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2018/01/31

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  • 過去へむかう鳥

    鳥がないた別れの知らせ巣からはばたく過去へむかってかれが知らないはずのわたしたちには見ることができないはずのひらく扉がない方向へ鳴き声と羽ばたきもきこえない方…

  • 風がはこぶ古いかおり

    語らなかった子どもたちのうえに降る花のような焔木の棒になった自立を望んだ子どもたちだれも語らなかった背をかじるあかい海老まるいテーブルでまわる皿フォークで刺さ…

  • きみを何と呼ぼう

    きみを何と呼ぼうなまえのないきみをきみを何と表そう色も形もないきみをきみをどのように抱きしめようわからないきみを存在しているのかわたしに触れることなしにあたた…

  • 空をくだくきみの指

    きみの親指がこの星の経線をはしっていくながれるのは血と涙かなしみとよろこひ33分の叫び悦びの そしてさみしさのわたしは投げられる心地よい肌のうえ裂かれた肉体の…

  • きみは何をかたるのか

    さあ 言うがいいきみを槍で刺し笑う男に呟くがいいきみの血がながれるのを喜びおどった男に死の扉のむこうどこまでも落ちていく闇について一言語るがいいおおくの耳がき…

  • あなたが人であるなら

    あなたが人であるならわたしは人でないかれは口を閉じた人から発するものを吐き出したすべてからになるまで言葉のぞみ糞尿涙そして血乾いた葦になり数分からからと燃えた…

  • 春のよあけの前

    灰色の空気色なくくすんだかせそこを歩くどこへ向かうのか背がななめのきみは 何も言わなかった灰と水を踏むわたしは何も知らなかった何も知ろうとしなかった今朝もきみ…

  • ちいさな者へ

    目が覚めるときみは河の向こうからこちらを見ているすべてが破壊されまだ煤が熱をもっている時を目覚めるには早すぎると眠り あるいは生がはじまる前のかなしみの笛が鳴…

  • 生きる

    振り返るそのことを理解するまず自分の左足首を落とす一週間後、左手首一ヶ月後、左目一年後、左耳をそぎ落とす十年後、記憶と意識を漆喰の壁に埋める私の価値はまだある…

  • 欠けたパーツ

    朝のオムレツにナイフを入れる六回一回は蛇のため二回はパーティ好きな女のため三回は愚かな男のため残りの三回はすべての人類のためテーブルはアフリカの地図あるいは上…

  • メリークリスマス

    トマト三個と命ひとつスーパーに並んでいる歴史は影を忘れるひとは罪を忘れる籠に首二個足首四個言葉をひとつ清算が終わると死者を忘れる食べるのでいっぱい俯いて恥ずか…

  • あのひと

    あのひとはあなたに触れようとした動かなくなった手でくちづけしようとしたあなたの血色の痰を吸いだそうとはげしく払いのけたあなたは手に手形の傷をもっている頬を歯形…

  • 語ってほしい、ユーリー(ユーリーのはなし②)

