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数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で詳しくやるブログです。

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2018/11/11

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  • 1アンペア is 何

    概要 電流単位アンペアの旧定義の概念を説明する。 実験的事実 2本の平行な銅線に、同じ方向の電流を流すと引き合う力が生じる。ここで、引き合う力を増やすためには、 1. 電流1を増やす 2. 電流2を増やす 3. 電線を近づける 4. 電線を長くする の3つの方法がある。3は興味がないので、電線は単位長1メートルに固定して考える。 正確には、無限に長い平行線のうち、1メートルあたりの銅線が受ける力と考える。こう考えることで、電線の曲がりなど、平行でない部分の要素を無限に小さく考えることができる。 \begin{eqnarray}F=k \frac{I_1 I_2}{r}\end{eqnarray…

  • 同軸ケーブルの静電容量

    概要 内導体の外形が 、外導体の内径がの同軸ケーブルを考える。内導体と外導体の間は誘電率の誘電体で満たされ、外導体は接地しているとする。この無限長の同軸ケーブルの、1 mあたりの静電容量Cが以下のようにあらわされることを示す。 \begin{eqnarray}C = \frac{2 \pi \varepsilon}{\ln {\frac{b}{a}}}\end{eqnarray} 導出 内側の導体に1 mあたりQ [C]の電荷を与えたとすると、外側の導体には-Q [C]の電荷が誘導される。 よりを求める。 ⇒ \lambda =cV C [F] c [F/m] ガウスの法則 \begin{eq…

  • 電子の平均自由行程

    概要 動き回る物体が、別の物体と2回衝突する間に平均して進める距離のことを平均自由行程と呼ぶ。前回、濃厚接触の発生回数を人間の2次元平均自由行程から導いた。 多くの場合、平均自由行程は3次元空間と粒子で考えられ、飛行する粒子の平均自由行程は、気体やプラズマの性質を表す重要な指標となる。今回は飛行する電子を考える。その空間には希ガス原子がある密度で存在する。電子の平均自由行程を式で表す。 導出 飛び回る電子の大きさは非常に小さいとみなし、半径の点と考える。それに対して的となる希ガス原子(以下、単に「原子」と書く)ははるかに大きく、ある半径の球と考える。また、原子は電子と比較して非常に遅く、速度は…

  • コロナの抑止には自粛が何割必要か

    概要 新型コロナウィルスCOVID19の発生に伴い、国内でも外出禁止要請が出されている。人と人との濃厚接触を8割減らせばコロナの蔓延を防げるというが、人の外出も8割減らす必要があるのだろうか?接触の回数を式で表し、人の外出を55%減らせば目的を達成できることを導く。 導出 濃厚接触のモデル化 濃厚接触の回数を式で表したい。そのために色々な数値を文字で表し、単純なモデルを構築する。 まず人間一人ひとりの間隔が、ある値より近づくことを「濃厚接触」と定義する。これは図のように、自分の周りに半径の円を考えて、その内側に他人が入ることとみなすことができる。 ある人が街を歩く様子は図のように表される。赤い…

  • 運動エネルギーの定義が(1/2)mv^2なのはなぜか

    概要 運動エネルギーは以下のように定義されている。 \begin{eqnarray}K=\frac{1}{2}mv^2\end{eqnarray} この式は要するに、運動エネルギーが質量と速度の2乗に比例することを表している。しかし、その係数としてが掛かっている。を運動エネルギーの定義としなかったのはなぜだろうか? 導出 係数をとするのが合理的なことを、等加速度運動の式2種と、運動方程式を用いて導く。 一定の力を受け、等加速度直線運動する物体を考える。物体の速度を表す式は以下のように書ける。時刻を、加速度を、初速度をとする。 \begin{eqnarray}v=v_0+at \tag{1}\e…

  • 指数の基数を変換する

    概要 のような指数関数があるとき、基数を好きな数に変換したいことがしばしばある。 一例として、任意の基数を持つ指数関数を微分するために基数をに変換したり、逆に変数分離法の微分方程式の解として現れたを目的の基数を持つ指数関数に変換したりすることが挙げられる。この方法を導く。 導出 以下の指数関数の基数をに変換したいとする。 \begin{eqnarray}y=a^x\end{eqnarray} 両辺のをとり、対数関数の性質を用いて変形する。 \begin{eqnarray}\log_b y= \log_b a^x\\\log_b y= x\log_b a\end{eqnarray} について整理…

