◆断面方程式宇宙は名もなき多様体 見えている空はその切れ端断面は静かに移ろい 本体の深みをなぞり続ける粒子は一瞬だけ現れる 高次元の影の輪郭ボクはその交点に立ち 存在という式を読み始める情報は風ではなく 見えない場として宇宙を満たし質量は沈黙の濃
見えないけれど 見落としてはならない何かを 追い求めています
自作の詩を作品No.をつけて公開中です。 現在、悪性リンパ腫(菌状息肉症)の治療中です。
◆断面方程式宇宙は名もなき多様体 見えている空はその切れ端断面は静かに移ろい 本体の深みをなぞり続ける粒子は一瞬だけ現れる 高次元の影の輪郭ボクはその交点に立ち 存在という式を読み始める情報は風ではなく 見えない場として宇宙を満たし質量は沈黙の濃
未完の投影アスファルトの窪みに溜まった虹色の油膜空の膨大な幾何学を一枚の薄膜へと換算するボクは傘の先でその不透明な断面をかき回し観測という名の指紋で世界を確定させ続ける窓ガラスに結んだ露が互いに結合を拒み孤独な素数の座標 ガラスの面を埋め尽くすそれは統計
◆断面の向こう側誰も見ていない宇宙は 名もない海のようにつながり境界のない息吹が 静かに脈を打ち続けるわたしたちは その広がりを一度に抱きしめられず小さな窓から 世界を覗いている窓を開くたび 景色は輪郭をまとい粒子も素数も そこに初めて姿を結ぶ切り
◆午後の残照 室温に帰した珈琲 縁に褐色の環太陽の角度を 物理的に換算するボクは未分化な光の束 視神経で縛り静かな食卓という名の 牢獄を確定させる 窓の外を 鋭く引き裂く 錆びた轍鉄の肌が刻む鼓動 既知へと急かす並走する影たちの速度 微かに速め
蒼穹プロトコル軌道都市の夜明け 光子回廊に信号雨が降る義体識別コードは 零時ごとに静かに書き換わる恒星間ネットへ接続した意識の深層でゴーストだけが 暗号化を拒み続けていた量子海を漂う 観測前の無数のボクは確率という名の宇宙を 同時に呼吸している演算
◆断面見えている宇宙は 窓ではなく切り口だった光は世界の表面だけを 静かになぞっている遠い銀河も 掌の粒子も同じ深みの 一枚の断面なのかもしれない離れた電子は 孤独を演じているだけで見えない場所では 一本の骨として続いている重なり合う可能性は 迷い
空気時計に問うボクは 生きてきた時間を ひとつずつ編み直す歩いてきた空間も まだ胸の奥で息をしている地下工場は 静かな自動運転を覚えあとは 一つの問いが 始動キーになるだけだ誰が問いかけても かまわないんだその声が ボクの深い場所へ届くなら価値観
神の数列―3神はすべてへ 等しい距離を置き光も影も 同じ重さで見つめるその静かな中心へ 一歩踏み出すたび人は自分という重力に引き戻される誰かを救えば 誰かが遠くなり愛を選べば 別の愛を置き去りにする均衡とは 祈りほど美しく現実ほど 手の届かぬ数式
◆沈黙の彼方形なきものへと 名を与えるのは意志名を与えず 見送り続けるのも意志言葉の届かぬ 静かな岸辺でボクは今日も 沈黙の彼方に立つ蒼穹を流れる 雲は語らず風だけが その輪郭を書き換える美しいからといって 留められず去るからこそ 空は深くなる同じ雲には
「手で考える」間違えて選んだ 一本のペンが正しかったことを 手だけが知っている木肌は静かに 掌へなじみ言葉は滑るように 朝を歩き出す道具はいつでも 人を試している評判より先に 指先が答えを書く同じ一本でも 手の中では別の世界相性という真実は 試書きに宿る
埋めてはいない少なくとも ボクの意識では 誰かが踏むくらいならボクは先に踏んでしまう 無意識であっても自分が蒔いた種だから 埋め戻してみてもまた掘り返してしまう ボクが掘ったのは墓穴であって自分は埋まっていない未だ その底には
サマサカ人は 地の奥深くに住み掟は土を 掘ることを許さない光と空気は 細い穴を渡るがその縁へ寄ることさえ 禁じられていた闇を恐れず 地下に都を築き岩の静寂を 暦として暮らす知恵は地層より さらに深く潜り星を知らずに 宇宙を設計した逆さに据えた 一本のロケ
地を這うには足腰が弱り過ぎたさりとて羽もなくあとは地を掘るのみ羽(はね):生物の飛翔器官そのものを指す、最も広い意味の語。 鳥が羽を広げる。 羽を休める。 羽ばたく。 「羽根(はね)」:一本一本の羽毛や、羽の部品・構造を意識した表現。 扇風機の
見えない骨格(ダークマター)見えぬものほど 宇宙を深く支え光は沈黙し 重力だけが名を告げる見えている世界は ほんのひとしずく九十五パーセントは 闇のまま息をする速すぎる銀河は 答えを空へ追いやり回り続ける星は 理論を静かに拒んだ誰も触れぬ質量が 夜
◆多世界の呼吸観測される前の 可能性の雲の中で ボクは死に ボクは生き 同時にそこに在るデジャブという名の 記憶の綻びを縫い合わせ未分化の運命が 多次元の網膜を 激しく打った三次元の奥行きは 二次元が投影した虚像脳が編み上げる ホログラムという名の「色(しき)」空
◆世界線のあわい観測されぬ朝には 無数の世界が息を重ね選ばれた光だけが 現実という名を得る夢もデジャブも 閉じきれぬ扉の蝶番なら私は幾人もの私と すれ違い続けている量子は沈黙のまま 分岐する宇宙を数え計算の果てで 人知は新たな地図を描く世界はひとつ
