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2018/10/08

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  • 一方的な殺戮が生む心の病を描いた戦争映画『ドローン・オブ・ウォー』

    一風変わったテーストのあった「ガタカ」を監督したアンドリュー・ニコルが、ここでも主演男優のイーサン・ホークを使って作って監督した現代的な戦争映画。ドローンによる攻撃を扱った映画としては「アイ・イン・ザ・スカイ」も忘れ難いが、このロサンゼルス郊外の空軍基地に通う元空軍パイロットの鬱屈もわたしたちの心をうつ。自分の身に危険のない場所からの攻撃は、動物行動学的にみても精神を病ませるものだろう。『ドローン・オブ・ウォー』ドローン・オブ・ウォー(原題:GoodKill)は、2014年にアメリカ合衆国で製作された戦争ドラマ映画。第71回ヴェネツィア国際映画祭に出品された後、2014年のトロント国際映画祭でも上映された。あらすじラスベガス近郊のアメリカ空軍基地に置かれた空調の効いたコンテナの中では、トミー・イーガン少佐が遥か...一方的な殺戮が生む心の病を描いた戦争映画『ドローン・オブ・ウォー』

  • クローネンバーグ監督による歴史もの「危険なメソッド」

    クローネンバーグ監督によるユングとフロイトの協力と対立の関係を描く物語。中心となるのはザビーナ・シュピールラインという女性だ。統合失調症の患者としてユングから治療をうけ、治癒してユングと恋仲になる。のちにフロイトのもとに赴き、晩年のフロイトの死の衝動の理論に影響を与えるようになる人物だ。ザビーネ・リッヒェベッヒャーの『ザビーナ・シュピールラインの悲劇―ユングとフロイト、スターリンとヒトラーのはざまで』という岩波書店の本で詳しく紹介されている。ユングに患者とのセックスをけしかけるオットー・グロスという人物は、フロイトの初期の弟子で、後にアナキストになり、アスコナ・コミュニティに参加している人物だ。歴史的な経緯をかなり正確にたどっているが、ユングとフロイトの関係は複雑で、かなり端折ってしまっている。そこは残念だが、...クローネンバーグ監督による歴史もの「危険なメソッド」

  • 気分の悪くなるほどグロテスクな変身もののSF映画「ザ・フライ」

    気分の悪くなるほどグロいクローネンバーグ監督の「ザ・フライ」。科学的にははちゃめちやだが、変身のプロセスがしつこく追跡されていて、見るのをやめたくなるほどだ。蠅男も、自分の子供が堕されると知るまでは理性的で、昆虫の世界には妥協のようなものがないために政治というものが存在しない、だから自分は昆虫の政治家になりたいと言っていたのだが。久々にみたグロテストなSF映画で、クローネンバーグ監督の力技に驚き直した。ザ・フライ解説科学者のセスは記者のベロニカに開発中の物質転送装置を公開する。生物の転送実験で失敗が続くが、やがてセスは自らの体を転送することに成功。しかもその後、彼の体には驚異的な活力が備わる。セスは、転送装置に一匹のハエが紛れ込んでいたこと、そしてそれが転送後にセスの体と遺伝子レベルで融合したことを知る。彼の肉...気分の悪くなるほどグロテスクな変身もののSF映画「ザ・フライ」

  • 最後までつきあって損をした「メッセンジャー」

    セットの安直さや安さが激しく攻撃されている作品だが、低予算で作るのも一つの知恵だし、そこに問題があるわけではない。それよりもこの作品が何を語ろうとしているのかが、うまく伝わらないことだろう。妻とのやりとり、上司や国防長官とのやりとり、ハッキングする中国とハッキングされたマザー・システムへの疑念などは、物語を構成する軸ではあるが、それを連ねただけで映画ができてしまっている。観客はだらだらとつづくそうした逸話にひたすら付き合わされる。そして最後の「驚愕のつ結末」?おいおい。最後までつきあって損をした気分になる。メッセンジャー(2017年製作の映画)Magellan製作国:アメリカオーストラリア/上映時間:103分あらすじ太陽系から3つの謎の信号。その発信源の調査と回収をNASAから命じられ、たった一人太陽系の涯てを...最後までつきあって損をした「メッセンジャー」