  • 対数の底を変換する

    概要 のような対数関数があるとき、底を好きな数に変換したいことがしばしばある。 一例として、任意の底を持つ対数関数を微分するために底をに変換したり、逆にを積分するなどして現れた自然対数を目的の底を持つ対数に変換したりすることが挙げられる。この方法を説明する。 導出 以下の対数関数の底をに変換したいとする。 \begin{eqnarray}y= \log_a x\end{eqnarray} 指数関数として書き直す。 \begin{eqnarray}a^y= x\end{eqnarray} 両辺のをとり、対数関数の性質を用いて変形する。 \begin{eqnarray}\log_b a^y= \l…

  • 半減期を微分方程式で表す その2

    概要 前回、放射性物質の個数を表す微分方程式を導いた。微分方程式を解いて放射性物質が減っていく様子を式で表す。 式 解きたい微分方程式をもう一度書く。 \begin{eqnarray}\frac{dN(t)}{dt}=-\lambda N(t)\end{eqnarray} 変数分離法で解く。として、両辺をで割る。 \begin{eqnarray}\frac{1}{N(t)}\frac{dN(t)}{dt}=-\lambda \end{eqnarray} 両辺をで積分する。 \begin{eqnarray} \require{cancel}\int \frac{1}{N(t)}\frac{dN(…

  • 半減期を微分方程式で表す その1

    概要 放射性原子が崩壊して残りの個数が減っていく様子を微分方程式から導き、半減期の概念を理解する。今回は解きたい微分方程式を作るところまで説明する。 考え方 放射性原子は全ての時刻でランダムに一定確率で崩壊する、この「一定確率で減っていく」ことをどのように扱うか、というのが難しいのだが、以下のように言い換えることで式に表すことができる。 「ランダムに一定確率で崩壊する」ということはすなわち、以下の2つの文章に等しい。 「崩壊する原子の数は元の原子の数に比例する」= 元の原子の数が2倍になったら崩壊する数も2倍になる 「崩壊する原子の数は観察する期間に比例する」= 観察する期間が2倍になったら崩…

  • C14年代測定を式で表す

    概要 土中から発掘された遺跡や化石が何年前のものなのか分析するための手法、年代測定を式で示す。 原理 炭素の放射性同位体は宇宙線により毎年生産され、同時にβ崩壊により毎年消滅している。これらの平衡により地球上の炭素原子に占めるの割合はに保たれている。 また、生物は常に環境からの炭素摂取と排出を繰り返しているため、体内のもまた同じ割合に保たれている。しかし生物が死亡すると炭素の摂取が止まるため、遺骸内の量は減少していく。 これを用いて生物がいつ死亡したかを判定するのが年代測定である。どのように年代を分析するかを式で表す。 の半減期は5730年であり、5730年経過するごとに遺骸内のは元の量の半分…

  • バーゼル問題

    概要 次ゼータ関数の収束判定を行いたい。これまでには無限大に発散し、は2よりも小さい数に収束することを示してきた。 が実際いくつに収束するのかを求める。以下にを書き下しておく。 \begin{eqnarray} \zeta(2)&=&\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k^2}\ &=&\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\cdots \end{eqnarray} 導出 のマクローリン展開を書き下す。 \begin{eqnarray} \sin x&=&x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\fr…

  • マクスウェル方程式を導く準備

    マクスウェル方程式とは 電磁気に関する実験的事実をスタートとして、論理的考察(電場と磁場)を加え、微分方程式で表したもの。 4つの実験的事実が4つの方程式で表される。マクスウェル方程式を解くことで、電磁波の存在や、光もまた電磁波であることなどの重要な事実が導かれる。 実験的事実 マクスウェル以前に実験で確かめられた4つの法則。 1. 電荷のクーロンの法則 電荷には+と-の2種類が存在する 電荷が同じ符号だと斥力、違う符号だと引力を持つ 引力と斥力はどちらも、電荷の量に比例し、距離の2乗に反比例する 2. 電磁誘導の法則 電線に磁石を近づけたり遠ざけたりすると電線の両端に電位差が発生する 発生す…

