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2018/05/22

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  • 最終話を掲載し終えました

    星玉の幻想話、全300話を書き終えました。当初は100話で止めるつもりでしたが、ここまで来てしまいました。約七年、長い時間がかかりました。その間もその前も、いろんなことがありました。書いていくこと、生きていくこと、暮らしていくこと、葛藤もたくさんありました。息も絶え絶え、ようやくここまで辿り着いたような感じです。もうだめだもうだめだと、何度も思いながら青息吐息、浮かぶ幻想のまま、キーを打ちました。自分にはこうして書く他なかったのだと、改めて振り返ってみてそう思います。ブログを訪れてくださった方、私の拙い文を読んでくださった方、本当にありがとうございました。KitamoriMio最終話を掲載し終えました

  • drop100.夢幻航路

    【夢幻航路】夢幻航路という船の道があるという星の港の最終便に乗るとこれがその船なのだと船員は言う星の果てを目指す航路銀河に昇る汽笛を耳に残し標の星を仰ぎ銀の星を数える旅が刹那の時が魅せる夢であるようにこの星の航路が美しい夢幻であるように今宵長く愛したペンを置こうdrop100『夢幻航路』drop100.夢幻航路

  • drop99.星降る夜

    【星降る夜】別れの時魂が一瞬輝くように見えるのは何故あれはこの星で分かち合う人々の成す灯火なのだと教えてくれたひとは居ず刹那に燃える火は彼方に輝く星の瞬きに似るのだろうか星降る夜どうか星のかけら一粒を燃やす灯火の下愛しさだけ抱くことができますようにdrop99『星降る夜』drop99.星降る夜

  • drop98.幸歌

    【幸歌】野花を見て海を見て夕暮れを見て銀河を見て何かがどこかにあると思うようになったのはなぜ追いかけても追いかけてもそれは夢幻を追うような彼方に向かう旅のようなペンを下ろした紙の上かけらを散りばめて銀色に塗ることがただ一つ出来ることだった(銀のかけらを歌う最終章に)drop98『幸歌』drop98.幸歌

  • drop97.星物語

    【星物語】海鳥の鳴き声を頼りに海へ向かうあれは星の港を往き来する鳥港で出会い別れる誰かの痛みを嘆き時に喜び朝な夕な絶えることなく鳴いているのだその物語は星の物語を綴った本に語られているただ一つの物語を残し作者は遠い航路に旅立ってしまったというdrop97『星物語』drop97.星物語

  • drop96.星音

    【星音】星がひとつ流れた時音が聞こえた「あれは星の流れる音でしょうかそれともどこかで誰かが歌い奏でているのでしょうか」あなたの問いかけにずっと答えられず流星に音があるのなら過ごした季節に流れた音であってほしいとただそれだけを願い深い夜に耳を澄ますdrop96『星音』drop96.星音

  • drop95.風の旋律

    【風の旋律】風が吹いていた遠い星の旅の果てにおだやかで美しい風が持つ旋律を奏でながら舞っていたその記憶を持ち帰り紙の上に並べたあの旋律を言葉にしたくて幾度も並べた並べては崩し並べては崩しdrop95『風の旋律』drop95.風の旋律

  • drop94.銀色の彼方

    【銀色の彼方】雨に星の欠片が混じっているのだろうか旅の途中銀色の欠片が幾つも刺さった忘れたことは忘れていなかったのだと欠片が降る度に気づくすべてが美しい水の上に浮かぶように世界が浮かべばいいのに濁ってしまった雨の先さえ銀の灯りで照らし出される世界が浮かべばいいのにdrop94『銀色の彼方』drop94.銀色の彼方

  • drop93.深海

    【深海】深海に沈んだ声を聞きたくて海を探し海に沈み声と思うものを抱きしめた世界が変わっても抱きしめていようと声をころしてdrop93『深海』drop93.深海

  • drop92.砂漠

    【砂漠】砂漠の兎は砂をかき分け穴を掘っていたなぜ問うても兎は答えずその姿がいじらしくて一緒に掘った星の瞬く頃兎の姿は消えてしまったやがて私もこの星を去るもう会うことはない砂に埋もれながら星を見た会うことはないとわかっているものたちの星を見たdrop92『砂漠』drop92.砂漠

  • drop91.星秤

    【星秤】測るのは止めることですよと、星を渡る旅人の言葉を明け方不意に思い出す彼は今どの星にいるのだろういやもうどの星にもいないのかもしれないいないということそれは絶望なのか安らぎなのか旅の途中夜は明け日は暮れ秤のない重力に埋もれてゆくdrop91『星秤』drop91.星秤

  • drop90.新月船

    【新月船】月の見えない夜船は黒い海を進み先には夜だけが広がる船の中で出会った旅の楽師は長い時間一つの曲だけを奏でている幾時代も継がれてきた古い浪漫の歌なのだそうだ波音に重なってはまた離れ弦の音は海に放たれる夜は深くなるdrop90『新月船』drop90.新月船