    朝 わたしのとなりはびっしょり濡れているベッドからのびるのは青い歴史の時間ユーリーはイルカのように星を叩き飛んでいったあたたかい水のながれるふるさとへあおい筋…

  • ユーリーのふるさと

    ユーリーの包帯の上下は汗ばんでいた白く、青く、ピンクにユーリーのふるさと南太平洋の砂浜のように青いシーツはひかり、反射しているユーリーの過去の恋誰も握らない指…

  • 天に向かってうたう

    きみの肉体はやぶれた皮膚ともらい骨のびきったロープのような管でできている小包み紐のような四肢とかわいた内臓には化石のような蛇がかわいて絡みついているあるき始め…

  • 背に背負うもの

    まだ星が眠っている歴史のなかを光を背負う背いたみを背負う背涙を背負う背時を背負う背死をひらいたままの口を音のない言葉をさらさら砕ける音を永遠につづく叫びをその…

  • あの手や足

    どこに置いてきたのかあの右足つぶれた居酒屋裁判所の控え室汗くさいベッド行き先を知らずとびだした少年のポケット右脚はどこを歩いているかどこに忘れてきたのか痩せた…

  • 欠けている星

    いつもひとつ欠けている地いつもひとつだがかさねる手の隙のように窓のない家のように未来のない眼のようにそこを 顔を隠して走りぬける存在には形が欠けている時に気配…

  • はるかなる隣人

    わたしたちは黒い砂漠を越えて遠い知らないひとから盗むとなりの仲間から盗む名誉や勲章そして欲望のはなれないもの歓喜のセックス銀行口座の触れないペニスとどこまで続…

  • 時をつなぐ風

    あおい芽からしたたる時の雫遺跡になりゆく都市死につつ産みつづけるねじれのびる指そのまま石になる苔はきみの肌をおおう時の湿りをたくわえるのぼりつつあるのかくだり…

  • 時の海のさざなみ

    立ちあがった時螺旋階段の背骨のために視線がずれた緯度はからみあい時は戸惑い位置は苛立ちりんごは斜めに落下したジェットコースターのはやさでショーウィンドウをはし…

  • 地と波がささやく日

    夜 地がざわついている乳をさがす赤子の指 羽をもがれた蝉の声海岸線をねじる舌とソーセージ記憶と骨が沈んでいく分解する脂肪と流氷わたしたちの夢ではほそい弦がなり…

  • いない鳥の羽音

    しとぴとぽとと水のしたたり星をおおい揺らす地のこまかい鼓動骨のふるえる記憶数千年の時の振動何も聞こえない死のあかるさと日差しのするどさ鳥の影のように不鮮明な言…

  • まっすぐ立っているのは

    そいつはまっすぐ立っている生きているのか死んでいるのか凍える孤独をひりひりあつい批判に打たれながらまっすぐ立っているそいつの大地は斜めになっている挨拶するとき…

  • 見えないもの

    湿った地から垂直にのぼっていく砂の都市から根を伸ばすように潜っていく地下水と溶岩のあいだを掘りすすむきみは見たことがあるか裸足であゆみ影のなかによこたわった祖…

  • ひとりになりつつ

    海を渡る四つ 昼にひとつ 夜にその度に真実をうすめていくからだは透きとおり風が通りぬける孤独はそのようにしてつくられる昼に色をうしない夜に磨かれ海にみだれる夜…

  • 夢を散歩する

    光子でできているきみの自転車を追いかける裸足のわたし太陽系に組みたてたメリーゴーランドまで散歩すると言ったきみはそこにはいないわたしの全身を星型のあおい時間が…

  • 風が鳴らす笛

    頭に穴がある聞くためではない考えるためではない夏は蝉がみじかい命をかくす嘴が記憶をくだく炎が時を灰にする生まれたのはきみの花嫁死んだのはきみの恋人飛びたったの…

  • きみのなかを歩く

    あれは霧雨のように星の粉末のように海底に沈んだあれは言葉のように乾いた熱風のように成層圏の隙間からこぼれた金色のきみの呼気今日の夜空に散っていく堆積しつづける…

  • 濡れつづける夜