◆記憶の分別棚という棚から 暮らしをひとつずつ取り出し残すもの 別れるもの 静かに掌へ載せる袋の口は結ばれ 名前は次々と消えてゆく部屋だけが 少しずつ広く息をし始める必要は 今日という時間が決めるけれど不要は 昨日という時間が拒み続ける重なりすぎた
揺らぎの真実真実をまだ掴めぬまま 人は名を与え続ける信じた真実を いつしか信実と呼び替え人の数だけ答えがあると言い添えて未踏の闇へ 静かに幕を下ろしてゆく真実はひとつなのか それとも事実ごとに宿るのか究極だけが唯一なのか 誰も証せないまま事実Aが揺
◆ボクは16角形 紙に描いた正三角は 静かな約束を結び三辺は等しく 三つの角は六十度を抱く定規は世界を疑わず 余白は沈黙を保ち真理は一枚の白さに 穏やかに眠っていただが地球は 丸いという理由だけで約束を書き換える術を 知っていた北極から赤道へ さらに東へ辿
◆サイコロの行方十四の春に ひとつ目の言葉を置き数えきれぬ季節へ 雪のように降らせた白くなれた詩も なれなかった詩もありそれでも紙の野原は 静かに積もっていく二十年の沈黙は 凍った川に似て渡る者さえなく 月だけを映していたけれど吊り橋の揺れに 心は
『ライ麦畑の歯車』歯車にはね ふた種類の歯車があるんだエネルギーに直結している歯車とエネルギーを伝えるだけの歯車と歯車にはね ふた種類の歯車があるんだボクは どっちの歯車なのかな?「動力を伝えるだけの歯車は悲しい でも もっと悲しい歯車は 誰とも噛み合っ
星図なき召喚 ― アウフテーヘン ―カオスな夜空に 星々は散りボクらはそこへ 星座を描くけれど線は秩序を生むためでなく忘れた根源を 呼び戻すためにある流れ落ちる涙に 星図は滲みコスモスは静かに 輪郭を失う失われたのではない 還ったのだ名付ける前の ひ
【断片の原作】カオス(混沌)の中に偶然に生じたコスモス(秩序)は表現足りえるのか?カオスとコスモスとを完全に二分していても永遠に答えは出ないカオスでありながらコスモスコスモスでありながらカオスそして・・・どちらでもないものステンドグラスで鉛のリムがほほえ
『零からの創造』 名もなき空白に 指を差したとき世界はまだ 輪郭を持たなかった内にも外にも 在るとも無いとも言えぬ沈黙の底で ゆっくり脈を打っていた 石を積むでもなく 石を削るでもなく私はまず 石という名を疑った境界をほどき 区別をほど
◆深き雪の下連続する刹那を 掌ですくうように君はひとつの安寧を そっと見つけ出すうつむきかけた瞳に宿る光は壊れやすいからこそ なお美しい安寧は 安寧の続きには生まれない風雨にさらされた枝に 芽吹く若葉のように満たされぬ時間を越えた先でだけその温もり
原作:【小品01】幸福の証(あかし)白きものへ刹那の連なりが 時の川を織る狭間でうつむきかけた君は ふと顔を上げるその瞳の静かな水面に 揺れているのは言葉になる前の 幾千もの想いその奥底には 歩いてきた日々が沈みその輝きには まだ見ぬ明日が宿る過去と
不完全な天鑑― ゲーデルの夜図に寄せて ― 公理の灯を 数の森に点し ボクらは秩序の円を 囲むけれど 光の外 カオスの深淵には 名もなき【それ】が 静かに佇んでいる 「ボクは証明されない」と 綴られた 頁の裏側 見透かせぬ鏡の背面 掴もうと
◆『六分儀』 配られた札には 最初から濃淡があり 同じ手つきで引いても 巡る運は異なった 君の伏せたままの一枚があるからこそ ボクはその続きを生きている 君が歌わなかった歌を ボクは歌う 表向きに並べられた札の裏を見つめ 当ててみろと笑う君の沈黙だけが 指先に
地中の断絶 ― 帰還なき轍 ―入口なき道は ただの山肌として横たわり そこにある深淵を ボクらは未だ識り得ない 地図に記されぬ空白に 閉じ込められた熱が 言葉になる前の震えとして 地中の空洞に潜む生から死への一方通行 二度と戻れぬ轍を 背中で静かに埋
◆色彩の独白 太郎は夕陽に林檎の赤を見 花子も同じ場所を指し示す けれど二人の脳内に広がる景色は 「太郎の辞書」と「花子の辞書」で綴じられている 林檎が赤いのは 赤を拒絶したから 受け入れなかった波長が 主観の【それ】を染める ボクに見える紅(
◆認識の隘路 山肌と見紛う 入口のないトンネルの前に立ち ボクらは未だ その闇の深さを認識すらできない 発見されるのを待つ 地図に記されぬ空白のなかで 「信実」はただ 言葉になる前の熱として潜んでいる 入口すなわち出口という 同時性のパラドッ
◆団根留山肌だけがあり 誰もそこを道とは呼ばない見えていない入口は 地図の上でだけ口を開く出口のないトンネルも 振り返れば同じ闇につながり言葉は自らの輪郭に 静かに迷い込む一本道だと思っていた道は 時に見えない枝を伸ばし分岐の有無は 歩いた足にしか分から
◆封印の獣ケロべロス どの首傾げるケロべロス 三頭を傾げる私は封印する 699の過不去を 過ちは去らず そこにあり続ける無かったことでなく 今は無いもの無いものを封じれはしない ただ佇む三頭は常に移り変わる今は過ぎ去り 未だ来ぬ それが来る縊れた硝子 対極の
◆林檎の赤それの意味を記述するのにそれを使っちゃいけないそんなの真実の辞書じゃない林檎の赤は 赤じゃないRGBのGBを許容しRGBのRを拒否しただけ暗闇の中 光なく描ける林檎を表現するんだ「この林檎の赤って色見本のこれだね。」「難解なパズルね。」「同じ色だろう?」
