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  • 夢言二 あの子との証

    夢言二あの子との証夢位・参【外見の説明】灰色のガラケーで背面にはプリクラが貼ってある。然しこのプリクラの顔の部分は剥げており写っている人物が誰かを特定する事は不可能である。また一時期流行った狐の尻尾のようなキーホルダーが一つつけられている。画面やキーボード部分は使い古されており手垢も確認出来る。画面には落としたような傷があり時々ちらつく事もある。携帯の中身やバッテリーなどは普遍的で某大手携帯会社の名前も刻まれており、また同じ型のものが過去に製造されていた事も確認済みである。【特性、特徴の説明】ランダムに転移する事が確認されているが、学生の関わる学校やファミレス、ゲームセンターなどに頻繫に出現する。現れる時間帯や移動するタイミングは完全にランダムであり、また置かれる場所も法則性はない。出現して二時間は無音だがそれ...夢言二あの子との証

  • 夢言一 カゲ

    夢言一カゲ夢位・壱【外見の説明】黒い靄のような球体で浮遊しており、大きさはサッカーボールと同等。然しそれ以上の個体も確認されており、保護は完了していない。普段は何もなく、光から逃げるように薄暗い場所へと逃げるが、夜になると球体を覆ってしまう程の眼球が一つ現れ、活発化する。但し光を避ける習性は変わっておらず、街灯や看板の灯りに誘導するとすぐさま退避する。【特性、特徴の説明】夜になり活発化すると主に一人で歩いている人間を追い始める。必ず一メートルの距離を取り、人間が灯りの下に入った場合は影のある方へと移動する。然し追う行為はやめない。開始十分程度は静かで気づかれる事はないが、それ以上になるとランダムで声を発する。声は男性の低い「キミ」に似たものもあれば、子供の笑い声に似たもの、若い女性の囁き声に似たものなど、種類や...夢言一カゲ

  • 特殊警護隊

    ※ここから先は夢言保護収容団体に入る事を希望した、位・壱の者だけが閲覧可能となる。アクセス時にデータを参照されるため、位・壱未満の者は閲覧する事が出来なくなる。【特殊警護隊】夢言を鎮圧出来る部隊の事であり、極秘の技術を有している。夢言にしか通用しない物質を応用した銃弾、縄、捕獲機などを所持しており、団体職員であればいつでも要請出来る。警護隊隊員の素性は全て非公開であり、天であってもその実態は分かっていない。また保険は全て適用外となっており、隊員が殉職しても弔う事は禁止されている。特殊警護隊が控えている施設は職員の殆どに公開されておらず、極秘である団体よりも更に隠されている組織である。そのため一部職員は疑心暗鬼に囚われやすく、それを発見した者は直ちに他の職員に報告し、位・夢のとある個体による能力で記憶を処理する必...特殊警護隊

  • 位 夢位

    ※ここから先は夢言保護収容団体に入る事を希望した、位・壱の者だけが閲覧可能となる。アクセス時にデータを参照されるため、位・壱未満の者は閲覧する事が出来なくなる。【位】位は職員に対するものであり、壱~級(キュウ)までがあり、それ以上それ以外は【位・天】【位・夢】【位・零】が存在する。位・壱保護収容団体に最初の試験を合格された者の位。夢言に直接対峙する事は殆どなく、主に間接的な事務仕事や管理業務を行う。位・弐弐以降は仕事の成果によって変化する。一番夢位の低い夢言と間接的に対峙する事ができ、また調査も条件付きではあるが可能になる。位・参~七それぞれの夢位と直接対峙する事ができ、殆どの業務が受けられるようになるが、同時に位があがるにつれて団体内部の保険が適応されなくなる。位・八~級調査先での保護収容の指示管理を行う。こ...位夢位

  • 保護収容団体

    ※ここから先は夢言保護収容団体に入る事を希望した、位・壱の者だけが閲覧可能となる。アクセス時にデータを参照されるため、位・壱未満の者は閲覧する事が出来なくなる。【保護収容団体】夢言を保護、収容、そして研究を行う極秘の団体であり、日本の京都府 市の山奥に本部がある。全国に様々な形で支部が存在しているが、これらの情報は位・壱の者には閲覧出来ないように設定されているため、内部検索を行う事は不可能である。職員は試験に合格次第戸籍を消され、表社会では死者として扱われる。また整形を義務付けられており、位・壱になった時点で職員はこの国から消える事となる。資金は政治家である 氏から主に援助してもらっているが、他著名人からも極秘に資金を頂き、それを基盤に運営を続けている。国家の加担、認知、黙秘などに関...保護収容団体

  • 夢言(ムゲン)

    ※ここから先は夢言保護収容団体に入る事を希望した、位・壱の者だけが閲覧可能となる。アクセス時にデータを参照されるため、位・壱未満の者は閲覧する事が出来なくなる。【夢言】現代日本に蔓延る様々な未確認生物、物体、現象の総称であり、一部【妖怪】と重なる部分もある。名前がつけられる前はこの妖怪として扱われる事もあり、一部夢言のなかには自身を妖怪だと信じて止まず、団体職員に対して主張し続け挙句加害に至るケースもある。夢言は古来から存在したとされ、公開されていない書物にも今現在まで生き残っていると思われる個体と似た個体が記録として記されており、なかには大災害を引き起こした原因、もしくは大勢を救った神の御慈悲として描かれている夢言もおり、古くからその性質、特徴を発揮していたと分かる。夢言(ムゲン)

  • 絵の上達

    イラストを本気でやり始めてから約三ヶ月程経ちました。自分でも分かる程に急成長を遂げています。10月5日、漫画の模写に飽きて久しぶりにオリジナルに挑戦したみたものです。本当に初心者という訳ではなく、ちょくちょく描いてはいました。それでも本格的にする事はなく、殆ど初心者と言っても過言ではないぐらいに苦手な部分、出来ていない部分が多かったです。・両目がきちんと描けない・耳が適当・身体が描けない・手が描けない・立体感がない・全体的にかたい・髪がかたい・雑始めた当初は長い道のりになると思っていたぐらいに苦手な部分が多く、描ける範囲はかなり狭い状態でした。ですが10月12日、描けないと思っていたポーズが描けてしまいました。理由は単純、資料をきちんと用意した事、雑にとらえるのではなくきちんと捉えてしっかりと落とし込む事を意識...絵の上達

  • 人物

    白銀隼斗(しろがねはやと)17歳(2020年)3月生まれ近畿地方の田舎に生まれ落ちる。以降健康に成長していったが、小学校にあがる前後、母親に「どうして学校に行く必要があるの」と訊いた事がある(らしい)。そして度々休む事もあり、一度だけ行ったふりをしてマンション内を彷徨っていた事がある。結果として自ら家に帰宅したが、当時の母親曰く警察を呼ぶ一歩手前だったらしい。それ以降はそういう行為をやめたが、一回だけ登校中に泣きだしてしまい、近くにいた女性と共に家に帰宅した事もある。学校内でも少し目立った事はしていた。給食は毎回食べるのが遅く、また無理をしてしまう性格なため一度だけ吐いた事もある。そして人前で何かをする事が大の苦手であり、度々泣いてしまう事、震えてしまう事もあった。宿題の一部(主に算数プリント)をわざとやらずに...人物

  • 愚痴愚痴

    愚痴です。元かのの一人に遂に「あのアマ」発言されて心のなかの自分がにっこり状態です。その人中性なんですよ。同じセクマイの人間なんですよ。シスよりもまだ理解のある立場にいる人なんですよ。然も付き合ってた時は何かあれば「彼は男性です」って言ってくれてました。僕の女性性に無駄に踏み込む事もしなかった。なのにね、もう僕を思っていないからなんでしょうか。勝手に自分のなかでボコしてもいい扱いにして「あのアマ」ですよ。別れたあとに暴れられたんですよね。勿論僕にも非はあったけど、それを凌駕するくらいの事をあの人はやってきたんですよ。発達障害持ってるので頭おかしいとか嗤われるの好きじゃないんですよ。なのに「頭大丈夫かw」って言われましてね。あとは「気持ち悪い」「付き合ったのはただの恥」「最初から好かない部分があった」「カッコつけ...愚痴愚痴

  • アディソン・スコット(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりアディソン・スコットホワイト家お抱えの外科医。男勝りでハッキリとした性格で、患者には優しいが同僚には酷く冷たい。然し揺らぎのない忠誠心を持っており、国家の為に動く事も多々ある。口調は基本的に丁寧語だが、意外と口が悪い時がある。一人称は「私」。呼び方は人による。戦闘も出来る医者、というわけではない。然し名医と呼ばれる程の実力を持っており、今現在は九条辰美の担当医でもある。以下、キャラメーカーによるイメージ画像アディソン・スコット(臆病戦記)

  • 春風(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】より春風(本名不明)元勇者御一行の援護枠に所属していたくノ一。少し寡黙だが意外と明るい性格。戦いにおいても私生活においても余裕があり、影のサポート役に適している。口調は一般的。一人称は「私」。呼び方は人による。メイン武器は双剣。鎖鎌もよく使う。忍術よりも多彩な武器による攻撃が得意。以下、キャラメーカーによるイメージ画像春風(臆病戦記)

  • サリヴァン(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりサリヴァン(本名不明)元勇者御一行メンバーの黒魔道士。芯のある飾らない性格で、多くの女性ファンを獲得している。何事にも冷静で揺らがない為、元メンバーからも尊敬されている。口調は所謂お嬢様口調。一人称は「私」。呼び方は人による。メイン武器は杖に宿った魔術。攻撃魔法だけでなく回復魔法や援護魔法も扱える為、魔法使いではトップクラス。魔術の影響により見た目は二十代のまま。以下、キャラメーカーによるイメージ画像サリヴァン(臆病戦記)

  • 佐藤紋次郎(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】より佐藤紋次郎(ラサーワ名ユーゴ・ライト)定年退職した元勇者、九条辰美の先代、師匠に当たる。優しく紳士的な性格だが、レオナルドに引けを取らない程に陽気な一面もある。但し残虐性を持つ転生者である為、戦いにおいては誰よりも無慈悲。口調は文学的で丁寧。一人称は「私」。男性には君付けだが、女性には「○○嬢」という呼び方をする。メイン武器は大剣。ラサーワ王国での最強は今現在彼しかいない。以下、キャラメーカーによるイメージ画像佐藤紋次郎(臆病戦記)

  • レオナルド・ホワイト(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりレオナルド・ホワイトイーサン・ホワイトの父親かつ元勇者御一行のメンバー。快活とした元気な性格で、一癖も二癖もある。然し意外としっかりしており、現当主の風格も見せてくれる。口調は一般的。一人称は「俺」。あだ名をつけたり呼び捨てだったり様々。メイン武器は大型の和弓。その実力は今現在、狩人職のなかではトップクラスと言われている。以下、キャラメーカーによるイメージ画像レオナルド・ホワイト(臆病戦記)