  • drop89.水際

    【水際】行き着いた水路は入り交じった記憶のように幾つにも分岐していた辿っていけば、会えると思った。れだけでよかった、と思っていた霞んだ水路の果てはすぐそこなのか遥か先なのか頑なな思い出を握っては放し握っては放しdrop89『水際』drop89.水際

  • drop88.夢現

    【夢現】星の宿で長い季節を過ごした毎夜夢を見たおぼろげであいまいな風景の連続が走ってゆく古い日記のような夢だったそれは時という夢なのだと覚めて気づく夢現、流れるものに頼る根拠などなく明け方の痛みだけが長く残ったdrop88『夢現』drop88.夢現

  • drop87.浜辺

    【浜辺】浜辺に「虹」を探している魚がいた「海の中から虹を見たのですその美しさが忘れられなくて…でもあの時の虹は二度と見ることは叶わない」と魚は体を震わせ乾いた目から海の雫をこぼす長く空と海を見つめていた魚の姿が消えたのはいつのことだったか浜辺の人は誰も覚えていないというdrop87『浜辺』drop87.浜辺

  • drop86.切符

    【切符】古い切符を旅の鞄に入れる線路を辿り夢を見ては覚めまた夢を見ることだけが出来ることだったdrop86『切符』drop86.切符

  • drop85.灯り

    【灯り】旅の夜に灯す明かりは小さなものがいい四方の闇に何処とも無く消えてゆくものたちを見つめるには小さく仄かに揺れるものがいいdrop85『灯り』drop85.灯り

  • drop84.月夜

    【月夜】月の宿で一夜言葉を交わした旅人がいた堕ちてゆく詩をうたっていた「果ても知らず堕ちてゆくのは悲哀なのか喜びなのか情けも解らず墜落に溺れるのは破綻なのか望みなのか」月の光眩しい夜だった詩人の墜落は誰知ることも無く溶けてゆくのを見たdrop84『月夜』drop84.月夜

  • drop83.海辺

    【海辺】海を眺める人は誰かの帰りを長く祈っているのだと星間船の船乗りから聞いたことがあった船乗りと別れた後海辺の宿で幾季節も過ごし幾度も別れがあったいつしか旅に出ては海を探すようになった朝焼けの刻日暮れの刻闇の刻海を探すようになったdrop83『海辺』drop83.海辺

  • drop82.永遠の

    【永遠の】形ないものを求めた星の光を頼りに岸を離れた形ない故に包む言葉もなくましてやほどく言葉もなく追うほどに世界は遠ざかり永遠に表せない永遠の美のようにdrop82『永遠の』drop82.永遠の

  • drop81.船影

    【船影】長い旅物語を聞かせてくれた旅人と別れた朝天は灰色の雲に覆われていた隙間をぬうように銀色の影が風に乗って遠ざかるあれは船あの旅人が乗ると言っていた旅人は終わりの始まりを教えてくれたもう会うことはない人との終わりの始まりをdrop81『船影』drop81.船影

  • drop80.宙の欠片

    【宙の欠片】砂丘をいくつか越えると見えてくる砂の星を旅する人に伝え聞いた「物語を埋める墓所」だ旅人は物語の伝え人だった物語を砂の中に埋めるするとそれは長い時を経て砂に混じり風に舞い宙の欠片になるのだとdrop80『宙の欠片』drop80.宙の欠片

  • drop79.灯火

    【灯火】夕闇川の向こう側に灯火が揺れるあれは岸から離れてゆく魂だと言ったのは誰だったろうでは誰の誰の魂あなたなのかわたしなのかわたしたちなのか灯火は彼岸の闇に呑み込まれてゆくあれは二度とはないものなのだと誰か言うdrop79『灯火』drop79.灯火

  • drop78.毎夕

    【毎夕】深い森に棲む栗鼠は夕暮れ時になると「石」を抱く栗鼠は身体を丸めてすっぽりとそれを包む遠い星から降ってきた石だという白濁色をした石は夜更け透明に変わってゆくその様をただ見ていたくて栗鼠は毎夕毎夜透明を抱くdrop78『毎夕』drop78.毎夕

  • drop77.青い鳥

    【青い鳥】空に飛ぶ鳥は青く空に溶けるのではないかと思うくらいに青く日を追う毎に青さは増していった幾時か過ぎ青は薄れ太陽を背に飛ぶ鳥は青ではなくなった空の下鳥の守人は青を唄うどこかの星で会えはしないかとあの青に会えはしないかとdrop77『青い鳥』drop77.青い鳥

  • drop76.夕空

    【夕空】夕刻の丘絵描きに出会うことがあるカンバスに夕空を映し描く様子を眺めていると次第に空の色は濃くなり夜の帳が降りてくるすると彼は消える絵も消える突然消えるだが夕空の記憶は残る不確かなものだけを抱くのだとその度に気づき闇の中丘の道を下りるdrop76『夕空』drop76.夕空

