、庭木を植えたのは友人の高祖父に当たる人だという。彼は大変な園芸好きでマメに手入れをしていたらしいのだが、家族はそうでもなかった。知識も興味もないものだから、彼の死後は必要最低限の手入れで済ませていたらしい。そういう扱いなので、知らぬうちに枯れていることは珍しくない。件の桜も、一度は庭から消...日々の恐怖7月27日八重咲きの桜(1)

  • 日々の恐怖 7月20日 お守り(12)

    日々の恐怖7月20日お守り(12)「それでねそれでね!すごいのよ!森から抜けたら目の前海でね!絶景だったの〜!で、海見ながらゆっくり道なりにいったら、なんとか国道にでて一安心してさ。あの車の人に御礼したかったけど、国道で見失しなっちゃって、結局お礼できなかったのよね。」「ちなみに車の色は?」「うん?白いワンボックスかな?古いタイプ。」怖い話は何個か読んだことありますが、相似点がいくつかあるので、まあそういうことも無きにしもあらずなのかな、と。助けて頂いたことですし、母は素直に感謝しているようだったので、特に水を指すようなことはせずに、私は冷めかけのお茶を口に含みました。「それで、まあ、なんとか高速乗ったのよ。そしたら、タイヤがとんできて・・・。」「は・・・?」「なんか最初ね、フロントガラスの上に小さな黒い...日々の恐怖7月20日お守り(12)

  • 日々の恐怖 7月13日 お守り(11)

    日々の恐怖7月13日お守り(11)ただ、悪路が車の轍に凹んでいるのが救いでした。途中何回かUターンする事を考えたそうですが、母は何故かUターンしては行けない気がしてそのままガードレールもない、ガタガタの悪路をひた走ったそうです。そして、しばらく進むと段々と転がっている石が大きくなってきました。とうとう運転に支障が出るような石が轍の真ん中に鎮座していて、どかさないといけなくなり、やむなく弟が車を降りて無理やり石を退けたそうです。そして、石を退けた弟が車内に戻ってきて一言。「母さん、やばい、周り崖だ。」私は不思議に思って、母に聞き返しました。「え、周りって、右も左もってこと?そんなことある?」「わかんないわよ。母さんもそんな道初めてだったし。もうそれで、流石にゾッとしたっていうか。いつから周りが崖だったかしら...日々の恐怖7月13日お守り(11)

  • 日々の恐怖 7月6日 お守り(10)

    日々の恐怖7月6日お守り(10)諸事情があり、母が単身こちらへ半分遊び半分仕事でやってきました。今回は言われずとも公共交通機関を使って来たので、私はからかい混じりに、「この前ので、車こりたでしょ?」と言いました。すると母は、急に神妙な顔になったのです。「M(私)さん、あのね。あの日、車で帰った日ね。お母さん達、2回死にかけたの。」意を決すると言った顔をする母に対し、私はたぶんポカンとした顔をしていたと思います。母は飲みかけのお茶で口を湿らしてから、あの日の帰り道であったことを話してくれました。帰り道の寄り道は最早恒例行事だとばかりに、母は高速には乗らず途中までは下の道を行くことにしたそうです。季節は紅葉真っ盛りの秋でしたから、良さそうな山があれば少し入って紅葉狩りと洒落込む算段でした。カーナビと景色を見な...日々の恐怖7月6日お守り(10)

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