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2006/03/21

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  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 25.三つの御婚礼

    1407年10月、首里で三つの婚礼が盛大に行なわれました。サハチ(尚巴志)の長男サグルーと山田按司の娘のマカトゥダル。サハチの次男のジルムイと勝連按司後見役サムの娘のユミ。マウシ(護佐丸)と苗代大親の娘のマカマドゥ。三組の新郎新婦は城下の人々に祝福されて、首里グスクに入って儀式を行ないました。会同館ではお祝いの宴が開かれ、按司たちが集まりまし…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 24.山北王の祝宴

    山北王の攀安知は新築した御内原(うーちばる)の屋敷に重臣たちを呼んで、今後の対策を練りました。まず、志慶真(しじま)の長老から今帰仁(なきじん)の歴史を語ってもらいました。今帰仁按司の先祖は壇ノ浦の合戦に敗れて逃げて来た平家の武将だと長老は言います。四代目の今帰仁按司の時、英祖(浦添按司)の次男の湧川按司が、今帰仁を攻め落として、五代目の今帰仁按司になります。

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 23.今帰仁の天使館

    旅に出たジャンサンフォンたちが帰って来たのは9月の半ばでした。ササはシンシンと仲よくなって、明国の言葉と武当拳を習ったようです。ヂャンサンフォンたちは久高島に行き、南部を回って、新しくできた李仲(リージョン)グスクで、唐人の李仲按司と会います。李仲按司はヂャンサンフォンの噂を知っていて、琉球にいる事に驚きます。李仲按司はヂャンサンフォンから明国の様子…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 22.清ら海、清ら島

    サハチ(尚巴志)たちは明国(中国)から帰って来ました。久し振りに見た琉球の景色の美しさをサハチは再認識して、この国をもっと素晴らしい国にしなければならないと思います。 首里グスクは変わっていました。グスクの北側に土塁で囲まれた新しい曲輪ができていました。サハチは思紹と会って、留守の間に起きた出来事を聞きます。サハチたちに遅れて三日後、三…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 21.西湖のほとりの幽霊屋敷

    龍虎山から杭州に戻ったサハチ(尚巴志)たちは三姉妹と再会します。三姉妹はヂャンサンフォンと会って感激します。三姉妹はすでに拠点となる屋敷も見つけていて、翌日、西湖のほとりにあるその屋敷に行きます。その屋敷は幽霊屋敷と呼ばれていて、安く手に入れられたとの事です。幽霊が出ましたが、一流の道士であるヂャンサンフォンによって退治されます。 応天…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 20.龍虎山の天師

    武当山でのサハチ(尚巴志)たちの一か月の拳術修行が終わりました。断食をして、呼吸を整え、気を錬る事も教わって、体は以前よりもずっと軽くなり、自由に動かせるようになりました。山を下りて、ファイチの妹に別れを告げて、ヂャンサンフォンとシンシンにお礼を言って別れようとしたら、ヂャンサンフォンとシンシンは琉球に行くと言いました。サハチたちは驚くと共に喜んで、ヂャンサ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 19.刺客の背景

    サハチ(尚巴志)たちが武当山で武術修行をしていた頃、琉球では馬天ヌルが久高島のウタキに籠もっていました。首里グスクのお祭りの時に、ヌルのスズナリが偽者の中山王を殺した事件で、馬天ヌルは自分を責めていました。ウタキの籠もって一月後、馬天ヌルは九年前にヤンバル(琉球北部)でスズナリに会っていた事を思い出します。馬天ヌルはスズナリを指導していた勢理客ヌルに会うため…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 18.霞と拳とシンシンと

    武当山の山頂にある真武神像をお参りしたサハチ(尚巴志)、ウニタキ、ファイチの三人は山の中で、ヂャンサンフォンから武術の指導を受けていました。最初にやらされたのは真っ暗な洞窟の中を歩く事でした。シンシンはさっさと先に行ってしまい、サハチたちは声を掛け合いながら暗闇の中を進みました。洞窟の中はでこぼこで、水たまりがあったり、行き止まりがあったり、段差があったり、…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 17.武当山の仙人

    サハチ(尚巴志)、ウニタキ、ファイチの三人は応天府(南京)から武当山へと向かいます。軽い気持ちで武当山に行こうと決めましたが、武当山は思っていたよりもずっと遠くにありました。7日目にシンシンという若い娘を助けて、9日目に南陽という城壁に囲まれた街に着きました。南陽で三人は薬屋の主人に声を掛けられ、今朝、消えてしまったシンシンも一緒にいました。薬屋の…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 16.真武神の奇跡

    「酔夢楼」で永楽帝に会ったあと、サハチ(尚巴志)たちは「桃香楼」に行って、ヂュヤンジンとリィェンファの婚約のお祝いをして一晩中騒いでいました。夜が明けた頃、ヂュヤンジンの屋敷に帰り、ヂュヤンジンが出仕して行ったあと、ファイチは永楽帝と話した事をサハチたちに教えてくれました。 60万の官軍に対して、永楽帝の兵は800人しかいなかったそうです。永楽帝は800人の兵で北京…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 14.富楽院の桃の花

    サハチ(尚巴志)たちは三姉妹と一緒に杭州に向かいます。明国は思っていたよりもずっと広く、杭州まで14日も掛かりました。宋の時代に首都だった杭州は、元の時代には貿易港として栄え、人口が百万を超えた大都市でした。街は城壁に囲まれていて、その城壁は百年ほど前に、三姉妹の祖父であるヂャンシーチォン(張士誠)が再建したのよと三姉妹は自慢します。 三姉妹と別れ…

  • ◇尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 13.首里のお祭り

    思紹が中山王として首里グスクに入って一年が経った2月9日、首里でお祭りが行なわれました。ヤマトゥ旅から帰って来たマウシとシラーは首里の城下に屋敷をもらい、ジルムイは首里にできた島添大里按司の屋敷で暮らし、午前中はナンセン寺で読み書きを習い、午後は武術道場に通っていました。サグルーは島添大里の若按司として、按司になるための修行を始め、一緒に遊べなくなっていました。 <…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 12.島影に隠れた海賊船<br />