  • drop75.星風

    【星風】雨の時節に吹く風は青い星の方角から吹いてくる雨を乗せた風は冷ややかに虚空に向かう打たれた心をたおやかに紡ぎ直すことができるならば星の青さに近づくことが出来るだろうか過ごした季節の青さに寄せることが出来るだろうかdrop75『星風』drop75.星風

  • drop74.風の譜

    【風谷】風の谷に棲む楽師は言う「曲を奏で始めてどれだけの季節が過ぎていったでしょう何処かに届いているのかいないのか何もわからないまま……」楽師はぽろんと音を奏でる「時たまこれと一緒に連れて行かれそうになるのですよ」と、風に流れる譜を奏でるdrop74『風の譜』drop74.風の譜

  • drop73.青底

    【青底】星の宿青い部屋だった床も壁も寝台も机も椅子もシーツもカーテンも飾ってある絵もみな青かった遠い海から風が入ってくるのか、部屋は潮の香りがしたここで見る夢は淀みなく青い青さは底に向かう深く深く沈むために青く青くなるためにdrop73『青底』drop73.青底

  • drop72.風船

    【風船】空にひとつ風船が流れていた眺めていると同じようにそれを眺める小さな人に出会ったたった今あれと別れてきたのですよとその人は言い目を細めたり潤ませたりしながら行方を追っているとても尊い魂でした、と風船の消えた空の果てを探すようにいつまでもそれをdrop72『風船』drop72.風船

  • drop71.宙鳴

    【宙鳴】何かの鳴き声なのかその音は小さく大きく宙に舞い響く何時の季節からだったろう鳴き始めたのは旅の始め、それは既にあったように思う打ち寄せては引く波のように森でさざめく木の葉のように北極星の瞬きのようにあれは今宵もここにdrop71『宙鳴』drop71.宙鳴

  • drop70.淡い光

    【淡い光】集めた欠片を寝床に敷き詰める欠片には仄かな光がありそれらは不規則な輝きで部屋を照らす金星の旅人を思う旅は別れの連続で別れはそれぞれの淡い光を放つのだと旅人は言っていた色とりどりの旅の欠片は夜と共に漆黒となり別れの淡い光を欲しがるdrop70『淡い光』drop70.淡い光

  • drop69.何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても

    何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても人々も世界も静かにとても静かに消えてゆくものだから人々は消えゆくものたちを夢幻の中で抱きしめて物語を埋める破滅と再生の星の上でdrop69『何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても』drop69.何もかも霧の向こうに逝ってしまったとしても

  • drop68.霞

    【霞】辺りを覆う静けさはこの白い霞とともに広がるのだろう遥か向こうに滲む灯りあれは誰かが持つ灯火なのだろうかそれとも世界の終わりの標なのだろうか霞の川面で思い出したように水鳥が跳ねる向こう岸に置き忘れた記憶がまた流れて往くdrop68『霞』drop68.霞

  • drop67.幻詠

    【幻詠】詩人は幾年月も星を彷徨っていた詠う言の葉はおおかた儚い虚言なのですよ、と詩人は言う星を渡り続ける彼女はそっと棘や傷や哀しみの現を(いわれのない)幻覚で包むのみなのだあの夜仰いだ漆黒の空にひとつ瞬く星を抱くようにdrop67『幻詠』drop67.幻詠

  • drop66.キサラギ

    【キサラギ】冬に交わした約束が凍ったままだったので白い小枝におみくじのように結んで春になって跡形もなくなりますように(如月の終わりに)drop66.『キサラギ』drop66.キサラギ

  • drop65.夜深

    【夜深】凍てつく夜更けスープ屋の湯気を探す辛く甘く苦く熱いスープを毎夜毎夜作っていた彼女はもう湯気の下にはいないことを時に忘れてしまい探し続ける「そこ」にいないということはどこにもいないということだと誰が言ったのだろう深まる夜湯気は儚くしかし火傷するほどに熱いdrop65『夜深』drop65.夜深

  • drop64.難船

    【難船】浜に打ち上げられた船は時と共に静かに朽ちていたここに彼(魚)は棲んでいた尋ねていくたびこの船は泳げなくなった魚の好物なのだと微笑んでいた私は怖かったとても、とても怖かった時も船も彼もこの風景さえも無となり消えてしまうことがとてもdrop64『難船』drop64.難船

  • drop63.流星

    【流星】川辺の鳥はおそらくは随分昔から川を見つめている流れを見つめたまま長い時をそこで過ごしているほら直に水底に星が見えますよ、と鳥は言う波の随に流れた星は堕ちて往く刹那に一際輝くという宙にある億万の星のたった一つが長い時を経てここに重なる時は終焉の哀しみなのなのか祝いなのかdrop63『流星』drop63.流星

  • drop62.宙

    【宙】夜に宙が浮かぶ見る星がすべて過去のものであるならば私は今どこで漂うのだろう時の中で失せてしまった身と心を嘆くことはそれは愚かなことではないと誰が言う彼方の宙宙宙で誰がdrop62『宙』drop62.宙

