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2017/04/04

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  • 河竹黙阿弥を読んでしまった

    iPadでの『太平記』読書が時間の関係もあってはかばかしく進まない中、気が付けばジャパン・ナレッジで筑摩の「明治文学全集」が読めるようになっていた。こちらはPCでも比較的ページめくりに時間がかからなかったので、iPadとの住み分けも考えて、PCで読んでみた。 とりあえずは、最初の作品からだろうということで、第1巻「明治開花期文学(一)」を開く。この「明治文学全集」は、…

  • iPadで『太平記』を読む2(中断中)

    いや、覚悟はしていたのだけど、『太平記』長い。軍記物とて登場人物も多くなってきて、断片的な時間を見つけての読書では、話の流れを追いきれなくなってきた。それで、1頁、2頁ずつではなく、一章分ぐらいずつ読むようにしているのだが、そのためのまとまった時間を取るのも厄介だし、一章まとめて読むとなると、時間もかかるので、完全に気楽にというわけには行かず、多少の気力が必…

  • iPadで『太平記』を読む1

    日本の歴史的な時代区分の中で、一番理解しにくい時代が室町時代だというのに異論のある人はあまり多くないだろう。末期の戦国時代として画期される部分も、織田信長の登場以降は、日本が統一されていく過程としてわかりやすくなるけれども、その前の応仁の乱から三好政権のあたりは、何がどうしてこうなったのかわからないことが多く、全体的な歴史の動きが見えてこないというか、理解で…

  • iPadで古典を読む(幕間)

    年が明けて、職場に出られるようになると、iPadをしばしば持参するようになった。どうしても発生してしまう待ち時間や、休憩時間に暇つぶしがてら古典を読もうと考えたのである。職場のほうがwi-fiの状態がよくて、ページめくりが失敗することもほとんどなく、ストレスなく読み進められるので、特に『太平記』のような長い長いお話を読む際にはありがたい。 ただ、自宅と職場の間を持ち…

  • iPadで『将門記』を読む

    思い返してみれば、軍記物語は、『平家物語』を部分的に読んだことがあるぐらいである。それで、『太平記』に行く前に、時代はさかのぼるけれども、古い軍記物語を、一つ二つ読んでおくことにした。『平家』は、光瀬版を通読したので理解はしやすいだろうけど、長すぎるので、先ずは、あれこれ伝説に彩られた平将門の反乱を描いた『将門記』を選んだ。昔荒俣宏の『帝都物語』を読んで以来…

  • iPadで『徒然草』を読む

    続いて全集でも同じ巻に収録されている『徒然草』である。こちらは、『方丈記』が平安から鎌倉への転換期に書かれたのに対して、鎌倉、室町の転換期に書かれている。ただ、同時代の作品、もしくは『徒然草』のほうが古いんじゃないかと思い込んでいたことは、自戒も込めて書いておかねばなるまい。この誤解は、文章を読んで受ける印象から生まれたもので、文学史などで書誌的なことを学ん…

  • iPadで『方丈記』を読む

    ほぼ一年前に書いて放置していたものである。 次なる読書の対象として選んだのは、「ゆく河の流れは絶えずして」で始まる冒頭の部分が名文の誉れも高い『方丈記』である。久しぶりの古典ということを考えると、平安期の女流文学の作品を読むのはつらい。読みやすそうなものとなると、こちらが学んだ古典文法に比較的忠実な形で書かれている中世の擬古文である。その代表が『方丈記』と『…

  • iPadで『日本霊異記』を読む

    『霊異記』といえば、ジャパンナレッジでは、「東洋文庫」にも入っていて、原文はないが、現代語訳で読めるようになっている。以前、加入したばかりのときに、せっかくだから「東洋文庫」も読んでみようと思って手を出したのが、日本の『霊異記』と中国の『捜神記』だったのだけど、コンピューター画面上での表示とページめくりの遅さにたえかねて、どちらも最初の数話で投げ出してしまっ…

  • iPadで『古事記』を読む

    古典の読書を始める前にしたことは、一度の充電でできるだけ長く読み続けられるように、設定を変更することだった。最近のPCも含めたこの手の機械は、作り手だけが便利だと考えている機能が山のようについていて、しかも購入時点でオンになっているのが困り物である。それで設定画面を開いて、オンになっているのを片っ端からオフにしていった。ネット閲覧ソフトが動いて、ジャパンナレッ…