    サハチ(尚巴志)たちは三姉妹と一緒に中洲の隠れ家を引き払って、海賊船を隠している島の近くまで馬に乗って行きました。半日掛かりで着いた所は小さな漁師の村でした。海の方を見ると大小様々な島がいくつもあって、海賊船はあの島のどこかに隠れているようです。小さな家々が建ち並ぶ中に大きな屋敷があって、そこが三姉妹の屋敷でした。 サハチたちはメイファンから、配…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 11.裏切り者の末路

    サハチ(尚巴志)たちは三姉妹と一緒に福州の街に行きました。福州の街も泉州と同じように城壁に囲まれていました。三姉妹の敵であるチェンイージュンは三姉妹の父親から奪い取った立派な店の主人になっていました。ファイチが店内の様子を探り、サハチとウニタキは店の周囲を探りました。サハチがキョロキョロしながら歩いていると刀を腰に差した男に声を掛けられました。

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 10.麗しき三姉妹

    メイファンの配下のスンリーは頼まれた荷物が今日のうちに届くので、明日出発すると言いました。急いでやって来たサハチ(尚巴志)たちは気抜けしますが、お陰で、泉州の街を見物する事ができました。無事の船旅のお礼を言わなければならないと、天妃宮に行きましたが、その門の華麗さにサハチとウニタキは驚きます。不思議な形をして、石で造られた回教寺院がいくつもあり、開元寺という…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 9.泉州の来遠駅

    泉州湾に入った進貢船は何艘もの小舟に引っ張られ、広い川をさかのぼって港に入ります。港は街のはずれにあって、サハチ(尚巴志)たちは川船に乗り換えて、泉州の街に向かいます。泉州の街は高い城壁に囲まれた城塞都市でした。サハチとウニタキは広い川に架かった石の橋を見て驚きます。琉球人の宿泊施設である「来遠駅」は城壁に囲まれた街の外にあり、川から運河がつなが…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 8.遙かなる船旅

    中山王思紹が初めて送る進貢船が浮島(那覇)から船出して行きました。正使はサングルミーで、護衛のサムレー大将は宜野湾親方、副大将は當山親方でした。サハチ(尚巴志)、ウニタキ、ファイチ(懐機)も従者として乗っていました。按司たちは明国(中国)に行く従者として、若按司を選んだ者が多かったのですが、八重瀬按司のタブチは留守を若按司に任せて、本人がやって来ました。

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 5.ナーサの遊女屋

    首里の城下町造りを始めてから半年余りが経って、大通りに面して建つ屋敷はほとんど完成して、ようやく都らしくなってきました。浦添グスクの侍女だったナーサの念願もかなって、「宇久真(うくま)」という立派な遊女屋もできました。「宇久真」の開店の日、中山王の思紹は重臣たちの懇親の宴を催します。佐敷からの重臣たちと寝返った浦添の重臣たちの間にある溝を埋めなければならないと…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 4.キラマの休日

    サハチ(尚巴志)とマチルギは毎年の恒例の旅で、慶良間の島に行きました。慶良間の島で、思紹が秘密に兵を育てていたので、サハチたちは行く事ができなかったのです。一緒に行ったのは、ヒューガと馬天ヌル、ウニタキと妻のチルーでした。ファイチ(懐機)夫婦も誘ったのですが、忙しいと言って来ませんでした。首里グスクを奪い取ってから、皆、忙しく、久し振りの休暇でし…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 3.恋の季節

    ササに案内された屋敷は思っていたよりも立派な屋敷でした。隣の屋敷に住んでいるおかみさんに連れられて、マウシ(護佐丸)は島添大里グスク内の二階建ての豪華な屋敷で、叔父のサハチ(尚巴志)と会います。叔父は「十年後に今帰仁グスクを攻め落とす」と言いました。「その時、お前はサムレー大将になって、100人の兵を率いて、今帰仁グスクを攻めろ」と言います。マウシは…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 2.胸のときめき

    島添大里グスクへと向かう山道の途中で、マウシ(護佐丸)は馬天若ヌルのササと出会います。ササは木の上から飛び降りてきて、マウシの案内をしてグスクに向かいます。島添大里グスクは山田グスクよりずっと広くて、マウシは羨ましいと思います。東曲輪にある屋敷から美人の女子サムレーが出て来て、それが佐敷ヌルだと知ったマウシは驚きます。若ヌルのササにしろ、佐敷ヌル…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第二部 1.山田のウニウシ

    第二部は若き日の護佐丸が首里に向かう場面から始まります。 山田按司の次男に生まれたマウシ(護佐丸)は曾祖父と祖父の敵を討って、今帰仁グスクを奪い取るために山の中で厳しい修行を積んでいました。先月、叔母夫婦が武装姿で山田グスクにやって来て、叔父(尚巴志)は信じられない事を言いました。中山王(武寧)を倒して、浦添グスクを焼き払って、首里グスクを奪い取ったと言うの…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 81.勝連グスクに雪が降る

    奪い取った越来グスクを叔父の美里之子に任せて、サハチ(尚巴志)は勝連グスクに向かいます。勝連グスクは深い霧に被われていました。サハチは兵を展開して、三つの門を塞ぎました。 馬天ヌルがやって来て、手ごわいマジムン(悪霊)がいるとサハチに言います。サハチが馬天ヌルと話をしていると、サタルーとヤキチが現れます。朝早くから噂を流していた二人は、…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 80.快進撃

    中グスクの城下には信じられない噂が流れていました。中山王が戦死して、中グスク按司も戦死して、できたばかりの首里グスクは奪われ、浦添グスクは焼け落ちて、今、大軍が中グスクに向かっているという噂です。中山王を殺して、首里グスクを奪い取ったのが誰なのか、一体、どこの大軍が攻めて来るのか、噂からはわかりませんでした。 中グスクの留守を守っていた久場大親は、真相を確か…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 79.包囲陣崩壊

    中部の按司たちの兵が、島尻大里グスクの包囲陣から引き上げて行った事を知った、八重瀬按司のタブチは鬼のような顔をして怒鳴っていました。豊見グスク按司の兵が攻めて来ると、小禄按司、瀬長按司、兼グスク按司が陣を引き払って撤収して行きました。やがて、タブチのもとに中山王の若按司か率いていた中部の按司たちの兵が全滅したとの知らせが入ります。タブチは悪態をついて、包囲陣…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 78.南風原決戦