  • drop61.夜行と朝

    【夜行と朝】夢の欠片が宵闇のハザマに刺さる時まるでよく吠える夜行動物のように夢に泣き絶望にむせび泣き悲哀の夜の中旅は明け暮れて望むらくはどうか真白な朝をdrop61『夜行と朝』drop61.夜行と朝

  • drop60.氷の森

    【氷の森】樹木は凍りつき行く手は厚い氷に覆われている見上げる宙に無数の氷点の欠片が漂う飛ぶ鳥の鳴き声が空気を切り裂いた後やがて訪れる静寂の中記憶の割れる音だけが途切れ途切れに身体に響く割れた記憶は零度よりも遥かに低く凍り付くのはいつもいつもこの足元だけだdrop60『氷の森』drop60.氷の森

  • drop59.瞬き

    【瞬き】北の空に輝く星の瞬きがこの地に降り注ぐと信じた夜朝など来なければよいと願った永遠などというものはどこにもあるはずはないとわかっていたはずなのに夢見るかのように求めた瞬く一夜は瞬く間にまぼろしに変わりそうして私は今もあの夜にいるdrop59『瞬き』drop59.瞬き

  • drop58.言の葉

    【言の葉】落ちた葉を拾い集めては意味無い言葉をそこに書き溜めていった溜まった葉をかばんに詰め深い森へ行く火を起こし一枚一枚燃やす言の葉はこうして灰にするのが良いと焚火の番人をしている老詩人から教わった枯れた言の葉も火になれば暖かい灰になりやがて冷たい空に舞い消えるのだとdrop58『言の葉』drop58.言の葉

  • drop57.架橋

    【架橋】雨の中橋を渡った先も後ろも雨に煙っていた渡ればどこへゆけるのだろうか尋ねる人もいない飛ぶ鳥もいない雨雲の切れた遠い空に「虹」が見えた気がした雨の橋は幻視を招くと聞いたことがある幻ならば何よりだその七色はいつまでも美しいdrop57『架橋』drop57.架橋

  • drop56.碧空

    【碧空】あの星の森で最初に出会った人は名前も知らない行きずりの旅人だった背の高い樹木の隙間から共に空を見た他愛のない時間垣間見えた空はまるで無限であるかのような広がりの青だった別れが成せるのはただ永遠に近づこうとする記憶なのだ青くどこまでも青く碧空はdrop56『碧空』drop56.碧空

  • drop55.魔夜

    【魔夜】魔法使いが棲むという森に入った森の奥深くに分け入り長く彷徨った彷徨う意味は問うてはならないと森の番人をする長老は言う問いがなければ答えもないただ魔法使いの魔法が起こすという白濁の冷たい夜の霧雨に包まれてdrop55『魔夜』drop55.魔夜

  • drop54.抱

    【抱】思い出すことは哀しみでありと海辺の詩人は詠っていた哀しみの果て水平線と霧にのまれぬようそれはこの「箱」に閉じ込めるのですよそしてただ夢を箱に入らなかった夢を詠めばいいではないですか記憶に責められることも無く、と海辺の詩人は箱を抱き星の海辺で今宵もdrop54『抱』drop54.抱

  • drop53.海馬

    【海馬】海の見える丘で知り合った海馬体を傷めて海で暮らせなくなったのだとここで幾日も海を眺めていたある日丘に登ると彼はいなかった船に乗ったのだろう遠い星へ往く船に乗るのだと会うたび言っていた遙か沖に船が往くのが見えるさよならは言わず言えず、遠い汽笛は消えてゆくdrop53『海馬』drop53.海馬

  • 星玉のお話について少し

    星玉のお話(星玉幻灯話)古いepisode順に(現時点で)〇BlueLetters編100話【既刊「星玉幻灯話」(しおまち書房刊)に収録】〇StarFlakes編100話(ツイッターとこのブログで読めます)@hoshidamastory〇DeepDrops編(現在)50話超え(こちらもツイッターとブログで)現在進めているのがDeepDrops編です。50話め(やっと)超えました。図らずも長い道のりになってしまいました。書くことは何かしらどこかしらすり減ることなのだとしみじみと実感。もう何年も実感。続けられるでしょうか。いや、続けたいのかさえわからくなってきました。生き続けていると、不確実なことばかりです。不確実に浮遊するばかりです。書くことも生きることも困難な旅行き先のない行程は独りひとりコドク星玉のお話について少し

  • drop52.夢間

    【夢間】目の前の霧は瞬く間に広がり白い闇に変わる方向を失ったまま彷徨うことは幾度もあったそれは大概、夜毎の夢に向かうこの夢があの夜から続く夢であればよいのにあの人がとうにこの星から旅立ってしまったことを除けば別れの霧景色はいつも闇の夢間に浮かぶdrop52『夢間』drop52.夢間