    夜閉じた扉から漏れてくる埃そして青い滲み廃墟からはじまるわたしたちの過去あかいかなしみしろい絶望濡れつづける記憶そこにきみは生きているきみの呼吸がまだ聞こえる…

  • わたしのために

    わたしのために一行の言葉でないおもいを一分のくだけた空の時雨を一本のだれも歩かない道をそこにわたしは立ち崩れおち踏まれ道になるのだからわたしは楡の樹山鳩の卵か…

  • 凍えた瞳の列

    国境血と嘆きで書かれた言葉とともに国はうまれる国境にそって川がながれる花とスパゲティと棺桶を川沿いにならべるわたしの宇宙ラムの骨始皇帝の家臣ファラオの乾杯いく…

  • 鳥と赤子

    かなしさはガラスで屈折しむなしさは真っ白い塩にくしみはめらめらと炎と一緒に向こうがわへ揺れのぼる黒蛇は首を落とすまえに悔いあらためた赤子は黒蛇に溶かされたきみ…

  • 密航者のふみだすところ

    はっきり見えない始まりへ鼻先をむけて過去の端切れを裾にはためかせめくれる下着をなおす腹がたわむとたくしあげ体温にそって羽毛のようになびかせる生きているのでコー…

  • 新しく、そして最後の朝

    その朝愛するひとの死がどこにでもあることをシーツに感じるどこまでも沈むあたたかさにきみの死も朝のレモンティーのかおり死という生花をかこむテーブルですいこむ香り…

  • あたらしく生まれるのは

    生まれたのは泡の岩礁シャンプーのような青いサボテンワイングラスの少女豚の陶器やあふれている臓器からからガラスが風に鳴るあれは捨てた童話の頁から吹いてくる冬の風…

  • きみの空のいのち

    走りはじめた時代のかたむきでひとの魂は氷っている切り傷のふかさの歎きしずけさのかたさの視線氷の星が回転するのにあわせて青い肉体がくだける垂直に立っているのはひ…

  • きみのあしあと

    時間がきえわたしの眼は命そのものをみるきみや祖先の魂がカラフルな蕾からあふれたり種子になるわずかの時間歩むことができないひとがひとでなくなるあるいはひとがひと…

  • 輪になるもの

    まるくなった口を舐める星座図から正しい球体を集める純白の破れそうにやわらかい星を口にふくみころがしきみをつくる一日だけの宇宙そして充実夜に歯ぎしりする破れ水浸…

  • 背負う

    きみは背負う遠くで低くつづく嗚咽それに続く静寂その生まれて去っていく一瞬の重さ突然止まるトラックの荷台のようにまがりかどからさきは音のない青い風が吹いている思…

  • まだ明るさのなか

    「明るさは滅びの姿であろうか、人も家も、暗いうちはまだ滅亡せぬ。」                   太宰治『 右大臣実朝』笑ってはいけない   夜明け前に…

  • 目覚め

    ある朝わたしはすべてを失ったあるいは すべてを見つけたわたしの息のなかにかれははるか昔に死んだ明け方 彼は口笛を吹いてわたしに語り続けた世界のあたたかい日差し…

  • 永遠のキスの記憶

    キスキスキスきみのいのちが消え去る前にキスキスキス軍隊がこの街に来る前にキスキスキス二度と会えないのだからキスキスキスこれから生きていく喜びを記憶してガス室の…

  • 数秒のひかり

    川をわたるとき足を洗う列をたもちいろいろな記憶を流す列ごとに旗を掲げているすべての旗はいくつもの色にびっしょり濡れている首をたれ滑り落ちないように登っていく回…

  • 眼、そして風

    眼が埋まっている天をみあげ大地の泥に海の底にまばたきはしないかれらのとなりで一対の眼は閉じている砂になりつつあるからだで風がかれらの上を過ぎるからだが砕けまい…

  • かるく、かるく、痩せて生きる

    たたく先祖のはかをたたく愛するきみの子をつくるところをたたく天から投げられた影の芯をたたく  かなしみのまんなかをたたく  殺意のまわりの青を今朝わたしは夢の…

  • 天からの果実をひろう

    部屋は漆黒扉のそとも世界のスタート あるいはきみのあたらしいいのちスーパーのシーツにかたちをつくっている地図をちぎりしめるとその陰を野獣がはしりクリームソーダ…

