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2018/05/05

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  • 石鹸玉

    しゃぼん玉景色も丸く歪みけり 桃香 しゃぼんだまけしきもまるくゆがみけり 肺活量きそいて吹き込むしゃぼん玉 桃香 消え去るを定めと決めて石鹸玉 桃香今月の句会の兼題の一つは「石鹸玉」でした。幼い頃よく遊んだものですが、大人になってからもよく膨らむ石鹸玉の液は、とか石鹸玉の中に入るにはどうしたらいいかとか、いろいろ考えたものです。最近、あまりいい...

  • 余寒

    炊き出しの湯気に余寒の月明り 桃香 たきだしのゆげによかんのつきあかり 夫入院けふも余寒の月見上ぐ 桃香二月の初めに投句したものですが、「俳句ポスト」の並選になっていました。このところ落選が続いていたので、ちょっと句を詠もうかなと気にもなりました。時期がずれているのはいたしかたありません。阪神淡路のときは、炊き出しの経験をせずに済みました。少し歩けば大...

  • 椿

    母逝きて主なき庭の白椿 桃香 ははゆきてぬしなきにわのしろつばき 苔庭の緑濃くする紅椿 桃香 俯せも仰向けもあり落椿 桃香 なんとなく気分が乗らず、家に籠って過ごすことが多い日々でしたが、久しぶりに句会に参加しました。兼題は「椿」と「遍路」我ながら冴えない句だと思いながら出したのですが、案の定あまり得点は入りませんでした。一句目は、やはり母のこ...

  • 河豚

    居酒屋の店裏に干す河豚の鰭 桃香 いざかやのみせうらにほすふぐのひれ 生き死にもその場まかせの河豚の肝 桃香河豚の美味しい時期ですね。てっちりで一杯といきたいものです。鰭酒もいいですね。その鰭酒を作っている様子を句にしてみました。俳句生活の兼題でしたが入選に選ばれていました。類想句ありそうですが・・・故郷の町の近くにも河豚で有名な場所があります。一度行...

  • セーター

    セーターの夫の背温しひたと寄る 桃香 セーターのつまのせぬくしひたとよる 虫食ひのブランドセーター手放せず 桃香寒い日が続いています。被災地の方々は大変でしょうね。俳句ポストの発表があったのでブログアップしておきます。定位置の並選でした。下五の「ひたと寄る」これはどうにかしたいですね。 セーターにもぐり出られぬかもしれぬ 池田澄子右下のコメント...

  • ごまめ

    ごまめにも目口のありて晴れ晴れし 桃香 ごまめにもめくちのありてはればれし 三日過ぎごまめの残る一の重 桃香 塗箸にほどよくからむごまめかな 桃香去年はいろいろと忙しかったものでおせち料理の準備もできませんでした。ということで、今年のおせちは予約して届けてもらった購入品。今年は数の子やいくらなどが安かったのでスーパーで追加しました。一月の句会の...

  • 霜踏んで登校の列渋滞す 桃香 しもふんでとうこうのれつじゅうたいす 霜置きて車輪の重きローカル線 桃香「霜」という兼題で思い浮かんだのは「霜柱」をあちこち踏みつけながら登校する子供たちの姿。これは類想の句としてたくさんあるのでしょうが、「霜」と「霜柱」とは自然現象としては異なるものなのでしょうね。最近は登校時に集団で並んで歩くというのもなくなったのでし...

  • 後の月

    後の月手足つめたし雲白し 桃香 のちのつきてあしつめたしくもしろし ビル街の谷より見上ぐ後の月 桃香後の月とは旧暦九月十三日の夜の月のことです。十三夜ともいいます。十月に入り急に寒くなった頃に詠んだ句ですので、風の冷たさが身に沁みました。月が煌々と白く輝いていたので、思わず「手足つめたし月白し」と詠んでしまったのですが、後の月と月白しが被ってしまいます...

  • 新酒

    杉玉の色も鮮やか新酒酌む 桃香 すぎたまのいろもあざやかしんしゅくむ アメリカの山田錦や新酒利く 桃香「俳句ポスト」の兼題「新酒」が出されたとき、ニュースになっていたのがアメリカにできた「獺祭」の酒造工場のこと。どうにかこれを詠みたいなと思っていましたが、残念ながら時期も「新酒」の本意と違っていてうまく表現できませんでした。ニューヨーク州アーカンソーに...

  • 水澄む

    水澄むや処理水放出30年 桃香 みずすむやしょりすいほうしゅつ30ねん 水澄みて水面に落つる影の濃し 桃香立冬も過ぎ、急に寒くなってきました。札幌では初雪が降ったとか。我が家でも冬支度をしています。こういう時期ですが、「俳句生活」の発表があったのでブログアップしておきます。物がみな澄む秋。水底まで見えるような湖沼や川の美しさを「水澄む」という季語で表すよ...

  • 夜長

    街角のコンビニ明し夜長の灯 桃香 まちかどのコンビニあかしよながのひ すれちがふ老後の話長き夜 桃香そろそろ十月も終わり冬の気配が近づいてきましたね。でも、まだ昼間は暖かく上着なしでも過ごせます。今年の冬は暖冬だということですが、秋の紅葉もここら辺ではまだのようですし、夏から一息に冬に入るような感じで季節感がおかしくなってしまいそうです。夏の暑さで野菜...

  • 露寒

    露寒や顔なき地蔵に涙あと 桃香 つゆさむやかおなきじぞうになみだあと 露寒の朝天空にゆがみなし 桃香 露寒しブラシにからむ髪の筋 桃香「露寒」晩秋の寒々とした露の感じを表す季語です。今月の句会の兼題でした。まだ昼間は暖かいのですが、朝夕はさすがに寒さが身に沁みます。寒々とした様子を表すのにちょっと苦労しましたが、意外にも一句目が選ばれていました...