  • アイザック・グレイ(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりアイザック・グレイ危険人物αとの戦闘中に現れた、侍職名家、グレイ家の末っ子。飄々とした狐のような性格で、女と酒が大好きな風来坊。然し根っこは酷く落ち着いており、歳に合わぬ落ち着いた一面も持つ。口調は間延びしているが、ある時から変わっていく。一人称は「ボク」。男女関係なく親しければ「君」付けで呼ぶ。メイン武器は打刀もしくは太刀。その実力は師匠クラスを凌駕する程で、立ち回りも殆ど完璧。但し時々自由。以下、キャラメーカーによるイメージ画像アイザック・グレイ(臆病戦記)

  • エマ・スチュアート(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりエマ・スチュアート九条辰美が助けた元メイドのくノ一。年相応な性格だが、所々掴み所がなく戦闘においては誰よりも冷酷非道で容赦がない。負けを知らない為、どこか冷めた一面もある。口調は一般的で戦闘においても変わらない。一人称は「私」。男女関係なく呼び捨てか「君」で呼ぶ。メイン武器は双剣だが忍術においても類を見ない強さを誇る。異常者と呼ばれるチート能力を持つ人間なため、どのスタイルでも対応できる。但し性格や精神的なあれこれもあり、常に主人公達を手助け出来るキャラではない。以下、キャラメーカーによるイメージ画像エマ・スチュアート(臆病戦記)

  • リアム&ライリー(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりリアムライリーリアムは歴戦で王家直属の馬、今現在は九条の相棒。ライリーはホワイト家直属の馬、今現在はイーサンの相棒。黒色のオスと白色のメスで、戦場以外でも仲良しな二頭。現実世界の馬とは違い、人間とほぼ同格の知能を持っている。故に意思疎通しやすい。以下、キャラメーカーによるイメージ画像(擬人化)リアムライリーリアム&ライリー(臆病戦記)

  • ハチベエ(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりハチベエ(本名不明)王様の右腕、正式には将軍側近かつ指南役。九条辰美達を政治面でサポートしている苦労人。イーサンよりも無表情で眼つきも悪い。性格も堅物で仕事一直線。だが意外と優しく、主人公達の味方。口調は武将のようで淡々としている。一人称は「拙者」。呼び方は人によってコロコロ変える。一応刀を扱える。強さは不明だが、プロ(許可持ち)相手でも十分に応戦できる程度。以下、キャラメーカーによるイメージ画像ハチベエ(臆病戦記)

  • ノア(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりノア(・シェイプシフター)九条辰美とイーサン・ホワイトが出会った魔族の一人。数百年前は魔王の側にいたが、産まれた時から魔族を恨んでいた。ロリババアの反対、ショタジジイなので性格は紳士的で他人を考えて行動する。但し基本的にはいたずら好きで飄々としている。口調はほぼ常に丁寧語。一人称は「僕」。「さん」付けで呼ぶ事が多い。武器はなく、戦闘は全て自身のコピー能力による臨機応変なスタイル。神獣も数多く覚えているため、魔術は使えずとも最強レベル。以下、キャラメーカーによるイメージ画像ノア(臆病戦記)

  • アヴァ・ウッド(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】よりアヴァ・ウッド転生した九条辰美の保護者役になった二十代後半の女性。自分の失態で五歳の娘を亡くしており、夫とは大喧嘩後離婚している。少し天然なところがあり、若干自己中な性格。それでも憎めないキャラクター性で、九条のことを娘のように溺愛している。口調は所謂お嬢様口調。一人称は「私」。親しくなれば人によっては呼び捨てをする。護身術を習っていたが今現在はあまりできない。以下、キャラメーカーによるイメージ画像アヴァ・ウッド(臆病戦記)

  • イーサン・ホワイト(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】より第二主人公イーサン・ホワイト九条辰美が転生した先、ラサーワ王国にある名家、ホワイト家の一人息子。一つ下の17歳で、若くしてプロ入りした天才的な青年。基本的に無表情で眼つきが悪く、仕事の事しか考えていないストイックな性格。然し根は優しく真面目で、意外と人情味がある。口調は悪く、九条に会う前は初対面でも殺すと言っていた事もある。一人称は「俺」。親しければ「お前」呼びだが、年上は総じて名前呼びで、時々「アンタ」も使う。メイン武器は和弓で護身術程度ならできる。サポート特化だが、一人でもある程度は動ける。後々がらりと戦闘スタイルが変わる予定。以下、キャラメーカーによりイメージ画像イーサン・ホワイト(臆病戦記)

  • 九条辰美(臆病戦記)

    【臆病戦記~生きる為に殺す~】より主人公九条辰美異世界に転生した元女子大生(日本人)。残虐性を持つ勇者として戦いに身を投じる。男勝りな性格で、臆病でネガティブだが意外と好戦的。曲がった事が嫌い。但し意外とドライな一面も持つ。口調は淡々としており、キレると崩れる。一人称は「私」。特定の人にだけ「アンタ」と呼ぶ。メイン武器は大太刀だが剣術は殆ど身についていない。荒っぽい戦闘スタイルで体術も出来る。左腕に氷の魔術を宿しており、顔面には二本の傷痕がある。最初からではなくストーリー上。以下、キャラメーカーによるイメージ画像九条辰美(臆病戦記)

  • 雑記1

    何となく何かを書く気になった。と言っても特別な事は何もありはしない。いつも通りの毎日だ。音楽を聴きながら時々自分の世界に入る。それが隙間時間の幸福だったりする。朝はまずそれをする。もはやルーティーンと言っても過言ではない。本当はそのあとにロックを聴きながらベランダに出て、軽く運動をする。飛び跳ねたりシャドーボクシングをしたり。だがここ連日雨ばかりだ。気が晴れない。低気圧があると身体が動かず、トレーニングさえもできない。身体がなまっていく気がする。背伸びの一つでもしてみたらどうだと他の自分が言う。残念ながらそんな気力もない。喋ってふざけるだけの気力はまだあるが、身体は本当に動かないのだ。憂鬱な日々である。何の話だったかはもう忘れた。思いついたものを思いついた分だけ書きなぐるだけの雑記だ。テーマなどありはしない。然...雑記1

  • 現代社会レポート

    ※書き方などがバラバラだったりします。クオリティは求めないでください。地球環境問題レポートもどき生態系が崩れることを地球環境問題と呼ぶ。何らかの原因によっておこる。1966年に、ボールディング(ケネス・エワート・ボールディング)という経済学者が、【宇宙船地球号】という言葉を産みだした。周りからの補給を受けず、独自でエネルギーを作り出す姿を形容したものであり、自身のなかで上手くやり繰りをしないと生態系が回らない、ある意味孤独な状態である、ということを指している。無論そのなかで人間、人類は生きているため、無自覚に無作為に資源を使ってしまうと、全てが狂うということになる。あくまでも生態系やそのシステムに組み込まれたうちの一つ、であることを理解、自覚しなくてはならない。因みにボールディングはイギリス出身のアメリカ経済学...現代社会レポート

  • 牛犬カップルについて

    まずはじめに、三ヶ月間応援してくださっていた方々、ありがとうございました。そして、多大なるご迷惑とご心配をおかけしたこと、申し訳ございません。以下はこのカップルについての、一方的な謝罪文となります。日本語の不自由、ご了承ください。別れた時の騒動についてですが、僕が軽率な行動をしたばかりに、元彼女を自殺に追い込む結果となりました。言い訳をしても意味などありませんので、僕がそのような行動をした理由などは省きます。それを言っても行ったことに変化はありません。そして結果として、今の彼女にも罪悪感を植え付けることになりました。双方に恨まれても仕方のないことであり、あまりにも自己中心的な行動、言動であると自覚しております。また、未だに好きかもしれないと、その時だけの思いで行動したこと、元彼女がいる場所で友人への陰口、その他...牛犬カップルについて

  • 昨日今日描いたやつ

    最近本格的に絵に挑戦しよう、と思って、一昨日からはじめたのですが、早速昨日今日と二次創作を描きました。模写からまず始めるつもりだった……。まあいいけど。ということで、昨日リクエストで描いた銀魂の神楽と、彼女宛てに描いたすとぷりの莉犬くんを貼っておきます。昨日今日描いたやつ

  • 人生ゲーム

    僕は人生をこう考える。セーブもロードもない、高難易度の攻略ゲームだと。皆それぞれ、独自のゲームを進んでいるだけで、最終的に死を迎えることでクリアになる。僕の場合は発達障害と性別違和が最初からついてきているし、今後もつきまとってくる。その時点で大分難易度は高いし、勿論プレイヤーに合う合わないもある。ゲーム自体は全て独立していて、ランダムでプレイヤーに割り振られるからだ。だから壊れる人も、途中で終わらせる人もいる。だが途中で終わらせたとしても、それはそのゲームの正式なENDになり、クリア扱いになる。どこでどうクリアにするかはプレイヤー次第でもあり、他のゲームの干渉次第でもある。勿論セーブもロードもできやしない。一触即発の、崖っぷちの死にゲーだろう。そんな難しいゲームを、誰が好き好んでやるのだろうか。いや、殆どの人間...人生ゲーム

  • コメントの返信

    はしんどいのでやりませんが、勿論全部見てますし読んでます。コメントの返信

  • 家撮り

    久しぶりに写真投稿します。今日撮影したものですね。家撮り

  • 日記です

    今日は午後の一時半過ぎから出掛けていました。内科に行くためです。運がよく、雲のない晴天で、調子がいいままバスと電車に揺られました。勿論マスクはしていきましたよ。そして内科では前回の検査結果(MRIや血液検査、レントゲン検査など)を言い渡されました。結果は白で、これといって異常はなく、ただ鎮痛剤だけを処方されました。頭痛と肺の痛みで精神科から紹介してもらったので……。とにかく、大きな病気じゃなくてよかったです。そのあとは元気だったので、少し買い物をしました。ワックスがほしいなあと前々から思っていたのですよ。流石に髪のセットを学んだ方がいいかなって。んで安くて小さめのものを買いました。勿論僕の小遣いでです。ついでにペンダントも買えないかな、と思ったのですが、メンズ系のシルバーアクセサリーが売ってある場所がなく、それ...日記です

  • 褒める

    人を褒めるのは得意なほう、だと思う。と言っても、そうなれたのは自分が安定したからだ。安定して、人をしっかりと見れるようになったから。経験もあるだろう。なんにせよ、人を褒めるという行為は、相手を喜ばすこと以外にもメリットがある、と思う。自分がどれほどの余裕を有しているか否かも分かるし、小さなことでも肯定に変換する考え方は、後々自分を肯定するのにも役立つ。褒めること、承認すること、それ自体は悪くはないし、寧ろやるべきことだ。だが世間ではそれを良しとしない風潮がある、気がする。特に承認することや、「生きていることそのものに対する肯定」は、鼻で嗤われがちだ。故に、少しでもそれらが満たせる場所をつくれれば、何人かを救うことはできるだろう。相手にとってもよく、自分にとってもいい。勿論相手に合わせて無理をするのは違うし、嘘を...褒める