    サハチ(尚巴志)が首里グスクを奪い取り、浦添グスクを焼き討ちにした翌日、豊見グスクを包囲していたサハチの弟のマサンルーは東方(あがりかた)の按司たちにサハチのした事を説明して、豊見グスクから撤収します。 島尻大里大里グスクを包囲していた中山王武寧の若按司のカニムイは島尻大里グスクの包囲網を解いて、中部の按司たちを率いて首里グスクを攻めるために向かいます。 その頃、サハ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 77.浦添グスク炎上

    サハチ(尚巴志)が首里グスクを奪い取った日の夕方、浦添城下の遊女屋『喜羅摩』では、早々と戦勝祝いの宴が賑やかに開かれていました。招待したのは侍女の頭を務めるナーサで、招待されたのは中山王の重臣たちでした。重臣といっても武将ではなく、政務をつかさどっている文官たちです。夜も更けて、重臣たちがだらしなく遊女と戯れている時、若いサムレーが血相を変えてやって来ました…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 76.首里のマジムン

    1406年2月9日、島添大里グスクで、馬天ヌル、佐敷ヌル、フカマヌルによって、出陣の儀式が行なわれました。儀式が終わるとサハチ(尚巴志)の弟、マサンルーが100人の兵を率いて、糸数グスクに向かいました。 サハチと父、大将に任命された重臣たちは運玉森に移動しました。運玉森には慶良間の島から来た1000人の兵が待機していました。サハチと父は「マジムン屋敷」で鎧を身…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 75.首里グスク完成

    首里グスクの完成の儀式が行なわれる2月10日の翌日、山南王のシタルーを攻めるとの出撃要請が、八重瀬按司のタブチからサハチ(尚巴志)のもとに来ました。サハチは大グスク按司と一緒に玉グスクに行って、東方(あがりかた)の按司たちと相談します。玉グスク按司のもとには中山王の武寧から使者が来て、中山王もタブチを支援するので、東方の按司たちもタブチを支持するようにと言って来たそうです…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 74.タブチの野望とシタルーの誤算

    久し振りに馬天ヌルと娘のササと一緒に、年末年始を過ごしたヒューガは五日になると慶良間の島から兵の移動を開始します。サハチ(尚巴志)の父は慶良間の島には帰らず、孫たちと過ごしていました。 正月の半ば、八重瀬グスクで婚礼があり、南部の按司たちは皆、集まりました。八重瀬按司のタブチの娘が中山王の武寧の四男に嫁いで行きました。山南王のシタルーも来ていまし…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 73.ナーサの望み

    ウニタキが望月党を倒してから、浦添グスクの侍女のナーサは「よろずや」にちょくちょく遊びに来るようになりました。ナーサは侍女を引退して、何か商売を始めようと思っているようです。長年、女たちを使っていたので、遊女屋ならできそうだと思うが、遊女屋に行った事がないので、どんな事をしているのかわからないと言います。ウニタキはヒューガの配下がやっている遊女屋「喜羅摩」に…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 72.伊波按司

    勝連の噂が飛び交っていた7月の下旬、大きな台風がやって来ました。島添大里も佐敷も平田もそれ程の被害はなくて助かります。ウニタキが調べた所によると、建築中の首里グスクの石垣がかなり崩れたようです。石垣の崩壊は中山王の武寧を激怒させ、崩れた石垣を担当していた石屋と人足たちは牢獄に入れられます。今年中に完成させて、来年の正月は首里グスクで祝おうと計画して…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 71.勝連無残

    永楽三年(1405年)の正月の末、シンゴとクルシの船が馬天浜に来て、サムとクルーがヤマトゥ(日本)旅から帰って来ました。3月の半ばには島尻大里グスクで盛大な婚礼があり、南部の按司たちが勢揃いしました。サハチ(尚巴志)は島尻大里グスクに初めて入りましたが、グスク内には立派な建物がいくつも建っていて驚きます。婚礼の翌日、サハチはウニタキに呼ばれ、中グスク按司が何者か…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 70.久米村

    11月に冊封使は帰って行きました。サハチ(尚巴志)は「まるずや」でウニタキと会います。ウニタキは、中山王の武寧と山南王のシタルーの間にすきま風が吹き始めたようだと言います。シタルーは明国の言葉がしゃべれるので、冊封使と仲よくしていたのが、武寧には気に入らなかったようです。首里のグスクが完成するまではシタルーが必要ですが、グスクが完成したら、武寧はシ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 69.ウニョンの母

    ウニタキは浦添の「よろずや」にいるムトゥから信じられない話を聞きます。浦添グスクの侍女たちを仕切っているナーサが、ウニタキの妻だったウニョンの本当の母親だったというのです。 ナーサは三十三年前、中山王の武寧に嫁いだ花嫁の侍女として八重瀬から浦添に行きます。ナーサの美貌は、当時十六歳だった武寧の心を捕らえ、武寧は花嫁よりも侍女のナーサに夢中になってしまいます。…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 68.冊封使

    1404年の4月、明国(中国)から初めて冊封使が来ました。中山王の武寧と山南王のシタルーは、冊封使を大歓迎して迎えましたが、サハチ(尚巴志)には関係のない事でした。 その頃、サハチはシンゴの船に乗ってヤマトゥ(日本)に行く弟のクルーと義兄のサムを見送りました。そのあと、八重瀬按司のタブチの娘が糸数按司の長男に嫁いだ婚礼に出席します。タブチの長男は先代の…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 67.望月ヌル

    正月の下旬に、去年の夏にヤマトゥ(日本)旅に行ったサハチ(尚巴志)の弟のマタルーと従弟のマガーチが帰って来ました。サハチは二人から、対馬にいるサハチの娘のユキが、サイムンタルー(早田左衛門次郎)の息子の六郎次郎に嫁いだと聞いて驚きます。花嫁姿のユキはまぶしいほどの美しさだったと聞いて、サハチは今すぐにでも対馬に行きたいという衝動に駆られます。 2月になって、…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 66.奥間のサタルー

    奥間で生まれたサハチ(尚巴志)の息子のサタルーが婚礼を挙げる事になり、サハチはヤキチと一緒に奥間に行きます。奥間に着いた途端、サハチは襲撃を受けます。サハチを襲ったのは初めて会うサタルーでした。その晩、歓迎の宴が開かれ、サハチは奥間ヌルと出会います。「あなたが来るのをずっと待っていた」と奥間ヌルはサハチに言います。サハチは奥間ヌルに誘わ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 65.上間按司