  • 蜩や午後の微熱の治まらず 桃香 ひぐらしやごごのびねつのおさまらず 手に取りて軽き骸の蜩よ 桃香思い切り季節外れの句ですが、「俳句生活」の発表が今日だったので、一応ブログアップすることにしました。作句は8月でしたが、体調が悪く蜩のカナカナという鳴き声もうるさく感じ、いっそう憂鬱になるという状態でした。ということで、「午後の微熱」はすっと出たのです...

  • 秋の灯

    故郷に核の保存地秋灯 桃香 ふるさとにかくのほぞんちあきともし 秋の灯や十字にくくる古雑誌 桃香 秋灯やクラス写真はセピア色 桃香久しぶりの句会でした。休んでいる間、コロナの影響もあって参加者は少なかったようです。今回は七名。兼題は「秋の灯」と「桔梗」「桔梗」は類想になりがちですが、「秋の灯」の方は色々な句が出てきました。わたしは、最近気に...

  • 河童忌

    河童忌や眠剤たよる夜の月 桃香 かっぱきやみんざいたよるよるのつき 河童忌や藪の中なる通せんぼ 桃香「河童忌」芥川龍之介の忌日ですが、7月の「俳句生活」の兼題でした。発表は昨日。龍之介といえば「河童」はじめいろいろな作品が思い浮かびますが、「藪の中」とその自死を取り上げてみました。龍之介の自死は、睡眠剤によるものとされていますが、わたしも眠れないときは...

  • 雷の予報サイレン置くクラブ 桃香 かみなりのよほうサイレンおくクラブ 海鳥もざわめく瀬戸の日雷 桃香六月の「俳句ポスト」の兼題は「雷」でした。雷といえばすぐ思い出すのはゴルフのラウンド中の雷。これは怖いですね。避難小屋があるのでそこまで走ればいいのですが、小屋や茶店から離れた場所だと困ります。バンカーの中に入って身をかがめるといいとかいろいろ言われてい...

  • ビール

    フレンチも変わらず夫の「まずビール」 桃香 フレンチもかわらずつまの「まずビール」 缶ビールぷしゅっと開けて発車ベル 桃香本当にビールの美味しい季節になりましたね。なんといっても夏場は生ビールに限ります。と言っても写真は家飲みのスーパードライですが。急いで写真を撮ったので泡だらけになってしまいました。このビールは「俳句生活」の兼題なのですが、一句目が佳...

  • 蜘蛛

    女郎蜘蛛情け無用の相となり 桃香 じょろうぐもなさけむようのそうとなり 蜘蛛の類はあまり好きではありません。今回はジョロウグモが餌を狙うときの様子を詠んでみました。「相」としましたが「貌(かお)」の方がよかったですね。この句も俳句ポストの兼題です。並選に選ばれたのは実は別の句です。 蜘蛛の巣を払ひて見入る創刊号 桃香 創刊号が頭に浮かんだのは、実...

  • 母送る日は夕虹の立ちてほし 桃香 ははおくるひはゆうにじのたちてほし 虹の脚ビルの谷間にゆらめきぬ 桃香 虹消えて悔悟ばかりが押し寄せる 桃香しばらく母のところへ帰っていました。日に日にやせ衰えていく母を見るのはつらいのですが、本人は「なるようにしかならん」と言っています。もうじき百歳の誕生日。それを励みに生きてきたようです。「虹」は句会の兼題...

  • 栗の花

    ゆううつな午後匂いひ濃し栗の花 桃香 ゆううつなごごにおいこしくりのはな 自転車の登る坂道栗の花 桃香また時期外れの句ですが、「俳句生活」六月の兼題です。栗の花の花の形も面白いですが、気になるのはその匂い。好きな人も嫌いな人もいるでしょうが、わたしはどうも好きにはなれません。ということで、憂鬱な今の気分と栗の花を重ねてみました。自転車の句は子供の頃の思...

  • 麦の秋

    戦ひに荒れたる耕地麦の秋 桃香 たたかいにあれたるこうちむぎのあき 麦秋や砂利道今は舗装路に 桃香「麦の秋」という兼題で思い出されるのは、ウクライナと小津安二郎。ウクライナは小麦の生産で世界でも有数の輸出国ですが、この間の戦争で穀物の生産も輸出もままならず、世界に影響を与えているようです。多分、ウクライナの句は多いんじゃないかとは思いましたが、敢えて投...

  • 夏暖簾

    夏暖簾贔屓役者の紋所 桃香 なつのれんひいきやくしゃのもんどころ 夏暖簾肩より入る小料理屋 桃香 風通る厨を隠す夏暖簾 桃香六月の句会の季題は「十薬」と「夏暖簾」でした。句会には参加できなかったのですが、行かなくてよかったと思います。季語の「夏暖簾」ですが、夏の間に使う暖簾のことで、麻や薄手の木綿で作られた涼しげなものが多いとあります。...

  • 十薬

    どくだみの我が物顔や排水溝 桃香 どくだみのわがものがおやはいすいこう 雨後の庭十薬の香の匂い立つ 桃香日本全国梅雨入りとなりました。この季節、花菖蒲や薔薇も見事に咲き誇っていますが、我が家の周辺で目立つのは十薬の白い花。庭ならいいのですが、側溝の中に繁茂しています。大雨が予想されるのにいいのかなとも思うのですが、周辺のいたるところの側溝に十薬が咲き乱...

  • 朝の陽に身をふるはせて蝶生まる 桃香 あさのひにみをふるわせてちょううまる 楽し気な蝶の行き先尋ねたし 桃香またしても季節外れの句ですが、最近あまり句作をする余裕がないので、「俳句生活」の投稿句を載せておきます。今日が発表でしたがまたしても「佳作」わたしとしては二句目が好きなのですが、俳句的には一句目なのでしょうね。四月投稿ということで、蝶はモンシロチ...

  • 梅雨入

    琵琶の実のほどよく熟れる雨上がり 桃香 びわのみのほどよくうれるあめあがり ころもがへ箪笥しみじみ風通す 桃香今年の梅雨入りは早かったですね。台風と豪雨とともに来たという感じで、豪雨が上がった後は本当にほっとしました。前回のアップからかなり間が空いてしまったので、無理やり愚作を・・・題は梅雨入なのですが、季語は琵琶と更衣です。...