  • drop51.自鳴琴

    【自鳴琴】川辺を離れ行き先を決めぬまま歩いているとどこからかオルゴールの音色が聞こえてきたそこは乗り物の停留所なのかベンチに人が座り小さな木箱を開いていた声をかけ道を尋ね音色を聴きとりとめのない言葉を交わした時が経ち彼の顔も思い出せないというのにあの音色だけは今もdrop51『自鳴琴』drop51.自鳴琴

  • drop50.水鳥

    【水鳥】岸辺で向こう岸をながめていたある時水鳥が飛んできて向こうへ行きませんかと尋ねてきた背に乗った鳥の背は氷の板のように冷たかった向こう岸から吹き付ける風は冬の嵐のようだった置いてきた岸辺のあれこれが風と共に浮かぶ凍るほどに日々残したものたちは痛くそして遠くdrop50『水鳥』@hoshidamastorydrop50.水鳥

  • drop49.嘘

    【嘘】気紛れにやって来るキツネ嘘ばかりの話を並べてはあれもそれも嘘ではない、正真正銘真実ばかりですよ、憂うことなど何もない、などとよくわからないことを言い笑う夜通しキツネの嘘話を聞きながら私は眠る目覚めると誰も居ないきっとあなたがここにいたことも真実と笑う嘘なのでしょう。drop49『嘘』drop49.嘘

  • drop48.鳴声

    【鳴声】橋を渡る度に欄干に止まっている鳥に出会う鳥はその鳴き声で直に橋は無くなりますよ、と教えてくれた私の驚きと哀しみを察してか慰めるように鳥は良い声で鳴いてくれるしばらく聞き入りまた歩き始める橋のたもとで振り返るとあっさりと君はいない橋がなくなればもう会うことはdrop48『鳴声』drop48.鳴声

  • drop47.青霧

    【青霧】崖の下には青い霧が広がっていた霧、あれは霧なのかもしかしてあれは空かもしれない空を見下ろす地まで来てしまったのだろうか通りかかった旅人にここはどこなのか尋ねてみたがこの地に名前はないというどこまでも青く底のない「空」に手を伸ばす堕ちますよ、の声は次第に遠くdrop47『青霧』drop47.青霧

  • drop46.暗夜の詩

    【暗夜の詩】たった一つ詩歌を綴り詩人は彼岸の惑星に旅立った詩には彼だけが描く星の情景が語られていた終わりになると再び始まり始まりが始まるとまた終わりを迎えるという、読み続ければ永久に手が届きそうな長い長い詩だった星の隠れた夜文字をなぞるいつかこの星で会えるのだろうかとdrop46『暗夜の詩』drop46.暗夜の詩

  • drop45.星の岸辺

    【星の岸辺】星の岸辺に転がる欠片は雨に散った星屑たちだ雨の季節、雨粒が当たるとその僅かな力で欠片は細かく砕けてゆく時に放つ光は仄かであるのに鋭く目に痛いこの瞬きは二度とは訪れないと現世果たせない約束を雨の刻に見る星の岸辺に雨と欠片他に何もなくただ一瞬永劫の痛みを負いdrop45『星の岸辺』drop45.星の岸辺

  • drop44.ラグリマ

    【ラグリマ】金星塔の屋上で流星を数えていると微かに弦の音色が聞こえてきた流星群の夜だけここに訪れる弦楽師が塔のどこかでつま弾いているのだ狂おしく刺さる旋律は土星に旅立った人と聴いた曲見送った後も繰り返し聴いた曲音色に合わせ謳ってみる遠い昔名も無い作家が綴った流星の詩drop44『ラグリマ』drop44.ラグリマ

  • drop43.夢物語

    【夢物語】夢物語を千話紡げば夢の中で生きられるそれは遠い国の語り部が謳っていたことと教えてくれたのは若い詩人だったか読書家の老キツネだったか何も確かなことのない夢と現の行ったり来たりはひどく空虚なものですよと彼らは嘆きやがて忘れてしまう物語を数えては幾千も夜を送りdrop43『夢物語』drop43.夢物語

  • drop42.瑠璃色

    【瑠璃色】青い花の咲く季節瑠璃色の道で出会った人は不意に十字路を曲がりそれきりだった共に最後に見つめた花はとても青かった空も星も宇宙も何もかもが青に染まるくらい青かった別の色を探すのはとてもむずかしいことなのでただ青を抱き慈しむこの限りある季節にただ、青をdrop42『瑠璃色』drop42.瑠璃色

  • drop41.残丘

    【残丘】草原の果ての残丘風に揺れる墓標がある詩人は過ぎた言葉を背負いそれらを埋めるためにここに辿り着く風の季節飛ばされないよう細心の注意を払うけれどもその殆どはあっけなく風に散り消えてしまう埋めるものをなくした詩人は乾いた風に打たれ更に儚い言葉を背負うのだったdrop41『残丘』drop41.残丘