    久高島からの帰り、サハチ(尚巴志)たちは糸数の浪人者の襲撃を受けますが、サハチたちは簡単に倒します。ウニタキに呼ばれて『まるずや』に行くと、ウニタキは昼寝をしています。愛用の三弦(サンシェン)を娘のミヨンに取られてしまったと言います。明国(中国)では皇帝が代わったので、大勢の使者たちが琉球に来るようだとウニタキはサハチに知らせます。中山王の武寧は使…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 64.シタルーの娘

    1403年、山南王のシタルーの娘、ウミトゥクがサハチ(尚巴志)の弟、クルーに嫁いできます。二人は島添大里グスクで婚礼の儀式をして、佐敷グスクの東曲輪内の屋敷に入りました。 ウミトゥクはシタルーの三女で大グスクで生まれました。生まれた翌年、シタルーは豊見グスクに移り、ウミトゥクは豊見グスクのお姫様として育ちます。5歳の時、父は明国(中国)に留学して、8歳の…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 63.サミガー大主の死

    ウニタキが久し振りにサハチ(尚巴志)のもとに現れました。ウニタキはフカマヌルに骨抜きにされて久高島にいたと言います。フカマヌルに出会った瞬間、一目惚れをしてしまい、何をやっても手に着かず、フカマヌルと一緒にいたと言います。こんな事を続けていたらよくないと思ったフカマヌルはフボーのウタキに籠もってしまいます。ウニタキは男子禁制のフボーのウタキに入ろ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 62.マレビト神

    久高島から帰ったサハチ(尚巴志)は浮島(那覇)に行ってシンゴと会って、船が手に入らないかと相談します。島添大里按司になって領内も広くなり、家臣たちも増えて、ますます交易を盛んにしなければなりませんが、サハチは船を持っていませんでした。シンゴは「一文字屋」から船を借りる事ができると言います。来年に来る時、その船を一緒に連れて来てくれとサハチはシンゴに頼みます。…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 61.同盟

    サハチ(尚巴志)は東方の按司たちと相談して、山南王のシタルーと同盟を結ぶ事に決めます。佐敷グスクに行って、妹のマチルーに山南王との縁談を話すとマチルーは驚いて、部屋から飛び出してしまいます。サハチがあとを追うと、佐敷ヌルの屋敷に入って行きました。佐敷ヌルの屋敷には、今、馬天ヌルが娘のササと暮らしていました。マチルーは馬天ヌルに説得させて、山南王の…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 60.お祭り騒ぎ

    島添大里グスクを手に入れてから一月後、サハチ(尚巴志)は盛大なお祭りを行ないます。祖父のサミガー大主は孫のサハチが島添大里按司になるなんて、まるで夢のようだと喜びます。シンゴとクルシも船乗りたちとやって来て、お祭りを楽しみ、大グスク按司になった若按司と大グスクヌルもお礼にやって来ます。玉グスクの若按司夫婦と知念の若按司夫婦もやって来て、久し振りに兄弟が揃って…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 59.島添大里按司

    島添大里(しましいうふざとぅ)グスクを手に入れたサハチ(尚巴志)は島添大里按司になりました。「5年後には浦添グスクを落とすぞ」と言って、父は慶良間の島に帰って行きました。佐敷グスクには平田グスクにいた弟のマサンルーが入り、弟のヤグルーが平田グスクに入りました。 サハチが島添大里グスクを落としたという噂を聞いて、知念按司が血相を変えてやって来ま…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 58.奇襲攻撃

    東方(あがりかた)の按司たちが引き上げたあと、グスクから外に出て来た島添大里按司のヤフスは疲れ切った顔付きで、ほっと溜め息をつきます。兵糧もなくなり、あともう少しで落城という所まで来ていました。ヤフスがグスク内に戻ると、東曲輪に避難していた人たちが城下に帰って行きました。 一の曲輪の屋敷で、ヤフスはささやかな祝いの宴を開き、城下の者から贈られた酒を飲み、家臣た…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 57.シタルーの非情

    大グスクを攻め落としたサハチ(尚巴志)は半月振りに島添大里グスクに戻って来ます。ファイチが考えて作った高い櫓がいくつもありました。誰かが大グスクに偵察に来て、真似をしたようです。島添大里グスクを包囲してから一月が経って、お互いに攻撃する事もなく、ただ見張っているだけでした。兵たちは皆、疲れ切っていて、サハチが復帰した事によって、交替で兵を休ませる…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 56.作戦開始

    サハチ(尚巴志)が大グスクを攻め落としたあと、大グスクの城下に住んでいた人たちが集まって来て喜びますが、その中に、死んだと思っていた大グスクヌルのマナビーがいました。サハチはマナビーとの再会を喜び、小禄の近くに隠れ住んでいる若按司に、大グスクを返すと約束します。 大グスクを攻め取ったサハチは次に島添大里グスクを奪い取らなければなりません。サハチの父は、隠居し…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 55.大グスク攻め

    17年振りに大グスクに来たサハチ(尚巴志)は昔の事を思い出していました。子供の頃、一緒に遊んだ大グスクヌルになったマナビーの事を思い出していました。亡くなった山南王(汪英紫)に攻められて、大グスク按司は戦死し、マナビーも亡くなりました。 城下の人たちは誰もいませんでした。サハチはグスクの近くにある屋敷を本陣にして、兵を配置して、重臣たちと作戦を練り…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 54.家督争い

    八重瀬按司のタブチの行動は素早く、父親の汪英紫が亡くなったその日の夕方には島尻大里グスクを占拠しました。タブチは重臣たちを集め、山南王になる事を宣言しますが、反対する重臣はいませんでした。亡くなった汪英紫が、次男のシタルーを山南王にする事を願っていたのを知っていた重臣たちも、長男を差し置いて次男に家督を継がせる事に抵抗を感じていました。タブチは今帰仁合戦でも…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 53.汪英紫、死す