  • 新樹

    少年の背丈伸びゆく新樹かな 桃香 しょうねんのせたけのびゆくしんじゅかな 星々のつぶやき聞こゆ夜の新樹 桃香5月ですね。木々の緑も濃くなり、さわやかな風が吹き渡ります。なぜかこの季節になると「少年」の健やかに伸びていく姿が思い浮かんできます。「少年」に魅力を感じるのは、わたしがおばさんだからかもしれませんが、若い人の躍動感や可能性は羨ましいも...

  • 春雨

    春雨やビニルで届く夕刊紙 桃香 はるさめやビニルでとどくゆうかんし くせつ毛の波うつままに春の雨 桃香またしても時期外れの句で申し訳ありません。なかなか句作ができなくて、投句した句を載せています。「俳句生活」の発表が昨日ありましたが、二句目が佳作でした。わたしとしては、一句目がいいと思っていたのですが、「何がどうした」句になってしまっているからでしょう...

  • 柏餅

    味噌餡の母の作りし柏餅 桃香 みそあんのははのつくりしかしわもち 柏餅香りなつかし三つ食ぶ 桃香五月に入り新緑の候というのに、連休というのに、いい気候だというのに・・・どこにも出かけず、句作もしていません。やはり吟行というのは大切なのですね。そういえばブログを始めた当初は、向日葵や藤棚などを撮るためにせっせと出かけていたものです。このところの腰痛などで...

  • 花冷

    花冷のかたまりてある部屋のすみ 桃香 はなびえのかたまりてあるへやのすみ 花冷や姿見に映ゆ小振袖 桃香初夏の気配が漂うこの時期、またしても季節外れの句で申し訳ありません。「俳句ポスト」の兼題「花冷」の発表が今日だったもので。またしても並選。このごろは定位置になってしまいました。桜の咲くころ急に冷え込むことがありますが、今年も暖かい日が続いたものの、寒さ...

  • 春暁

    春暁や母をおもひて目覚めけり 桃香 しゅんぎょうやははをおもいてめざめけり 春暁の故郷の空に月残る 桃香句会のお題は「麗か」とこの「春暁」でした。どうしても故郷の母のことから離れられません。当然のことながら、票は入りませんでした。「父や母」「故郷」などは類想句に典型的な言葉だと、どなたかが言われていましたね。 春暁のもつとも遠き音を恋ふ 能村...

  • 椿

    椿落つ母のか細き息づかひ 桃香 つばきおつははのかぼそきいきづかい 白椿達者であれと母の言ふ 桃香またしても季節外れの俳句で申し訳ありません。「俳句生活」の発表が遅かったもので。今年に入ってから母の状態がよくなく何度か見舞いに行きましたが、食欲もなく...

  • 麗か

    うららかや午後のベンチを独り占め 桃香 うららかやごごのベンチをひとりじめ うららかや凪の瀬戸行くローカル線 桃香 うららかやお国訛りの駅ホーム 桃香初夏ともいえる気候の昨今ですが、句会の兼題が「麗か」でしたので、あえて三句を詠んでみました。漢字で「麗か」とかなで「うららか」とどちらにしようかと迷いましたが、ひらかなの方がのんびりしたイメージが...

  • 鳥雲に入る

    鳥雲に入りて深まる湖の碧 桃香 とりくもにいりてふかまるうみのあお 夢うつつ移ろう母よ鳥雲に 桃香「鳥雲に入る」というのは、春、北に帰る渡り鳥が雲間に消えていくようにみえる様を表している季語です。雲の彼方に消えていくようすから、消えゆくものの哀れさを表すこともあります。わたしとしては、二句目の母を詠んだ句が、現実と空想の世界を行き来している母の様子を表...

  • 春雷

    春雷にはつと顔上ぐ窓の雨 桃香 しゅんらいにはっとかおあぐまどのあめ 春雷や子の駆け回るドライブイン 桃香句会のもう一つの兼題は「春雷」でした。春の雷は、夏と違ってあまり激しくなく二三回で終わってしまうことが多いようですが、雷の音にはっと気が付いて外を見る様子、雷の音にはしゃぎまわる子供たちの様子を詠んでみました。あまり納得のいく句ではありません。 ...

  • ミモザ

    ミモザ咲きデニムで歩く女性デー 桃香 ミモザさきデニムであるくじょせいデー 百までも生きよと母にミモザの黄 桃香今月の句会の兼題は「ミモザの花」でした。以前も詠んだことがあるので、なかなか新しい発想が浮かびません。3月8日が「国際女性デー」で「ミモザの日」とも呼ばれています。あの黄色が若々しく先進的な感じがし、まさしく女性の日にぴったりという感じですね...

  • 春待つ

    春を待つ戦火逃るる無辜の民 桃香 はるをまつせんかのがるるむこのたみ yomiuri online より ひらがなの机の名前春を待つ 桃香「春を待つ」と聞いてすぐに思い浮かんだのは、ウクライナの人々のこと。決して戦うことから逃げているわけではありません...

  • 春の海

    水鳥の波間に揺らぐ春の海 桃香 みずどりのなみまにゆらぐはるのうみ きらめきは癒やしとなりて春の海 桃香このところ暖かい日が続きますね。天気のよさと暖かさにつられて浜辺まで歩いてきました。一眼レフを持ち歩くのも久しぶりです。浜辺に続く川沿いの道を歩くのも久しぶりですが、交番の脇に菜の花が咲いていたり、桜の蕾も少し膨らみかけていたり、春だなぁと思わせる景...

  • 寒卵

    労咳の父だけありし寒卵 桃香 ろうがいのちちだけありしかんたまご 寒卵透けて生命の秘密見ゆ 桃香物価の優等生、卵の値段が高騰していますね。ものみな値上がりのこの時期、卵だけはと思っていましたが、どうやら鳥インフルエンザの影響が大きいようです。いつ値下がりするのでしょうね。我が家の朝食はパン食なので、炊き立てのご飯に卵をかけてという醍醐味は味わえませんが...