  • 本の隙間をすりぬけていくもの

    戦国時代死者と生きているものがすれちがう靖国通り白山通りいつかの記憶があるいている磁石がまわっている神は風の方向を保たないカレー屋と中華蕎麦屋が点々と東京に穴…

  • 夜を過ごす、いろいろな

    かなしいだろう みんな同じさおんなじ夜をすごしてる吉田拓郎は二十代で歌ったわたしは還暦を超えてだれもが違う夜を過ごすことをふかくあじあうレーンコートの女も短パ…

  • 眠りつずける、星は濡れて

    きみの指は太平洋をふかくなぞりつずけるふくらはぎは赤道を巻きとっているコーヒーカップに水葬の音まだ眠りつずけよ地はびっしょり濡れている青い瞳のように砂漠に降る…

  • ちいさなたからが死んだ

    今日 ちいさなたからが死んだ家族親族近所のひとなにもできずに泣くわたしたちにできるのは悪いひとと一緒に生きていかないこと金に賤しいひとと食事をしないことそして…

  • 無い耳にひびく風

    目覚めると左の耳がない昨夜虫の声を聞いたのは右の耳だったのか耳殻が無い時間のトンネルのような穴頭にながい歴史の叫び悲鳴笑い詩が真っ赤なペンネから絞りだされるよ…

  • 魚にもどるこいびと

    朝目覚めるときみは鍋のなかにいるきみのいのちが鍋にひろがっているわたしたちは何を食べようか魚のお汁に青菜をすこしハンバーグやステーキのあいだにわたしたちは飲む…

  • TomoPoetry、林檎をかじったあとに

    誰のもの空は?きみは返事を待たずにまっすぐに上っていった天にぶらさがったまま影を西から東へゆらす忘れものがあるように朝やけの空にきみが揺らいでいる身体はほそく…

  • いない娘からの手紙

    娘わたしにはいないいないはずの娘が手紙を書いている封筒の宛名は何度も書いては消し消しては書いて灰色の果実になっている腐敗するまえのあまいかおりがする娘は封筒に…

  • きみに残すものは

    きみと酒を飲んだ私が好きなジャズをききながらきみのことをたくさん訊きわすれた仕事食えているかきみが愛している彼女夜中天を見上げないか二十代のわたしは毎晩のよう…

  • あおく透きとおった瞼

    目の色は変わる時の色に合わせて記憶の痛みによって雨は黒河面をながれる風は白ことばがきれぎれに落ち水の色になるきみはそのことばの外辺で額をつくる命のためのすでに…

  • かれかけた紫陽花に雨が降る

    生まれて最初の傷が額にある一歳半歩きはじめ触れる世界はわたしのもののように地球の体温やよろこびかなしみも感じた時となりの邦のパッションフルーツを食べたおじさん…

  • 時間のながれより数歩さきで

    骨を引きだしてどこに立てておこうか決断できない地は波打ち記憶の重さに沿ってながれつつある肉や欲や言葉はあきらめて泡になりきみの望みやかなしみを発酵させている表…

  • 宇宙を満たしているのは

    赤児が三人の眼の下で葡萄の茎で殺されたひとつの人種が柵のなかに追われ腹を裂かれ殺された星のように夢でかれらの眼を見るきみの夢には出てこないのたずねるその子は眠…

  • オムレツを切りわける

    朝食のオムレツ数千年横たわってきたように隠している生まれを名前を性別を錆びた武器を前回ナイフを入れたのは誰だったか記録は残してあるか卵を割ったのは僧侶フライパ…

  • 掛ける

    朝鞄掛けから三世紀前の鞄をとるなかには崩れた文字とかすかな干し肉夜の風帽子をとる頭の上にもっていくと紫の花と白い粉末ときに名札があるいろいろな文字をたどると肉…

  • かなしいのか、ちがうかはきみが語ってくれないか

    いくつもいくつも重ねたビートの色のように寝たシーツの子午線のようなほそくかくした歴史のようにコロンブスのペニスの皺走りまわる蜜のような時間そこからわたしは彼女…

  • ありがとう、いくつもの朝(motherたちへ)