  • 壮大な失敗作『大いなる陰謀』

    この映画はたがいに結びついた五つの失敗を描くことで成立している。アフガニスタン侵攻の行き詰まりを打開しようとする軍の冒険的な計画は失敗する。それを推進しようとする上院議員も、マスメディアを説得しようとして失敗する。記者はこの計画の無謀さを知りながら、スクープの魅力に抗しきれず、失敗する。大学の教授は学生たちの自覚的な行動を促しながら、かつては学生が軍隊に志願するという形で行動したことで失敗し、今回は学生に自覚的な行動をとらせることができないという意味で失敗する。学生たちは教授に促されて自覚的な行動をとるために軍に志願して、軍の冒険的な作戦で命を落とすことになる。これらの失敗を描きながら、放り出すように観客に提示するだけで、その意味を掘り下げることができなかったこの作品もまた大きな失敗作だろう。大いなる陰謀Lio...壮大な失敗作『大いなる陰謀』

  • エンディングのうっちゃりはさすがバートンの「猿の惑星」

    バートン作品をつづけてみようとしてみたティム・バートン版の「猿の惑星」。タイトルは同じだが、これまでのシリーズとは内容はまったく別で、バートンはリメークとは考えていないと語っている。それでも設定が同じなので、雰囲気はかなり似てくる。ところどころハチャメチャだが、バートンなので確信犯。エンディングのうっちゃりは、さすがバートン。ヘレナ・ボナム=カーターの猿はさっぱり見当がつかなかった。エステラ・ウォーレンの最低助演女優賞は納得かも(笑)。PLANETOFTHEAPES/猿の惑星監督ティム・バートン脚本ウィリアム・ブロイルス・ジュニアローレンス・コナーマーク・ローゼンタール製作リチャード・D・ザナック製作総指揮ラルフ・ウィンター出演者マーク・ウォールバーグティム・ロスヘレナ・ボナム=カーター音楽ダニー・エルフマン撮...エンディングのうっちゃりはさすがバートンの「猿の惑星」

  • メル・ギブソンが監督した戦争映画「ハクソー・リッジ」

    メル・ギブソンが監督した戦争映画「ハクソー・リッジ」。信仰によって一度も武器を手に取らなかった衛生兵の物語。激戦の舞台は沖縄の浦添城址の断崖「前田高地」。このほど「ゆいレール」が延伸して、アクセスしやすくなった。中央司令部であった首里城を守るため、激戦地となったところである。日本が舞台の戦争映画は日本人としては複雑な感情に襲われるものである。内容としては、「アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞」するほどのものかどうかは疑問である。この戦闘で沖縄の民間人も多数死亡している。それでいて日本で公開する際には、戦場でのバトル映画として宣伝されたらしい。沖縄では戦闘の場所を案内するページとガイドツアーを開いて、戦争の惨禍を訴えているらしい。最後の切腹場面などもわ...メル・ギブソンが監督した戦争映画「ハクソー・リッジ」

  • ティム・バートンが首なし騎士の伝説を描いた映画「スリーピー・ホロウ」

    18世紀末のニューヨーク近郊での首切り殺人事件を描いた「スリーピー・ホロウ」。監督のティム・バートンはかねがねアメリカに伝説的な昔話がないことに不満を感じていて、わずかにワシントン・アーヴィングの短編に登場する首なし騎士の物語を手掛かりにゴシックホラーを作りたかったという。画像の処理に頼るのではなく、小さなセットにさまざまな工夫を自然の凝らして自然の配色を作り上げたという。普通のカラーのニューヨークから離れてセピア色のスリーピー・ホロウの村に入ると突然に雰囲気が一変する。アメリカには昔話はないかもしれないが、魔女狩りのピューリタンの悪夢は、すぐによみがえってくるのだ。物語そのものは結局はラブロマンスだが、不思議な印象を残す作品である。ジョニー・デップという俳優は配役で雰囲気を変えるのがうまく、なかなか顔を覚えら...ティム・バートンが首なし騎士の伝説を描いた映画「スリーピー・ホロウ」