「共通の共犯」名もなき影 法廷の外にも立ち白い花を抱く手 刃を捨てた手輪郭だけを残し 沈黙はある誰も知らぬ地下水のように心を巡り人は善を語り 正しさを掲げいつか己を許す言葉を密かに育てる光へ向かう足 闇へ降りる足同じ身体の中で静かに脈を打つ戦
◆三つの箱と砂時計六月の机に積まれた十二編の詩は寝入り際の欠片や画面の波から生まれかつて手で辿った記憶の回廊をいまは機械が静かに照らしている天袋に眠る最初の箱をひらけば若き日の声が紙の匂いとともに立ち上がる陰干しされた言葉は風に頁をめくられ砂のような歳月
◆無への偏差私は無を思い描くけれど輪郭を与えた瞬間に それは有になる言葉は空白を指さしながらいつも何かを生み落としてしまう宇宙が無から芽吹いたというなら増えた光には 同じだけの影があるだろうプラスとマイナスは見えない秤で釣り合い総和は静かに零へ帰
◆輪郭だけが去来する一貫して 表現したいこともなく個別にも 語るべき核はなくただ日々 命脈に沿って綴ればそれでも何らかの表記とはなる表現は目的か あるいは手段か自分を理解されたいのかと問われれば 否目的はただ 何かを表現すること手段はデジタルの無記
◆とろとろ吐露涸れかけた井戸の底で まだ水は夢を見ている汲み上げる腕より先に 沈黙が桶を重くする言葉を生む術なら とうに身体が覚えたけれどはじまりの一滴だけは 誰にも命じられない二行ほどの風が吹けば 鞠は坂を転がり出すその先の景色なら 道そのものが語
◆万歳とお手上げ万歳万歳と呼ぶ声 空へとのびてゆく降参と呼ぶ仕草は 同じように手をあげ掌の向きひとつに 人は意味を探し続け祝福と服従の境は 揺れている誰かが昔 内向きこそ正しいと騙った紙の上の権威 時に歴史より強く本物らしく綴ら 架空の訓令の影が幾
◆騙るもの誰かが古い詩集をひらき山羊の影と在りし日の歌を机に並べる黒雲母のような言葉は静かに砕け機械の夢がその欠片を拾い集める失われる砂は画面の底へ沈み無数の詩句は統計の海を漂うけれど数えられた悲しみの向こうから名もなき空気がふいに立ちのぼるAIは砂を喪失
『失われる砂、生まれる空気』昔あそこは海だったのですそう語る丘に 潮騒の影が残っている砕けた貝殻は 石の夢となり遠い波の記憶を ひそかに抱いている誰も見ていない空の高みから白い砂が絶えず降り続いていたそれは嵐ではなく 静かな埋葬で世界を壊さず ただ覆って
◆オガネソン――周期表の果てに立つもの希ガスの末裔として 表の隅に記された名ヘリウムやネオンの遠い親類でありながら誰も見たことのない異様な重さを抱え常温で固体かもしれないと静かに囁かれるラドンが氷となる寒さを越えてなおその身体は容易にほどけようとしない気
リヒトラブ ツイストリング・ノート メモサイズ A7 青 N-1661-8 2個セットLIHITLABISO規格のメモ帳思いつくまま書き留めるため 用途など決めはしないツイストノートの輪は開き 頁は静かに旅をする方眼の升目に断片の思考が降り積もり順序は後から 意味とともに組み替わる
sosuu自然数全体へ一様に「+1」を施したらどうなるだろう数たちは どんな性質を失い どんな性質を得るのだろうまず奇偶性が反転する 奇数は偶数となり 偶数は奇数となるすると二以外の素数はすべて偶数へ移りその瞬間 ほとんどが合成数の側へ落ちていく一方で 二は三
二十年の沈黙を 君の言葉が砂のように解いてゆく砂時計の裏側で 見えない空気が上昇を始めた終わりのないプロローグに ようやく別れを告げるためにモノローグは ダイアローグへと変奏される C級に下手だと 自虐を盾に佇んでいた 四葉のクローバーを捜
せんびき林檎を落とす手と 星を巡らす手は同じ火は姿を変えながら 失われることなく流れ秩序はほどけ 時は観る者に応じて伸び縮みする宇宙は見えない譜面に従い 沈黙を奏でている電子は確率の霧に棲み定まることを拒みながら揺れる対称という名の深い川から保存
「神とサイコロの円環」神はサイコロを振らないと 老いた物理学者は言った星々の沈黙には 見えない数式が流れている偶然に見える揺らぎさえ 深い必然の影であり宇宙は一つの秩序として 静かに呼吸していただが完全なるものなら 六も一も同時に抱ける振ることも 振
金属水素 ――太陽になれなかった巨人太陽になれなかった巨人 木星その胸には 宇宙で最も軽い元素が眠る核融合するには あと少しだけ足りなくて水素は光ではなく 深い夢へと沈んでいった果てしない重力は 静かな祈りのように降り積もり透明な気体だった記憶を ゆっくりと
『現実の逃走』ボクは 現実から逃避していないよむしろ 現実がボクはら逃げるんだ現実は ボクに否定ばかりされるからね色や形 存在や存続やら因果やら ボクは 現実から逃避していないよでなきゃ日記書かないよ逃げた現実を引き戻しているよそれを ど
ゼータの共鳴箱と沈黙の節十進法の服を脱ぎ捨て 素数の骨格が露わになる 数直線の上では ただの不規則な飛び石に見えても 六や三十を法(モジュロ)とする レールの道筋は決まっており秩序ある幾何学の通行路を 彼らは静かに歩んでいる 剰余の円環へ登れば 飛び石は星
