迷子

どこに行ったのか あのときめきは だれかに伝える喜びと 哀しみを背負う切なさと あの人たちはどう暮らしているだろう 詩と言うものに今も触れる事があるだろうか はしゃぎ過ぎて誰かを傷つけた事も 言

たったひとつの良心

あなたの為に泣けるヤツが一人くらい いたっていいでしょう あなたの沈黙を埋めることが出来なくて 時々、情けなくなるんです 無理にほほ笑む姿を見るのもつらいけど あなたに逢いたい一心で うるさいくらい

口説き文句

いつもは微笑んでいる君の たまに見せる小悪魔の顔を 僕は見逃していないよ 今夜はどんな表情で 男たちをメロメロにするんだい？ 僕もこの心を揺らしたくて もうすぐ逢いに行くよ 君の事だからきっと

落葉

白き枝にとどまっている私は 地面に堕ちる覚悟を持ちながら 残された時刻を味わっている いつ死んでも悔いの無い生き方を 模索しながらも 死の実感はまだ湧かないのに 諦めに似た感情を弄ぶ 日に日に色褪

短詩 183

空に浮かぶ花火を一人で眺めるよりは 二人で線香花火を囲んだほうがいい そう思うた

忘れたフリ

まともに傷口を見てたら やりきれないから 今は忘れたフリでやり過ごす 風に吹かれりゃ ヒリヒリするけど それでも素知らぬ顔をする 何か良い事ありそうな 代わり映えのせぬ景色も 光を放つような そんな

裏町マリア

どれくらい眠っていたのだろう あの女の乳房には 眠り薬が仕込まれているらしい ジタバタするのに疲れ しがみついていた手も いつのまにか解けてしまった 彼女は決して聖女の趣など持ち合わせてはいない

開放感と喪失感

蛇口から漏れる水の音が 夜の静寂に響く 独りになったと言う事実を 想い知らされる 束縛から解き放たれた開放感が 何か大切な物を失った喪失感に変わる 平気な顔の裏側に潜む生傷に 君は気付いたのだろ

あいらびゅー

あいらびゅー 甘く か弱く あいらびゅー おはようや おやすみに近い気軽さで あいらびゅー 君に囁いてみたいな あいらびゅー 胸がキュンとする感覚を 共有できたら素敵だ この次逢えたら

短詩 182

君と出会えた事は 僕にとって幸福でした だからこそ 君と離れた今が 時折哀しく思えるのです

短詩 181

挑発に乗るか乗らないかは 全くの気分次第だけど 乗って良い気分を味わった試しは無い

短詩 180

何を焦っているのだろう とにかく今日を特別な日にしたくて 自分を急かしている

小さなケーキ屋さん

小さなケーキ屋さん 大きなデパートのまんまえにある カウンターに 一人 おばさんが 座っている 大きなデパートにも ケーキ屋さんがあって きれいなお姉さんが 3人ならんでいるけど 人気があるのは

マリア 3

君を思う時の僕は ひどく夢心地です 君はみんなの聖母(マドンナ)であるべきなのに 不埒な僕は君を独り占めにしたくて仕方ないんです ああ 神様 マリアの胸一杯の愛を 乞う憐れな子羊を どうか お許しくだ

短詩 179

会社のトイレで上司の放屁を聞かされ 気晴らしに窓の外の景色を眺める 曇りガラスの向こうに晴れた空を感じる

短詩 178

人は先を急ぐ さして急ぐ理由も無かろうに 急がなければならない気になって せっせと先を急ぐ

短詩 177

タンクトップとランニングシャツの違いを 明確に答えられないけど ファッションに拘っている 男が一人ここにいる

君の詩 特別篇

敢えて言わせてもらうならば 君の詩に凡庸なレスは要らない 誰かに届けたい だけど心に閉まっておきたい そんな君の想いを ありきたりの言葉で語って欲しくない 揺れる心の様を 心が動く瞬間を 捉えて切

リアル蒼き詩人

去年の冬頃、しばらくぶりに逢った年下の知人と話す機会があって、相談に乗った。 周囲の状況と自分のやりたい事のギャップに嘆く彼に、次のように語った。 “先ず君が変わらなければ何も変わらない” “物