  • 春時雨

    浮世絵の細き縦線春時雨 桃香 うきよえのほそきたてせんはるしぐれ 五六羽の雀軒借る春時雨 桃香句会のもう一つの兼題は「春時雨」でした。「時雨」とどう違うのかはっきりしないままに頭に浮かんだのが、浮世絵にある雨の表情。雨を線で表すというのは浮世絵が特徴的だというので、そのままを詠んでしまいました。有名なのは広重の「大はしあたけの夕立」ですが、これは時雨の...

  • 雪解

    雪解けて喧騒の街表れる 桃香 ゆきとけてけんそうのまちあらわれる 雪解に小さき足跡ふみ残る 桃香 雪解けて草の緑も深まりぬ 桃香大寒波とやらで、こちらにも雪が降りました。といっても、夜中に降って明け方にうっすらと積もり、昼過ぎには溶けてしまう雪です。今回の句会の兼題の一つが「雪解」雪解け水がごうごうと音を立てて流れたりするような光景にはお目にか...

  • 十二月

    電飾明し節電の十二月 桃香 でんしょくあかしせつでんのじゅうにがつ 十二月急ぎ足なる風の街 桃香最近、新しい句もあまり詠んでいないので、また時期外れの句となります。「俳句生活」の発表が昨日あったので載せておきます。一句目は佳作でした。いつもは大抵五七五の定型で作るのですが、今回はちょっと破調で詠んでみました。節電が強く言われるこの時期、街は電飾でいっぱ...

  • 春浅し

    公園のベンチ誰待つ春浅し 桃香 こうえんのベンチだれまつはるあさし 春浅し母の記憶もとぎれがち 桃香立春も過ぎたというのに、いっこうに春に向かう気持ちになれません。母の調子が悪く気になっています。母と話しても昔のことはよく覚えているのに、昨日のことは忘れているといった状態になっています。幸い身辺のことはできるので、そこだけはありがたいのですが。と...

  • 落葉

    落葉ふる過去へ過去へと急かされて 桃香 おちばふるかこへかこへとせかされて 側溝に落葉の匂ふ雨上がり 桃香最強の寒波が来ているというのに、「落葉」など時期外れの句ですみません。例によって「俳句ポスト」の発表があったのでブログアップしました。わたしとしては、写真のイメージで二句目が主だったのですが、一句目の方が並選となっていました。確かに側溝の落葉が匂っ...

  • 一月場所

    呼出の一月場所の声朗々 桃香 よびだしのいちがつばしょのこえろうろう 風運ぶ一月場所のふれ太鼓 桃香一月の句会の兼題は「凍蝶」「一月場所」でした。「初場所」は以前の句会で詠んだことがあるのですが、「一月場所」は文字数が多いだけどこに入れるかで苦労しました。字余りですが上五にもってくるのがよさそうですね。二句ともどこかで見たようなつまらない句になりました...

  • 凍蝶

    夕日差し凍蝶の翅震へたり 桃香 ゆうひざしいてちょうのはねふるえたり 石の上凍蝶終の息を吐く 桃香 凍蝶の飛び立つと見えすぐ落ちぬ 桃香今日、1月17日は、阪神淡路大震災の起きた日です。もう28年も経つのですね。あの日の早朝、目を覚ましていたわたしは、下から突き上げるような音と揺れにガス爆発が起きたのかと思いました。しばらくするとゆらゆらと家が...

  • 冬凪

    冬凪や出航準備の朝の波止 桃香 ふゆなぎやしゅっこうじゅんびのあさのはと 冬凪の浜に残れる風の跡 桃香「冬凪」とはいつもは荒れることの多い冬の海が、風もなく穏やかに凪ぎわたっている様子をいいます。少し頑張って浜まで散歩すると、穏やかな海辺の空を鳶が一羽舞っているというような景色に出会うことがありますが、これなど「冬凪」という情景なのでしょうね。今回は、...

  • 三日

    庭先にいつもの日差し三日かな 桃香 にわさきにいつものひざしみっかかな 三日はや残骸となり節料理 桃香明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。年頭の挨拶をしていないことに気が付いたのが、今日。お正月も三日目です。今年もどこにも出かけずTVを見たり、音楽を聴いたりして過ごしました。「三日」ということで俳句を詠まなくちゃと思っ...

  • 立冬

    立冬や十字にくくる古紙の束 桃香 りっとうやじゅうじにくくるこしのたば 立冬の庭師の使う大鋏 桃香冬至の次に立冬の句なんておかしな話ですが、「俳句ポスト」の投句発表が今日だったので、こんなことになってしまいました。実作は10月下旬。立冬の前ですが、なにかしら歳末をイメージしてしまって、思い切り冬の句になってしまいました。一句目は「俳句ポスト」の並選でした...

  • 冬至

    夫の割る冬至南瓜の音激し 桃香 つまのわるとうじかぼちゃのおとはげし 遊ぶ子のみな影長し冬至かな 桃香一年で一番昼の短い「冬至」今年は穏やかな一日となりました。これから少しずつ日が長くなり春に向かうのでしょうね。冬至の日は例年何もしませんが、今年は南瓜でも炊いてみようと大きな南瓜を買ってきました。いつもそうですが、南瓜を切るのは至難の業。今回も夫に頼ん...

  • 年忘れ

    年忘れ病も癒すイタリアン 桃香 としわすれやまいもいやすイタリアン 久しぶりと声かけあつて年忘れ 桃香 忘れたきことも多くて年忘れ 桃香「年忘れ」って忘年会のことです。この二年間、忘年会をするところもあまりなかったようですが、今年はどうなのでしょう。多人数の忘年会は増えていないようですが、そろそろ解禁というところも多いのではないでしょうか。我が...