  • 恋愛

    恋愛をして思ったことはただ一つ。全て幸せとは限らず、そして絶対に独りではなくなる。いいことばかりではないし、どんなに相性がよくても喧嘩をすることはある。所詮は赤の他人同士、家族でもすれ違いがおきるなかで、恋人とすれ違いが起きないなんてことはない。変に期待しないこと、無駄に理想を高くしないこと。ただただ流れに身を任せればいいと、僕は思う。年齢も性別も関係ない、殆どのことは勝手に脳が判断してる。女たらしだった僕も、まさか中性と付き合うとは思わなかった。いや、確かに女体で基本女性寄りっぽいところを見れば納得するし、中性でも男性寄りだったら好きにはなっていなかったかもしれない。まあなんにせよ、どこでどう好きになって成功するかは、本人達も分からないことだ。カテゴライズするだけ無駄で、「〇〇はすぐに別れる」なんて言葉もバカ...恋愛

  • 世界

    Twitterを始めてから色々と変わったことがある。様々な価値観を持つ人間に出会えたこと。様々な情報に出会えたこと。様々なアンチに出会えたこと。様々な人間性に出会えたこと。勿論バカも沢山いるし、この短いあいだでも多く見てきた。なんならそのバカと対面で言葉を交わしたことだってある。精神科医なのに会話が成立しなかったり、男だと言っている(あと恋愛対象は女性)のに身体の性がどうこうと差別をしてきたり。界隈でもはや玩具になっている、所謂触れちゃいけない類の人間とも言い争ったことがある。とにかく多種多様で、とにかく腐っている。海外の呟きでも、セクシャルマイノリティとそのフォビアのやり取りは見受けられたし、探せば幾らでも酷い呟きは出てくるだろう。どこかでなにかが燃えていて、どこかでだれかが言い争っている。その裏で平和に笑い...世界

  • ちょくちょく

    こちらも更新しようかなと思いまして。と言ってもすぐに放置しそうですけどね。カクヨムの呟き集も結局完結にしましたし。Twitterを始めるとどうしてもね……。まあ気軽にやります。一応近状報告でもしましょうか。誕生日プレゼントにダンベル(二キロ)を買ってもらい、更に本格的に筋トレをやっています。大分安定してきたというか、まあまだ見た目はひょろいですけど、それでも確実に鍛えられてます。個人的に。はい。それと性別に関してなんですが、TwitterでもFTM、トランスジェンダーというのはプロフィールに書いていません。公言していない、隠している、というわけではないくて、ただ単に言う必要がないからです。言わなくても当事者目線でセクシャルマイノリティ関係の呟きはできますし、特に支障はないのでそうしています。それに最近は彼女もで...ちょくちょく

  • 遅れましたが……

    お久しぶりです。Twitterを始めてからこちらを放置する率が高くなってしまいました。写真も訳あって投稿するのが面倒になってしまっています……。ただぼちぼちと小説など投下していきたいなと思ってますので、気が向いたら覗いてみてください。さて、早速本題に入らせていただきます。大分遅れましたが、実は彼女ができました。相手は中性(基本は女性寄り?)の一個下ですが。出会いはTwitterで、未だに会えない状況なのですが、もう付き合って三ヶ月程になります。Twitterで繋がっている方、もしくはカクヨムで繋がっている方はご存知かと思います。がまあ、一応報告しておこうかと思いまして。遅れましたが……。まあ、はい、大好きな人ができて、幸せです。遅れましたが……

  • 第53話 花火に混じる特別なお話【改稿版】

    砂浜。さざ波の音が微かに聞こえるなかで、指のあいだをくすぐるそれらに、顔をあげた。パイプ椅子に既に腰を落ち着かせている人も多く、その先にある綺麗な夜の海は幻想的だった。夏祭りの締めくくりに相応しい自然の美しさに、少し虜になっていたが、軽く氷矢に肩を叩かれ、右を見た。こちらに視線をやり、「他の三人、しらねぇか?」と訊いてきた。三人?その辺にいるだろう。そう思って辺りを見渡すも、あの目立つ金髪さえも見つけられず。軽く眉間に皺を寄せる。花火なんて、あの三人が一番見たがるはずなのに。そう思いつつも、視線を海に戻そうとした。然し視界の隅に既視感のあるものが映り、ばっとそちらに向けた。そこには、少し離れたところでにやにや笑う三人がおり、ノアだけはまるで私達を追い払うかのように、しっしっと手を動かしていた。袖を軽く引っ張り、...第53話花火に混じる特別なお話【改稿版】

  • 第52話 ジャズに合わせて【改稿版】

    結局みんなに心配され、ノアに「泣かしちゃいましたー?」とからかわれた氷矢が「バカ野郎!俺が泣かすわけ……おい小豆!泣きやめ!」と、軽く怒鳴り、どうしてか面白くて、私は吹き出してしまった。涙を拭いながら笑っていると、ほんのりと頬を赤らめて、ふんっと顔を逸らした。こんな時に限って鈍感な奴……。でもそんなところも好きだな、と思っていたら、城の方から声が聞こえてきた。「只今より、各舞台上にて、様々な職業がパフォーマンスを披露します!どの舞台上にどのような人が来るかは秘密!興味のある方は、探してみてください!」スピーカー越しのそれに、残った涙を拭ってくれたアヴァが、母親らしい笑みを浮かべて、「見に行きましょう。」と言ってくれた。変に泣いてしまって申し訳ない、と思いながらも、子供のように小さく肯き、また歩きだした。でも舞台...第52話ジャズに合わせて【改稿版】

  • 第51話 惚れたはれた【改稿版】

    それぞれのお面をつけ、食べ物の屋台に吸い込まれてゆく。そのなかで、ノアがリンゴ飴を見つけた。エマも食べたいと言いだし、どういう訳か、誰が奢るかをじゃんけんで決めることになった。いや私、殆ど金ないんだけど。一応後々のために、千円程度と小銭は残したけど……。まあいいかと諦め、エマの掛け声に合わせて手を出した。私と氷矢以外は楽しそうだ。そんなに盛り上がることか?と思っていたら、今度は結果が出た。私、氷矢、アヴァはパー。然し残りの二人はチョキ。一番食べたい二人が勝ってしまい、私達は顔を見合わせ、微苦笑を浮かべた。食べたくない側が残るとか、罰ゲームすぎだろと思いつつ、私が掛け声を言う。と、アヴァがパーを出し、勝った。「やったわ!」喜ぶ彼女に、さっきから同じ手を出す氷矢を、横目で見た。だが相手も同じなようで、軽く睨まれた。...第51話惚れたはれた【改稿版】

  • 第50話 ヨーヨーとお金と不可思議【改稿版】

    元勇者御一行は佐藤さんを追い、私達は先程と同じように歩きだした。少しわちゃわちゃとはしたが、またいつもの賑やかさに戻った街中で、一つの屋台を見つけた。これまた懐かしい、ヨーヨー釣りだ。程々の難易度で楽しめるから、射的の次に好きだったものだな。と思いつつ、五人全員、一人ずつ十五円を払い、ビニールの安っぽいプールに、取り囲むように腰をおろした。「切れたらそこで終了だかんねー!もしもう一回やりたいってんなら、十五万積んでくれよぉー!」けたけたと笑う、姉御肌っぽいお姉さんにツッコミながら、その掛け声と共に、みな一斉に動き始めた。やはり忍者なだけある。エマの凄まじいスピードに、ひしめき合うヨーヨー達が消えてゆく。然し、氷矢とノアの的確で素早い動きも加わり、減り方は私を慌てさせる。負けてられないと意気込み、輪っかのなかを狙...第50話ヨーヨーとお金と不可思議【改稿版】

  • 第49話 佐藤さんは頭を抱えてます【改稿版】

    地面を蹴り、春風さんの方に向かう。だが、余裕綽々の笑みで、眼前から消えた。慌てて右足を出し、振り向きながら、斜め上を見た。ら。手裏剣を持った春風さんが、不敵に笑っていた。すぐに刀を動かし、足元を固定させながら、降ってくるそれらを弾いていく。武器は通常よりも軽く、妙な感覚だが、いつもより気楽に戦える。徐々にあがっていく口角に、周りの歓声が連なった。最後の一つ。弾き返す。と共に。頬を掠ってゆくもの、あり。眼を丸くしながら、舞い上がる前髪に、背後からの悲鳴を聞いた。掠ったものの感触は、あの日のものと同じ。矢だ。歯を食いしばるように、強い笑みを見せながら、次を構えるレオナルドさんを見据える。だが、その横から、こっそりと父親を狙う息子が一人。いたのだが、上から来た春風さんのせいで、氷矢の注意がそちらに向いた。時。迫りくる...第49話佐藤さんは頭を抱えてます【改稿版】

  • 第48話 勘違いと演舞【改稿版】

    たこ焼きを頬張る氷矢に続き、私もその隣にある焼きそばに吸い込まれていった。いい香りと熱気が、顔面を覆い尽くす。如何にも祭り好き、といった青年に対し、ぽつぽつと注文してゆく。と、またもや横からノアが現れ、無言で手をあげてきた。お前中身爺だろ、然も百超えの、と思いつつも、「マヨネーズありでいい?」と問いかけた。すると子供のフリをするのが楽しいのか、それらしく元気に肯いた。こいつ……。然もお兄さんからはノアが見えないのか、快活な笑みを浮かべ、普通の調子で訊いてきた。「家族で来ると、子供のはしゃぎようが凄いっスよねー。まぁ、旦那さんも結構一緒になってはしゃいでますが……そこの旦那さんも楽しんでくれてますかい?」手を動かしつつ、ちらりと上目遣いに一瞥をくれた。え?え?旦那って、え?と、脳内プチパニックのまま、振り返った。...第48話勘違いと演舞【改稿版】

  • 第47話 射的の得意不得意【改稿版】

    暫くして、アヴァとエマ、そして遅れたノアも集まり、やっとこさ祭りに出向いた。が、アイザックだけ、数人の女性を連れて、「ボクのことは気にしないでー。」と言って去っていった。イメージ通りだが……まぁ、いいか。気を取り直して、私を含む五人は、石畳のうえに展開された屋台のあいだを、歩いてゆく。アヴァとエマは気が合うのか、下駄を鳴らしながら、楽しそうに談笑している。のはいいんだが……何で私だけ男性陣に混ざってるんだろう……。なんかムカつく。そう思い、少し足を速めた。然し、軽く肩を叩かれ。「む。」左を見ると、赤い瞳で一瞥をくれた。「ゆっくり楽しめって言われてんだろ。」相変わらずの声音に、違うんだよなあ、と思いつつも、結局女子トークに入れないタイプの私は、ふっと緩めた。すっかり日も落ち、頭上を行きかう提灯と、屋台の独特な灯り...第47話射的の得意不得意【改稿版】