  • drop40.星歌

    【星歌】星降る夜も星灯りのない夜も星の歌唄いは曲を奏で歌い続けているという一日の大方が夜の帳に包まれたこの星でどこに行けばあの歌を聴けるのだろうどのくらい耳を澄ませば歌にたどり着けるのだろう深い静寂が必要なのですよと年老いた詩人は言うそれは底のない慰めの歌なのですからとdrop40『星歌』drop40.星歌

  • 青がほしい

    楽しくて書いているわけじゃない嬉しくて書いているわけじゃない微力で非力で臆病で書いたものなど幻ばかりですぐに散るにんげんのエゴがとても痛い青がほしい

  • 潮風

    久しぶりに潮風今度はゆっくり来たい潮風

  • 短編集を出しました

    『銀のかけら流れる川のほとり』(しおまち書房)という短編集を出版しました。星、空をキーワードとした小説10編です。手にとっていただけるとうれしいです。今のところネット販売のみですが実店舗販売が決まれば随時お知らせいたします。本の詳しい紹介と販売場所(しおまち書房ネット販売部、Amazon、BASE)はこちらから。紹介文の下に販売について記してあります。https://shiomachi.com/publications/ginnokakera短編集を出しました

  • 空と桜 2022/03/30

    桜。満開です。今日は誕生日なんです。生きてるといろいろあるしへこむことも悲しむことも多いけど…よい年にしたい。2022/03/30水曜日空と桜2022/03/30

  • 空 2022/03/21

    春空の下ひとつだけの命祈り願い夢愛した人愛してくれた人春の時が奪うものたち2022/03/21月曜日空2022/03/21

  • 空 2022/03/13

    まぼろしだといい何もかも感情の無力と無意味哀しみとやるせなさ憎しみと捉われ2022/03/13日曜日空2022/03/13

  • 空 2022/03/12

    命は引き返せないね2022/03/12土曜日空2022/03/12

  • 空 2022/03/10

    遠い思いにまぼろしが生む一撃は現(うつつ)を襲うよ2022/03/10木曜日空2022/03/10

  • 空 2022/03/07

    気まぐれな空気まぐれなコトバ気まぐれな世界2022/03/07空2022/03/07

  • 『つばさ屋』 最終章 つながるつばさ

    『つばさ屋』第五章(最終章)つながるつばさメイがつばさ屋をおとずれて、二十年の年月がたちました。とつぜんふりだした雨の中、ひとりの青年が早足で路地を歩いていました。青年の名前は、ショウ。手には、地図がにぎられていました。「ええっと、たしかこのあたりだぞ」地図をみながらショウはある店の前で立ち止まりました。「あった。ここだ」古びた店です。とびらを開くと、ぎいぃと音がしました。「こんにちは」店の中は暗く、だれのすがたもありません。「こんにちは。こんにちは」ショウは、何度も大きな声をだしました。「はいはい。そんなに何回も言わなくてもきこえていますよ」店のおくから、おじいさんが出てきました。「こんにちは。あの……」「ちょっと、待ってください。外は雨のようですね。店の中が暗くてよく見えない。今、あかりをつけますから」八十...『つばさ屋』最終章つながるつばさ

  • 『つばさ屋』 第四章 未来のつばさ

    『つばさ屋』第四章未来のつばさカイがつばさ屋をおとずれて、三十年の年月が流れました。「ここね。ここが、つばさ屋さんね」若いむすめが地図を手に、つばさ屋の店のとびらのまえに、立っていました。むすめの名前はメイ。「お父さんにきいたとおりだわ。古びた店がまえね。ショーウィンドウには、すてきなせびろとズボンがかざられてるわ。さすがにガラスにひびは入っていないけれど」メイは、店のとびらをあけました。「こんにちは」店のおくには、めがねをかけた男のひとがいました。つばさ屋の主人です。ミシンをふんでいました。「いらっしゃいませ」つばさ屋はミシンをふむのをやめて、メイのほうに目をやりました。「あの、おたずねします。ここはつばさ屋さんですね。つばさを作るという……」「はい、そうですが……どうしてここがつばさを作るつばさ屋だと?かん...『つばさ屋』第四章未来のつばさ

  • 『つばさ屋』 第三章 はじまりのつばさ

    『つばさ屋』第三章はじまりのつばさ世界じゅうをまきこんだ、大きな戦争が終わった年のことです。ある小さなまちの、小さな店の、おはなしです。その店は、おもてむきは、紳士服を仕立てる店でした。でも、そこには、わずかなひとしか、知らない、ひみつがあったのです。少年は、古びた地図を手に、まちを行ったり来たりしていました。少年は十才。名前はカイといいます。この小さなまちには、戦争が終わるまぎわにとてつもない大きな力をもった、おそろしい爆弾が落とされました。まちにはそこかしこに、なまなましいつめあとがのこっていました。もとは家や店やビルがならんでいたところが、広い広い焼け野原になりがれきの山が、あちらこちらに、つみあげられています。がれきをかきわけて、カイはやっと、めあての、路地を見つけました。小さな店数軒ならんでいる通りで...『つばさ屋』第三章はじまりのつばさ