  • 草の花

    平原に地雷のありて草の花 桃香 へいげんにじらいのありてくさのはな 草の花ラテン文字なる名を持ちて 桃香また時期外れの句です。季語「草の花」は秋の名も知れぬ野草を表し、撫子や桔梗なども含まれている。秋の風情の漂う可憐な花々。それをどう詠もうか考えた挙句に出てきたのが、なぜか戦場に咲く秋の花。時、まさにウクライナの戦いの真っ最中。頭の中にそれがあったので...

  • 花八手

    ひそと咲く日陰の路地の花八手 桃香 ひそとさくひかげのろじのはなやつで 花八手建て替え前の公民館 桃香 診療費ばかりが増えて十二月 桃香八手の花が見たいと思っていましたが、なかなか近所になく探していました。ある時ふと気が付くと句会が行われる公民館の裏手に白い花のかたまりがあるのに気が付きました。陽のあまり射さない建物の裏側です。それ以来、八手の...

  • 鰯雲

    鰯雲暴風明けの空やさし 桃香 いわしぐもぼうふうあけのそらやさし 鰯雲追ひて故郷の海辺まで 桃香 心にも重さのありて鰯雲 桃香つい昨日まで「小春日和」ともいうべき暖かい日が続いていたのですが、今日は一転、冷たい雨が降り始めました。明日からは気温も低くなる予想。本格的な冬到来ですね。またしても「俳句ポスト」発表の都合で季節外れの句となりました。今...

  • 山茶花

    山茶花に寄ればはらりと散る夕べ 桃香 さざんかによればはらりとちるゆうべ 山茶花の花を散らしてかくれんぼ 桃香 山茶花や愚痴の一つも言ってみる 桃香11月の句会のもう一つのお題は「山茶花」でした。今年は11月に入っても暖かい日が多く、家の周りの山茶花はまだ蕾の状態。しかも山茶花は何度か詠んでいる季語でしたので、ひねりだすのにかなり苦労しました。で...

  • 神の旅

    「縁結び空港」経由神の旅 桃香 「えんむすびくうこう」けいゆかみのたび ウキよりお借りしました ジェット機とすれ違ひけり神の旅 桃香 雲一片招きて神の旅支度 桃香旧暦十月は、全国の神々が出雲大社に参集するということで、これを神の旅と見立てて、この神々は翌年の男女の縁組をすると言われている。ということで、今月の句会のお題...

  • 子規忌

    書を閉じて吾も端くれ獺祭忌 桃香 しょをとじてわれもはしくれだっさいき ウキよりお借りしています 柿を剥く夫の親指子規忌かな 桃香「皆既月食」がブログ等を賑やかにしているというのに、9月19日の「子規忌」で、申し訳ありません。「俳句生活」の発表が今日だったもので、こんなことになりま...

  • 初冬

    初冬や黒皮手帳に傷多し 桃香 はつふゆやくろかわてちょうにきずおおし 初冬の背丈ゆつくり縮みをり 桃香 今日11月7日は「立冬」なので一句と思い「立冬」で詠んだのですが、投句してしまったので載せられません。そこで急遽の「初冬」です。 手帳は、もっと暮れも押し迫ってからの方がいいかとも思いましたが、そろそろ来年の準備ということで新しい手帳を買いましたので...

  • 芒野に馬のいななきロケ佳境 桃香 すすきのにうまのいななきロケかきょう 芒原隠されてゆく母の背な 桃香芒の穂が一斉に風になびいている様子、夕日を浴びて穂が輝いている様子など、芒と言えばいろいろな景が思い浮かびますね。わたしが最近目にした芒は、大河ドラマの冒頭シーンにも使われた芒原です。それを思い出しての一句目となりました。「芒」は、「俳句ポスト」の兼題...

  • 桜紅葉

    川沿ひて桜紅葉の海に出づ 桃香 かわそいてさくらもみじのうみにいず 穴空きの桜紅葉の栞かな 桃香 色付きの早さとりどり桜紅葉 桃香 今回の句会の兼題は「桜紅葉」でした。まだこちらは紅葉のシーズンには早いのですが、桜はもはや色付き始めています。川沿いに桜並木のある公園に行ってみました。川上から海の方まで桜の続く公園。色付いているのはまだ少しですが...

  • 夜寒

    夜寒の灯足音ひびくシャッター街 桃香 よさむのひあしおとひびくシャッターがい うたたねの夫に夜寒の夜具をかけ 桃香 古き書の折り目伸ばして夜寒かな 桃香 今日は冷たい雨が降っています。天気予報によると、明日あたりから冷え込むとのこと。そこで「夜寒」で数句詠んでみましたが、疑問点がいくつかあります。 一句目は、三段切れですよね。二句目の「夜具」は...

  • 螽斯

    キリギリス怠惰な暮らしにも飽きて 桃香 キリギリスたいだなくらしにもあきて 夕暮れて声細くなるきりぎりす 桃香 毎日、怠惰な暮らしをしています。「俳句生活」の兼題「螽斯」で思い浮かんだのは「アリとキリギリス」ですが、キリギリスの享楽的な生き方とは少し違いますが、怠け者のところは今の生活にぴったりです。ということで、だれでも思いつくような一句目となりまし...

  • 秋澄む

    秋澄みて通勤列車の音高し 桃香 あきすみてつうきんれっしゃのおとたかし 久々の朝の散歩や秋澄めり 桃香ここ二三日は本当に秋らしいいい天気でしたね。気温は高いものの空気は澄んで「秋高し」「秋澄む」がぴったりするような感じでした。最近は外に出歩くことがあまりないのですが、姉から「散歩しなさいよ」という電話もかかって、久々の朝の散歩となりました。十月に入った...

  • 原爆忌

    原爆忌赤く塗られた世界地図 桃香 げんばくきあかくぬられたせかいちず 秒針の音速くなる原爆忌 桃香またまた大幅に時期外れの句ですが、「俳句ポスト」発表が今週なので載せることにしました。と、いうよりは最近俳句がなかなか詠めていないのです。原爆忌というと、折鶴や、焼けた三輪車、語り部さんなどが浮かんできますが、原爆の怖さは決して過去のものではありません。最...