  • 第46話 虎狩りと冤罪【改稿版】

    結局、白地に雪の降る、シンプルな浴衣に袖を通し、髪はお団子にした。軽く化粧をし、巾着片手に、からんころんと出てくる。その柔らかで儚げな美しさに、自然と口角があがった。既に街は祭りの色で染まっており、上を行きかう提灯が、幻想的な空間を作り出している。本当にこれから、というか、もう夏祭りが始まってるんだと、辺りを見渡していると。一つの屋根のうえに。人影。ん?と思いつつ見つめていると、ふっと消え。そして眼前に現れた。思わず一歩退いてしまうが、ゆっくりと腰をあげたのは、華やかな浴衣に身を包んだエマだ。ほっと息を吐き、その微笑みに小さく肯きを返す。「あら、新しい子。お知り合い?」鍵を閉めたアヴァが振り返り、口元に手を当てる。それにエマは頭を下げ、丁寧な自己紹介をした。見た目は可愛らしいのに、その辺りは凄い堅苦しいというか...第46話虎狩りと冤罪【改稿版】

  • 第45話 忙しい宣伝係【改稿版】

    ハチベエさんは乗り気じゃなかったが、既に手は回っているという将軍の声に溜息を吐き、渋々といった感じで去っていった。苦労人だな、あの人、と思いつつエマと話し合い、先に里に帰って、任命されたことを伝えに行くことになり、その持ち前の身体能力を発揮してすっと消えたのを、笑顔で見送った。さて、誘ってみるか。勿論、氷矢も。夏祭りは現世で何回も行ったことがあるが、この異世界だとどうなるんだろうか。魔術の類は絡んできそうだよな。あとエンターテイナー系の許可もちも、盛り上げ役として登場しそう。となると、現世より楽しい夏祭りになるのでは?なんて歩きながら考えていたら。「おい、小豆。」後ろから呼ばれ。ぱっと振り返った。そこには軽く髪をかきあげる氷矢がおり、嬉々として近づく。むふーっと笑みを見せると、それとなく視線を外した。これに右手...第45話忙しい宣伝係【改稿版】

  • 第44話 まろまろした麻呂眉【改稿版】

    息を整え、城に戻る。氷矢や佐藤さんに慰められ、サリヴァンさんには抱きつかれた。その過剰な程の愛され方に、自然と笑顔が出てくる。私の気持ちは私だけが知っていればいい。だからもう、この事には触れない。けりは付けたんだから。そう思いつつ、談笑を続けていると、徐々に気も楽になっていった。このまま忘れられたらいいんだけどな、と思うものの、そういう器用な事は私には出来ない。トラウマ確定案件だな……と、また思い出して鬱々とし始めると、丁度いいタイミングでハチベエさんがやってきた。息を切らし、神妙な面持ち。現指南役であり、将軍側近という立場である彼は、私とエマを交互に見ながら、「次の将軍様が貴殿らに会いたいと申されておる。」と言い残し、踵を返した。その慌てた様子に、私達は顔を見合わせ、こくりと肯くと、すらりとした背に続いた。次...第44話まろまろした麻呂眉【改稿版】

  • 第43話 価値【改稿版】

    晴れてゆく視界。頬を流れてゆく涙。そこにあった手は、首筋を滑ってゆく。主は眉根を寄せ、僅かに涙痕があった。氷矢だ。右肩の温もりに、そちらに視線をやる。子供を安心させるような微笑み。佐藤さんだ。それに鼻を啜り、震える声で、先程のことを言った。然し微笑みを見せたままかぶりを振り、え?と小さく漏らすと、氷矢の手が頬に帰ってきた。そして、涙を拭ってくれた。視線を戻す。赤い瞳には、今まで以上に感情がある。でも私には、感情がない。全てが抜け落ちてしまったかのように。何も、感じない。ただ分かるのは。途轍もない寂しさと、安堵のみだ。何が起こったのか、未だに分からないけれど、私は氷矢の少し優しげなポーカーフェイスに、ほっと小さく息を吐き出した。刹那。背後から。ねちゃり、という音が。聞こえてきた。えっと、眼が見開く。頬に残った涙が...第43話価値【改稿版】

  • 第42話 末代まで【改稿版】

    二週間程、だろうか。既に夏になっており、一番薄めにつくられている浴衣に着替え、特別に修復中の城へと向かった。怪我は骨折や打撲で、またまた運良く、内臓は傷つけていなかったらしい。また、氷魔法が左腕を固定してくれたお蔭か、そこまで酷い状態ではなく、治癒魔法や薬による治療で、程々に回復してきた。と言っても、左腕は例の如く、首からぶら下がっているのだが。城には元勇者御一行やハチベエさんがおり、騒がしい音が耳に入ってきた。将軍のこともあるし、修復はあまり進んでいない。寧ろ私、邪魔なんじゃないかと思いつつ、着物姿のエマに気が付いた。金髪に片眼鏡が目立つ彼女の手首に、包帯が巻かれている。と、視線で気が付いたのか、その上を軽く擦り、「ちょっと修行で……。それに、母上も骨折で入院中だから、うちでも色々と忙しかったの。」と、苦笑い...第42話末代まで【改稿版】

  • また写真

    一人でぷらーっと行ってきました。寒かった。また写真

  • 写真だよー

    また家のなかで撮った。モノ撮り!写真だよー

  • 第41話 非公式キャラクター【改稿版】

    私はあと何回気絶すればいいんだろう。そう思いつつ、日差しが差し込んでくる窓を眺め。病室のベッドの淵で、腕を枕に眠っているアヴァに、視線をやった。その頬に、一つ傷を見つけた。引っ搔き傷のようなそれに、避難所でトラブルでもあったのだろうか、と思いつつ、視線を外した。大分疲れているだろうし、そっとしておこう。と思った時。扉が静かに開いた。ふっと視線をやると、白い着流し姿の氷矢と、右の袖だけがへなったノアがいた。二人も、それなりに傷を負ったのか。なんか大変な一日だったなと、右手で手招きをしようとした時。あの眠そうな青年が、なんの躊躇いもなく。やってきた。溜息を吐く氷矢の様子からして、二人が来る途中で乱入してきたパターンか……。「案外元気そうだねぇ。」相変わらずの間延びした、控えめな声に、警戒心を保ったまま、笑みを返した...第41話非公式キャラクター【改稿版】

  • 第40話 元凶を切り裂く者【改稿版】

    脚を固定されたままで、静かになったストーカー野郎は、ただじっと、私を見つめてくる。不気味さは恐怖になり、恐怖は。殺気へと変わる。怖いものは。不気味なものは。いや異物は。全て。排除すべきだ。ぐっと右手で地面を押し出し。足裏で踏みしめる。切れる息に、黒い双眸を睨みつけた。こうなったのは、全部私のせい。私がいたせいで、私が前世でやらなかったせいで……。いや、そもそもコイツが。コイツが私を殺したんだよね?コイツがいなけりゃ、九条辰美なんて人間は産まれなかったよね?じゃあなに?やっぱり。あのストーカー野郎が全部。悪い、のか。「馬鹿野郎!そんな怪我じゃ足手まといなだけだ!」立ち上がった私に、氷矢の怒鳴り声が響く。右手が掴まれる。振り払った。だが再度。掴まれる。今度は。握り締めた。息を吸いこむ。「アイツを招いたのは私だ……。...第40話元凶を切り裂く者【改稿版】

  • 第39話 イーサンの遠吠え【改稿版】

    ストーカー野郎を煽るように、白い頬の一部を、氷にしてみせた。その姿に、ぼうっとする。氷矢本人も、魔術も、互いにそれが当たり前かのように。微かな冷気が、私を落ち着かせた。「魔術も僕を邪魔してくるのか……。」震えた声に、また逆さまで見る。笑顔は、消えていた。右腕から、マグマのようなものが現れ。一瞬唸ると。こちらに向かって、飛んできた。然し逃げる素振りは見せず。矢を構える。と共に、すぐに放った。黒煙を纏いながら、マグマに立ち向かう。ストーカー野郎は俯いたままだ。ややあって衝突。と共に火花を散らして。爆発した。先程よりも小規模だが、生温い風が、頬を撫でる。吹き飛ばされた破片は落ち、地面を焦がした。妙な煙の柱が、小さく立ち昇る。少しして、短くなったマグマが、水蒸気になって消えた。「ウザいなぁ……チャラい髪色しやがって!」...第39話イーサンの遠吠え【改稿版】

  • 【朗読】蜘蛛の糸【何もかも素人】

    【朗読】蜘蛛の糸【何もかも素人】【朗読】蜘蛛の糸【何もかも素人】

  • 第38話 愛すべき者の為に【改稿版】

    にいっと口角をあげるストーカー野郎は、私の掌を向ける。すると、徐々に腹の痛みが治まってゆき。皮膚も肉も、何もかも。元に戻ってゆく。安心すると共に、恐怖心が燻る。だが少し私が我慢するだけで。国が救われる。氷矢もこれ以上、傷つかずに済むんだ……。なら……。「敵がいる前で治すたぁ、ストーカー様らしくねぇぞ。」ふわりと風が舞い。懐かしさが、頬を撫でる。えっと、眼を丸くすると。赤い瞳をよこしてくれ。ややあって、片膝をついたまま。弓を引いた。上半身を起こそうとする。だが、彼が右の膝で、軽く太股を叩き。視線で制した。もう治ってるんだよと、布が裂けたその部分を擦る。然しそれでも、許してくれることはなく。仕方なく。右腕を支えにして。見上げるように、奴を見た。巨人の手が、むんずりと掴む。武器ごと固定されたストーカー野郎は、遂に笑み...第38話愛すべき者の為に【改稿版】

  • 第37話 熱闘は熱湯である【改稿版】

    疲れ果てた私は、警鳥隊本部に保護される形で、そこに向かった。アヴァは既に避難しているし、私にもまだ働いてほしい、とか。仕方ないかと思いつつ、本部の一番大きな、オフィスのような部屋の壁で、毛布にくるまりながらソファに座った。武装部隊数人と、それと許可もち数人、そして氷矢とノアで、再生して元の姿に戻ったストーカー野郎を、特別監視大王監獄所という所に運んでいるらしい。何もなければいいけど、と思いつつ、騒がしい本部内を眺めた。「あれは危険人物αという奴でしてね、一応警鳥隊にもその話は前々から来てたんですよ。」水の入った紙コップを片手に、サングラスを外したままの隊長がやってきた。無言で受け取り、少し口をつける。泣き喚いた喉に、潤いが訪れた。「……何かあるようですが、深追いはしませんぜ。」横に腰掛けた隊長は、ふうっと一つ溜...第37話熱闘は熱湯である【改稿版】