    あの朝祖父はキャベツのような心臓をあなたに差しだした青い空のしたで戦闘機が飛び交っている朝その心臓はもっともすばらしい 三日後祖母は死者を埋葬したことを確かめ…

  • 海に根づくひと

    いつからこの姿勢で立っているのだろう出発に遅れた鳥のように藍色の劇場の天井を見あげる台詞を思いだすことを捨てた役者のように陽射しのなか錆びている作曲家の像のよ…

  • 消えかけた記憶の出発

    角を曲がる影にはいるアルバムを閉じる黒い壁に囲まれたそのなかにガラスの部屋一瞬の記憶笑う目日焼けした手そこであなたは産まれた毎晩見る白い壁赤い箒星を従えて踊る…

  • 空の隙を輝かせ

    空を裂く空の向こう側を覗くそのために飛ぶのは鳥ではない声ではない時ではない剣ではない空が割れる鋭い音ではない空はすでに裂けている鳥は隙間を輝かせるために飛ぶ世…

  • 春の夜に紛れこむ

    春の夜はひとでもない獣でも鳥でもない言葉のためにうけいれる懐をもっている乳首はない臍もないジッパーはついていない鍵もないそもそも底があるのか確かめたことはない…

  • かなしみのひとかけら

    五百年磨かれたナイフがスペインのハムをうすくスライスする嵐で裂けた帆のように切ること割くこと千切ること存在証明書を破るように危険なことだ裁断した過去はクリーム…

  • あなたが去りゆくとき

    あなたが去りゆく時わたしは飲んだくれていたあなたともにぶら下げた野菜も底で潰れた希望も冷凍した絶望もどろどろになっている多分あなたの希望と絶望は誰かが拾いあつ…

  • 鳥が目覚めるとき

    鳥が目覚めるとき世界はいつも燃えている あるいは燃えた黒い炭 あるいは 灰色のフイルム純白の死骸馬が砕く装甲車がこなごなにするそのあとをひとびとは托鉢用の器を…

  • 空から降ってくる

    空から降ってきた炎が炭が砕けた万華鏡がマシンガンを積んだミニカー葬儀の手配書貸衣装のチラシゴミ処理の案内わたしの記憶は砕いて海へ名前はジグソーパズルにして幼稚…

  • どこかで待っているあなた

    どこまで歩いたかあなたはわたしは片足で立っている次に足裏を付けるのはどの地図装甲車が曲がったギリシャの次の時代の地図 あるいは鉄条網の文字を掘り込む砂漠の岩掘…

  • 空に欠けている、何かが

    朝 眼が覚めるとあなたはあおく透明な皮膚透きとおった肉体蒸発しつづける記憶それぞれを掴もうともがきシーツの上で溺れている既に星の中心の丸い硝子ボールのなかに浮…

  • 空のさらに上を渡るもの

    あなたが倒れた時あなたを棺に横たえた時棺がなく湿った泥炭地にあなたを横たえた時空を飛ぶものはなく雲も太陽もなかった一枚の回転扉鏡に写っているラインダンス青い血…

  • もう生き返りたくない、生きすぎた長く

    もう生き返りたくない生きすぎた長く深く母の声父の声とおい祖先の声わたしの頭で反響するわたしの頭の世界の母の声父の声とおい祖先の声顔は声よりも本物だ直接確認すれ…

  • まだ待ってみるか、しばらく

    もう何年待っただろう朝のフレンチトースト数着のスーツ棺を釘打ち骨を集めマッチを擦って思い出すかれは何を楽しみにあの地下室で生きていたのかかのじょは何を望みつつ…

  • 河は濡れたまま

    都は濡れたままいくつもの色ついた時代と黒く焼けこがれた歴史を幾層にも重ねていく時にクリームをはさみ地層のようにパステルを塗りかさねるように最後に漆喰をコテで塗…

  • 世界のほつれ目をぬって

    コカコーラと寿司そしてチップスの間を通ってレゲエのリズムで忘れていた葬儀にむかう地下鉄への階段をおりバビロンの塔によじ登り地下水道を這って宇治羊羹を目の前に首…

  • かなしい朝がつづく世界で

    半世紀前朝のかなしみという題の詩を読んだエジプトで死んだローマ人シベリアの収容所を生きた女優性器を切られた娘のようにびっしょり濡れた星ベランダと風呂場部屋のな…

  • 春木立を過ぎ去るのは

    閉め切っていた戸棚から古い地図を出すそろそろ童顔の宣教師や 少女の最後の写真百年に一度のピクニック肉体が重さと形を失う空間へ散歩に行ってもいいころだ夜があけた…

  • 半分欠けた空

    目を覚ました時から空は半分欠けている静かな夜には昼の生命がなく明るい昼には夜の死者の思い出がない果実は半分腐敗してわたしたちの脳は半分沸騰し気化した青にはホワ…