  • iPadで古典を読む(設定)

    昨年の11月末だったか、12月初めだったかに届けられたiPadは、大きな箱に入れられていた。パッケージも、本体と充電のためのアダプターしか入っていないのを考えると、ちょっと厚すぎないかと言いたくなるもので、ちゃんとしたマニュアルが入っているんじゃないかと探してしまった。アップルの製品にそんなもの期待するのが間違いだったけど。 実際に手にしたiPadは、思っていたより…

  • iPadで古典を読む(前史)

    個人用のコンピューター、つまりパソコンの一般への普及の黎明期ともいえる1980年代に中高生だった我々の世代にとって、アップル社のパソコン、マッキントッシュは憧れの対象だった。あのころ実際に目で見て触ったことのあるパソコンは、せいぜい友人の持っていた会社は忘れたけどMSXとかいう規格のものだけで、NECの98、88シリーズも存在は知っていたけど、テレビでしか見たことはなかっ…

  • 黒板博士のプラハ滞在記2

    承前 プラーハは百塔の都とも称せられて居る。ゴチック式の尖塔高く林立したる盛観は他の欧州に於ける都府で多く見らるるものでない。夫が皆中古の面影を存して基督教の勢力を振った当時を追憶せしむるのである。大詩人ゲーテはプラーハを都市のディヤデムにある真珠なりと激…

  • 黒板博士のプラハ滞在記1

    諸戸博士のモラビア・シレジア紀行に続いて、歴史学者の黒板勝美氏が世界周遊旅行の途中でプラハに立ち寄った際の記録を紹介する。『西遊二年欧米文明記』(1911年刊)については、すでにここで簡単に紹介したが、今回は記事を引用しながら、解説を加えてみる。黒板博士がこの世界旅行に旅立たれたのは1908…

  • フクロウ考

    これまで、猛禽類のうちの昼行性のもの、タカ、ワシの仲間について、日本語での名称とチェコ語での名称を検討してきたのだが、毒を食らわば皿までで、夜行性の猛禽類、つまりはフクロウ、ミミズクの仲間についても取り上げることにする。 昔話、それをモチーフにした映画なんかにもよく登場するから、チェコ語でフクロウのことを、一般的にはsovaと呼ぶということは知っている人も多い…

  • ワシ考

    チェコ語で小型の猛禽類を表わす言葉がsokolなのに対して、大型のものはorelと呼ばれる。こちらは、幸いなことに、日本語のワシと、意味だけでなく使い方でもほぼ対応している。つまり、一般的には「ワシ=orel」で、具体的な種名を表わすときに、日本語ではワシの前に、チェコ語では後ろに言葉を付け加えるのである。 だから、お気に入りのテレビドラマ「チェトニツケー・フモレスキ…

  • ハヤブサ考

    日本語の種名としてのハヤブサが、チェコ語のsokol stěhovavýに相当することはすでに紹介したが、他のハヤブサ科の鳥たちもsokolなのだろうか。残念ながらタカの場合と同様に、sokolという言葉が使われるのはハヤブサ一種だけで、ほかの鳥たちは別の言葉で呼ばれているようである。 今回はチェコ語を基準に紹介する。日本語で聞いてもどんな鳥なのか、普通のハヤブサとどう違うのか…

  • ハヤブサ考じゃなくて、ソコル考(になってしまった)

    さて、次の問題は、sokolのもう一つの訳語であるハヤブサである。日本語でハヤブサに対するイメージというと、やはり「速いもの」、「スピードのあるもの」だろうか。たしか、鉄道の特急や、バイクの愛称として使用されていたが、それも速さを強調するために付けられたもののはずだ。新幹線の命名に使われた音や光の速さが、目に見えない、実感できない速さだとしたら、ハヤブサは目で見る…

