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2006/05/10

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  • 『未来のミライ』を観てきました。

    『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督の最新作。今年の夏、話題の作品です。未来のミライ監督:細田守公式サイトで詳細をみるとある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。(公式サイトより)観終えた後、今この時、自分がいるところまで続いてきた時間、この先どこかへ続いていくだろう時間について、誰...『未来のミライ』を観てきました。

  • 巨匠のエピソード満載。 佐渡裕【棒を振る人生 指揮者は時間を彫刻する】

    まったく更新をしていなかった間も、本は読んでいました。ペースは以前と比べて激減してはいましたが。手元にあるものや印象に残っているものをぽちぽちとあげていこうと思います。さて。著者の佐渡裕さんは1961年生まれ。小澤征爾に見いだされ、かのバーンスタインの最後の弟子となったというという経歴で有名な指揮者ですが、ご自身も様々な活動をされています。『1万人の第九』や、バーンスタインの遺志を継ぐ『ヤング・ピープルズ・コンサート』などがよく知られるところでしょうか。著書もこれが初めてではありません。最初の一冊は『僕はいかにして指揮者になったのか』。タイトルどおりの内容で、少年時代からバーンスタインとの思い出、支えてくれた人々のことなどが語られていました。今回のこの本も、著者が指揮者としてどのようにオーケストラに、そして何よ...巨匠のエピソード満載。佐渡裕【棒を振る人生指揮者は時間を彫刻する】

  • 『羊と鋼の森』を観てきました。

    映画『羊と鋼の森」を観てきました。原作を読んだ時の印象と同じで、びっくり。羊と鋼の森監督:橋本光二郎公式ページをみる「羊」はピアノのハンマーのフェルト、「鋼」は内側で張りつめている弦。調律師の道を究めていこうとする青年のお話で、調律の世界と彼に関わる人たちを、優しく描いています。北国の山の奥深くで育った主人公は将来に対して浮ついた夢を持つどころか、むしろ諦めをもって、進路を選ぶ時を迎えようとしていました。けれども、ある日、彼の通う学校にやってきた一人の調律師と、彼に調律されたピアノの音に出会い、調律師となることを志します。曰く「ピアノは世界とつながっている。この世界ならば、どこまでも歩いていける」と。彼は、ピアノの音に森の気配を感じるたぐいまれな感性を携え、美しい音を求めていくのです。では、彼の求める音、また彼...『羊と鋼の森』を観てきました。

  • ケン・リュウ【紙の動物園】

    つられたのは表紙です。好きなんです。牧野千穂さん。紙の動物園著者:ケン・リュウ編・訳者:古沢嘉通発行:早川書房Amazonで詳細をみる表題作の『紙の動物園』の主人公はアメリカ人を父に、中国人を母にもつ少年。少年は両親の愛情をうけて暮らしていますが、いわれのない、でも明らかな差別にさらされるうち、英吾も話せないままの母を疎ましく思うようになっていきます。彼の気持ちもわからなくありません。まだ、ちゃんと自分の頭で考え、判断できるようになる前に吹き込まれた心無い言葉は、毒にも等しい。少年は母をないがしろに扱ったまま、成長し、母を亡くしてしまいます。彼に、失ったものの大きさ、母の思いの深さを教えるのは、包装紙で折られた小さな虎。乱暴に言ってしまえば親孝行したいときには親はなし、というお話です。母の書いた文字になぞって、...ケン・リュウ【紙の動物園】

  • 深谷かほる【夜廻り猫 1 今宵もどこかで涙の匂い】

    「エデンの東北」がきっかけで、るいちゃんにいただいた1冊。泣くよと宣言付きで手渡してくれました。まんまと泣き笑い。夜廻り猫1著者:深谷かほる発行:KADOKAWA/エンターブレインAmazonで詳細をみる「んっ涙の匂い!」泣く子はいねが、と夜廻りをする猫・遠藤平蔵は、誰に認められなくてもひっそりとがんばっている、弱くて強くてやさしい、普通の人たちの心に寄り添います。1篇8コマの漫画。手描き感たっぷりで、セリフの文字も手書きです。「覚えておきます」「赤の他人」「夕飯いらない」「今日の出来事」「にっこり」「うまい!うまい!」「あかり」こんなタイトルがついたある日、ある夜の小さな場面の連なりのなかには、誰しもひとつやふたつ、心の底からそれと似た気持ちを知っていると思えたり、思わず我が身を振り返ったりしてしまうものがあ...深谷かほる【夜廻り猫1今宵もどこかで涙の匂い】

