電気自動車(EV)の電池などで需要が急拡大しているリチウムを巡り、大手商社が安定確保にむけた取り組みを加速させている。鉱山開発だけでなく、産出した鉱石からEV電池向けの原料へと加工する精製を手掛けることも目指す。鉱石は豪州や北米、南米などに眠るが、精製は中国に集中しており、経済安全保障上のリスクを低減させるため、精製工程まで一貫してできる体制を整備する。2030年には需要4倍にリチウムは脱炭素化の流れを受けたEVの普及に伴い、世界で需要が急拡大しており、2030年には22年の4倍になるといわれている。そこで三井物産は4月、ブラジルのリチウム鉱山開発に参加するため、この鉱山開発を担う米資源開発会社、アトラス・リチウムの第三者割当増資を3千万ドル(約45億円)引き受けた。今後5年間でEV用で約100万台に相当...電池で需要急拡大のリチウム、脱中国へ大手商社が北米・南米で精製まで一貫体制を整備