  • 第36話 地獄鳥【改稿版】

    巨大な翼龍になったノアの背に乗り、街の灯りを見下ろしながら、人々の動きを観察した。どうやら既に動いているらしく、和風のなかに目立つ黒服達が、やる気のなさそうな態度で何かをしている。誘導か、それとも……。何にせよ、権力だけで言えば私の方が上だ。緊急事態でもあるし、無理矢理にでも動かさないと。そう思いつつ、十字路付近まで来ると、街の人達や近くにいる警鳥隊の人間が、私達に気が付いた。ゆっくりと、大きな道のうえに降り立つ。そして石畳に足をおろし、安堵の声があがるなかで、スキンヘッドの如何にもな男性に近づいた。サングラスをかけているせいで、その眼は窺えない。だが鋭く見据える。「ラザン神殿に応援を。結界術が解けている状態で、夜行性の魔物達も活発化しています。」低く言うと、安堵の声は静かになった。一つおいて、眼前の隊員は溜息...第36話地獄鳥【改稿版】

  • 第35話 夢想【改稿版】

    見張り役を相変わらず引き受け、木のうえを上手く飛び移りながら、周りを見ていく。首長龍はいつの間にか消えていたが……まぁ、これと言って問題はなさそうだ。途中で登場し、一気に逆転してくれた忍者の春風さんは、勇者御一行ではない、援護組に所属している本物のくノ一だ。危険人物という、駆逐対象よりも更にうえの、最上級と呼ばれるレベルの人間が出てきたため、彼女にも出動命令が下ったらしい。だが、予想以上の力で吹き飛ばされたため、未だに意識は戻っていない。サリヴァンさんの治癒魔法が活躍しているが、早々に病院に運んだ方がいいだろうと、佐藤さん達の話し声を小耳に、辺りを見渡す。幸い、襲いかかってくる気配はない。もう少し考え事をしていても、大丈夫そうだ。残虐性のある勇者という言葉を思い出す。だがもう、拒否感は覚えない。それは私が、納得...第35話夢想【改稿版】

  • 第34話 怒号の怒涛【改稿版】

    「春風!参る!」女性の凛とした声が響き、独楽のように回転しだした。すると更に、クナイや手裏剣が注がれる。まるで雨のように。爆破も何度か起こり、流石の化け物も呻き声をあげはじめた。凄い、一気に逆転してる……。そう、ぼうっと見つめていると。鎖鎌の刃先が、化け物の背中に吸い込まれ。呻き声から叫び声へと変わった。「遅いではないか!春風嬢!」佐藤さんの歓喜の声音に、シルエットを見つめる。どうやら、また新たな大先輩が登場してきたらしい。伸びきった鎖に引き寄せられるように、その忍者は抉れた肉体のなかに飛び込んだ。そして、犬かきのように、血肉が飛び出してくる。どうやらなかで、大暴れしているようだ。グロテスクを通り越した状況に、私はもう嫌悪感を覚えることはなかった。ただ、凄惨な光景と悲鳴に、右手で氷矢の手を握った。「味方なんだろ...第34話怒号の怒涛【改稿版】

  • 第33話 人という字は支え合ってできる【改稿版】

    「馬鹿野郎!」視界が動く。潤んだ視界が。氷矢の顔。跳んでる。着地。木の上だ。どうやらまた氷矢に、抱えられているらしい。然も今度は。意識がある状態で。右腕に重くのしかかる刀に、徐々に現実が見えてきた。緊張感のある彼の顔を見つめていると、少し安心できる。「ったく……お前本当に勇者なのかよ。泣きやがって。」危なかったんだぞと、少しむすっとした表情を見せてくれた。いや、無表情なのは変わらないが……。なんかそんな風に見える。とにもかくにも、「ありがとう……。」と呟き、左腕を氷矢の肩にまわした。弓の糸が、微かに当たる。ふっと一つ息を吐き、気持ちを切り替え、下を見た。あの醜い化け物に、三人が苦戦している。一応張り合ってはいるし、時々攻撃は入っているが……。それでも、苦戦を強いられている。ということは、リヴァイアサン以上の強さ...第33話人という字は支え合ってできる【改稿版】

  • 第32話 明かされてゆく恐怖【改稿版】

    奴は笑い声をやめ、裂ける程に口角をあげた。ぞっとするようなそれに、佐藤さんに目配せをやり。地面に降りた。木の根元に置かれたそいつは、案外大人しく。佐藤さんとレオナルドさんが木の上に戻ったのを確認しても、隙を狙ってくることはなかった。ということは、すぐには殺されない……と。ほっとしていいのかどうか分からないが、視線をやると、相変わらずの笑みを返された。全身が震える。悪寒が走る。だがここで私がやらなければ……。「ククッ……ついに馬鹿になってしまったか?自分から進んでなど、ああ、マゾか!マゾだったのか!そんなサディスティックな見た目をして!ハハハハハッ面白いなお前は!何も知らずに、のうのうと“異世界で暮らしやがって!”」そう、拳を握った時、奴は苛立ちの籠った台詞を吐き出した。だが私は、その台詞の最後に、底のほうにあっ...第32話明かされてゆく恐怖【改稿版】

  • 第31話 切り裂くおもい【改稿版】

    更なる咆哮。刹那。人影から、刃が連なったような、一本の鞭が現れ。その切先が、私の方に、向けられた。恐怖心が心臓を締め付ける。こっちに来る。ヤバい。そう思うと同時に、左手を顔の前にだし。「まもれ!」裏返る程に叫んだ。瞬間、掌から氷が顔をだし、一気に広がり。がきんと切先がはじかれた。ふっと一つ息を吐く。指示通りにやったのは、何気に初めてだ。鞭の切先は、まるで動物のように、首を引っ込める猫のように、その場にとどまった。睨みつけながら、戻ってきた氷に、「よくやった。」と呟いた。果たして魔術に効くのかどうか。それは分からないが、意思があるのだから、ワンチャン感情があってもおかしくはない。続けていけば、何か起こるのかもしれないし。そう、切先から、人影の方に。視線をやった。刹那。急に動きだし、勝手に身体がよける。顔を右にやる...第31話切り裂くおもい【改稿版】

  • 第30話 見張り役程恐ろしいものはない【改稿版】

    サリヴァンさんの指示でくるくると回る赤い球体。その異様な存在感に呆れつつ、私達は佐藤さんのあとに続いた。リヴァイアサンが元々鎮められていた神殿に行くらしく、首都の北端にある山まで来た。上まで続く石段に深く溜息を吐き、渋々ついていく。整備しきれていない階段に、慣れていない私達は徐々に疲れてきた。なのに歴戦達は余裕綽々。佐藤さん、重量級甲冑フルでつけたままなのに……。なんでそんな愉快に話せるんだよぉと、一番若いはずの私と氷矢は息を荒げた。平坦で走り回ったり、木や屋根のうえに登ったりするのとは、訳が違う。幅も凸凹も違うせいで、同じ姿勢であがっていけない。だからこそ、慣れの少ない私達は疲れやすいのだろう。やっとこさ山頂についた時は、思わず大きく息を吐きだして、両手を膝においた。息を整えて、ややあって姿勢を正す。刀は背中...第30話見張り役程恐ろしいものはない【改稿版】

  • 第29話 喉を潰す勢いで叫ぶ者【改稿版】

    だが徐々に口角は下がり。そのまま左手を離した。本当に、意識がないまま。笑ってるんだ……。そう唖然として、掌を見つめた。時。足元が大きく揺れ、巨大で禍々しい咆哮が、鼓膜を揺らした。耐えきれず、バランスを崩さないように降り、さがりながら振り返った。ノアは既に退いている。なら何があったと、リヴァイアサンに視線をやった、と同時に。「遅いぞ!ユーゴ!」レオナルドさんの快活な声が響き、視界に一人の人間が映る。尻尾の辺りに仁王立ちするそれは、長い髪を靡かせ。太く大きな剣を左手に持ち。重量級甲冑に身を包み。有無を言わせぬ風格を漂わせて、僅かに大剣を動かした。すると、綺麗に無駄なく、リヴァイアサンの長い尻尾が切れ、鮮血が溢れだした。唖然とそれを見ていると、ユーゴと呼ばれた人影は降り立ち、私達の前へ。穏やかな、優しげな顔立ちだが、...第29話喉を潰す勢いで叫ぶ者【改稿版】

  • 第28話 ピース&ブロック【改稿版】

    リヴァイアサンは少し宙に浮きながら、大きく吠えた。すると、共鳴するように、少女の甲高い声が重なり。みなが反射的に耳を塞いでしまった瞬間。少女の身体中から、黒い霧が溢れだした。重く深いそれに、サリヴァンさんが咄嗟に叫ぶ。結界術の裏だ。霧ごと少女を閉じ込める。が。僅かに遅かったのか。薄く、黒い霧が石畳のうえを滑りだす。「リバーだ!口をおさえろ!」レオナルドさんの咆哮と共に、私とノアを除く三人が口元を押さえた。だが私は、別のことに気を取られていた。ああ、“リバー”という単語……。王様はそいつで殺された。然も液体状で。ライアック・リバーは希少中の希少だというし、可能性はゼロに近い。だが眼前の少女は?なんの魔術か、簡単に煙を発生させた。城から脱出する前の、あの眼の端に映った黒いものも……。これなんだろう。なら犯人は……。...第28話ピース&ブロック【改稿版】

  • 第27話 恐怖に彩られた可能性【改稿版】

    砂煙から現れたのは、巨大な四足歩行の蒼龍。以前、洞窟で倒した龍とは比べ物にならない、威圧的な雰囲気。その背に、一人の少女が乗っていた。杖を手に身構えるサリヴァンさんに、優しい笑みはない。「リヴァイアサン……こんな時に限って……!」その名前に、私はぴんと来た。ゲームでもよく出てくる、メジャーなドラゴンだ。勿論、そこから飛び出してきたかのように、慌てふためく騎士を見つめるリヴァイアサンには、途轍もない雰囲気があった。筋肉質でしなやかな四肢に、人を殺せそうな眼力。これは徒者じゃない。今の私じゃ太刀打ちできない。いやそもそも、出会ってはならない存在……。然も背に乗っている少女の眼は、本当の闇。狂気の塊だ。綺麗な顔立ちなのが、余計に恐ろしい。無論、恐怖と迫力に気圧され、私のなかの戦意は抉られていった。どうして私はここにい...第27話恐怖に彩られた可能性【改稿版】

  • 第26話 見た目と年齢が釣り合わない魔女【改稿版】

    警鳥隊は案外アッサリと大人しくなった。まぁ、そりゃそうか。自分達が危うくなるようなこと、わざわざするわけもない。勿論、将軍暗殺事件は、自然と私達に託されることになり。後日、私はチャイナ服に刀を持ち、元勇者御一行の一員である魔女のサリヴァンさんに、会いにいった。氷矢やノアは、別の方面で動いているらしい。一応警鳥隊も動いてはくれているが、殆ど諦めているに等しい状態だ。まぁ、ライアック・リバーを発見してくれただけ、マシか。先に城内で待っていると、黒い和服に身を包んだサリヴァンさんが現れた。透明感のある綺麗な肌に、茶色の長髪を右に流しており、眼は赤と黒のオッドアイ。美魔女とでも言うべき彼女からは、得も言われぬ雰囲気が漂ってくる。魔術に慣れ過ぎて、姿が若いままになってしまっていると、氷矢からさらっと聞かされたが……本当に...第26話見た目と年齢が釣り合わない魔女【改稿版】