  • タカ考

    前回書いたように、日本語の「タカ」には、トビやノスリなども含まれるのだが、それらのタカの仲間たちはチェコ語では何と呼ばれているのだろうか。種の名称としてはjestřábだということが確認できたので、日本語でタカと呼ばれる鳥たちの多くはjestřábに形容詞が付いた形で種名とされているのだろうと予測したのだが、その形のものは「オオタカ=jestřáb lesní」だけだった…

  • ソコルはタカか、ハヤブサか

    チェコ語のsokolについては、確か京産大の出版局が発行した『チェコ語・日本語辞典』で調べたときに、「鷹」とあるのを見て以来、ずっとタカを意味するものだと思っていた。実際に、使われる場合も、日本語のタカと同様、大抵は小型の猛禽類(チェコ語ではdravec)を指すのに使われていたし、鷹狩、鷹匠を意味するチェコ語の言葉も、sokolから派生したものだったし、自分の頭の中には、sok…

  • くたばれチェコ政府、もしくはバビシュ政権の最後っ屁

    チェコに住んでいる人は、気づいていると思うが、昨年の十一月、十二月ぐらいからチェコ政府による外国人いじめが一段と進行している。外国からの郵便物に関しては、その内容が何である可に関わらず、手紙扱いであったとしても、確か50グラム以上のものは、全て税関で止めて通関手続きを求めるようになっているのである。これまでは、2キロ以下の手紙扱いで送ったものは、箱入りの小包で…

  • ワクチン接種三回目2

    ワクチン接種を受けるかどうか、まだ悩んでいた一月の半ば、二回目の接種から五ヶ月経とうとするころに、接種の予約システムを管理しているところから三回目の予約が可能になったというSMSが携帯に届いた。五ヵ月後から接種が可能になるはずなのに、五ヵ月後から予約が可能になるのでは、実際の接種はさらに遅れることになる。実際に予約システムのページに、各接種会場の予約状況が表示さ…

  • ワクチン接種三回目1

    先週一週間、更新が滞ってしまったのは、先々週の金曜日に受けた、新型コロナウイルスに対するワクチンの三回目の接種の後遺症のせいである。接種後の副作用自体はそれほど酷くはなかったのだが、疲労感というか、体全体のだるさが中々抜けず、PCの画面を見ていると、頭痛がし始めるという状態で、普通の仕事をこなすために使用時間を大幅に制限する必要があったのである。酷い風邪やイン…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 最終日

    この日は、最終日とあって、ウーソフの城館にあったリヒテンシュテイン家の博物館を訪れた後は、チェルベンカから鉄道を使ってウィーンに向かうだけである。 六月十二日、月曜日、晴天。午前七時、馬車にて出立。同八時、アウスゼー(Aussee)に着す。 …

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 七日目

    この日は、最初は山歩き。山越えをしてノベー・ロシニに到着した後は、鉄道でウニチョフに向かい、宿泊。最初「メーレンのノイスツタト」という地名表記を見たときには、ノベー・ムニェストかと思ったのだが、ウィンター・スポーツで有名なノベー・ムニェスト・ナ・モラビェは、ボヘミアとの境界近くにあって、鉄道一本でいけるような場所ではない。改めて調べてみたら、なんとウニチョフ…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 六日目

    この日もまた山歩きである。カルロバ・ストゥダーンカからチェルベノホルスケー・セドロに向かったところまでは確実だが、宿泊した山小屋の場所がチェルベノホルスケー・セドロなのか、「シユーデツラン山合」という別の場所なのかは、判別できなかった。 六月十日、土曜日…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 五日目

    五日目は、カルロバ・ストゥダーンカからブルブノ・ポド・プラデデムを往復。鉄道の路線で結ばれているわけではないので、当然徒歩である。移動に時間がかかったためか、記事は非常に短い。 六月九日、金曜日、晴天。午前八時、独逸マイステル森林事務所前に集合し施業按…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 四日目

    この日から、鉄道だけではなく徒歩での移動も増える。 六月八日、木曜日、曇天。午前八時、停車場に集り、独逸マイステル森林主任へルマン(Hermann)氏の案内にて、停車場附近に在る積木場を視察す。此の積木場は今回新設せられたるものにて、一万円を要せるが、此の場所…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 三日目