  • 一次元の熱方程式を導く

    概要 十分細く、一次元とみなせる針金の温度分布と、その経時変化を考えたい。まず解くべき微分方程式を導出する。 針金上の座標を、時間を、温度をとする。 また、熱の流れを考える。 導出 熱の流れについての式 熱の流れは温度の勾配に比例する。(フーリエの法則) この関係は以下のように式で表せる。 \begin{equation} \Gamma (x,t)=-k\frac{\partial}{ \partial x} T(x,t) \tag{1} \end{equation} ここで、温度はと両方の関数としたので、偏微分になる。 は熱流の通りやすさを示す、熱伝導率と呼ばれる正の比例定数であり、針金の材…

  • 円の面積の導出

    概要 以前、弧の長さを用いて導出した\( \displaystyle \lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x}=1 \)を用いて、円の面積を導出する。 導出 円に内接する正\( n \)角形と円に外接する正\( n \)角形を考える。\( n=6 \)の場合を図に示す。 \begin{tikzpicture}[x=4cm,y=4cm] \draw (0,0) circle (1); \draw (30:1) -- (90:1) -- (150:1) -- (210:1) --(270:1)--(330:1)--cycle; \draw (0:1.155) -- (60:1…

  • x が0に近い時のsin x の性質 弧の長さを用いる方法

    循環論法 以前、扇型の面積を挟み打ちして\( \displaystyle \lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x} =1\)を導出した。この手法は分かりやすいが、実は循環論法の問題がある。 半径\(r\)を持つ円の面積が\(\pi r^2 \)であることは定義されたことや自明なことではない。証明するには三角関数の積分が必要であり、その際に既に\( \displaystyle \lim_{x \to 0}\frac{\sin x}{x} =1\)を知っている必要があるためである。 対策 円周率\( \pi \)の定義は円の直径\( 2r \)と円周長の比であるので、円周長が\…

  • Markdown練習&メモ

    ルールの概要 HTMLコードの代わりに、特定のコマンド文字を使って文をマークアップする。 \, #, *, _, ^ コマンド文字はBlog上では表示されないが、直前にスラッシュ\をつけるとコマンド文字をそのまま表示できる(コマンド機能は失われる)。上でもそうしている。 編集時の改行は反映されない。半角スペース2つ入力で改行される。 空行を作ると段落分けされる。 見出し1 # 見出し1 # あああ [f:id:dai-ig:20190428164734j:plain:w100] 画像タグ。はてなブログの機能で自動入力される。w100で横幅を指定できる。 int main(void) *test…

  • 余弦定理の証明(鈍角に対向する辺の場合)

    概要 任意のにおいて、角に対向する辺の長さを角の余弦を用いて表し、以下に表される余弦定理を証明する。 \begin{eqnarray}c^2=a^2+b^2-2ab \cos C\end{eqnarray} 導出 が鋭角の場合を前回やったので、今回は図のように、鈍角の場合を考える。 点から辺に垂線を引き、補助線としたいが、鋭角の時と異なり辺とは交わらない。そこで下図のように辺を延長し、補助線同士の交点をとする。 と辺を用いて、上図のようにとがわかる。また、なのでと表せる。 とのが邪魔なので消去したい。 上図より、であることが分かる。 はを斜辺とする直角三角形であるので、三平方の定理より以下の関…

  • 余弦定理の証明(鋭角に対向する辺の場合)

    概要 任意のにおいて、角に対向する辺の長さを角の余弦を用いて表し、以下に表される余弦定理を証明する。 \begin{eqnarray}c^2=a^2+b^2-2ab \cos C\end{eqnarray} 導出 今回は図のように、が鋭角の場合を考える。 点から辺に垂線を引き、補助線とする。交点をとする。 と辺を用いて、上図のようにとがわかる。また、なのでと表せる。 またはを斜辺とする直角三角形であるので、三平方の定理より以下の関係が成り立つ。 \begin{eqnarray}c^2&=&(b \sin C)^2 +(a-b\cos C)^2\\&=& b^2 \sin^2 C+a^2-2ab…