    ファイチ(懐機)は家族を連れて佐敷に移って来てから、琉球を知るために旅に出ました。八重瀬按司のタブチは垣花按司の娘を次男の嫁に迎え、娘を玉グスク按司の三男に嫁がせて、着実と東方(あがりかた)の按司たちとの関係を強化しました。マチルギのお腹が大きくなって、今年の恒例の旅は中止となりました。佐敷ヌルはがっかりしましたが、馬天ヌルと一緒にウタキ巡りの旅に出ました。

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 52.不思議な唐人

    梅雨が明けて、恒例の旅に出たサハチ(尚巴志)たちは久米村で不思議な唐人と出会います。三人のならず者たちを手も出さずに倒してしまう不思議な術を使う唐人でした。旅から帰ってクマヌに聞くと、その男は道士に違いないと言いました。山伏のように山に籠もって厳しい修行を積んで、自然と一体化して、雨を降らしたり、風を呼んだりする事ができるようになるとの事です。サ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 51.シンゴとの再会

    サハチ(尚巴志)の弟、マタルーが八重瀬按司の娘を嫁に迎える事に決まり、サハチはマサンルーのために平田にグスクを築き始めました。年末になって、祖父のサミガー大主と一緒に旅をしていたマタルーが帰って来ます。マタルーに話すと、特に好きな娘もいないので、それで構わないと言いますが、敵である八重瀬按司の娘とどう接したらいいのか心配のようでした。旅から帰って来た馬天ヌル…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 50.マジムン屋敷の美女

    明国の洪武帝が亡くなって、朝貢ができなくなってしまいましたが、密貿易船が続々と琉球にやって来ました。毎年恒例の旅でサハチ(尚巴志)夫婦は、佐敷ヌルと弟のヤグルー夫婦を連れて浮島(那覇)に行き、その賑わいに驚きます。浮島のハリマの宿屋もお客がいっぱいで泊まる事ができず、サハチたちは松尾山で野宿をしました。旅から帰ったサハチは、浮島に拠点を作ってくれとウニタキに…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 49.宇座の御隠居

    年が明けて、1398年となり、サハチ(尚巴志)は27歳になりました。父が隠居して佐敷按司となって、7年目が始まりました。周りの状況も7年前とは随分と変わりました。島添大里按司だった汪英紫が山南王になり、察度が亡くなって武寧が中山王になり、今帰仁ではマチルギの敵だった帕尼芝が亡くなり、孫の攀安知が山北王になっています。三人の王は親子関係にあって、山南王の娘…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 48.ハーリー

    3月に玉グスク按司の娘が中山王の三男に嫁ぎ、浦添グスクで盛大な婚礼が行なわれ、琉球中の按司たちが集まりました。サハチ(尚巴志)も南部東方の按司たちと一緒に参列しましたが、肩身の狭い思いをします。 5月の恒例の旅で、サハチとマチルギは佐敷ヌル、弟のヤグルー夫婦を連れて、豊見グスク按司のシタルーが始めた「ハーリー」を見に行きます。あまりにも多くの人がいて、佐敷ヌル…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 47.佐敷ヌル

    マチルギから妹のマカマドゥのお嫁入りを考えた方がいいと言われたサハチ(尚巴志)はマカマドゥに会いに行きます。東曲輪に向かったサハチは気が変わって、佐敷ヌルを訪ねます。佐敷ヌルは一人で剣術の稽古をしていました。佐敷ヌルは今、師範代を務めて娘たちに剣術を教えていました。サハチは佐敷ヌルと馬天ヌルの話などをして、ふと、お嫁に行きたいと思った事はないかと…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 46.夢の島

    2月にマチルギがサハチ(尚巴志)の四男、チューマチを産みます。3月になると中山王武寧の三男と玉グスク按司の娘の婚礼が決まります。今帰仁合戦に加わらなかった南部東方の按司たちを婚礼という形で従わせようと武寧は考えたのでした。4月の初め、サイムンタルーがヤマトゥから積んで来た米と武器を運ぶために、慶良間の島に向かいます。初めて慶良間の島に来たサイムンタル…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 45.馬天ヌル

    察度の葬儀は山南王の汪英紫も山北王の攀安知も参列して盛大に行なわれました。サハチ(尚巴志)は改めて察度の勢力の大きさを知り、跡を継いだ武寧が佐敷を攻めて来るのではないかと恐れます。山南王が武寧を説得したお陰で、攻めて来る事はなく助かります。 年末に旅をしていた祖父が帰ってきて、慶良間の無人島に行って来たと言います。サハチは羨ましそうに祖父の話を聞…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 44.察度の死

    久高島から帰ったサハチ(尚巴志)はヤキチから山北王の死と奥間の長老の死を知らされます。山北王のミンは病死で、跡を継いだ若按司のハーンはまだ20歳でした。奥間の長老の跡は息子のヤザイムが継ぎました。佐敷グスクに帰ると東曲輪から笛の音が聞こえてきました。笛を吹いていたのはウミチルで、サハチは妹たちに笛を教えてくれと頼みます。 6月になってウニ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 43.玉グスクのお姫様

    11月にサハチ(尚巴志)の三男のイハチが生まれます。年末には旅に出ていた祖父とヤグルーが帰って来ます。ヤグルーに、お前のお嫁さんが玉グスクのお姫様に決まったと告げると、ヤグルーは驚き、信じられないと言って、夢でも見ているかのような顔付きになります。祖父は大グスク按司の遺児が小禄の近くで細々と暮らしていたとサハチに言います。サハチは何とかしてやりたい…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 42.予想外の使者

    山南王となった汪英紫(おーえーじ)は島添大里グスクから島尻大里グスクに移って行きました。島添大里グスクには大グスク按司だった汪英紫の三男、ヤフスが入って島添大里按司になりました。島尻大里の騒ぎも治まった六月の半ば、サハチ(尚巴志)はマチルギと一緒に恒例の旅に出ます。一緒に行ったのは弟夫婦のマサンルーとキクでした。首里天閣を見た時、マサンルーが宇座の…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 41.傾城

    洪武27年(1394年)、正月の10日、サハチ(尚巴志)の弟、マサンルーがヤキチの娘のキクと婚礼を挙げます。3月にはウニタキがサハチの叔母のチルーと婚礼を挙げます。ウニタキはサハチのために裏の組織『三星党』を作り、配下の者たちも二十人集まりました。ウニタキとチルーの婚礼が佐敷で行なわれていた頃、浦添と今帰仁では大々的な婚礼が行なわれていました。浦添按司(武…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 40.山南王