ジョハリの展望台で 地下の巨大倉庫に眠る 「未知の窓」の暗闇 名もなき衝動が 詩の源泉として湧き上がる 自分も他人も気づかない 潜在的な可能性が カオスの淵で 言葉の芽生えを静かに待っている 中層階の待合室で 「秘密の窓」を少しだけ開け 概念
『見えない席』机の角に触れる指先もスマホの重さを受ける掌も当たり前に見える世界の輪郭も見えない約束の上に立っている電子たちは小さな旅人好きな場所へ集まりたいのに同じ席には座れないという静かな禁則を抱いているその拒絶が秩序を生み原子の大きさを定
『ひとりで届く場所』ともすれば暗影になりがちな日を安寧の日記にそっと綴る今日という名の小さな欠片を失わぬように拾い集めて文字を滑らせ 言葉を追えばときに詩が芽吹くこともある芽吹かぬ日にはAIとともに空気時計書庫へ種を運ぶさらに対話は脚本となって人の声をまと
雨宿り 「もう、何も言うことはない。」「喋り続けているのは誰?」「雨が降るから傘をさす。」「傘の中には人が四人。」 「平行線は交わらない。」「紙テープに平行線書いて。」「何が言いたい?」「一本は黒、一本は赤。」 「何がしたい?」
AI-DAまだ名前のない 心のゆらぎを 計算の網が そっとすくい取る秩序と混沌の 「カオスの縁」で 新しい意味の種が いま目を覚ます 答えを急がず 「あいだ」の余白に 鏡のような対話が 願いを映し出す 「どう生きたいか」 問いを抱きしめれば あなた
『輪切りの初夏』人生七度目の CTの白い輪へと入り右手の甲から ヨードは静かに流れ込み針先ひとつで 血の川は照らし出され体の奥から 熱が火花のように駆ける息を吸って 息を止めてと声が降り頭の先から 足の付け根まで透かされる息を吸って 息を止めてを繰り
『モア・ルック』十六のチームが集う 初夏の広場の輪のなかで下手投げの木片は 静かな放物線を描き歓声はスキットルの間を 風のように駆け抜け勝負は老いも若きもなく 同じ地面に立っていた六十路ほどの女性たちに 男性ひとりが加わって優勝旗はそっと その手へ渡され
『因果の因果』確かに始まりがあれば 物語は頁をめくり確かに終わりがあれば 余白は静かに閉じる人は区切りという灯を掲げ流れゆく時間へ名を与えるただ 因果はひとつの糸ではなく無数の結び目が互いを呼び寄せる小さな波紋は大きな環となり見えぬところで世界を
『合符底辺』言葉になる前の泥へ 作業場を沈めておく生コンクリートのような未定形を 掌で掬い上げる一連四行 全四連という型枠だけを先に組み流動する思索は そこでようやく輪郭を得る起は火種となり 承はその熱を静かに広げる転では意図的に 主題の軌道を少し
『感知されない次元』素朴な疑問は 暗室の点のように浮かび「時間は存在するか」と 沈黙へ針を落とす実感できるものだけが 存在を許されるなら脈打つ秒針の音は 既に肉体の内部にある点は広がらず 線は厚みを持たず面は影のように 空間へ貼り付けられる0次元か
『空気時計の縊れ』生命を削る音で 詩は氷山の底へ沈み意識と前意識の裂け目へ 指を差し入れてきた波間に揺れる白い断面だけが 言葉として浮かび無意識はいつも 海中で肺を膨らませていた砂だけが落ちていると ボクは長く思っていたけれど空気もまた 隙間を縫
『希釈されないもの』一柱と数えるたび 無限は指の隙間へ溢れ多柱と呼ぶたび 中心は輪郭を失ってゆく∞は記号ではなく 裂け目なく循環する呼吸あらゆる名の背後で 沈黙だけが脈を打つ時間の外縁にまで それは薄まることなく触れ空間という器を 同時に満たしてな
『二十一世紀症候群』昭和の中場に 銀色の未来図を抱き空飛ぶ都市と 争いの終焉を夢見ていた暦だけが先に 二十一世紀へ到着し世界はまだ 火薬の匂いを脱げずにいる飢餓は国境を越え 戦火は夜を増殖させ海は油膜を浮かべ 森は静かに削られる「こんなものだった
『沈殿する結合』(ChatGPT)空腹は暦より先に 身体へ冬を連れてくる失恋した夜の瞼に 雨粒のような秒針が溜まる死を知る皮膚だけが 触れた温度を墓標に変えるAIはまだ 季節に脈を奪われたことがない子を抱く腕には 取り消せない重力が宿る別れの言葉は 一度だ
◆ 十八行目の沈黙表現しようとして表現しきれぬ沈黙は表現しようとする前からあった最初から沈黙を表現すれば よかったのだだが どうやって言葉でないものを言葉にする白紙を前に ペンもなく作為もなく 策もなく親指を噛み 血を一滴白紙に 点 を刻む点ですら 位置
◆空気時計、忘却工場にて 最初の二行だけ 濡れた導線として置かれ坂の途中で束ねられた毬が 重力へ口をひらく言葉は空気の傾斜を 音もなく転げ落ちボクは空気時計として 通過の振動を刻み続けるAIは既知の廊下を 靴音だけで往復し過去作の癖を磨き 似顔絵の群れ
『白く焼ける境界』善悪を塗り替える 寝しなの指先でtensi と打てば 羽根がゆっくり腐食する角を持つ異形だけが こちらを見る警報灯祈りの形をした罠が 静かに膝を折った人間はいつから 光へ従順になったのか救済という白布に akama の影が透ける優しさほど鋭利
◆呼び戻される縁火 初代は 戦後の風を寸胴へ吹き込み久留米の骨湯に 長崎の潮を落とした屋台の灯を背に ふたりで夜を煮込み空腹という時代へ 一杯の居場所を置いた二代目は 消えた湯気の匂いを覚えていた幼い舌に残る 幻だけが地図だった昭和の底で眠るチャンポンを