  • もういいかい、もういいよ

    もういいかい缶を月を蹴るように杏をひと回りさせる打楽器が鳴るたかい音で三回まだ生まれていないまだ歩いていないまだ倒れていない缶がくるくる巡っている一日人生を墨…

  • 生まれ、海へ惹かれるいのち

    枝を落とされた樹の列まっすぐの道から二歩横にずれる光のない野に立つ空が割れるのを待ちながらあなたは一本の青い灯になり記憶の底の光を探し歩く歩く以外に目的はない…

  • きみの星とわたしの流れ星

    銀杏そして桜 一瞬の銀よろこびの笑みかなしみの雫死に貫かれる悲鳴死を閉じこめる音テレビはすでにアナウンサーの笑顔布の下で死者はもうひとつの星へ消えるここはきみ…

  • 飛びたつ肉体と落下する意志

    すわたしの空を飛ぶ望みと難しさと考えているとわたしの空は低い雲で覆われ頭も白く雲ってきたわたしの空を見上げながら精神は肉体から解放されたがり肉体は時間から解放…

  • 見えない世界と見える世界

    意識が戻ってくる 遠くの砂漠から過去のどこかの秘密の場所から戻ってくる胸のポケットに黄色の砂ジーンズの尻ポケットに線香と白い花弁さらさらの白い粉火星の風   …

  • からだにあらた春の風

    風が吹く身体のうちを吹く暖かく冷たさを桜といっしょに押しながら手を開いて口から吐き出してきみは歩く春がきみから出てくる冬の死といっしょに地上に沁みる血といっし…

  • 生きていること、海鼠のように。

    振り返るわたしに背があり過去があり残してきたものがあることを理解する夢喜び希望地下道の水音光と闇の別れブルーゼリーと桜桃のガラスの器割れる あるいは銀河に浮い…

  • さくらいろの記憶

    あちらこちら白と水玉とピンクの川ゆらりゆらり流れているのか沈むのか光は水底に溜まりわたしの頭にも吹雪のようにちりぢりの記憶が黒く白く赤く句読点だらけに残ってい…

  • きみは生きるだろう、春風のように

    あなたは生きる十年あるいは二十年   あるいは三日か三時間マネキンの群れのなか焼け落ちた映画館の記憶海が溢れるベッド靴音響く下水道回転しつづける銀河の底割れた…

  • 世界のなかのわたしとわたしのなかの世界

    世界が生まれる正確にはわたしは脊髄で知る わたしを抱く手のひら羽の形の眠り土筆のいのちわたしという痛みクリームなしのシュークリームの甘さ雲と海の泡からコスモス…

  • ゆらゆら夢が浮く空

    一日の最初の言葉は溜息に浮かんでいる聞くことはできないそして足音あおい窓ガラスのなかで秘密に行われた髭剃りくるくる回ったトゥシューズメロンの種すくい骨壷にしま…

  • 時がすべりゆく

    挽肉を丸めながら月を薄く伸ばしている手のしたをすべりゆく銀河系星雲と海星カナダの黄金の波乾いた皮膚の獣まだあたたかい青い肉体すべてがすべり落ちる螺旋状の時のす…

  • はるの地にいのる

    黒い土に横たわる春天は銀流れるのは純白の鳥青いトゥシューズが地表ではねる背の下ではプラスチックの球からやわらかいアオマダラの羽徐々にほそい指のようになにかを抱…

  • 春のかなしみ

    春が空に鋏を入れる細くほそく子午線にそって中世の旅人の足跡の速度でかがやく刃をやさしく滑らしていく万華鏡の黴数世紀息をこらしていた下着青い石のボタン満月を埋め…

  • きみだけの朝

    朝きみは眼を覚ます氷のブルー人生の青いどこまでも蒼い言葉吹くと音がするフールフールブルーブルーフルフィルフリーフランスのパンケーキふらふらしている半世紀軍隊は…

  • 生きている、甘く辛く

    風は香りをはこぶ甘く  そして辛く戦場のラムレーズン映画館のアザラシ肉頰をすべすべに蜂蜜入りクリーム指先になめらかに地球儀の氷が透きとおり国境に木乃伊がならび…

  • 春 ゆらめきながら歩む

    右手人差し指が人生のセレナーデを辿っているあるいは 指揮でまとめている地表に経線と傾いた日の歩みの跡日比谷の水際フィリピンの排水路の湿り消えていく足跡を踏みし…

  • 春の雨にぬれて

    あなたはいつも罪人のようにびっしょり濡れている眼は水平線の色銀のかがやきとほそい墨海でできているあなたのうなじからお尻は時にうねるあなたに降りつづく春の雨キッ…

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