    三日目は、ブルンタールから鉄道で、ブルブノ・ポット・プラデデムに向かう路線に乗って、ノベー・ヘジュマノビとカルロビツェを訪問。カルロビツェは知っていたけど、ノベー・ヘジュマノビなんて、この旅行記を読むまで存在すら知らなかった。 前夜学生たちは午前二時ごろに寝たというのに、この日は朝六時に駅に集合というなかなかハードなスケジュールである。諸戸博士は早めに寝て…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 二日目

    二日目の行程は、オロモウツからシレジアに入ってすぐのブルンタールまで。 この記事を読むまで、オロモウツ駅から出る路線の中で二番目にローカルな、ビストシツェ川に沿って走る路線を、20世紀初頭に利用した日本人がいたとは予想もしていなかった。しかもブルンタールでは、ドイツ騎士団所有の城館に宿泊しているのである。これは当時学生が優遇されていたことを表しているのだろう…

  • 諸戸博士のモラビア・シレジア紀行 初日

    以下は、「大日本山林会報」第三百五十一号(明治44年)に掲載された諸戸北郎博士の「明治四十四年六月墺国メーレン(Mähren)州、及びシユレシエン(Schlesien)州修学旅行所感」である。筆者名の上に、「在墺国維納市」とある辺りが、時代を感じさせる。 それはともかく、諸戸博士は、「維納高等地産学校」と書いているが、『

  • シェーンバッハと砂防と諸戸博士

    以前、「大日本山林会報」という雑誌の明治時代の1898年に出た184号に、西ボヘミアのルビという町についての記事が掲載されているという話を書いた。(「シェレバッハの謎」) この雑誌には、これだけではなく同じく明治時代の1911年の351号に、「明治四十四年六月墺国メーレン(Mähren)州、及びシユ…

  • 2021年後半のできごと3、ゼマン大統領の健康問題

    ゼマン大統領は、二期目に入って、衰えた姿を見せることが増え、最近では移動だけでなく職務の際にも車椅子に座っていることが多いのだが、昨年の後半、特に下院の総選挙の前後には、その健康状態がただでさえ混迷するチェコの政局に、更なる混乱をもたらした。 発端は、選挙を直前に控えた九月末のゼマン大統領が軍の病院に入院したというニュースだっただろうか。大統領は健康診断…

  • 『たから舟』の童話二編について

    まずは、「ねぼけ小僧出世物語」だが、主人公の名前が「ヤン」というところが、いかにもチェコの童話である。ヤンという名前は、現実にも最もよく見かける名前の一つだが、童話の世界でも、ヤンやそのあだ名であるホンザ、ヤネクなどの名前が、特別な名前を必要としない匿名的な主人公の名前として使われる…

  • 2021年後半のできごと2、下院総選挙

    バビシュ政権のコロナ対策も含めて、昨年チェコで起った出来事の殆どに影響を与えていたのが、十月初めに行われた下院の総選挙である。 バビシュ政権との対決姿勢を強める、オカムラ党以外の五つの野党は、かなり早い段階で、市民民主党・キリスト教民主同盟・TOP09と、海賊党・市長連合という二つのグループにまとまってそれぞれ共同で比例代表の候補者名簿を作成することを決めていた…

  • 一撃九匹(チエスコ・スロヴエンスカ童話)

    あるところにひとりの仕立屋があった。この仕立屋は、為事(しごと)が暇だと、きまって靴下の直しをやらかしていたが、ある日御飯をすますと、テエブルのうえに、一ぱい蝿がたかっていたので、彼はもっていた靴下でいきなり蝿をたたいた。そして一時に九匹を殺した。 さて、彼はあんまり長いあいだ為事がなくて、そう毎日ぼんやり靴下の直しばかりもやっていられないので、そこである日…

  • ねぼけ小僧出世物語(チェスコ・スロヴェンスカ童話)

    あるところにヤンという少年があったが、彼は大のねぼけ小僧で、それこそ時も処もおかまいなしに、どこへでもゆきあたりばったりにごろごろと寝た。ある日、彼は一軒の居酒屋の前をとおりかかると、中には五六人の百姓がいて、その外に山のように藁を積んだ荷馬車が三四台置いてあった。彼はこれを見るとこいつはうまい寝床があるわいと、早速一台の荷馬車のなかへ潜りこんで、そのままぐ…