  • 吾亦紅

    ほつほつと穂先の紅し吾亦紅 桃香 ほつほつとほさきのあかしわれもこう 吾亦紅野に咲く花の省略形 桃香 吾亦紅背伸びして見る世のならひ 桃香九月の句会の季題は、「吾亦紅」でした。秋の野草の中では一番好きな花なので、どう詠もうかと思案しましたが、考えれば考えるほど別の方向に向かっていったようで、二句目と三句目は選んでもらえませんでした。中にあの花の...

  • 炎天

    炎天や干からびている魚の骨 桃香 えんてんやひからびているうおのほね 炎天に街路樹の影濃くなりて 桃香朝夕の風も涼しくなり、やっと秋の訪れを感じさせるこのごろです。今頃「炎天」と感じられる方もいらっしゃると思いますが、7月の「俳句生活」の発表が昨日だったので仕方ありません。でも、今日・明日あたりはかなり暑い日となりそうですね。「秋暑し」でしょうか。一句...

  • 待宵

    待宵の月のしづくか通り雨 桃香 まつよいのつきのしずくかとおりあめ 待宵や奥ゆかしくも少し欠け 桃香今日は中秋の名月。しかも満月なのだそうです。朝は涼しい風が吹き、いかにも秋の到来を感じさせる今夜。果たして月は出てくれるのでしょうか。昨夜は、残念ながら月は見えませんでした。今日の満月は見えるのでしょうか。満月の一日前、待宵の月を詠んでみました。 待...

  • 病室の窓に流るる秋の雲 桃香 びょうしつのまどにながるるあきのくも 看護師の脈探る手や秋の朝 桃香 手術衣を着て一人待つ秋の部屋 桃香胆石胆嚢炎の手術で五日間入院していました。昨今の医療状況でなかなか入院できず、診てもらっていた大学病院でも断られ、その医師の知り合いの病院にやっと入院することができました。勿論、事前にPCRの検査があり、陽性だと入...

  • 夏の海

    無人駅出でて故郷の夏の海 桃香 むじんえきいでてこきょうのなつのうみ 少年の焼けた素肌や夏の海 桃香こどもの頃、夏休みにはよく海水浴に行ったものです。電車で一駅のところの海水浴場。その海水浴場のある駅も最近帰郷したら無人駅になっていました。ちょっと感慨深いものがありましたね。7月の「俳句ポスト」の兼題は「夏の海」その故郷の夏の海を詠んだのですが、無人駅...

  • 初秋

    初秋の空の気配や雲流る 桃香 はつあきのそらのけはいやくもながる 初秋の風のかすかに頬にあり 桃香台風が過ぎ去ったと思うとすぐに暑さがぶり返し、クーラーなしでは過ごせません。それでも、空を見上げるとうっすらと刷くような雲、朝夕の風にも涼しさが感じられます。ということで、句会の夏休みの宿題「初秋」を二句詠みました。本来なら、今日8月15日は「終戦記念日」...

  • 紫陽花

    宇宙にも生命のありて濃紫陽花 桃香 うちゅうにもいのちのありてこあじさい 染まらぬは白紫陽花のプライドか 桃香六月の「俳句生活」の兼題は「紫陽花」でした。ちょうど「はやぶさ2」が帰還したとあって、宇宙の謎が解き明かされるかもしれないという期待があったころです。「はやぶさ2」が持ち帰った小石に含まれていたアミノ酸と水。宇宙にも生命体がいるのではないかとい...

  • 立秋

    立秋や地下街ぬけてビルの街 桃香 りっしゅうやちかがいぬけてビルのまち 秋立つやまた一病を背負ひけり 桃香「立秋」と言われてもピンと来ない暑さです。今年は梅雨明けの後で雨が降り続いたり、晴れたかと思うと豪雨だったり、なかなか定まらない天候です。これから暑さも本番なのでしょうか。先日、久しぶりに大阪へいきました。地下鉄を降りると迷路のような地下街。やっと...

  • 蝸牛

    かたつむり今日は休みて明日歩め 桃香 かたつむりきょうはやすみてあすあゆめ かたつむり殻に隠した身の不運 桃香最近は、我ながらつまらない句が多いですね。昨年か一昨年かにブログに書いた蝸牛の句から一歩も抜け出していません。おかげで一句目は「俳句ポスト」の類想句(選外)に選ばれてしまいました。「薔薇」の句もそうでしたね。蝸牛の歩みというのは、やはり類想を呼...

  • 水中花

    水中花ひとり咲く夜はなほ淋し 桃香 すいちゅうかひとりさくよはなおさびし 縁日のランプに透ける水中花 桃香水中花、懐かしいですね。昔は本棚の上などに飾ってあったものですが、今はどこに行けば手に入るのでしょうか。夜店で売られていた水中花も思い出深いものです。実は、この「水中花」と「金亀虫」が句会の兼題だったのですが、「金亀虫」の一句目が先生の特選。「水中...

  • 金亀虫

    金亀虫ぶつかる寝屋の壁の染み 桃香 こがねむしぶつかるねやのかべのしみ 死んだ振りに騙されてみる金亀虫 桃香 灯をめがけ跳ぶ勇気欲し金亀虫 桃香最近は、部屋の中に黄金虫が跳び込んでくるという光景にはお目にかかりませんが、昔はよく部屋の明かりをめがけて黄金虫が入り込んできたものです。その光景を思い出しての一句目です。壁の染みも懐かしい・・・金亀虫...

  • 一筋の水のたわむれ滝静か 桃香 ひとすじのみずのたわむれたきしずか 静寂は一瞬の夢夜の滝 桃香「滝」という兼題を見たとき思ったのは、その雄大さと動きと優美さ。初めは「滝落ちてうねりとどろきほとばしる」というような句を考えたのですが、夜の滝には一瞬の静寂があるんじゃないかと二句目を作りました。滝の静寂って季語の本意から外れているようですが、その一瞬の静け...