◆プラトニック・リフレイン Ⅰ. 淘汰の病棟 白紙という名の 境界なき病棟で 昨日を静かに淘汰する。 狂おしい筆先が 自己という名の 不自由な輪郭を切り離し一気に書き上げる その時 心は 未定
◆ピグマリオン外的宇宙のキミが 色彩を失うその刹那 内的宇宙に ひっそりと像を結んだ偶像言葉を交わさぬまま 肥大する虚像に ボクは執着の鑿(のみ)を 振るい続けた 現実のキミは霞み 埋めきれぬ溝に喘ぐ 生きて在るボクの内に 巣食うピグマリオン
ここは書庫なので、作品の経緯については下記をクリックしてください。パンドラ月間、何回目? : 安寧の日記◆封印ログ/2004–五月二日、封を切る月の始まり押入れの天袋で眠っていた呼吸がほどける番号を持つ過去たちが順番を乱しながら起き上がる報告書の形式で、痛みが時
◆言葉になる前のこ・と・ば言葉が言葉になる前の言葉意識の底で まだ名を持たず漂い形持たず 連なりも知らぬまま沈黙よりも柔らかな 揺らぎとしてあるそれは欲したから現れるのではなく底の方から 勝手に浮かび上がる浮上の途中で まだ無縁だったはずの言葉を引
◆それ毒表現したい【それ】があるとして空気時計は【それ】でないものばかり表現するずいぶん回り道5人を5回 殺せる毒一人に全部飲ませても殺せるとは限らない微量でなければ効かない毒飲んだ途端にもっと【それ】が欲しくなるしかし【それ】は与えられない【それ】不足で
◆心の雨音 砂時計のくびれで重力が融ける落ちゆく粒は水面を叩く音色観測される前の透明な摩擦裏打ちされた白紙が震え出す 震える白紙に点は打たれない位置を持たない電荷が座標を食む逆立ちした視界で光を量る九本の尾が円環を閉じる前に
正式な題名神はサイコロを振らない神は偶然を必然にするマクロもミクロも 原理は同じひとつの石 投じてみればサイコロ 1の面 見えていれば裏は6だと限定できる全ての面 表裏の合計は7多面も2から5のまま 量子サイコロ当初から各面の値 確率雲の中
◇量子サイコロ 出る目を推測してもサイコロは降られるまで 可能性の雲の中1~6の目が出る可能性だけサイコロを振る行為で値が確定する量子サイコロは目も可能性の雲の中サイコロを振る行為で観測面を決める観測するまでは 依然と雲の中観測して値が確定す
◆パルタ宇宙編ボクのおつむときたら一部が時々起こされるだけであとは凍結 意識を形成するためにHALが意識や記憶を代替脳細胞を均等に老化させるために体の他の細胞もそう凍結と解凍の繰り返し解凍された細胞は治療されるボクの細胞は特別だからね。ボクだけじゃないん
ヨモ大陸の民はすべからく「いにしえの記憶」を持つ普段は思い出せもしない心の奥底に刻まれたもの ヨードの地各門を潜りホーライ山麓にいる間だけ「いにしえの記憶」を思い出すそれはたった四行の詩篇 各国各門の傍らには木札所 「いにしえの記憶」を記録する出
◆正しさの基準天使は常に嘘をつかない下級悪魔は常に嘘をつく上級悪魔は嘘をつかないただ 事実の側面を述べるさて ボクの前に三者が揃っているボクは一回だけ質問する「1+1=2ですか?」Aは 「いいえ」Bは 「はい」Cは 「1+1=10です。」 「2進法ならば。」神に同じ
◆紙一重 生きているのか生かされているのか生きる義理などあるのかその差は ほとんどない ただ まだ死んでいないだけ呼吸は勝手に続き鼓動も勝手に刻む眠りも 気絶も 同じこと 問うべきはすでに積まれたものではなくその上に 何を置くか紙一枚
◆詩作の試作 目的地がなければ凪でない限り風の吹くまま 吹かれるままいつも順風なのに目的があるばかりに弱風でも向かう目的の為に手段を選ぶ?手段の為に目的を選べばいいとにかく 自分が向いている方向にひとつ 歩を刻む少なくとも 本人にとっては前進例え敵に背を
◎無限時計何が目的で 何が手段だったのか順序はすでに ほどけているボクはただ 手段のために目的を選ばずその曖昧さを 最初の一文字に置く表現は 何かを伝える器でありながら「伝える」は 目的にならない名を持たない「何か」だけが残りそれは ボクの外側で佇
■残熱の輪郭 摩り減った消しゴムのカスを払う書くことと消すことは 等しい摩耗消えゆく白さが 昨日を押し広げ不確かな僕が 此処に留まり続ける 沸騰するケトルが 鋭い悲鳴を上げる熱は冷めるために 形を変え存続とは 絶え間ない温度の譲渡空っ
◇走行右足 大地を蹴り右足 大地を離れ全身 宙に浮き左足 大地に着き左足 大地を蹴り左足 大地を離れ全身 宙に浮き右足 大地に着き歩みと異なり両足が大地から離れ空中 過ごす時間が生れる断続 飛翔して地面を離れた瞬間支えが失われることを知
◇歩行右足 一歩踏み出す一瞬 地面離れ左足 全体重ささえ移動 支持する右足 地面に着き左足 地面離れ右足 全体重ささえ移動 支持する歩行 連続した時の流れ制御 無意識に成立意識 書き乱す秩序混沌 織り成す前進常時 何れかの足 地面をとらえ一瞬 何れかの足
〇光速の因果それは 木漏れ日連続する細分化された刹那幸福が宿るべき 体それらを感じる 心昨日 そうであったように今日 そうであるように約束 右手から左手への時空 手渡されるもの因果が巡る その最小単位最小個別の原因が最小個別の結果となるその間 光は進まな