    ヒューガが佐敷を去ってから二か月が過ぎ、南部の各地に山賊が出没して食糧が奪われたという噂が流れてきます。島尻大里の城下にある『よろずや』も商品が増え、貧しい人たちに重宝がられています。マチルギは教え子の娘たちから十二人を選んで、女子(いなぐ)サムレーを結成してグスク内の屋敷を守らせました。やがては百人の女子サムレーを育てて、戦でも活躍させるとマチルギは張り切っ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 39.運玉森

    山賊になる決心をしたヒューガはサハチたちに別れを告げ、ヤマトゥに帰る振りをして、浮島にいるサイムンタルーの船に乗り込みます。ヒューガを見送りに来たサハチとクマヌは、島尻大里の城下に行って「よろずや」という小さな店に行きます。「よろずや」は山賊になったヒューガが奪い取った品々を久高島に送る拠点となる店です。「よろずや」の店主は、サミガー大主のもとで働いていたキ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 38.久高島

    サハチ(尚巴志)の妻のマチルギは三人目の子供を産みます。三人目はようやく女の子で、祖母の名前をもらってミチと名付けられます。マチルギはミチを抱きながら、「あなたは本当は次女みたいよ」と言います。マチルギは対馬のイトがサハチの娘を産んだ事を知っていたのでした。サイムンタルーとクルシの口はふさげても、船乗りたちの口はふさげず、マチルギの耳にも入ったの…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 37.旅の収穫

    東行法師となった父と弟のマサンルーが旅から帰って来たのは12月の半ばでした。 サハチ(尚巴志)は奥間にサハチの子がいたと聞いて驚きます。 サハチの子はサタルーと名付けられ、神様のお告げがあって、奥間の長老が育てているといいます。 東行法師は勝連で、勝連按司の三男が山賊に襲われて殺されたという噂を聞いていました。 サハチはウニ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 36.浜川大親

    琉球の中部地方で高麗人の山賊が暴れているという噂が、サハチ(尚巴志)の耳に入ってきます。 奥間鍛冶屋のヤキチに聞くと、高麗(朝鮮半島)では王様が代わって大騒ぎになり、落ち武者となった者が琉球に逃げて来て山賊になったようだと言います。 中グスクにも高麗の山賊が現れたとの噂が飛び交っていた頃、勝連のウニタキがサハチを訪ねて来ます。 ウニタキと会うのは久し振りで、今晩は一緒に酒を飲みながら、ウニタキの…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 35.首里天閣

    2月の初め、東行法師が志喜屋ヌルからもらった勾玉(まがたま)を持って佐敷に帰って来ました。 東行法師は久高島に渡り、フカマヌルと二十年振りの再会をし、娘のウミチルとも会いました。 久高島に籠もっていたサスカサヌルに言われて、東行法師は勾玉を馬天ヌルに渡すために帰って来たのでした。 馬天ヌルに勾玉を渡した東行法師は家族たちと会って、改めて旅立ちました。 5月になって、中山王の察度が浦添按司を息子の武…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 34.東行法師

    年が明けた1392年の正月、佐敷按司は隠居して、頭を丸め東行法師となって旅に出ます。 サハチ(尚巴志)の弟のマサンルーが父の供として従いました。 佐敷按司が隠居した事を知ると島添大里按司は、何か裏がありそうだと疑い、家臣の奥間大親に見張れと命じます。 サハチ夫婦は佐敷グスクの一の曲輪の屋敷に移り、母と弟たちは東曲輪の屋敷に移りました。 娘たちの剣術の稽古が始まった五日の日、伊波のサムが妻のマチルーを…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 33.十年の計

    サハチ(尚巴志)は祖父のサミガー大主に呼ばれて、祖父の隠居屋敷に行きます。 祖父の屋敷には父の佐敷按司も来ていて、一緒に酒を飲もうと言います。 隣りに住んでいる馬天ヌルがお酒を持ってきて、酒盛りが始まります。 父が突然、隠居すると言い出し、祖父とサハチは驚きます。 ヤマトゥ(日本)の放浪の歌人、西行を真似して、東行と名乗り、頭を丸めて気ままな旅に出ると言います。 サハチも祖父も、父の頭がいかれた…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 32.ササの誕生

    水軍の総大将として鳥島(硫黄鳥島)を奪還し、中山王の察度から褒美の太刀を賜り、機嫌良く帰って来た島添大里按司は、城下が焼かれ、大グスクが奪われた事を知ると烈火のごとく怒ります。 島添大里按司は糸数グスクに総攻撃を掛け、豊見グスク按司のシタルーの活躍によって大グスクを見事に取り返します。 6月になって、サハチ(尚巴志)はマチルギと一緒にヒューガを連れて伊波に行き、伊波按司から今帰仁合戦の様子を詳し…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 31.今帰仁合戦

    サハチ(尚巴志)の父、佐敷按司は兵を率いて今帰仁に出陣して行きます。 サハチはヒューガと一緒に留守を守りました。 マチルギも教え子たちに弓矢を持たせて佐敷グスクを守っています。 大グスク按司(ヤフス)の兵が早朝に攻めて来ましたが、待ち構えていたサハチたちは見事に追い返します。 サハチたちは二度目の攻撃を待っていましたが、大グスクでは異変が起きていました。 糸数按司が大グスクを奪い取ってしまったの…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 30.出陣命令

    サハチの長男、サグルーの誕生を一番喜んだのは祖父のサミガー大主でした。 祖父はひ孫の顔を眺めながら引退を決心して、叔父のウミンターに鮫皮作りの親方を譲ります。 マチルギの兄のサムは伊波に帰る事となり、クマヌの娘のマチルーを嫁に迎えます。 隠居した祖父の新しい屋敷が完成した九月に、浦添では中山王の察度が山北王の帕尼芝(はにじ)を攻めるという噂が流れていました。 戦の原因は山北王が硫黄鳥島を奪い取っ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 29.長男誕生

    久高島に馬天ヌルを残し、旅を続けたサハチ(尚巴志)たちは島尻大里の城下を見て、シタルー(汪応祖)のいる豊見グスクに向かいます。 気楽な気持ちでシタルーに会いに行こうとしたサハチはマチルギとヒューガに止められました。 サハチも考え直して、シタルーと会うのはやめて浮島(那覇)に渡り、宿屋をやっているハリマに歓迎されます。 旅の途中、マチルギは久高島のフボーヌムイ(フボー御嶽)で起こった事を思い出し、…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 28.サスカサ