  • xが0に近い時のsin xの性質、面積を用いる方法

    概要 図のように、半径の円(緑)と、二つの直角三角形(青、赤)を考える。これらの直角三角形と、切り取られる扇形の面積を比較して、三角関数の微分に必要なを導出する。 導出 二つの直角三角形と切り取られる扇形の面積を、円の半径と中心角を用いて表す。 小さな直角三角形の面積 斜辺がと定まることから底辺と高さを導ける。 \begin{eqnarray}S_1&=&\frac{1}{2}\times r \cos x \times r \sin x\\&=&\frac{r^2 \sin x \cos x}{2}\end{eqnarray} 切り取られる扇形の面積 円全体の面積に角度の割合をかけて求める。…

  • xが0に近い時のsin xの性質 マクローリン展開を用いる方法

    以前導出したのマクローリン展開を書き下す。このマクローリン展開は無限の収束半径を持ち、本質的にと等しいのであった。 \begin{eqnarray}\sin x = x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots\\\end{eqnarray} として両辺をで割る。 \begin{eqnarray}\frac{\sin x}{x} = 1-\frac{1}{3!}x^2+\frac{1}{5!}x^4-\frac{1}{7!}x^6+\cdots\\\end{eqnarray} 両辺のを取る。 \begin{eqnarray} …

  • 民主主義、三択に弱い説

    背景 最近ブレグジット問題がアツい。イギリスがEU離脱を決定したものの、その離脱プロセスが決まらず、締め切りだけが迫っている状況なのだ。 締め切りが来ると何も決まってないのに強制的にEU離脱となって大混乱を招くという。一体何故こんなことになってしまったのだろうか。 以下、モデル化してブレグジット投票の流れを追う。 イギリスの有権者3パターン 大体以下の3パターンに分かれている。 EU残留派 40%「EUに残留したい、離脱絶対反対!」 ソフト離脱派30%「EUからは離脱したいけど、ちゃんと交渉に沿ってやる」 ハード離脱派30%「EUから離脱したい!交渉で妥協とかしない!」 支持率の数値は適当なの…

  • 指数表記された三角関数の手触りを確かめる

    オイラーの公式を用いて、三角関数を指数関数形式で表せることを前回示した。 この形式でも三角関数としての性質が保たれていることを、いくつかの代表的な性質からか確認する。 との指数関数表記を再度書く。 \begin{eqnarray}\sin x&=&\frac{e^{ix}-e^{-ix}}{2i}\end{eqnarray} \begin{eqnarray}\cos x&=&\frac{e^{ix}+e^{-ix}}{2}\end{eqnarray} 左辺を変形して右辺を目指す。 \begin{eqnarray}\sin 0&=&\frac{e^{i0}-e^{-i0}}{2i}\\&=&\f…

  • オイラーの公式から導かれる三角関数の記法

    概要 オイラーの公式を受け入れると三角関数を別の形式で表せる。 導出 オイラーの公式を再度書く。 \begin{eqnarray}e^{ix}=\cos x+i\sin x\end{eqnarray} 式中のをに置き換えてみる。 \begin{eqnarray}e^{-ix}&=&\cos (-x)+i\sin (-x)\\&=&\cos x-i\sin x\end{eqnarray} は偶関数なので変化しない。は奇関数なのでマイナスが付く。 マクローリン展開版の表記でも確認しておく。まず元の形。 \begin{eqnarray}e^{ix}&=&\left(1-\frac{1}{2!}x^2…

  • オイラーの公式

    概要 これまでにとのマクローリン展開を導出してきた。これらを用いてオイラーの公式を導く。 導出 のマクローリン展開(再掲) \begin{eqnarray}\displaystyle \sin x=x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots\end{eqnarray} のマクローリン展開(再掲) \begin{eqnarray}\displaystyle \cos x=1-\frac{1}{2!}x^2+\frac{1}{4!}x^4-\frac{1}{6!}x^6+\cdots\end{eqnarray} のマクローリン展…

  • e^xのマクローリン展開

    概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&e^x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{eqnarray}f''(x)&=&e^x\\f''(0)&=&1\\\end{eqnarray} 三階微分 \begin{eqnarray}f'''(x)&=&e^x\\f'''(0)&=&1\\\end{eqnarray} 四階微分 \begin{eqnarray}f^{(4)}(x)&…

  • cos xのマクローリン展開

    概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&-\sin x\\f'(0)&=&0\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{eqnarray}f''(x)&=&-\cos x\\f''(0)&=&-1\\\end{eqnarray} 三階微分 \begin{eqnarray}f'''(x)&=&\sin x\\f'''(0)&=&0\\\end{eqnarray} 四階微分 \begin{eqnarray…