  • 第25話 突撃隊【改稿版】

    カモフラージュも兼ねて、私達は草原で落ち合うことに決めていた。勿論、帰ってくる時は隼の姿で。「……鳴いてるな。思ったよりも早い。」遠くからやってくる一つの影に、氷矢が呟く。確かに、意外と早い段階で帰ってきたな。そう思いつつ見ていると、煙と音を巻き上げて、例の姿になって着地した。その面持ちは、暗い。「……なにかあったんだな。」促してやると、ノアはこくりと肯き。「出てくるあいだにも、尋常じゃないスピードで計画が広まっていきました。多分さっさと片付けたいのでしょう。すぐに来ますよ。」と先に言い、早口で簡潔に、事情を説明してくれた。そして口を紡ぎ、はぁっと、深く溜息を吐く。元々魔王の側にいたし、動機は厄介な程に明確だ。だからこそ、彼を犯人にしたてあげようとしているのか……。然もすぐに来るって?とんだ馬鹿野郎集団だなと、...第25話突撃隊【改稿版】

  • 第24話 スパイシーなスパイ活動─半ノア視点─【改稿版】

    エマから独自に情報を貰い、私と氷矢は翌日、十字路の端で話し合った。王様の側には湯吞みがあったらしく、魔術の可能性は低い。だが魔術以外だとしても、様々な化学物質や生物が蔓延るこの世界で、それを突き止めるのは至難の業。勿論素人である私達は、結局行き詰ってしまった。もっとそれ専門の人に協力を仰げば、警鳥隊に頼らずにできそうなのになぁ。かと言って、氷矢のお父さんまで巻き込みたくはない。そう、二人でうんうんと頭を悩ませていると、見覚えのある男子が駆け寄ってきた。長い天パを一纏めにしたノアだ。「どうした。」妙に硬い表情の彼に、首を傾げる。すると声を潜めて。「やめましょうよ……見つかったら何をされるか……。」私達を交互に見た。否定派かと、氷矢と顔を見合わせ。腰に手をあて、ノアに向き直った。「だが相手は王様に仕えてるわけじゃな...第24話スパイシーなスパイ活動─半ノア視点─【改稿版】

  • 第23話 癒えぬ傷を啄む【改稿版】

    氷矢に促され、私は急いで戦闘服に着替え、刀を背負った。アヴァも混乱していたが、彼の緊迫した声が聞こえてくる。どうやら将軍が殺されたらしい。然も毒殺、だと……。まだ実感が湧かないが、もしそれが本当だとしたら。一時期王がいなくなる、という状況に……。その時に魔王に攻められたらどうする。国は更に混乱を極めるだろうな。「いくぞ。」そう、また氷矢に手を引かれ。アヴァに軽くいってきますと言い、私達は喧噪が強まる城の方へ、急いで向かった。大きな十字路に差し掛かる。ちらほらとノアを罵倒する言葉があるが、今はそんなのに構っている暇はない。全てを無視して、城に駆け込み。一階にある王室に、スピードを落とさず向かった。政府の関係者が私達に気が付くが、どうせ実の無い話をされるだけだ。氷矢もそれを解っているのか、左手を離すことなく、一番混...第23話癒えぬ傷を啄む【改稿版】

  • 第22話 個々人の意識は障害に比例しない【改稿版】

    元々人を驚かせるのが趣味で、今回もそのつもりで待機していたらしい。だが私達の戦いぶりを見て感銘を受け、然も馬二頭に囲まれたため、脅かすことはせず、普通に出て素直に頭をさげた……のだとか。本当に敵意はないらしく、てんとう虫にまでなって、その意思を表明した。そして後から聞いたが、シェイプシフターのように命乞いをする魔物も多いらしく、氷矢も二回程出くわしたらしい。その時は本能に理性が負け、最終的に襲いかかってきたため、氷矢は仕方なく殺したそうだが、それでも珍しい事ではない……と。然もシェイプシフターは魔族のなかでも優秀で、人型の姿のうえに賢い個体が多い。だから彼の事を全く受け入れない、という選択肢は、私にも氷矢にもなく、馬二頭も特に反応は見せなかった。だが。問題なのは、王様だ。幾ら私に大きな権力があるとはいえ、国を治...第22話個々人の意識は障害に比例しない【改稿版】

  • 第21話 少し不思議な人がいました【改稿版】

    王様からの命を受け、私達は早速草原に出向いた。退院後も妙薬を飲んでいたお蔭で、ステータスの全体的な数値はあがっている。転生でステータスとか、ベタすぎるな、と思っていたが、実際自分の能力を数字として表示してくれると、どれだけの実力があるのか簡単に把握できる。案外いいのかも知れない、と思いつつ、草原を走り。ふと氷矢が振り返った。「この前の洞窟、最後まで見てねぇだろ。」相変わらずのクールな面持ちに、無言で肯いた。暫く走り、魔法使いと妙な男を殺した洞窟に、舞い戻ってきた。やはり心臓を締め付けるような恐怖が、なかから漂ってくる。嫌だなぁ、と呟くも、氷矢は何の抵抗も見せずに入ってゆき、慌ててリアムを歩かせた。血痕が僅かに残っている部分から、更に奥。そこには私も氷矢も行っていない。慎重に、探るように進んでいく。今回は懐中電灯...第21話少し不思議な人がいました【改稿版】

  • 第20話 新たな強みへ【改稿版】

    ややあって氷矢が離れ、自然と左手で彼の手に触れた。離れたくないと、私が思っているのか?もしそうなら大分恥ずかしいなと、取り繕うように、慌てて離した。冷たい空気が、温もりを感じていた皮膚を撫でていく。と。担当の女医がそそくさとやってき。まるでそれだけを伝えるためだけに来たように、早口で告げた。「その包帯のことなんですけどね。魔術の氷のせいで、左腕全体にそれが残ってしまったんですよ。こちらもどうにかして溶かそうと試みたのですが、何せ生きた氷なので。ただ、魔術の氷だからといって身体に影響があるわけじゃないんですよ。氷自体は中立で、ただ使う者が消えたせいで、へばりついていた人間に宿っただけなんです。まぁ、簡単に言えば、対立側に使われていたけどその対立側の人間が消えたせいで、魔法書に魔術が戻らず、やむなく九条さんにそのま...第20話新たな強みへ【改稿版】

  • 第19話 建前と本音【改稿版】

    「滑稽ですねぇ。」そうくつくつと嗤う魔法使いに、私は刃を下に向け。氷を削る。厄介なことになった。だが一欠けらが零れるのみで、嫌な冷気は、背中にまで伝ってくる。自然と筋肉が震え出し、躍起になって突き立てるも、下半身の感覚は消えていった。「くそッ……!」脚を傷つけてもいい。ここから動かないと。魔法使いの思う壺だ。「健気な勇者ですね。でも残念。それはただの氷ではないんですよ……。」低く怖気のする声が、鼓膜を撫でる。と同時に、脚に絡みつく氷が、更に強度を増して増えた。太ももの付け根辺りまで伸びるそれに、勢いよく振り返り。右手に持った刀を、槍のように投げた。然し地面に突き刺さり、軽々と避けた魔法使いは、本をいやらしく撫でた。「くくっ、魔術と言ってますが、意思のある不思議な生命体です。私の命令一つで、どんな形にもなるんです...第19話建前と本音【改稿版】

  • 第18話 遠距離と魔法は間合いを詰めろ【改稿版】

    無骨な茶色に飛び散った赤を見つめ、ややあって刀を鞘にしまった。特に疲れてもいないし、右手が強張ることもない。一週間程のブランクはあれど、私は当初とは違い、戦闘に慣れ始めている。もう前世の私とは違う。産まれたての赤子でもない。明らかに馴染んで来ている。そんな私が笑うなんて。悪役みたいなこと、するわけがない。本当、何が残虐性だよ。それを言われて喜ぶ人間なんて、こういう転生ものに憧れる厨二病だけだろ。などと思いながら、馬の安否を確認するために振り返り、軽く手を振った、するとぶるると二頭とも鳴き、蹄で地面を蹴った。うん、早く行こうか。そう、顔を戻した時。目の前には。銀髪の、氷矢が。いた。まさかの対面に、眼を見開く。だが特別な怪我もなく、思わず駆け寄った。「よかった、氷矢……。」相変わらずの無表情な彼に、感極まって抱きつ...第18話遠距離と魔法は間合いを詰めろ【改稿版】

  • 第17話 暗中模索の殺気を【改稿版】

    決して侮るなかれ。常に集中してかかれ。亡き指南役であるゴンベエさんが、真っ先に教えてくれた言葉だ。だが私達はそれを忘れ、見事にしてやられた。きつく縛ったと思われる縄は、形を保ったまま地面にある。そして魔法使いと氷矢は……消え去った。何が起こったのかは分からない。だが、近づいてきた白馬が、私を見上げる。ぶるる。鼻を鳴らして、蹄で地面を蹴った。助けに行こう。その意思が見てとれ、私は強く肯いた。と言っても、どこに行けばいいんだろう……。そう思いつつも、とにかくリアムを走らせた。拘束された状態で、自分と氷矢を瞬間的に移動させる。そのうえ、あの幻の完成度は高い。ひよひよとしているが、本当は全部芝居で、私達では敵いそうもない相手……なのかもしれない。だとしたら……本当にゴンベエさんに顔向け出来ない。もし生きていたら、私も氷...第17話暗中模索の殺気を【改稿版】

  • 第16話 夢と現実【改稿版】

    一旦命令は、異常種から幻術師……いや、魔法使いの駆逐へと変わり、退院から四日後、私と氷矢は草原に出向いた。異常種が蔓延るなかで、悠長な事はしていられない。さっさと見つけてさっさと殺すに限る。「……お前、笑ってたんだよ。」平行して走っていると、氷矢が唐突に言い出した。え?と右を見る。視線はくれず、続けた。「獣を切った時。残虐性あると、笑うらしい。」何とも言えない横顔に、眉根を寄せた。「笑ってた?私が?」冗談は止してくれと、笑い飛ばそうとした。が。ちらりと一瞥をくれ。「本人に自覚はねぇんだとよ。否定しても無駄だぞ。」と、冷たく。はぁ?と言いたくなったが、もう一度くれた赤い瞳には、妙な威圧感があり。理解が追いつかないまま、口を紡ぐしかなかった。残虐性があったら笑う?というか、残虐性ってなんだよ。私はまだ、何も知らない...第16話夢と現実【改稿版】