    旅に出たサハチ(尚巴志)たちは久高島に渡っていました。 馬天ヌルはサスカサヌルを探すという目的を持っていました。 サハチたちは馬天ヌルに付き合うという形で久高島に行ったのでした。 サスカサというのは島添大里ヌルの神名で、古くから有名なヌルでした。 先代の馬天ヌルが亡くなる時、馬天ヌルはサスカサから教えを請うようにと言われていました。 しかし、若かった事もあり、もう一人前のヌルだと思い込んでいた馬…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 27.豊見グスク

    サハチ(尚巴志)とマチルギの婚礼の翌日、大グスク按司のシタルーがサハチを訪ねて来ます。 シタルーは新しく築いている豊見グスクに移り、大グスクには弟のヤフスか入ると言います。 サハチはヤフスの事をクマヌに聞きますが、クマヌも詳しい事は知りませんでした。 サハチは奥間鍛冶屋のヤキチを訪ねます。ヤキチはヤフスの事を知っていました。 ヤフスの事を詳しく聞き、各地にいる奥間大親の事も聞きます。 四月になる…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 26.高麗の対馬奇襲

    サハチ(尚巴志)とマチルギの婚礼が行なわれていた頃、高麗(朝鮮半島)の軍船が対馬の土寄浦を攻撃していました。 高麗ではクーデターが起こって、李成桂(イソンゲ)が政権を握り、倭寇の本拠地である対馬攻撃を決定したのでした。 大砲を積んだ高麗の軍船百隻は対馬の浅海湾を目指してやって来ました。 去年の夏に生まれたサハチの娘、ユキに乳を飲ませていたイトは、突然、雷が落ちたような音を聞いて驚きます。 高麗軍…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 25.お輿入れ

    サハチ(尚巴志)とマチルギの新居となる佐敷グスクの東曲輪(あがりくるわ)が完成し、12月の末には東曲輪の庭で娘たちの剣術の試合が行なわれました。 試合の翌日、マチルギとサムは伊波に帰って行きました。 次にマチルギが佐敷に来るのは2月の婚礼の日です。 大晦日の前日、サハチが東曲輪でマチルギの事を思っていると、勝連のウニタキが訪ねて来ます。 ウニタキはすでに中山王の察度の孫娘を妻に迎えていました。 浮島…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 24.山田按司

    名護から道なき道を通って、サハチ(尚巴志)たちは伊波グスクに向かいます。 マチルギとサムが今帰仁に行って来たと言うと伊波按司は驚きます。 次の日、サハチたちはマチルギの叔父、山田按司を訪ねます。 山田按司は山伏の格好をしていて、目に見えない凄い力を持っている不気味な男でした。 サハチとマチルギは山田按司に祝福されます。 山田グスクを去った一行は宇座按司(泰期)を訪ねますが、宇座按司は浦添に行って…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 23.名護の夜

    勝連から帰ったサハチ(尚巴志)が、マチルギに勝連グスクの様子を話すと、マチルギは今帰仁グスクを見てみたいと言います。 お嫁に来てしまえば、そんな我がままはできないので、今のうちに見たいと言います。 今、浮島(那覇)にはサイムンタルーの船がいます。 それに乗っていけば今帰仁まで行く事ができます。 サハチはマチルギに敵である山北王のグスクを見せる事に決め、父の許しを得ると、ヒューガ、マチルギ、サムと…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 22.ウニタキ

    サハチ(尚巴志)とマチルギの婚約が決まり、佐敷グスクでは拡張工事を始めていました。 そんな頃、勝連按司の三男のウニタキがサハチを訪ねて来ます。 勝連按司が亡くなり、ウニタキは急遽、中山王、察度の孫娘を嫁にもらう事に決まったと言います。 ウニタキは鮫皮作りが見たいと言い、サハチはウニタキを連れて、祖父、サミガー大主の作業場に連れて行きます。 勝連に来るヤマトゥンチュ(日本人)も鮫皮を欲しがるので、…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 21.再会

    ウニタキとの試合で引き分けたマチルギは佐敷に戻って厳しい修行を続けていました。 約束の二か月後、ウニタキは現れませんでした。ウニタキの父親の勝連按司が急に亡くなってしまったためでした。 マチルギが佐敷に来て五か月が過ぎ、娘たちが武術の教えを請うようになっていました。 武術は男がやるものと思い込んでいた娘たちが、マチルギを見て、女も武術をしてもいいんだと思うようになり、マチルギに憧れます。 佐敷按…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 20.兵法

    対馬の和田浦に移ったサハチ(尚巴志)とヒューガは、イトとサワと一緒に楽しく暮らしていました。 イトとサワもヒューガから剣術を習い、サハチはマチルギに勝つために山に籠もって修行に励みます。 ヒューガから読み書きを習い、兵法書も読んでいました。 10月の半ば、イトの母親が倒れてしまい、イトは土寄浦に帰ります。それでも、五の付く日には必ずサハチに会いにやって来ました。 12月の半ば、サハチは初めて雪を見て…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 19.マチルギ

    サハチ(尚巴志)が対馬でイトと仲よくやっていた頃、マチルギは勝連按司の息子からお嫁にほしいと言われます。 敵討ちの事しか考えていないマチルギは断りましたが、いい縁談だと父親に説得されます。 マチルギは仕方なく、もし相手が自分よりも強かったらお嫁に行くと言います。 断ってくるだろうと思っていたのに、相手は伊波にやって来ます。 勝連按司の三男でウニタキと名乗った相手とマチルギは試合をしますが負けてし…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 18.富山浦

    サハチ(尚巴志)とイトが仲よくなった事を快く思わない男たちがいました。 その男はサハチに決闘を申し込みますがサハチに負け、諦めるかと思われましたが諦めずに、さらに決闘を申し込んできます。 サハチは決闘の事は誰にも言いませんでしたが、サイムンタルーに知られ、サイムンタルーはサハチとヒューガを高麗(朝鮮半島)に連れて行きます。 朝鮮の富山浦(プサンポ)にはサイムンタルーの叔父の早田五郎左衛門がいました…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 17.対馬島