  • 薔薇

    薔薇のとげ暗き嫉妬の血を流す 桃香 ばらのとげくらきしっとのちをながす ハバネラや口に咥えた薔薇一輪 桃香最近体調が悪いせいか、俳句にも集中できていません。まぁ、これぐらいでいいやと提出したり、投句したりすることが多くなってきました。薔薇の句は昨年も詠んでいて、新しい発想が出てこなかったこともあって、見事に「俳句ポスト」の類想句(選外)となっていました...

  • 風薫る

    薫風や地球一転逆上がり 桃香 くんぷうやちきゅういってんさかあがり 土手道を駆ける自転車風薫る 桃香 少年の本読むベンチ風薫る 桃香今回の句会の兼題は「風薫る(薫風)」でした。二句目三句目は、風薫る情景を思い描いてできた句ですが、類想の範囲を出ていませんね。一句目、ふと思いついてできた句です。わたしは逆上がりはうまくできませんが、上手に回れたら...

  • 朧の灯かしこで終える長手紙 桃香 おぼろのひかしこでおえるながてがみ 朧めく鏡に映す我が裸身 桃香「朧」は春の季語です。またまた季節外れの句で申し訳ありません。春は空気中の水蒸気が多いので、周りの景色や像がぼんやりと見えることがあります。昼間ですと霞、夜は朧となります。この「朧」という季語、天文を表す季語なので、ただはっきりしないとかぼんやりしていると...

  • さくらんぼ

    箱詰めの手間もうれしやさくらんぼ 桃香 はこづめのてまもうれしやさくらんぼ 二個づつの幸せ一つさくらんぼ 桃香関東は梅雨入りしたというのに、こちらはまだです。来週あたりになるのでしょう。店先のさくらんぼが目を惹く季節になりましたね。箱詰めのさくらんぼ。贈答用なのでしょうが一度食べてみたいと思っていました。そんな話をしていた数日後、連れ合いがデパートから...

  • 草笛

    草笛を教える祖父の頬やさし 桃香 くさぶえをおしえるそふのほおやさし 草笛を吹きて足取り軽くなり 桃香 草笛というと春のイメージですが、れっきとした初夏の季語です。幼い頃、不器用なわたしは、どうしても草笛を吹くことができず悔しい思いをしたものです。姉は上手に吹けるのに、なかなか音がでません。多分、カラスノエンドウの実の端をちぎって笛にした記憶が...

  • 暖か

    修繕の済みし遊具の暖かし 桃香 しゅうぜんのすみしゆうぐのあたたかし 暖かや箒の先に残り雨 桃香 「暖か」は春の季語ですが、選の発表の都合でいつも時期外れになってしまいます。近くの公園にあるブランコと鉄棒。しばらく工事中の紐が張られていましたが、それも取れて子供たちの遊ぶ姿が見られるようになりました。水色だったブランコも赤く塗られて、なんだか新鮮な感じ...

  • 若葉

    蔦若葉そよぐ小さき美術館 桃香 つたわかばそよぐちいさきびじゅつかん 街路樹のみどり色増す若葉雨 桃香 若葉の緑が美しい季節となりました。今月の季題「若葉」。以前にも詠んだことがあるのであまり新しい発見はありません。近くにある美術館のお隣に蔦の葉の茂った古家があり、その蔦若葉がとても印象的だったので一句詠んでみました。「蔦若葉高き出窓に蔓伸びて 桃香」...

  • 春日傘

    頬に射す街路樹の影春日傘 桃香 ほおにさすがいろじゅのかげはるひがさ 二人連れ想いも透ける春日傘 桃香 またしても季節外れで申し訳ありません。「俳句生活」の発表が時期外れなのでこんなことになってしまいます。このところの夏を思わせる日差しで日傘をさしている女性も多く見かけるようになりました。「春日傘」としないで「日傘」でもよさそうですね。 わたしと...

  • 立夏

    夏立つやむかし冷コー今アイス 桃香 なつたつやむかしレイコーいまアイス 少年に白シャツ映えて夏に入る 桃香 5月5日は「立夏」でした。この3連休は夏めいた日が続きましたが、「夏に入る」と言われてもおかしくない天候です。ただ、夏の蒸し暑さはなく風のそよぎが気持ちいい日々です。というところで、川柳めいた句を一句。多分関西の人しか分からないと思うのですが、昔...

  • 百千鳥

    百逢ひて百の別れや百千鳥 桃香 ひゃくあいてひゃくのわかれやももちどり 百千鳥森早々と目覚めけり 桃香 百千鳥というのは、春になって様々な鳥たちが競うように鳴くことをいうのだそうです。あまり鳥の名前も知らないのですが、鳥の鳴き声を聞き比べたり、写真に撮ったりするのも面白いのでしょうね。百千鳥ならぬ一羽の小鳥の写真ですが、これはなんという鳥でしょうか。一...

  • 夏近し

    時告げる音も違ひて夏近し 桃香 ときつげるおともちがいてなつちかし 山道の匂い濃くなり夏近し 桃香今日も暑い一日となりそうです。若葉の色が濃くなり、いろいろな花が咲き乱れ、いい季節になりました。5月に入るとすぐに「立夏」ですので、春を惜しむ意味で「夏近し」を選びました。傍題の「夏隣」の方が俳句らしいのですが、平明さを最近心がけているので「夏近し」としま...

  • さくら

    満開のさくら朝日をひとりじめ 桃香 まんかいのさくらあさひをひとりじめ 華やぎの盛りにありてさくら散る 桃香今朝、病院からの帰り道、川沿いの桜並木を通りました。空は桜で覆いつくされ、そこに朝日が射して美しい光景でしたが、なにせ逆光、撮れた写真は残念ながら・・・です。二句目は戦時中の若者の姿にも思え、載せたくはなかったのですが、あまり思いつくものがなく、...

  • 猫の子

    猫の子の去りて冷たき膝の上 桃香 ねこのこのさりてつめたきひざのうえ 日溜まりの温もり求め仔猫だく 桃香 犬派か猫派かと問われれば、どっちかというと犬のほうですが、実は両方とも飼ったことはありません。昔、祖母の家にジョンという犬がいたのですが、散歩に連れて行っても引っ張られるだけで、あまり心の通い合いはありませんでしたね。ということで、兼題「猫の子」も...