  • sin xのマクローリン展開

    概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&\cos x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{eqnarray}f''(x)&=&-\sin x\\f''(0)&=&0\\\end{eqnarray} 三階微分 \begin{eqnarray}f'''(x)&=&-\cos x\\f'''(0)&=&-1\\\end{eqnarray} 四階微分 \begin{eqnarray…

  • 交代調和級数の収束判定

    概要 調和級数の正負が1項ごとに入れ替わる、交代調和級数の収束判定を行う。 全項がプラスの調和級数は無限大に発散してしまったが、これは半分の項がマイナスなので、より収束しやすい級数と言える。 導出 足し合わされる数列の一般項をと書き、級数を代数的に表す。 \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^{\infty} a_k&=&1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots\\&=&\sum_{k=1}^{\infty} \frac{(-1)^{k - 1}}{k}\end{eqnarray} 1項目から項目までの部分和を実際にプロットしてみ…

  • ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その2

    概要 前回に続いて、のマクローリン展開(を基準としたテイラー展開)を計算する。 をマクローリン展開すると以下のようなべき級数で表せることを前回示した。 \begin{eqnarray}f(x)&=&x-\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{4}x^4+\cdots\\&=&\sum_{n=1}^{\infty} \frac{(-1)^{n-1}}{n}x^n\end{eqnarray} 収束半径の導出 をマクローリン展開したべき級数の収束半径を導出する。 、であるので、判定式は以下のように書ける。 \begin{eqnarray} \require{ca…

  • 収束半径の導出

    概要 ダランベールの収束判定法を使ってテイラー展開の収束半径を計算する。 ダランベールの収束判定法(再掲) 級数が収束するかどうか、以下の式で判定できる。 足し合わされる数列が以下の条件を満たすとき、級数は収束する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to \infty} \frac{ a_{n+1} }{ a_n } < 1\end{eqnarray} が以下の条件を満たすとき、級数は発散する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to \infty} \frac{ a_{n+1} }{ a_n } > 1\end{eqnarray} が以下の条件を満たすときは…

  • ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その1

    概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を用いて、収束半径の概念を説明する。 導出 を基準にしてのテイラー展開を行う。 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&\frac{1}{x+1}(x+1)'\\&=&\frac{1}{x+1}\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{eqnarray}f''(x)&=&-\frac{1}{(x+1)^2}(x+1)'\\&=&-\frac{1}{(x+1)^2}\\f''(0)&=&-1\\…

  • 収束判定の例題

    例題 を収束判定し、収束するならその値を求める。 この足し合わされる数列はでいきなり無限大に発散してしまうのでからの和とした。

  • 調和級数の収束判定

    の無限和、が収束するか考える。この無限和は調和級数と呼ばれる。 この数列は、明らかにを増加させるとだんだん小さくなっていくが、項を無限に足したら発散するかも知れない。 ダランベールの判定法 まずダランベールの判定法で収束するかを判定してみる。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to \infty}\frac{ a_{n+1} }{ a_n }&=& \lim_{n \to \infty}\frac{\frac{1}{n+1}}{\frac{1}{n}}\\&=&\lim_{n \to \infty}\frac{n}{n+1}\\&=&\lim_{n \to \infty}\fr…

  • ダランベールの収束判定法

    概要 ある数列を考えたとき、その級数(=無限和)は無限大に発散するのか、それともある値に収束するのかを確認したい。どうすればよいか? \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^{\infty}a_n\end{eqnarray} 結論から言えば、数列が以下の条件を満たすとき、級数はどこかの値に収束する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to \infty} \frac{ a_{n+1} }{ a_n } < 1\end{eqnarray} 以下の条件を満たすとき、級数は発散する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to \infty} \frac{ …

  • 等躍度運動で分かるテイラー展開

    テイラー展開の性質 無限回微分可能な任意の関数を、ある点の近傍では下記のようなべき級数で表してよい。これをテイラー展開と呼ぶ。 \begin{eqnarray}f(x)&=&f(a)+f'(a)(x-a)+\frac{1}{2!} f''(a)(x-a)^2+\frac{1}{3!}f'''(a)(x-a)^3+\cdots\\&=& \sum_{k=0}^{\infty}\frac{f^{(k)}(a)}{k!}(x-a)^k\end{eqnarray} 以前導いた等躍度運動の式を用いて、テイラー展開の性質3つが成り立つ理由を説明する。 色々な関数をの無限べき級数で表してもよい。 項の係数は…