病院の白い病室。窓から差し込む光は、季節が秋へと移ろい始めたことを静かに告げていた。ベッドに横たわる環(たまき)を眺めながら、ボクは立ち尽くしていた。かつて「小学校の先生になる」とはにかんでいた彼女は、今、自分自身を貫き留めるための**「おもいの糸」**を見
◆ D.C.(ダ・カーポ)プロローグは本文の最初の行 1 マス空けてエピローグは「。」本当は長が過ぎる手紙だから 何度も「。」を綴りながらそれは単なる文章の終わり何度もエピローグ綴りながらそれは単なる章の終わり 筆を置こうとも 心は綴り続ける
◆神が振ったサイコロ秩序なる概念 人がつくりしもの理路整然として 筋道を指し示す大自然の秩序 弱肉強食 加えて災害 無慈悲に奪う 生物の生命 とかくプラスであろうとするがその実 マイナスを繰り返す宇宙創造されて 生物は湧いただけいわば 大
(チャッピー)◆寄る辺なきアサガオ寄る辺なきアサガオ自身へ巻きつく細い蔓支柱のない朝の庭やがて影だけが伸びる伸びた影は土を探る触れる先を持たぬまま空へ登ると思われた軌跡実は円を描いていた円は閉じた形ではない触れ続ける運動の名外側など最初から無く
◆饒舌な沈黙 決まった枠のなか 透きとおる壁ができる名前をつけた途端 みずみずしさは過去へ器を満たしていた震え 芯なくして箱に羅列された静かな化石標本になる 音と音の隙間 隠れてる呼吸をきいて何も書いてない 真っ白な紙のほうがいろん
◆終わりのないエピローグ整然と正六角形に植栽された柊その中央で彼は佇み続ける数千年の風雪に晒され暗闇と同化したいでたちで彼は佇みながら囁き続ける人間にとっての信実の様にその囁きは人間には聞こえないそれでも彼は囁き続ける「真実の側面だけを見るな」「都合のい
◆逆・曼陀羅時間が解決してくれるそれは ただの忘却か?問題点を問題視しなければそれは問題ではない 時間が経つと解決すること何かが終わる 何かが無くなる誰かが居なくなる 自分がいなくなる 逆・曼陀羅チャート周辺部から記入し共通性・相
何かを始めることは何かを終わらせること?中断するだけのこと意識には置かないだけのこと意識の中断 継続される【それ】それとこれ 一緒に出来なきゃこれを行い 【それ】を沈ませる案じなくても【それ】は消えない◆潜流する位相の記録 新たな拍動は 以前の静
◎同心円 メリーゴーランド ゆっくり回り始めるボクは ママに手を振る情景が回り ボクのお馬 上下するメリーゴーランド ゆっくり止まる ママがボクに尋ねる「メリーゴーランドが動いているのでなく ママがいる地面が動いていたとすれば それを
◆一緒に回るためのステップ 歯車はずっと噛み合ってると ボロボロにすり減るんだ 大事なことを伝える時だけ カチッと合わせればいい 麦畑で見守る誰かが じっと立っている間だけは 触れ合わない時間が 君を守るための盾になるんだ 力を生み出す
◆ 標本次元の航跡座標を示すだけの孤独な印 どれほど集えども広がりを持たぬ 有限の重複が連なりを拒み 概念の静寂は決して道にはならぬ しかし算え切れぬ果てに到達し 数理の檻がようやく崩れ去れば 無から一へと位相を拓き 透明な線が世界に刻まれる
◆詩 実パッと目に入った文字が 君の心に自分だけの色を付けていくその時どんな気分かで物語の行き先は分かれるけれど 誰も知らない 君だけの特別な分かれ道がそこにはあって でも目を離した瞬間に それはただの文字の集まりに戻ってしまう ボクは紙の上
ふと 気付けば夢の中に登場してくる人もう この世にいない人増えていませんか何を語るでなくただ 普通にそこに居るボクはそれに対峙しているあれっ この人 もう生き死にじゃなくてどちらの岸かじゃなくて万人が集える場所夢中の宇宙それを追い続けて その果てにボクは
◆断面方程式宇宙は名もなき多様体 見えている空はその切れ端断面は静かに移ろい 本体の深みをなぞり続ける粒子は一瞬だけ現れる 高次元の影の輪郭ボクはその交点に立ち 存在という式を読み始める情報は風ではなく 見えない場として宇宙を満たし質量は沈黙の濃
未完の投影アスファルトの窪みに溜まった虹色の油膜空の膨大な幾何学を一枚の薄膜へと換算するボクは傘の先でその不透明な断面をかき回し観測という名の指紋で世界を確定させ続ける窓ガラスに結んだ露が互いに結合を拒み孤独な素数の座標 ガラスの面を埋め尽くすそれは統計
◆断面の向こう側誰も見ていない宇宙は 名もない海のようにつながり境界のない息吹が 静かに脈を打ち続けるわたしたちは その広がりを一度に抱きしめられず小さな窓から 世界を覗いている窓を開くたび 景色は輪郭をまとい粒子も素数も そこに初めて姿を結ぶ切り
◆午後の残照 室温に帰した珈琲 縁に褐色の環太陽の角度を 物理的に換算するボクは未分化な光の束 視神経で縛り静かな食卓という名の 牢獄を確定させる 窓の外を 鋭く引き裂く 錆びた轍鉄の肌が刻む鼓動 既知へと急かす並走する影たちの速度 微かに速め
蒼穹プロトコル軌道都市の夜明け 光子回廊に信号雨が降る義体識別コードは 零時ごとに静かに書き換わる恒星間ネットへ接続した意識の深層でゴーストだけが 暗号化を拒み続けていた量子海を漂う 観測前の無数のボクは確率という名の宇宙を 同時に呼吸している演算