  • フィルムノワールになじみのミソジニーのテーマの映画「蜘蛛女」

    蜘蛛女というテーマはフィルムノワールになじみのミソジニーのテーマだが、現代でもまだ需要はあるらしい。女の言いなりになる男が悪いとしかいいようがないのだが。本人にもその自覚はある。それでもあくまでも女が悪いという建前は崩れてない。その建前が崩れないうちは、待っていても昔の妻がやってくることはないだろう。「蜘蛛女」の強さだけが印象に残る映画だった。蜘蛛女究極の悪女が男を破滅へ導く…。90年代フィルムノワールの隠れた名作見どころ型破りな暴力描写と乾いた映像美、ブラックなユーモア漂う空気感からカルト的人気を誇る作品。映画史に残る悪女を怪演したレナ・オリンが強烈な印象を残す。ストーリーN.Y.の刑事・ジャックは、FBIが保護する裏切り者の情報をマフィアに流して報酬を得ていた。ロシア人の殺し屋・モナもまたジャックのカモにな...フィルムノワールになじみのミソジニーのテーマの映画「蜘蛛女」

  • 巧みな演出で力強く引っ張られるメル・ギブソンの「ハムレット」

    メル・ギブソンが意外に好演している「ハムレット」。物語は誰もが知っているが、ゼフィレッリ監督の巧みな演出で、最後までぐいぐいと引っ張られる。セリフ回しもしっかりとしていて、嫌みがない。シェイクスピア、まだまだ面白いと思わせる作品だ。ほかの作品もみてみよう。オフィーリア役のヘレナ・ボナム=カーターは期待をもたせるが、いまひとつか。意外な配役の母親役のグレン・クローズに注目した。ハムレット|1990年|アメリカシェイクスピア戯曲を映画化。メル・ギブソンがハムレットに新たな命を吹き込む見どころ何度も映画となった「ハムレット」だが、本作は「ロミオとジュリエット」も映画化した名匠ゼフィレッリによる1990年版。メル・ギブソンが活力あるハムレット像で魅せる。ストーリー中世デンマーク。王子ハムレットの前に急死した父王の亡霊が...巧みな演出で力強く引っ張られるメル・ギブソンの「ハムレット」

  • 欲望抜きの欲動が具現化された裸の姿が美しい「ターミネーター」

    ターミネーターターミネーター・シリーズの第一作。「12モンキーズ」と同じように、この種の物語は豊饒なスピンオフを作りだす力を備えている。物語を芽吹かせる「枝」を豊富にそなえているからだ。最後にシュワちゃんの外皮をうしなった純粋なマシンが美しい。ジジェクであれば、「ターミネーターとは、欲望抜きの欲動が具現化されたものなのだ」(「斜めから見る」)というだろうが、殺すという意志だけが、いかなる欲望のおまけもなしで純粋に表現されるときに見る者の心をうつところがある。監督ジェームズ・キャメロン脚本ジェームズ・キャメロンゲイル・アン・ハード製作ゲイル・アン・ハード製作総指揮ジョン・デイリーデレク・ギブソン出演者アーノルド・シュワルツェネッガーマイケル・ビーンリンダ・ハミルトン音楽ブラッド・フィーデル撮影アダム・グリーンバー...欲望抜きの欲動が具現化された裸の姿が美しい「ターミネーター」

  • あらゆる思い込みを粉々に打ち砕く「マーズ・アタック!」

    マーズ・アタック!最初は驚いたものだ。なんといっても、火星人がめちゃくちゃなのだ。論理も礼儀もなにもなしに、地球人をだまくらかし、殺しまくる。ジャック・ニコルソンを初めてとする主人公はみんな死んでしまう。それでいて、ウェスタンを聞くと全滅してしまう。「火星人の弱点は、1951年のウェスタンソング「インディアン・ラブ・コール」の周波数というものだった。放送や拡声器で流される歌を聞き、火星人は次々と頭を破裂させていった。逃走を図る火星人たちが乗った最後の宇宙船も、爆発の末に四散した」というわけだ。しかし高度な文明をもつ生物は平和を好むはずだとか礼儀正しく迎えれば、平和的なコンタクトができるはずだとかいったあらゆる思い込みをあざ笑うような火星人のはちゃめちゃぶりは「インディペンデンス・デイ」のようなひどいファースト・...あらゆる思い込みを粉々に打ち砕く「マーズ・アタック!」