  • 第15話 傷痕の溝

    私は氷矢に顔を掴まれたまま、違うとかぶりを振ろうとした。だがそれよりも先に、アヴァが声を荒げた。「ふざけないで!」ふっと、立ち上がった彼女を見上げる。顔は見えないが、氷矢の眼に驚愕の色が現れた。ややあって、ゆっくりと手が離れてゆく。と共に、冷たい空気が頬を撫でた。アヴァは溜息を吐き、胸に両手をやる。混乱しているのか。「ごめんなさい。病院なのに……。でも、残虐性って……間違っています。タツミはそんな子じゃない。ちょっと臆病なだけです。というか、こんな危険な仕事だと思わなかった……。政府が、政府がきちんと説明してくれれば、タツミを勇者になんて……。」震える声に、自然と眉根が寄った。説明も何も、政府はきちんと伝えたうえで、保護者であるアヴァに許可をとった。それから王様に会って、正式に任命されたのに……。「然も綺麗な顔...第15話傷痕の溝

  • 第14話 全ての始まり─半イーサン視点─【改稿版】

    「勇者が死ぬんじゃねぇよ!オイ!九条!」予想以上のスピードのせいで、九条は避けることさえ出来なかった。お蔭で魔物の爪が当たり……。そいつは消えた。眼はやられてないが、大きく斜めについた二本の傷からは、絶え間なく血が流れている。リアム、だっけか、こいつの馬から落ちて、然も気絶してやがる。大丈夫なのか……これ……。そう思いながら、止血剤を探す。だがこんな時に限って、ない。「クソ!おい九条!起きろ!」何度も揺さぶるが、起きる気配は一向にない。リアムも俺の馬も、流石に心配してる。ちっ、仕方ねぇ、恰好は不細工になるが、少しでも止めれるなら……!自分の着物の裾を引き千切り、きつく縛ってやる。だがそれでも、ぴくりともしない。どんだけ深く眠ってんだ。ビビりとは聞いてたが……。いや、待てよ。自分から魔物に攻撃したコイツが、この程...第14話全ての始まり─半イーサン視点─【改稿版】

  • 第13話 厄介者【改稿版】

    「九条!ここじゃ不利だ!草原に出るぞ!」「分かった!」馬に敵うはずもない。なのに狼型の魔物は、疾走するリアム達に対し、吠えながら追いかけてくる。このスピードなら攻撃は出来ないだろうが、それでも距離は一メートルにも満たない。完全に異常種だが、脳天に突き刺さったままで走れるなんて……。いや、それが異常種、というものなのかも知れない。とにかく今は、誰も怪我を負わずに戦えるよう、動かないと。森を抜け、広い草原へと舞い戻る。私と氷矢は目配せをやり、大きく距離をとった。相手は一匹で、こちらは二人だ。一緒にいればいる程、危険度は高まってゆく。そしてタイプも違う。向こうは遠距離だから、魔物の敵意がそちらに向いてしまったら、厄介な事になる。距離を取ろうとして逃げ、魔物は追いかけ、距離を詰めようとして更に追う。なら近距離である私に...第13話厄介者【改稿版】

  • 第12話 闇の更に闇【改稿版】

    その日の夜、アヴァは涙ながらに語ってくれた。元々五歳の娘がおり、旦那もいたのだが、娘と二人で山に出掛け、そこで運悪く魔物と出会し。護身術を習っていたアヴァが立ち向かったものの、隙を狙われて娘を殺された。そのあとは必死になって逃げ帰ったのだが、ショックのあまり遺体をそのままにしてしまい。旦那とは大喧嘩の果て離婚。今は海外にいるらしく、一年近く経った今でも、ショックから立ち直れていないのだとか。自分がもっと適切な行動をしていれば、娘が殺されることもなかったんじゃないか。そうやって自分を責め続けているうちに、私が娘のように見えてきて、途端に恐怖がぶり返してきたのだそう。だからああ言ったと、アヴァは苦笑いを浮かべていた。でも私は勇者だし、大丈夫だと言い残して、今日も草原に出向いているのだが……。本当に、大丈夫なんだろう...第12話闇の更に闇【改稿版】

  • 第11話 あだ名【改稿版】

    「契約をしに?私は構いませんよ。」保護者がいる場合、それの確認も必要なのだそう。そのため、アヴァに事情を話し、イーサンのことを紹介した。ら、案外すんなりと受け入れてくれた。まぁ一般人である彼女から見たら、彼の出で立ちは十分に立派なものか……。「勇者とよく似てる。お前、本当に転生者なのかよ。」イーサンの無表情な言葉に、私達はふっと顔を見合わせ。案外そうなのかもと、笑い声を漏らした。どこか母親のような感じだし、似ててもおかしくない。そんな私達を見て、表情の分かりにくい彼は、一つ溜息を漏らした。銀髪の目立つ初めてのパーティーメンバーと、契約のために役所に向かった。数週間振りの役所だ。何事もなく挨拶してくれるが、数人は彼を見て少し驚いていた。なんだろう。この綺麗な銀髪に驚いているのだろうか。真相は分からないし、すぐに営...第11話あだ名【改稿版】

  • 第10話 無表情イケメンは大体人気【改稿版】

    十分程経過したか?そう思い、空を見上げると、太陽は真上にあり、私を照らしていた。もう昼頃かと、そのまま首都の方を見る。黒毛と騎士数人。こちらに向かってきている。作戦通り、と口角をあげ、徐に立ち上がった。手を大きく振ると、同じように返してくれた。ややあって息切れした三人が足をとめ、黒毛はぶるると鼻を鳴らした。少しくらい馬に乗ってくれてもよかったのに。黒毛もそのぐらい、理解してくれそうだし。だがまぁ、色々とあるのだろう。鎧を着たまま走ってきた三人は、息を整えると、それぞれの反応で魔物の死体を見た。やっぱり、うわーと思うのが普通なのだろうか。こんなデカいのを女一人でやったのか、とでも言うような面持ちに、私は一方的に状況を報告し、最後に「それで、運んでほしいんですけど。」とそれぞれの眼を見て言った。若干引いてそうな、何...第10話無表情イケメンは大体人気【改稿版】

  • Twitterはじめました

    もう数分経ってますが、Twitterはじめました。え?リンク?貼らん。探せ(おいまぁ、検索したら出てきますよ。神谷そらで。目的としてはマイノリティの方と接する、なので、基本そこですが、気軽に来て頂けるとありがたいでーす。はーい。それだけ。Twitterはじめました

  • はじめるかも

    何をって、Twitterを。今日はしないけど、色々と話して始める方向にね。取り敢えず決定してるのは、Twitterでは写真はアップしません。特定とかされたら嫌なんで。なので写真はここかフォト蔵で見ていただけると有り難いです。リンクさせるのはカクヨム。場合によってはYouTubeもですが、YouTubeは生身の声なので、危険性を加味してリンクさせない、かもです。取り敢えずカクヨムだけはリンクさせて、宣伝とかするので、もし始めてやっててリツイートしてくれたら、物凄く嬉しいです。基本マイノリティ関係の活動に触れているので、そういうのが苦手な方は……はい。思いつく限りフォローしにいくと思いますが、逆に即フォローして頂いても構いません。場合によっては返します。喧嘩相手の何人かもTwitterをやっているようですが、僕から...はじめるかも

  • 第9話 狂気の沙汰【改稿版】

    抜刀と共に、牽制も兼ねて一撃。だがふっと避けられ、大きな右手による凪払いが、私の左から。すぐに足の動きを変え、刀を右手に避けた。そう上手くはいかないかと、今度は攻撃パターンを読み取ることに、脳の動きを切り替えた。アクションゲームばかりやっていた私は、その時の感覚を駆使して、相手の動きを注視しながら覚えてゆく。どういう予備動作があるのか。どういう攻撃が得意なのか。どういう癖があるのか。ある程度分かってしまえば、こちらのものである。何度か臆病者が顔を出してくるが、必死に抑え込み、その度に自己暗示をかけた。私は勇者。そして転生者。大丈夫、何か力があるはずだ!攻撃の隙を窺いながらも見ていると、大体のことが分かってきた。一番強力なのは、角を地面に突き刺して突進、からの突き上げ。間一髪で避けたものの、その範囲は広い。舞い上...第9話狂気の沙汰【改稿版】

  • 第8話 某ハンターと某ファンタジーのコラボが待ち遠しいのです【改稿版】

    翌日から、私は勇者、転生者という肩書きと、王家に伝わる装備という肩書きを信じ込み、麻酔薬のように臆病さを緩和しながら、草原に出向いた。あの時の光景がフラッシュバックするが、恐怖心はない。あるのはいつもの臆病だけ。もしかしたら、あの出来事で何かが外れたのか、慣れてしまったのかも知れない。どちらにせよ、トラウマになっていないのなら良かった。王様から譲り受けた歴戦の馬に乗り、颯爽と駆け抜ける。黒毛である彼は、私よりも年上らしい。強く地面を蹴るその振動に、怯えも徐々に薄れていった。時。遠くから、禍々しい咆哮が聞こえてきた。明らかに大きな魔物がいる。いや、動物の可能性もあるが、最近は魔物の方が活発になっているらしい。縄を引いて一度立ち止まり、聞こえてきた方を見つめた。「異常種かも知れない。様子を見よう。」そう一つ呟くと、...第8話某ハンターと某ファンタジーのコラボが待ち遠しいのです【改稿版】

  • 第7話 いざとなれば頑張れる【改稿版】

    はっと、眼を覚ました。すると視界に、見覚えのある天井がうつる。そこから、赤子のように、ゆっくりと左右を確認する。と。右から、また見覚えのある、綺麗な女性の顔が。「タツミ!心配してたんですよ?!」おかあ、さん……?いや、ちがう、か。アヴァだ。お母さんじゃない。やっとこさ頭が働いてきた私は、とにかく起き上がろうと力を入れた。すると背中に手を添えてくれ、小さくお礼を言った。一体何が起こったのか。なぜか記憶が途中で途切れている私は、一つ溜息を吐き、心配した面持ちのアヴァを見上げた。「ゴンベエさんは……ゴンベエさんはどうしたの?」掠れた声に、蒼い瞳が伏せられる。すぐには答えてくれなかった。だが、ややあって、一言だけ。「亡くなりました……。」と、呟くように言った。やっぱり、か。思ったよりも素直に受け止めた私は、一度視線を外...第7話いざとなれば頑張れる【改稿版】

  • 第6話 凶事は一瞬間に【改稿版】

    特に魔物が襲ってくるわけでもなく、半分ぼうっとしながら歩いていると、湿った風が高く結んだ髪を巻き上げた。と同時に鼻腔をつく、雨の匂い。ふっと空を見上げる。太陽はなく、あるのは重たくのしかかる雨雲のみ。これは確実に降ってくるなと、見上げたまま眉根を寄せた。「ヤバいですね。雨、降りますよ。」このまま探索を続けるわけにはいかない。その考えが一致したのか、ゴンベエさんは少し低い声で。「そうだな。走っても構わんか。」と訊いてきた。勿論、「はい。」と肯き、私達は急いで壁の中に向かった。だが、案外遠くまで来ていたらしい。それなりに走っても、すぐには辿り着かない。今の時季は春。だから濡れても風邪はひかないだろうが、それでも嫌だと思うのが動物の心理。さっさと帰って、さっさと落ち着きたい。その思いのみで、ゴンベエさんの大きな背を追...第6話凶事は一瞬間に【改稿版】