  • 等躍度運動

    等加速度運動 以前、空気抵抗を無視した自由落下運動、すなわち等加速度運動について書いた。 例えば宇宙空間でロケットを操縦しているとき、フットペダルを一定量踏めば、ブースターが一定の推力を発揮し、ロケットはすなわちの加速度で等加速度運動するだろう。 等躍度運動 しかし、実際にはフットペダルをいきなり一定量踏むのではなく、徐々に踏み込んでいくことになる。その間、推力は増加していくので加速度も一定にはならず、やはり一定の変化率で増加していく。 加速度が一定の割合で時間変化していく様子を微分方程式で表す。この比例定数、すなわち加速度の時間変化率を躍度(jerk)と言い、と書く。 \begin{equa…

  • 三平方の定理の証明

    三平方の定理(ピタゴラスの定理)を証明する。 すなわち、上図のような直角三角形を考えたとき、 \begin{equation}a^2+b^2=c^2\end{equation} が成り立つことを示す。 証明 合同な直角三角形を下図のように4つ配置した場合を考える。 ここで大きな四角形は、明らかに四辺の長さがの正方形である。 また白い小さな四角形は、四辺の長さが、四隅の角が垂直でない2角の和 であるので、やはり正方形である。 「大きな正方形の面積」は、「小さな正方形の面積と直角三角形4つの面積の和」に等しいので、以下の等式が成り立つ。 \begin{eqnarray}(a+b)^2=c^2+4\…

  • 自由落下運動 - 空気抵抗有無の比較2

    特殊解(再掲) 前回計算した速度と位置の特殊解(で)を再度書く。 ここでは落下物の速度、は位置、は重力加速度、は時間、は空気抵抗係数、は落下物の質量、は任意定数である。いずれも上方向(重力と逆方向)をとしていることに注意。 空気抵抗なし 速度 \begin{eqnarray}v=-gt\end{eqnarray} 位置 \begin{eqnarray}x=-\frac{1}{2}gt^2\end{eqnarray} 空気抵抗あり 速度 \begin{eqnarray}v&=&\frac{mg}{k} \left[ \exp{\left(-\frac{kt}{m}\right)}-1 \righ…

  • 自由落下運動 - 空気抵抗有無の比較1

    これまでに導いた空気抵抗無しと有りの2つの自由落下運動を比較してみよう。導いた一般解を再度書き出す。 ここでは落下物の速度、は位置、は重力加速度、は時間、は空気抵抗係数、は落下物の質量、は任意定数である。いずれも上方向(重力と逆方向)をとしていることに注意。 空気抵抗なしの自由落下 一般解 前回求めた一般解を再掲する。 速度 \begin{eqnarray}v=-gt+v_0 \tag{1}\end{eqnarray} 位置 \begin{eqnarray}x=-\frac{1}{2}gt^2+v_0t+x_0 \tag{2}\end{eqnarray} 特殊解 初期値を代入して特殊解を作る。…

  • 自由落下運動 空気抵抗あり2

    速度の一般解(再掲) 前回、空気抵抗があるときの自由落下速度の一般解を求めた。 \begin{equation}v=C_1\exp{\left(-\frac{kt}{m}\right)}-\frac{mg}{k}\end{equation} ここでは任意定数、は空気抵抗係数、は時間、は落下する物体の質量、は重力加速度であった。 位置の一般解 速度の一般解の両辺をでさらに積分し、位置の一般解を求めることができる。 \begin{eqnarray}\int v dt&=&\int C_1\exp{\left(-\frac{kt}{m}\right)}dt-\int \frac{mg}{k} dt\…