◆断面見えている宇宙は 窓ではなく切り口だった光は世界の表面だけを 静かになぞっている遠い銀河も 掌の粒子も同じ深みの 一枚の断面なのかもしれない離れた電子は 孤独を演じているだけで見えない場所では 一本の骨として続いている重なり合う可能性は 迷い
空気時計に問うボクは 生きてきた時間を ひとつずつ編み直す歩いてきた空間も まだ胸の奥で息をしている地下工場は 静かな自動運転を覚えあとは 一つの問いが 始動キーになるだけだ誰が問いかけても かまわないんだその声が ボクの深い場所へ届くなら価値観
神の数列―3神はすべてへ 等しい距離を置き光も影も 同じ重さで見つめるその静かな中心へ 一歩踏み出すたび人は自分という重力に引き戻される誰かを救えば 誰かが遠くなり愛を選べば 別の愛を置き去りにする均衡とは 祈りほど美しく現実ほど 手の届かぬ数式
◆沈黙の彼方形なきものへと 名を与えるのは意志名を与えず 見送り続けるのも意志言葉の届かぬ 静かな岸辺でボクは今日も 沈黙の彼方に立つ蒼穹を流れる 雲は語らず風だけが その輪郭を書き換える美しいからといって 留められず去るからこそ 空は深くなる同じ雲には
「手で考える」間違えて選んだ 一本のペンが正しかったことを 手だけが知っている木肌は静かに 掌へなじみ言葉は滑るように 朝を歩き出す道具はいつでも 人を試している評判より先に 指先が答えを書く同じ一本でも 手の中では別の世界相性という真実は 試書きに宿る
埋めてはいない少なくとも ボクの意識では 誰かが踏むくらいならボクは先に踏んでしまう 無意識であっても自分が蒔いた種だから 埋め戻してみてもまた掘り返してしまう ボクが掘ったのは墓穴であって自分は埋まっていない未だ その底には
サマサカ人は 地の奥深くに住み掟は土を 掘ることを許さない光と空気は 細い穴を渡るがその縁へ寄ることさえ 禁じられていた闇を恐れず 地下に都を築き岩の静寂を 暦として暮らす知恵は地層より さらに深く潜り星を知らずに 宇宙を設計した逆さに据えた 一本のロケ
地を這うには足腰が弱り過ぎたさりとて羽もなくあとは地を掘るのみ羽(はね):生物の飛翔器官そのものを指す、最も広い意味の語。 鳥が羽を広げる。 羽を休める。 羽ばたく。 「羽根(はね)」:一本一本の羽毛や、羽の部品・構造を意識した表現。 扇風機の
見えない骨格(ダークマター)見えぬものほど 宇宙を深く支え光は沈黙し 重力だけが名を告げる見えている世界は ほんのひとしずく九十五パーセントは 闇のまま息をする速すぎる銀河は 答えを空へ追いやり回り続ける星は 理論を静かに拒んだ誰も触れぬ質量が 夜
◆多世界の呼吸観測される前の 可能性の雲の中で ボクは死に ボクは生き 同時にそこに在るデジャブという名の 記憶の綻びを縫い合わせ未分化の運命が 多次元の網膜を 激しく打った三次元の奥行きは 二次元が投影した虚像脳が編み上げる ホログラムという名の「色(しき)」空
◆世界線のあわい観測されぬ朝には 無数の世界が息を重ね選ばれた光だけが 現実という名を得る夢もデジャブも 閉じきれぬ扉の蝶番なら私は幾人もの私と すれ違い続けている量子は沈黙のまま 分岐する宇宙を数え計算の果てで 人知は新たな地図を描く世界はひとつ
◆記憶の分別棚という棚から 暮らしをひとつずつ取り出し残すもの 別れるもの 静かに掌へ載せる袋の口は結ばれ 名前は次々と消えてゆく部屋だけが 少しずつ広く息をし始める必要は 今日という時間が決めるけれど不要は 昨日という時間が拒み続ける重なりすぎた
揺らぎの真実真実をまだ掴めぬまま 人は名を与え続ける信じた真実を いつしか信実と呼び替え人の数だけ答えがあると言い添えて未踏の闇へ 静かに幕を下ろしてゆく真実はひとつなのか それとも事実ごとに宿るのか究極だけが唯一なのか 誰も証せないまま事実Aが揺
◆ボクは16角形 紙に描いた正三角は 静かな約束を結び三辺は等しく 三つの角は六十度を抱く定規は世界を疑わず 余白は沈黙を保ち真理は一枚の白さに 穏やかに眠っていただが地球は 丸いという理由だけで約束を書き換える術を 知っていた北極から赤道へ さらに東へ辿
◆サイコロの行方十四の春に ひとつ目の言葉を置き数えきれぬ季節へ 雪のように降らせた白くなれた詩も なれなかった詩もありそれでも紙の野原は 静かに積もっていく二十年の沈黙は 凍った川に似て渡る者さえなく 月だけを映していたけれど吊り橋の揺れに 心は
◆桜梅桃李雄蕊 雌蕊のままでは花の内情は知れても花の姿を眺められない他の花も見えやしないそこから 一歩 外に出て自分がいた世界を自分以外の花たちを眺めてみればいい椅子に座りつ続けた者すでに 亡くもう 誰かが座ってる暦の環 一周したよ人工物 一蹴してよ自ら
◆ザ・メニュー宇宙でもいい太陽系でも地球でもほんの一瞬ほんの一瞬 人類の歴史99.99% 喰らう側でも太陽の気まぐれ次第で100% 喰らわれる側へ殺して喰らうか 喰らって殺すか何れも 他の死によってしか喰らうことのない 不持続再生不可能な食物連鎖何が道具だ 知恵
◆無限進数一番シンプル 2進数すべての数を 0と1のみ表記その対極は無限進数すべての数を 一桁の数字表記文字の種類は有限だから本当は誰にも表記しきれないただ 理論上の進数ただ 机上の空論π(x)~x/log(x)x以下の素数の個数はxの自然対数とほぼ近似値x