  • 沢木耕太郎【キャパの十字架】

    ロバート・キャパは、その名を聞けばその作品のひとつやふたつは思い浮かぶという有名な写真家です。彼が題材にしたものを考えれば「キャパの十字架」というタイトルの持つ重苦しさもふさわしいような…。実際に読み終えてみると、私が読む前に思っていた意味とはちょっと違っていましたが。キャパの十字架著者:沢木耕太郎発行:文藝春秋Amazonで詳細をみるこの本のなかで著者が追うのは、傑作と言われる「崩れ落ちる兵士」です。キャパを有名にしたこの写真はいかにして撮られたものか。スペイン戦争の象徴ともなったこの写真に写る兵士はだれか。撮影された場所はどこか。この写真を撮ったのはほんとうにキャパなのか。この写真はほんとうに兵士が撃たれたその瞬間を捉えたものなのか。立てられた問いを読んだとき、この本の結論は見えたような気がしました。この写...沢木耕太郎【キャパの十字架】

  • 柴崎友香【わたしがいなかった街で】

    楽しいという作品ではありません。けれども、読み飛ばすこともできない作品でした。わたしがいなかった街で著者:柴崎友香発行:新潮社Amazonで詳細をみる主人公が過ごしているのは一人暮らしで派遣社員として働く毎日。離婚した後も住んでいた部屋から引っ越したばかりの新しい部屋で彼女は、ほかのチャンネルやDVDではなく、戦争のノンフィクションを観る。映画ではなく、ノンフィクション。人が死んでいく場面を観続ける。健全とはいいがたいように思うが、それを観ながら彼女が楽しんでいるわけではない。彼女は考えている。先の戦争が明日終わるという日のたった1日前の空襲で命を落とした人々と、それを紙一重で逃れ得た人々のこと。今、自分が住む街はかつて戦争のさなかにあったということ。彼女は、自分の祖父が、あの日、あの街、原爆の爆心地にいたまま...柴崎友香【わたしがいなかった街で】

  • チャーリー・ラヴェット【古書奇譚】

    “シェイクスピアは本物か!?それともこの古書が偽物なのか!?稀代の奇書『パンドスト』と、亡き妻の思い出を胸に抱き、気弱な古書商の冒険がはじまる”…帯の文章、そのとおりの本でした。古書奇譚著者:チャーリー・ラヴェット発行:集英社Amazonで詳細をみるあんまりそのとおりだったので、「そうでした」という感想しか残らなかったという、リハビリ本の1冊。古書商の生きる時代と、古書の生まれた時代、その間を行き来しながら進む物語は読みやすく、するすると進みます。導入部分が好きでした。古書商ピーターが、亡き妻アマンダとそっくりの肖像画を古書の中に見つけるというはじまり。18世紀の古書のページの間に、愛する妻を見つける驚きと不思議に、さて、これから「冒険」という言葉にふさわしい、波瀾万丈な物語が展開するのかと、ワクワクしました。...チャーリー・ラヴェット【古書奇譚】

  • クリス・ダレーシー【龍のすむ家 小さな龍たちの大冒険】

    何でもかんでも「かわいい」で済ませるのはいかがなものかと思うわたくしですが、それでも「かわいいから」が理由になることはあります。この本がそう。命を持つ置物の龍たちの物語です。龍のすむ家小さな龍たちの大冒険著者:クリス・ダレーシー挿画:浅沼テイジ翻訳:三辺律子発行:竹書房Amazonで詳細をみるシリーズ1作目は『龍のすむ家』。かわいいし、好きなタイプの作品でしたが、先を追いかけるほどではなく放置しておりました。その間にもシリーズは今も続行中で、コンスタントに新刊も出ていたようです。たまたま見つけたシリーズ番外編をうっかり手にしてしまいました。陶芸家のリズがつくる愛らしい龍は置物として人気ですが、その中の何体かは特別製の非売品。特別な龍たちである彼らは、役割と名前を持って生まれてきます。そんな龍たちの物語が本編とい...クリス・ダレーシー【龍のすむ家小さな龍たちの大冒険】

  • 養老 孟司【身体巡礼: ドイツ・オーストリア・チェコ編】

    養老先生のヨーロッパ墓地巡り旅行記です。身体巡礼:ドイツ・オーストリア・チェコ編著者:養老孟司発行:新潮社Amazonで詳細をみる遺体から心臓だけを抜き取って別に安置した王族の霊廟、骸骨が人々を見下ろす礼拝堂、ユダヤ人墓地、目を引くお墓の数々などを巡りながら、著者はその背景となる思想や当時の人々に思いをはせていきます。著者の抱く思いに至るわけではありませんけれども、単純にこの旅はなぞってみたいと思ってしまいました。解剖学者である著者が向き合ってきたリアルな死体の数を思うと気が遠くなりそうです。「mementomori」どころの騒ぎではなく、観念的な「死」と厳然たる物としての「死体」の間で日々を過ごし、常に「死」を思う。忘れる暇さえあらばこそという年月があった上で、著者の年齢になると、こういう旅ができるのでしょう...養老孟司【身体巡礼:ドイツ・オーストリア・チェコ編】

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