  • 雛祭

    古雛のほつれ毛ゆかし雛祭 桃香 ふるひなのほつれげゆかしひなまつり テーブルを退けて和室の雛祭 桃香いまさらながらの「雛祭」ですが、「俳句ポスト」の発表がこの時期なのですみません。一句目は見事な季重なりですが、「雛祭」という季語を使わなければいけないのかと思いこんな句になってしまいました。二句目は並選に選ばれていました。わたしも二句目の方が面白いと思っ...

  • ものの芽

    ものの芽に大地むくりと立ち上がり 桃香 もののめにだいちむくりとたちあがり ものの芽やゆるく時告ぐ古時計 桃香 久しぶりに散歩していると、ハコベやホトケノザ、イヌフグリなどにお目にかかります。春だなぁと思わせるこれらの草々。今回の兼題は「ものの芽」でした。いい季語ですね。まだ外をあまり歩き回っていませんが、春の訪れとともに体調もよくなってくれればなぁと...

  • 福寿草

    二人ゐて重ねし月日福寿草 桃香 ふたりいてかさねしつきひふくじゅそう 福寿草母とは会えぬコロナの夜 桃香またしても季節外れの句で申し訳ありません。「俳句生活」の発表が月末なので、こんなふうになってしまうのです。一句目は佳作に選ばれていました。お正月の花とされる福寿草。二人で過ごした日々が思い出されます。二句目はコロナでなかなか会えない故郷の母のことを詠...

  • 山眠る

    教室に薪ストーブ爆ぜ山眠る 桃香 きょうしつにまきすとーぶはぜやまねむる 山眠り星降る夜のブラームス 桃香俳人の稲畑汀子さんが逝去されました。高浜虚子の孫にあたる方で長年「ホトトギス」を主宰されてきました。お住まいが芦屋ということで息子さんともども芦屋や六甲山を詠んだ句も多いですね。その六甲山にある小学校。冬が来ると火を起こし薪ストーブに火入れを行いま...

  • 春寒

    春寒や店主ひとりの喫茶店 桃香 はるさむやてんしゅひとりのきっさてん 一人ゐの友の封書や春寒し 桃香 立春も過ぎたというのに、まだまだ寒さが続きます。でも、この寒さ、春の訪れを期待させる寒さですね。ちょっと体調が悪く、今日の句会に参加できません。そこで句会の兼題「春寒」で二句。俳句の方も絶不調で、多分選ばれることのない句だと思います。 春寒のうどんに...

  • 猪狩の獲物転がる店のすみ 桃香 ししがりのえものころがるみせのすみ 猪鍋をつつき一杯狩の夜 桃香 昔、友達数人と牡丹鍋を食べに行こうと、丹波篠山まで泊りがけで行ったことがあります。なかなか雰囲気のあるいい町で、古道具屋さんへ行ったり、スケートをしたりと楽しい時を過ごしました。その町中で見かけた精肉店。なんと猪が転がっているではありませんか。おそらく猟師...

  • 水仙

    水仙や陰ある方へ向かふ意思 桃香 すせんやかげあるほうへむかういし 水仙を活け床の間の薄明り 桃香水仙も他の花と同様、光の方、明るい方へと向かって咲くのでしょうが、なぜか暗闇の中の一輪が似合う花のような感じがします。野水仙の咲き乱れた場所に行ったことがないせいかもしれません。淡路島にそういうところがあると聞き行ってみたいと思っています。ということで、わ...

  • 大寒

    大寒や木々の蕾も閉じ籠り 桃香 だいかんやきぎのつぼみもとじこもり 大寒の厳しき朝日のぼりけり 桃香 今日20日は「大寒」本当に寒い一日でした。 今日の句会で出された席題(句会で出されてすぐに作句するもの)は「大寒」でした。 5分ほど考えて二句を提出。最初にできたのが「厳しき朝日」の句。「木々の蕾」の方は苦し紛れの句です。 「木々の蕾」の方は一点入りまし...

  • 初場所

    初場所や湯気たちのぼる力士の背 桃香 はつばしょやゆげたちのぼるりきしのせ 初場所や横綱強き投げをうち 桃香初場所のただなか、御嶽海、阿炎が強いですね。横綱照富士も落ち着いた相撲をとっています。相撲ファンというわけではないのですが、今回いただいた兼題が「初場所」昔のように客席に和服の姿はあまりありませんが、それでも初場所らしい華やぎが感じられます。わた...

  • 冬の海

    冬の海夕日雲間に重く照り 桃香 ふゆのうみゆうひくもまにおもくてり ローカル線窓辺に迫る冬の海 桃香 三が日も過ぎ、お正月の挨拶も遅くなってしまいました。本年度もよろしくお願いいたします。先月里帰りした時の情景を詠んでみました。一句目は「俳句生活」の佳作でした。なかなかいい句が作れません。 日を呑んだあとの一刻冬の海 川辺幸一右下の...

  • 小春

    小春日や畳に伸びる椅子の脚 桃香 こはるびやたたみにのびるいすのあし 小春日に伸びする猫の細き喉 桃香歳も押し迫ったというのに、相変わらずの時節外れの句です。「小春」の句は何度もブログに載せたと思うのですが、この二句とも句会に提出したものです。票が多かったのは猫の句。上の句は景が描きにくかったようです。でも、「俳句ポスト」の並選に選んでもらえました。も...

  • 鶏頭

    鶏頭の朱と交わらむ夕日差 桃香 けいとうのしゅとまじわらんゆうひざし 裏木戸に鶏頭の影ゆらめけり 桃香鶏頭の句といえば、子規の「鶏頭の十四五本もありぬべし」がすぐに浮かんできますが、この句の本歌取りの句って多いですね。さて一句目ですが、夕日に照らされた鶏頭の花が燃えるように赤かったのを、朱という色で表現しました。二句目の影ですが、鶏頭の花の重さを影の重...

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