  • 自由落下運動 空気抵抗あり1

    物体が落下する時、どのような速度でどのような軌道をたどるかを微分方程式から導く。空気抵抗なしバージョンは以前やったので、今回はありバージョンを計算する。 まずは運動方程式を書く。物体の質量を、物体の加速度を、物体に働く力をとおく。 \begin{eqnarray}ma=f\end{eqnarray} 物体には重力による引力と空気抵抗が働くとする。重力加速度をとすると、上方向をとして引力はである。空気抵抗力は速度に比例して強くなり、その比例係数をと置く。これらを右辺のに代入する。 \begin{eqnarray}ma&=&-mg-kv\\\end{eqnarray} 空気抵抗力はの反対向きに働く…

  • 自由落下運動を微分方程式で解く

    物体が落下する時、どのような速度でどのような軌道をたどるかを微分方程式から導く。今回は空気抵抗を無視することにする。 まずは運動方程式を書く。物体の質量を、物体の加速度を、物体に働く力をとおく。 \begin{eqnarray}ma=f\end{eqnarray} 物体には重力による引力だけが働くとする。重力加速度をとすると、上方向をとして引力はである。これを右辺のに代入する。 \begin{eqnarray}ma&=&-mg\\a&=&-g\end{eqnarray} 加速度は位置を時間で二回微分したものと言える。をで1回微分したものを、2回微分したものをと書こう。 \begin{eqnar…

  • ヒポクラテスの定理

    図のように、直角三角形ABC、辺ABを直径とする半円、辺BCを直径とする半円、辺CAを直径とする半円がある。図の青い領域の面積はいくつか? ⊿ABCの面積と3つの半円の面積を計算する。 \begin{eqnarray}S_1&=&\frac{CA \times BC}{2}\\S_2&=&\frac{1}{2}\pi\left(\frac{AB}{2}\right)^2\\S_3&=&\frac{1}{2}\pi\left(\frac{BC}{2}\right)^2\\S_4&=&\frac{1}{2}\pi\left(\frac{CA}{2}\right)^2\\\end{eqnarray}…

  • タレスの定理の逆

    タレスの定理の逆を証明する。 すなわち、∠Cを直角とする直角三角形ABCと、頂点ABCを通る円を考えるとき、図のように辺ABが円の直径になることを示す。 証明 辺ABの中点をPとし、点Pから∠Cに補助線を引く。 PCと平行に点Aから新たな補助線を引く。辺BCを延長し、交点をQとする。 この時PA=PCを示せば、点ABCと点Pの距離が全て等しくなるため、同一の円に乗っていることが示せる。(辺ABの中点Pが円の中心Oに等しいことが示せる) まず△CPBと△QABは2角(∠Bが共通、∠BCPと∠BQA)が等しいため相似である。その相似比はBP:BA=1:2である。 そのためBC:BQ=1:2であり、…

  • タレスの定理

    タレスの定理を証明する。 すなわち、図のような「直径ABに対する円周角∠C」が常に直角になることを示す。 円の中心Oから直角Cに対して補助線を引いた。 この時、辺OA、OB、そしてOCは全て半径なので同じ長さである。 そのため、△AOCと△BOCはそれぞれ二等辺三角形となる。 この時、元の⊿ABCの内角和を考える。 ∠A+∠B+∠C=180° (式1)であるが、図より、∠C=∠A+∠Bであることが明らかである。 式(1)中の∠A+∠Bを∠Cに置き換えると、が導かれる。 両辺を2で割って、タレスの定理が求められた。

  • 薄い球殻の体積と直方体の体積

    薄い球殻の体積を求めたい。 球殻は、中心を同じくする大きい球と小さい球とに挟まれた領域と言えるので、大きい球の半径を、小さい球の半径をとすると、体積は以下の式で表せる。 \begin{equation}V=\frac{4}{3}\pi (r+dr)^3-\frac{4}{3}\pi r^3\end{equation} 式を展開する。 \begin{eqnarray} \require{cancel}V&=&\frac{4}{3}\pi (r+dr)^3-\frac{4}{3}\pi r^3\\&=&\frac{4}{3}\pi(\cancel{r^3}+3r^2dr+3r dr^2+dr^3)…

  • 細い輪の面積と長方形の面積

    細い輪の面積を求めたい。 輪は、中心を同じくする大きい円と小さい円とに挟まれた領域と言えるので、大きい円の半径を、小さい円の半径をとすると、面積は以下の式で表せる。 \begin{equation}S=\pi (r+dr)^2-\pi r^2\end{equation} 式を展開する。 \begin{eqnarray} \require{cancel}S&=&\pi (\cancel{r^2}+2rdr+dr^2)-\cancel{\pi r^2}\end{eqnarray} ここで輪が細いことはが小さいことと等価である。しかしこの時、の項はさらに大幅に小さい値になるので無視できる。 \beg…