  • 『つばさ屋』 第二章 出会いのつばさ

    『つばさ屋』第二章出会いのつばさぼくが、「その人」と出会ったのは、兵舎に入って、しばらくたった日のことです。「その人」の名前は、「ツバサ」といいました。この基地から、前線となっている、南の国へと発つ予定のために、他の基地からうつってきたのです。ぼくの部屋に、いく日か、滞在することになりました。なぜなら、さいしょは、五人いたぼくの部屋の仲間たちは、みな、行方不明になっていて、今、部屋には、ぼくひとり。もちろん、ベッドは空いていました。「ツバサ」という名前を聞いたとき、まるで、飛ぶために生まれてきたような名前だなあ、と思いました。そう言うと、ツバサさんは、人なつこく笑い、うなずきました。「いい名前だと、自分でも、思っています。空がね、好きなんです。飛ぶのが、好きなんです」「空が好きなんです」と、ツバサさんは、どこま...『つばさ屋』第二章出会いのつばさ

  • 『つばさ屋』 第一章 空と夢

    『つばさ屋』第一章空と夢空を飛ぶことが、おさないころからの、ぼくの夢でした。朝焼けの輝く、群青色の空。太陽が力強く燃える、真昼の青い空。しずむ夕陽にそまった、あかね色の空。きらきらと星々のきらめく、群青色の空。あわくかすんだ、やさしい春の空。すぐに泣きだす、しっとりとした梅雨の空。ぎらぎらたくましい光を放つ、夏の空。高く澄みきった、深呼吸したくなる秋の空。銀色のドレスをまとった雪の女王さまが降りてきそうな、冬の空。あの空も、この空も、どの空も、ぼくは大好きでした。どこまでも、いつまでも、終わりを感じさせない空が、始まりの予感の空が、いつでも、どこへでも、行きたいところにつながっていこうとする空が、ぼくは大好きでした。学校を卒業すると、ぼくは、心配する両親をときふせて、飛行士の養成所にはいりました。そこで、ぼくは...『つばさ屋』第一章空と夢

  • 2022/02/23 空

    おはようございます2022年2月23日空2022/02/23空

  • 2022/02/21 空

    限りを知るほど瞬間を抱きたくなるけど思いのほかそれはすり抜けるね2022/02/21空

  • 2022/02/20 空

    2022.2.20.日曜日空おはようございます2022/02/20空

  • 2022/01/01 空

    空2022.1.1土曜日あけましておめでとうございます2022/01/01空

  • 2021/12/28 空

    空2021.12.28火曜日2021/12/28空

  • 2021/12/27 空

    空2021.12.272021/12/27空

  • drop39.冷雨

    【冷雨】見た夢も遠い記憶も針のように鋭く落ちては刺さる冷たい針の雨繋いだ手も笑い声も美しい音階も満開の花々も瞬きの間に消えた明け方の流星よりも短い時を過ごしあなたも消えたわたしは儚さを夢として目を閉じて針を刺す針の傷これも消えるのだろうかとあなたを思いdrop39『冷雨』drop39.冷雨

  • drop38.青石

    【青石】その石は深く濃い青色をしていた手のひらに収まるくらいの大きさ冷ややかな感触握りしめ胸に抱くと冷たさのあまり体も心も空気さえも震えるやがて涙が溢れる涙は熱いとても熱いただ青い石を握っているだけなのに震え流れ様々の青い石のように世界は震えながら流れ続けてdrop38『青石』drop38.青石

  • drop37.夢見歌

    【夢見歌】遠い昔永遠の標になるという夢見歌を歌っていたのは雲の道で出会った歌唄いだった彼の人への手紙を最後に書いたのはいつのことだったかあれからずっと夢をみていますと時を超えれば会えるでしょうきっと会えるでしょうと夢の不確かさと確かさは繰り返し夢は朽ちても歌は残りdrop37『夢見歌』drop37.夢見歌

  • drop36.落葉

    【落葉】森の中コギツネはコンコンと鳴きながら落葉を拾い集めては十字架に振りかけていた「何をしているの」と尋ねると「寝台を作っています。ここに眠る人の。寒い季節に落葉は良い寝心地ですから」と教えてくれた落葉を拾い抱き散らすコギツネの鳴き声は今日もまた森からdrop36『落葉』drop36.落葉

  • drop35.幻夕

    【幻夕】夕暮れの星にいた頃時たま幻灯屋がやってきて幻灯を見せてくれた小一時間の別世界終わると彼は必ずまた会いましょうと言い幻灯の幕を閉じたいつからだろう姿を見なくなったのは私は星を去り違う場所で幾度も夕暮れを見送ったその度に影をなぞった二度と会うことはないあの幻灯のdrop35.『幻夕』drop35.幻夕

  • drop34.夕映

    【夕映】別れの言葉を連ねる紙に白色は目映すぎた外は雨が上がったよう手元の紙が次第に茜に染まっていく最後の行にあの夕陽の色について書いておこうさようならわたしたちの別れなどあの夕映えに消えればいいのに日が落ちると夜は早くわたしたちのように消えたことさえ消えるのだからdrop34『夕映』drop34.夕映