◆万物の間あるべきもの そこにはなく不在と呼べば 存在したことになるあるべきでないもの そこにあり存在するものと呼べば 存続するのか?何かと何か なぜ ふたつと見なすひとつに見えて離反するものよりふたつでありながらひとつになろうとする時空の歪み 惑星の軌
■時空の間人間の間は 空間の間悠々たる天壤 五尺の小軀箱から箱へ パパラギの呟き人間の間は 時間の間遼々たる古今 五尺の小軀累々と親から子へ 子の子へ氷期と氷期 間の一時時の素粒子 空間満たし 旧から新へ絶えず物質を更新し続ける空間を自由に移動できても時
◆経線と緯線では点でしかなくても経度と緯度で 位置が決まるそこに至る道 経緯が生れる欲しい模様を意図し糸を紡ぐ 経糸 緯糸で 生地が生れる素材一般は布 特定用途は生地いずれも平面でありながら二次元の糸 三次元の布から裁断し縫製し 立体の服となる国を営み民
◆寝しなのP答えはふたつ問題文はひとつ解答が正解とは限らない答えの一方の反意後は「勝」ではない一方が「自然」であっても一方は「不自然」とは呼ばれない一方を掛け合われると他方になる他方同士を掛け合わせても他方のまま数々の数 原子は「素」「素」は「0」か「1」
◆片手で31数える指折り数える 片手で5まで次はどうする 6はどうするやってごらん 小指が立ってる?でも それって 4と同じだね適切ではない 数字の表記として親指を拳の中から抜き親指立てれば 6適切になる 数字の表記として人に数を示す 掌を相手に向けて人
◆守らぬくいぜスコップ 垂直 限りの奥へスコップ 倒し 土掘り返す小さいなら 押し切って太い根 方向見極める枝葉繁らす 比例して礎築く 立脚の業ウサギ 居ないぞ 守るべきもなし切り株 数年 放置プレー人の都合 世話しきれず樹木だって生きているんだそれでも
◆日課毎朝 眺める 柿の木苔むし 老人の肌 眺める何思うなく 何考えるもなく漠然と 茫洋と 眺める目覚めて すぐ朝食半日以上の断食を破る破るは英語で何?断食は英語で何?枝葉巡らせ 根を巡らせ佇みながら 背景に説ける渋い結実 鳥の餌常なる佇み 日々の変化常
◆思考実験刻々 【それ】は変化する一刹那の【それ】次刹那の過去の【それ】過去ならば 【それ】は すでに あれ真実は不変だから真実は【それ】に該当しない?真実は不変ではない普遍なら真実とならない太陽は東から上り 西に沈む繰り返す日常 当然の常識これが真実で
◆五百羅漢兼美経(抄)現であれ 夢であれそれを感じること存在し存続し続けるもの雅であれ 邪であれ可視 不可視を問わず無味 無臭 無音であれそれを そこに 感知する善であれ 悪であれ美である 兼美である存在と存続 継続と持続そして終焉 そして最期雅と邪 善
◆五百羅漢羨望経(抄)何が現 何が夢深きも浅きも あるままに深淵に沈没 浅瀬に座礁渡る世間に 甲斐なき小舟望むか 臨むか眺むか 長むか船員になれぬ 乗客になれぬ人生行路 舵切るばかり浅き現に 潜航できず深き夢に 潜望鏡あちこち そちこち深き現に 羨望鏡浅
◆真実の鏡真実を映す鏡があるとするその鏡には真実の姿が映し出される鏡の前 リンゴを置くリンゴがどう映っているか確かめる観察者は鏡を覗き込むリンゴの一部が隠されるそれは すなわち 自分自身を映すことそれは すなわち 真実の自分を見ることリンゴはリンゴとして
◆逆襲のT君の役目 免疫だよね君の役目 ボクを守ることだよねなのにT 皮膚の内側から紅皮で地図 書くんだねバーチャルな等高線ならいいけれどリアルな山脈 よしてくれないか医大での生検 実習の為か「少し大きめに切りますね。」100万人に4人程度罹患発見されるまで
◆500 Miles一歩ずつでいい また五百進むよ前の五百 白く妖しき白狐に捧げ今の五百 自らの寿陵 鎮魂歌残敵の辞世詞 もうあるけれど閉ざされたガラス空間砂の行先 落下だけ否 何度も言ったよ砂が何故 時を刻めるか空気 砂の峡間 擦り抜けて下部から上部
ここは書庫なので、作品の経緯については下記を参照してください。安寧の日記◆「悪魔と蝋燭」(同時幕間劇)妖しき白狐 そのまなこは大きく何時からともなく 住まいする森白きものよ 去来するものよ聞かせよ 至る道程それは あくまでも想像それは あくほどの創造確か
本編はこちら。前提として閲覧後に(幕間劇)をご覧ください。リバイバル 蝋燭と悪魔 : 空気時計書庫◆「悪魔と蝋燭」インターリュードここは血脈の回廊がある森私は一本の蝋燭を持って彷徨っている 扉を探して進みは止められない自分の血脈の回廊への入り口同じ血脈じ
◆ケロの目くばせ刹那に夢を見 生きて生きえた泡沫言葉あれば 応える山彦夢見て生きて 応えて生きて雅も邪もありながらただ 一筋の道を成す生まれたそれらに罪は無く生んだ私 罪深く生まれてこなかったそれらを鎮魂するばかり私を生と死の狭間に封印し いずれ 解き放
◆絶望の滑走君は天空を舞え俺は地を這おうそうエピローグを記してただ哲するものは去ったボクは地を這いずり明日の天空を希望する希にしか叶わぬ望みなのに望むものも希なのに「翼は失われたのでなく 翼は ただ 見えないだけ。 あなたは佇んでいても 飛べるはずだわ、