  • 第5話 自分の知らない才能【改稿版】

    翌朝、ゴンベエさんが問答無用で家に来た。朝から?と驚きつつも、早寝早起きに慣れている私は、欠伸を漏らしながらも肯いた。ただ、低血圧なのは昔から変わらない。朝早くからの熱い武士道に、なぜか一緒に朝飯を済ませながら、軽く溜息を吐いた。面倒くさいけど、こうじゃなきゃやってらんないんだろうな……。そんな仕方なさを覚えながら、髪を高く結んだ私は、半ば引っ張り出される形で外に出。近くの空き地までついていき、妙に元気な街の人たちに呆れながら、早速訓練を開始した。ゴンベエさんの指示に従い、剣術を主にやっていく。最初は分からずに悶々とする部分もあったが、徐々に楽しみを見出してき。それなりに慣れ、頭上にある太陽を見上げたあと、昼飯にしますかとゴンベエさんに笑いかけた。すると一瞬頬を赤くし、ふっと顔を背け、そうだなと言いながら去って...第5話自分の知らない才能【改稿版】

  • 4Tapioka Crazy

    彼女らは、私に居場所を見いだしていた。父親か、兄か、はたまた恋人か。言葉に収まる程の存在でもなく、自慰行為を見せ合う頻度も高くなった。そんなある日、愛奈が会いたいと言うので、私の家に呼ぶことになった。会いたい、その裏からは、色欲が見え隠れしており、提案してみるとすぐに肯きのスタンプが返ってきた。さて、どうすべきだろう。未成年とのセックスは法律で禁止されている。だがバレるリスクはないに等しい。愛奈が警察に通報する、なんてこともないだろうし、被害者面をするメリットもない。なら大丈夫だ。別にロリコンという訳ではないが、愛奈は大人っぽいし、流石に飢えてきた。なんて思っていたら、彼女がやってきた。眼の奥に邪心がある。所詮この女も同じ。愛に餓えた自分勝手な獣だ。「……どうしたの、こんなオジサンの家に難なくやってきて。」いつ...4TapiokaCrazy

  • アイザック氏

    アイザック・グレイ氏をなんとなく描いてみました。灰色でもないし眼鏡もかけてないしピアスもしてないけどね。余談ですが、アイザックに合う動物はクロヒョウだと思うんですよ。うん。眼を描いてて「あー、なんか、クロヒョウっぽい」って少し思いました。アイザック氏

  • 強奪してくるのが気紛れ屋

    さて、なろうのどっかから拾ってきたものだ。『私ってこんな人バトン』①あなたのユーザー名は?由来とかある?②あなたが心に残っている作品はある?③あなたが作品を書き始めたのはいつ?④なろうで最初に書いた作品は?その作品を書くことにしたのはどうして?⑤自分は一点集中型だと思うか、並行して何作品も書ける人だと思うか?⑥あなたは気に入った作品から作者読みをする?しない?⑦作品を探す時にランキングを利用する?しない?⑧なろうの機能を活用できていると思う?⑨あなたが目指すのはただただ楽しいなろうライフ?それとも楽しみながらもガチに書籍化狙い?⑩では、最後の質問です。なろうで活動して、親しくなった方をご紹介ください。但し5人までね。やるぞ(おい『私ってこんな人バトン』①あなたのユーザー名は?由来とかある?「神谷ネコ丸」好きな声...強奪してくるのが気紛れ屋

  • 第189話 動き出す

    その後、予定通りに専門家をレイナママに紹介し、ひとまず落ち着いたところで、次の問題が舞い込んできた。千姫様が、携帯電話とインターネット導入に対して、YESの返事を出したと、疲れ果てた声音でハチベエさんが教えてくれた。受話器を乱暴に置いたあと、遅かったかと、深く溜息を吐いた。「小豆?何かあったのか?」イーサンの問いに、前々からあった問題が悪い方向で進んだと、手短に答えた。無論、その話を知っている旦那は、そうかと眼を伏せ。「一回、考えを訊きに行くか?何かあったのかも知れねぇ。ほら、本多忠勝とかいう、いけ好かねぇ奴がいたろ。そいつに何かされた可能性もある。」少し苦笑を漏らした。確かに、あいつなら何かやりかねない。千姫様はまだ若いし、それに気も弱い。簡単に脅しに負けてしまう可能性だってある。「そうだな、行こう。」ここは...第189話動き出す

  • 名前変更

    「神谷ネコ丸」から「神谷そら」に変わります。ID系はネコ丸のままですが、それ以外は「神谷そら」。ですので名前から猫要素が消えます。ネコさん呼びでも構いませんが。理由としてはまぁ、気分もありますが、姓名診断を何となくそらの方でした時、それなりにいい結果が出たので、ついでに実名っぽいやつに変えてみようと思いまして。ネコ丸も好きですし、全体的なバランスもしっくり来ているんですが、僕個人ではなく神谷ネコ丸という皮を被ったなにか、という感覚だったので、一応実名っぽい偽名として作った神谷そらにしようかな、と。はい。神谷ネコ丸ってユーザネーム、他にいないんですよね。実は。だから当たりやすさはありますけど、僕はそんな性分じゃないので、そらの方にします。取り敢えずカクヨムとみてみんは変更しますが、YouTubeやフォト蔵なども変...名前変更

  • 3Tapioka Crazy

    くるみはパパ活を一年前から始め、両親からは見離されており、クラスでも除け者扱い。凛香は大学生の男と付き合い、コンドームをせずにセックスをしていたら妊娠し、中絶。そこから腫れ物扱いをされ、母親には失望されている。どうやら三人は別々の高校に通っているらしく、ツイスターで出会ったのをキッカケに集まったのだとか。なんとまぁ、類は友を呼ぶというか。まるで打ち合わせでもしたかのように、立て続けに闇を明かされた私は、みなが眠りについた頃、やっとこさスマホから手を離した。大きく溜息を漏らし、背もたれに身を預ける。流石に私も疲れた、今日は早めに寝よう。翌朝、三人それぞれに『いってらっしゃい。』と送り、私は久しぶりに地下室に降りた。それにしても、奇妙な関係が出来上がってしまった。もし私があそこで、タピオカ片手に歩いていなかったら。...3TapiokaCrazy

  • 虚無

    シャボン玉をたくさん作って、空に浮かばせる。ふわふわと漂うそのなかに、色とりどりの生活がある。一つこちらに帰ってきたのは、独身男性の生活。ごめんね、ぼくは作ることしかできないんだ。そう思いながら、人差し指の腹で、軽く押し返した。すると、ゆっくりと空にあがっていき、たくさんの生活のなかに、紛れた。見上げながら、ぼくは思う。ぼくは神さまなのに、作り出すものはすべてランダム。もうちょっと幸せになれる色を、足してあげれればな……。こんなに、ぼくが恨まれることも、なかっただろうに……。「ミコト?また暗い顔をしてる。」なにか考え事でもしてるのかい、と、ぼくの横に姉者がくる。ちらりと見て、シャボン玉をまた見つめた。「なにかあるなら、私に相談するんだよ。ミコトは大役なんだから、不安になることもあるさ。」姉者は昔からやさしい。今...虚無

  • 性別に煩いんじゃなくて

    いちいち性別に対して弄ってこようとするから煩いんだよ。もしくは関わってこようと、触れてこようとするから。僕の性別云々に関して「性別性別煩い」って思ってる人は、自意識過剰に近い状態だ。何もアンタ一人に対して言ってるわけじゃない。不特定多数に向けて言ってるだけ。あとは自分の記録用。揺れてた時はそりゃあ煩くなるだろうけど、少し考えれば分かることだろう。それが嫌なら関わるな。それが嫌なら無視しろ。俺と関わるのが、俺を見るのが義務なわけじゃない。大人しくスルーしておけ。それも出来ずに自分から関わって、自分から触れて、自分から弄りにいってそれで「煩い」って言うのは流石に違う。今の話に戻すけど、エッセイだ何だと書く以外では特に何も言ってない。その状態で性別に関してあーだこーだ言われたら、そりゃあ煩くなるだろう。こんなこと言っ...性別に煩いんじゃなくて

  • 最近親父が危険運転に出くわす頻度が高い。うん。いや、車は好きだが、最近の交通事情は好かん。人がいる時は徐行。ウインカーは入れろじゃなくて、入りますよの合図。クラクションは危険を知らせるためのもの。ライトは運転手のためじゃなくて周りに居場所を知らせるためのもの。左車線は基本速め、ゆっくりは右車線。歩行者優先。どこでも止めていいわけじゃない。スピードあげるな。田んぼ道は国道じゃなくて私道。我が物顔で走るな。信号を見ろ。前の車に合わせて動くな。もう本当、数年前より車の動きに注意するようになってさ。いつ突っ込んでくるかわからないし、抜け道にする奴って謎にスピードあげるし。信号も信用してない。だって無視する奴いるし。大体自己中な奴が車乗るなよ。それに軽は自転車じゃなくて車。自転車感覚で乗るんじゃねー。プリウスも迷惑。あれ...車

  • 5心に残る台詞

    第124話義眼疑心イーサン・ホワイト「もう……何も失いたくねぇ……。何も……。」「狐風情が……二回も俺の大事なもんに手ぇ出しやがって……。なぁおい……幼なじみも殺して……俺の横腹にも傷つけたよなぁ……。それだけじゃ足らねぇのかよ……。」「あん時……俺が弱いばっかりに……。だから今、せめてもの償いとしても、俺はアイツらを殺す!“いつか婚約する相手だった、ミアのためにもな!”」第125話女心と嫁はんイーサン・ホワイト&九条辰美「何考えてんのか知らねぇけど……死ぬん──」「うるさい!自分が何言ったのかも知らないで!」「はぁ……?」「どうせ私の事は好きじゃないんだろ?!私はただの義眼だからな!そんなに幼なじみが好きなら、天国にでも行けよ!地獄の果てまで追いかけろよ!」「馬鹿かよ……好きじゃねぇなんて一言も──」「私の前...5心に残る台詞

  • 4心に残る台詞を

    第108話調査してみる?エマ・グレイ&九条辰美「……小豆って、凄い魅力のある人なんだと思う。」「そうか?」「……うん。アイザックがあんな反応を見せたのも、小豆に魅力があるからだと思う。私もさ、同性だけど、たまに凄いドキッとする時があるの。」「例えば?」「流し目とか、ちょっと振り返った時とか。あと、いたずらっ子みたいな笑顔もかな。どこか悲しそうな横顔も、たまにドキッとする。」「ふーん。よく解らんが、そうなるのは転生者だからじゃないか?」「……そうかなぁ。まぁでも、正直羨ましいかな。あんな顔、私の前ではしてくれないし。」「……。」「あ、ごめん。言われても困るよね……。」「いや、いいよ。」九条辰美「人妻、なめんなよ。」エマ・グレイ&九条辰美「雪女の得意な技を中心に鍛えた。一つはさっきの霧。失神レベルの冷たい霧を吐きだ...4心に残る台詞を

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