  • 人類の滅亡の必然性を描き出す「猿の惑星: 聖戦記」

    猿の惑星:聖戦記新シリーズの最終編。近くにいた生き残りの人類は軍隊を含めて全滅し、地球は猿たちの住処として残される。ここまで見続けてくると、呪わしい人類よりも倫理的な猿たちに感情移入してしまう。人類は自業自得で滅ぶべくとして滅んだのである。人間の少女が一人残されたのはどうなるか、気になるところだ。監督の意向では、この少女が原作の「猿の惑星」で人間の同行者となるノヴァの子供時代だとされている。ほぼ十年後に、原作の宇宙船がここを訪れることになるというわけだ。少し無理があるが。その場合には、猿たちにこき使われる人間たちは別のところで発見されたということになるだろう。監督マット・リーヴス脚本マーク・ボンバックマット・リーヴス原作キャラクター創造リック・ジャッファアマンダ・シルヴァー原作小説ピエール・ブール『猿の惑星』製...人類の滅亡の必然性を描き出す「猿の惑星:聖戦記」

  • 論理的な展開をたどった新シリーズ第二作「猿の惑星:新世紀」

    猿の惑星:新世紀アップをさぼるとつい癖になります(笑)これでは今年中に何本見れるか。新シリーズの第二作。片言をしゃべる猿たちに対する人々の憎しみを見ているとアメリカの白人たちにとって日本人を含めた東洋人たちはきっとこうした猿のような動物にみえたのではないかとつい勘ぐりたくなります。それだけにこうした物語は人々の強い関心を引くのでしょう。物語としては、猿の惑星が実現するための論理的な展開をたどっています。監督マット・リーヴス脚本リック・ジャッファアマンダ・シルヴァーマーク・ボンバック原作キャラクター創造リック・ジャッファアマンダ・シルヴァー原作小説ピエール・ブール『猿の惑星』製作ピーター・チャーニンディラン・クラークリック・ジャッファアマンダ・シルヴァー製作総指揮マーク・ボンバックトーマス・M・ハメル出演者アンデ...論理的な展開をたどった新シリーズ第二作「猿の惑星:新世紀」

  • 静謐な描写が心をうつ時間旅行SF映画「ラ・ジュテ」

    ラ・ジュテモノクロの静止画だけで構成されるフランスのSF映画。第三次世界大戦で荒廃した世界にあって科学者たちが時間旅行を実現する薬品を発明し実験的に人間を過去に送り込むことに成功する。やがて未来に送りこむことにも成功して、世界を復活させるエネルギーを獲得することができる。などとあらすじを書かねばならないほど分かりにくい映画だ。「12モンキーズ」との類似は明らかなのだが、1962年2月16日公開だからもちろんこちらが先だ。時間旅行のタイム・パラドックスは解かれないままのようだが静謐な描写が心をうつ。ラ・ジュテとは映画の最初と最後に現れる空港の見送り場のことだ。今年は映画300本見ようと思い立ちました。今日は032本目です。監督クリス・マルケル脚本クリス・マルケル製作アナトール・ドーマン音楽トレヴァー・ダンカン(フ...静謐な描写が心をうつ時間旅行SF映画「ラ・ジュテ」

  • 猿たちの怒りがもっともな「猿の惑星:創世記」

    猿の惑星:創世記原作の「猿の惑星」とはうって変わった作風の新しいシリーズ。この作品ではまだ地球は「猿の惑星」にはならない。一部の猿が人間社会から分離し、自立した段階である。檻に入れられ、実験に利用される猿たちの怒りはもっともであり、人間に近いチンパンジーの反乱は、観客を納得させる。その意味では猿の惑星にいたる論理的な筋道を示すことができたというべきだろう。機械の反乱だけではなく、動物の反乱もまた人間たちの暗い未来を予告する。どちらにしても人間たちの自業自得と言わざるをえないものではあるが。今年は映画300本見ようと思い立ちました。今日は031本目です。監督ルパート・ワイアット脚本アマンダ・シルヴァーリック・ジャッファ製作アマンダ・シルヴァーリック・ジャッファピーター・チャーニンディラン・クラーク製作総指揮トーマ...猿たちの怒りがもっともな「猿の惑星:創世記」