    博多をあとにしたサハチ(尚巴志)とヒューガはサンルーザの故郷、対馬の土寄浦に着きます。 サンルーザの五男のシンゴと仲よくなったサハチは、イトという娘と出会います。 イトの父親は船乗りで、琉球に何度も行っていて、サハチの事をイトに話していました。 サハチはイトと仲よくなります。 サハチが対馬に来て半月が過ぎた頃、サンルーザは五十隻もの船を率いて明国へと出掛けて行きます。生きていくために、倭寇として…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 16.博多

    志佐壱岐守(しさいきのかみ)の船に乗って、サハチ(尚巴志)とヒューガは博多に着きました。 サンルーザの船は九州探題の今川了俊に睨まれていて、博多には入れなかったのです。 博多に滞在したサハチは何を見ても驚いていました。 色々な物を売っている市場に驚き、大きなお寺の建物に驚き、出陣して行く兵士たちの立派な鎧や武器に驚き、男装した女たちの華麗な舞にも驚きます。 夜更けに一文字屋の屋敷に盗賊が攻めて来て…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 15.壱岐島

    坊津(ぼうのつ)で一文字屋と取り引きを済ませ、サハチ(尚巴志)たちは甑島(こしきじま)を通って五島列島の福江島に着きます。 福江島にはサンルーザの弟の早田備前守がいました。 福江島から島伝いに北上して、宇久島から壱岐島に向かいます。 壱岐島にはサンルーザの娘婿の早田藤五郎がいました。 サハチはヒューガと一緒に壱岐島を散策して、昔、察度の配下だったという老人と出会い、若い頃の察度と泰期の話を聞きます…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 14.ヤマトゥ旅

    ◇尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 14.ヤマトゥ旅 サハチ(尚巴志)が乗ったサンルーザの船は伊平屋島を出帆して、永良部島(沖永良部島)、徳之島、奄美大島、トカラ列島の宝島、中之島、口の島、口之永良部島を通って、薩摩の坊津(ぼうのつ)に着きます。 ヤマトゥの国はサハチが思っていたよりもずっと遠くにありました。途中に島がまったく見えない事もあり、海の広さを改めて感じ、海が荒れた時は、このまま死んでし…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 13.伊平屋島

    サンルーザの船に乗ったサハチとヒューガは今帰仁に寄ってから、伊是名島、伊平屋島へと向かいます。 伊平屋島では大叔母の我喜屋ヌルから曾祖父(与座の若按司)と若き日の祖父(サミガー大主)の話を聞きます。 曾祖父の与座若按司は父親を伯父の島尻大里按司に殺され、伊平屋生まれの家臣に連れられて伊平屋島に逃げて来ます。 父の敵を討とうとしますが、家臣たちには裏切られるし、なかなか討つ事はできません。 やが…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 12.恋の病

    フジと別れて奥間をあとにしたサハチ(尚巴志)たちは、名護まで戻り、東海岸に出て南下します。 伊波グスクに寄って、マチルギと試合をして、サハチは紙一重の差でマチルギに勝ちました。 伊波から西海岸に出て、読谷山の宇座に行き、宇座按司(泰期)と会います。 宇座按司は広い牧場で馬を育てていて、サハチたちを歓迎してくれました。 宇座按司との出会いはサハチの生き方に大きな影響を与えます。 サハチたちが宇座…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 11.奥間

    サハチ(尚巴志)たちは今帰仁グスクから羽地に戻り、北上して奥間という村に着きます。 奥間村の長老に歓迎されたサハチたちは半月余りを奥間で暮らします。 奥間村はヤマトゥ(日本)から渡ってきた鍛冶屋集団が住み着いた村で、琉球中の鍛冶屋を仕切っていました。 鍛冶屋だけでなく、炭焼き、木地屋、猟師、杣人、研ぎ師などの職人たちも奥間とつながっていました。 クマヌのお陰で、奥間村とつながりを持ったサハチは…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 10.今帰仁グスク

    伊波グスクをあとにしたサハチ(尚巴志)たちは西側の海岸を北上して名護に行き、運天港に行き、今帰仁へ行きます。 高い石垣に囲まれた今帰仁グスクを見たサハチは驚きます。 今帰仁では研ぎ師のミヌキチの家にお世話になります。 今帰仁グスクは山北王の帕尼芝(はにじ)の居城。 先々代の今帰仁按司の娘婿の羽地按司は、先々代が亡くなったあと、義兄の今帰仁按司を攻め滅ぼして、今帰仁按司となり、1383年、明国に朝…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 9.出会い

    年が明けて16歳になったサハチ(尚巴志)は、浮島(那覇)から浦添グスク、中グスク、越来グスク、勝連グスクと見て、伊波グスクに行きます。 伊波グスクで、剣術に夢中になっている伊波按司の娘、マチルギと出会います。 浦添グスクは中山王、察度の居城です。 サハチはクマヌから、察度が慶良間の島で密かに兵を育て、その兵を使って浦添グスクを攻め落とした事を知ります。 浦添グスクの略年表 1187年、ヤマトゥの…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 8.浮島

    サハチ(尚巴志)はクマヌ、サイムンタルー、ヒューガと一緒に旅に出ます。 佐敷から玉グスク、糸数グスク、八重瀬グスク、島尻大里グスク、小禄グスクを見て、浮島(那覇)に渡ります。 初めて佐敷から出たサハチは何を見ても驚いてばかりいます。 玉グスク按司、垣花按司、知念按司、糸数按司は婚姻で結ばれていて、島添大里按司と対抗しています。中心になっているのが玉グスク按司です。 中山王となった察度に滅ぼされ…

  • 尚巴志伝 あらすじと解説 第一部 7.ヤマトゥ酒

    大(うふ)グスク按司が島添大里按司(しましいうふざとぅあじ)に滅ぼされたあと、大グスク按司になったのは島添大里按司の次男のシタルーでした。 佐敷按司は島添大里按司が攻めて来ると守りを固めていましたが、島添大里按司が攻めて来る事はなく、大グスク按司になったシタルーが度々、佐敷グスクにやって来ました。 島添大里按司は有能な者は殺さないとシタルーは言い、同盟したいと言いますが佐敷按司はきっぱりと断りま…

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