  • drop33.儚歌

    【儚歌】鳴き声は雨に混じって聞こえてくる小雨の夕は微かに猛雨の夜は激しくその声は人なのか人ではないのか生死の哀切に混じるように雨の日も雨でない日も儚い子守歌のように繰り返されその歌を歌うことは容易いことだけれどもこの雨音にいつもいつもかき消されてしまうのだdrop33『儚歌』drop33.儚歌

  • drop32.風夢

    【風夢】風の舞う日星の岬にある珈琲店のことを思うあの日も強い風が吹いていた居合わせた旅人は甘い香りの珈琲を飲みながら旅の思い出を語ってくれた思い出は二度と相見えない夢にするのが美しいのですよと彼は言ったまるで切ない私たちの時間を見送るように夢は岬の風になり香るdrop32『風夢』drop32.風夢

  • drop31.青影

    【青影】あの幻灯屋が作る青い影はどこにもない影で忘れられない青だったこの世界はすべて幻で出来ているのですよと幻灯屋は言うあなたも僕もあの果てない空も遙かな海も星の銀河も暗がりの道も哀しみも救いも旅人だけが辿り着くという幻灯屋の青い影震えて泣くのは彼なのかわたしなのかdrop31.『青影』drop31.青影

  • drop30.蛍

    【蛍】蛍の飛ぶ夜水辺に佇むと星猫はそっと寄ってくる黒い毛に金色の耳抱き上げ耳たぶや体を撫でると鳴き声を上げる終わりというものは必ずあるものですからねと優しい声で蛍と私たちの瞬く間の時について彼は鳴きながら繰り返す私は夜通し彼を撫でながら儚い光の筋を追うのだったdrop30.『蛍』drop30.蛍

  • drop29.暗夜

    【暗夜】暗夜にだけ聞こえるメロディーがあったおそらく隣室の名も知らない誰かが奏でているのだたまに見かけるあの人は大きな楽器のような荷物を背負っていたそれはひと筋の灯りさえ見えぬ嘆きに舞っているような旋律なのだ夜のハザマに深く沈み交わることのないわたしたちへの旋律なのだdrop29『暗夜』drop29.暗夜

  • drop28.静寂

    【静寂】灯台守の魚に勧められ海宿に身を寄せることにした部屋は静寂の間だという海はすぐそこだというのに波音さえ聞こえない砂浜で戯れる人々もいたはずだが、誰の声も届かず口を閉じ静寂の中に在る音だけを聞くのですよと魚は言っていた過ぎ去る者たちへ呼びかけることはおやめなさいとdrop28『静寂』drop28.静寂

  • drop27.窓

    【窓】星のない夜闇道をしばらく往くとあの窓に出会う窓から漏れる灯りガラスに浮かぶ影影の形は懐かしい人を思い出させた窓も影も幻だと知るのが怖くてせめて夜明けの鳥が鳴くまでと影に影と過ごした日々のことなどを語り続けたそうして決まって何が幻かと夜明けに迷い堕ちてゆくのだdrop27『窓』drop27.窓

  • drop26.水晶片

    【水晶片】詩をひとつ欠片屋に持って行くと引き換えに小さな水晶の欠片をくれるためた欠片を時たま取り出しては光に透かしたり水で洗ったり居なくなった詩の記憶を数えたりする詩は鍵のかかった専用の箱に入れられ店主しか知らない場所に眠っている手元にはいくつかの透明な欠片だけが残るdrop26『水晶片』drop26.水晶片

  • drop25.深淵

    【深淵】束の間霧が晴れて足元が確かになった谷底にいたつもりがどこをどう辿ったのだろう崖の上を歩いていた遙か下に沼なのか湖なのかあるいは川なのか透き通った水が見えた美しい水に吸い寄せられるのは旅人の常なのだと星の番人の言葉を思い出す堕ちてもよいなら手を伸ばしなさいとdrop25『深淵』drop25.深淵

  • drop24.手紙色

    【手紙色】雨の夜ペンを走らせる音に雨音が重なる今夜燃やすための手紙を書く手紙回収屋の小栗鼠から聞いたことがある宛のない手紙が作る炎はとても深味のある色になるのだと明かり取りの蝋燭に紙をかざし炎を見つめる彷徨うことなどやめた言の葉はよく燃え地に溶ける雨音のように深く沁みるdrop24『手紙色』drop24.手紙色

  • drop23.雨宿

    【雨宿】流れる欠片を辿っては幾度となく星の川岸を歩いた雨の降る夜だけに扉を開いてくれるという宿をさがしながら欠片を数え続けた雨足が激しくなり景色は滲む闇は増し欠片も見えなくなる流れることは哀しみなのか喜びなのか感じることさえままならなくなる頃宿の扉はそこにあるというのにdrop23『雨宿』drop23.雨宿

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