  • 愛すべきロボットものの佳作「 チャッピー」

    チャッピー『第9地区』監督のニール・ブロムカンプによるロボットもの。前のエイリアンものと雰囲気が似ている。ロボコップがいかに成功し、いかに失敗するかという物語。幼児から成長し始めたロボットのチャッピーがギャングの口真似をするのがおかしい。結末は『第9地区』と似た感じになる。愛すべき作品なので、人間の「意識」があっという間にコピーでき、別のロボットに移植できるという無茶さも許せる。監督ニール・ブロムカンプ脚本ニール・ブロムカンプテリー・タッチェル原作ニール・ブロムカンプ『TetraVaal』製作サイモン・キンバーグ製作総指揮ベン・ウェイスブレン出演者シャールト・コプリーデーヴ・パテールワトキン・チューダー・ジョーンズヨ=ランディ・ヴィッサーホセ・パブロ・カンティージョシガニー・ウィーバーヒュー・ジャックマン音楽ハ...愛すべきロボットものの佳作「チャッピー」

  • 俳優陣が楽しめる「ピクセル」

    ピクセル初期のコンピュータ・ゲームを実地でやるという奇想天外なストーリー。これは楽しむしかないですね。俳優陣が楽しめる。エディ役の小人症のピーター・ディンクレイジは「ゲーム・オブ・スローンズ」で圧倒的な存在感をしめしていた。「ミッション:8ミニッツ」で主人公のガールフレンドとなる女性を演じていたミシェル・モナハンは表情の豊かな女優で、この作品でも魅力を振りまいている。今年は映画300本見ようと思い立ちました。今日は029本目です。監督クリス・コロンバス脚本ティム・ハーリヒーティモシー・ダウリング原案ティム・ハーリヒー原作パトリック・ジャン『ピクセル』製作アダム・サンドラークリス・コロンバスアレン・コヴァートマーク・ラドクリフ製作総指揮パトリック・ジャンベンジャミン・ダラスジョニー・アルヴェスマティアス・ブシャー...俳優陣が楽しめる「ピクセル」

  • ディストピアのうちにもまだ希望があることを語る「トゥモロー・ワールド」

    トゥモロー・ワールド原題の「人類の子供たち」が示しているように人間がもはや子供を産まなくなった時代に新たに生まれた子供をめぐる物語である。世界はほぼ収容所とテロリストのすみかのようになっている。その中で奇跡的に生まれた子供を守ろうとする英雄的なとしかいいようのない試みを描く。しかもごくふつうの男が、魅入られたように子供を守るのである。そしてそれが英雄的な行為でもなんでもないことは戦闘中に赤子が運ばれてゆくだけで、兵士たちも戦闘をやめて、子供に手を伸ばすことからも明らかである。そのような時代がありうることをわたしたちの想像力に強くうったえかける優れた映画だ。監督アルフォンソ・キュアロン脚本アルフォンソ・キュアロンティモシー・J・セクストン原作P・D・ジェイムズ『人類の子供たち』製作マーク・エイブラハムヒラリー・シ...ディストピアのうちにもまだ希望があることを語る「トゥモロー・ワールド」

  • ロボットの反逆のテーマがつきつめられていないのが不満な「アイ,ロボット」

    アイ,ロボット監督AlexProyas主演WillSmith,BridgetMoynahan,BruceGreenwoodロボットが人間に反逆するというテーマは前作の「オートマタ」と同じだがこちらはロボットが善玉と悪玉に分かれて、善玉の尽力で悪玉が善なるロボットに戻るという安直な解決策で、少し不満。面白いのが自殺したラニング博士の遺言ブログラム。刑事が自分で探るべき問いを問うと、「それこそが正しい質問である」と答えて、対話を終えてしまう。問いというのは、問うべきことがらを正しく問うときにだけ、答えをもたらすものであることをうまく示している。驚愕の近未来アクション超大作!“ロボット三原則”が破られたとき、未来は崩壊する!2035年のシカゴ。ロボットは欠かせない存在となり、三原則が定められていた。一.人間に危害を加...ロボットの反逆のテーマがつきつめられていないのが不満な「アイ,ロボット」

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