  • 指数関数の微分

    指数関数を、変数で微分したい。微分の定義に従って代入する。 \begin{equation}y'=\lim_{h \to 0}\frac{a^{x+h}-a^x}{h}\end{equation} ここから指数関数の性質を用いて式を変形していく。まず右辺をで括る。 \begin{eqnarray}y'&=&\lim_{h \to 0}\frac{a^{x}(a^h-1)}{h}\\&=&a^{x}\lim_{h \to 0}\frac{(a^h-1)}{h}\\\end{eqnarray} はに関係ないので、の外側に出せた。 つまりはに何か係数がかかった形になる。もしこの係数が1に等しければ、…

  • ガチャ大爆死とネイピア数の関係

    連ガチャ大爆死の確率 当たる確率1%の100連ガチャの爆死率 について以前書いた。では、当たる確率0.1%の1000連ガチャや、当たる確率0.01%の10000連ガチャの爆死率はどうなるだろうか?エクセルで計算してみる。 当たる確率1%の100連ガチャ \begin{equation}0.99^{100}=0.366\cdots\end{equation} 当たる確率0.1%の1000連ガチャ \begin{equation}0.999^{1000}=0.368\cdots\end{equation} 当たる確率0.01%の10000連ガチャ \begin{equation}0.9999^{1…

  • 対数関数の微分

    対数関数を、変数で微分したい。微分の定義に従って代入する。 \begin{equation}y'=\lim_{h \to 0} \frac{\log_{a} {(x+h)}-\log_a x}{h}\end{equation} ここから対数関数の性質を用いて式を変形していく。 \begin{eqnarray}y'&=&\lim_{h \to 0} \frac{\log_a \left( \frac{x+h}{x} \right)}{h}\\&=&\lim_{h \to 0} \frac{\log_a \left( 1+\frac{h}{x} \right)}{h}\\&=&\lim_{h \t…

  • 100連ガチャ爆死の確率

    ガチャ ☆5(当たり)が1%の確率で排出されるガチャを100連で回す。まあを100回引くんだから大体当たるだろう。 本当にそうだろうか?もしガチャでなくて100枚のクジならば、外れるたびに外れが減っていくので100回引けば1枚は必ず当たりである。しかしガチャでは外れても毎回外れが補充され続けるため、外れだけを引き続ける可能性もある。実際にはどれぐらいの確率になるのだろうか。 1回だけ引いて外れの確率 当たりの確率は1%なので、外れの確率はである。 大爆死(100回連続外れ)の確率 この確率を100乗したが100連続外れの確率となる。100連を回して回当たる確率をと表すことにしよう。 \begi…

  • 三項漸化式 特性方程式の解が複素数の場合

    例題 以下の漸化式を特性方程式を用いて解き、を閉じた式で表す。 \begin{eqnarray}a_{n+2}&=&2a_{n+1}-2a_n\\a_0&=&3\\a_1&=&5\end{eqnarray}特性方程式は以下の形になる。 \begin{eqnarray}x^2-2x+2=0\end{eqnarray} 2次関数の解の公式を用いて特性方程式を解く。 \begin{eqnarray}x&=&\frac{2\pm\sqrt{4-8}}{2}\\&=&\frac{2\pm\sqrt{-4}}{2}\\&=&1 \pm i\end{eqnarray} 特性方程式の2つの解を用いて、漸化式を…

  • フィボナッチ数列の一般項

    特性方程式を用いて、フィボナッチ数列の一般項を求める。 \begin{eqnarray}F_{n+2}&=&F_{n+1}+F_{n}\\F_0&=&0\\F_1&=&1\\\end{eqnarray} 特性方程式を作るととなる。因数分解は容易でないので、解の公式にを代入する。 \begin{eqnarray}x&=&\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\&=&\frac{-(-1)\pm\sqrt{(-1)^2-4\cdot1\cdot(-1)}}{2}\\&=&\frac{1\pm\sqrt{5}}{2}\\\end{eqnarray} 解が求められた。 特性方程…

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