  • 松本苦味編『たから舟 世界童話集』(1920)

    チェコ文学の、文学とはいっても童話だけれども、最古の日本語訳を発見してしまったかもしれない。 これまで、チェコの作品で日本語に翻訳された最初のものは、カレル・チャペクの『R.U.R.』の日本語訳である『人造人間』(宇賀伊都緒訳、1923年発行)だと思っていた。それが、例によって国会図書館オンラインで、チェコ関係の古い記事を探していたときに、ふと思いついて「チェスコ」…

  • 「外交時報」第五十八号(1902)

    国会図書館オンラインで、チェコに関する記事をあさっていたときから、この「外交時報」という雑誌に載せられた当時のボヘミア情勢に関すると思われる記事には、非常に期待していた。それで、古いほうから三つほど複写を依頼したのだけど……。署名記事ではなく「雑報」などというくくりで掲載されていることから、大した内容ではなく、ヨーロッパの雑誌の内容の引き写しでしかなかったの…

  • 2021年後半の出来事1、南モラビアの竜巻<br />

    思い返せば去年の6月の初旬に怠けぐせが再発して、毎日書くのを停止してしまったのだが、停止していなければ、確実に記事にしていたに違いない事件の一つが、六月に南モラビアで発生し多くの犠牲者と、建築物の被害を出した竜巻である。 竜巻、もしくはカタカナでトルネードというと、アメリカのイメージが強いけれども、チェコでもごくたまに発生する。その大半は小さなもので被害…

  • 「法学協会雑誌」第二十三巻第十号(1905)

    以前から、国会図書館所蔵の戦前の書籍や雑誌に掲載されたチェコスロバキア関係の記事を紹介してきたのだが、今回は、なぜか法学関係の雑誌に紹介されたプラハの学生寮についてのお話。記事の題名は「プラーグのチエツク大学に於ける新設備」と言うのだけど、それが寮(寄宿舎)のことだとは思っておらず、大学の講義室に最新の機材が導入されたという記事か…

  • 復活?

    コロナに明け、コロナに暮れた2021年も終わり、気がつけば2022年が始まっていた。去年は、6月ぐらいから長い中断期間を経て、9月に一時復帰したものの、最後の三ヶ月は完全にサボってしまった。復帰後継続できなかった原因の一つは、毎日ではないとはいえ、ジョギングを始めてしまったことで、ジョギングに気をとられて記事を書くのがおろそかになってしまったのではないかと、今にして思…

  • ジョギング日記(一週目)

    日記というほど事細かくするつもりはないのだけど、一応どんな感じで走り始めたのか、ここに簡単に記録しておこう。 ある程度準備をしたうえで、久しぶりに走るために外に出たのは、八月下旬の月曜日のことだった。走り始める前に決めたルールは、とにかく無理をしないこと。必要以上にスピードを上げず、つらくなったら歩く。距離も時間もほどほどにしてできるだけ毎日走る。ただ、雨…

  • 運動不足解消のために

    運動不足というのは今に始まったことではなく、高校を卒業して以来、定期的な体育の時間がなくなったせいで、多かれ少なかれ常に運動不足の状態にあった気がする。特にひどくなると、思い立ってジョギングを始めようとするのだが、長続きしないのが常であった。日本にいたころは、平日は満員電車にもまれ、休日は古本や巡りで、ある程度解消されてはいたので、そこまで深刻にはならなかっ…

  • ワクチン接種の個人的顛末5

    5 副作用(一回目) 一回目の副作用はほとんどなかった。注射の針を刺された部分は、痛くはないのだが、右腕を上げると痛みを感じそうな予感があって、実際に上げてみるとほとんど痛くないという拍子抜けな感じだったし、腰痛などの関節の痛みは普段よりちょっときつくて、風邪の引き始めのような感覚もあったのだが、一晩、二晩寝ているうちに何事もなかったかのように元に戻った。一…

  • ワクチン接種の個人的顛末4

    4 接種(一回目) 今から考えると、予約の期日が、翌日と翌々日しかなかったのは、余計なことを考える時間がなかったという意味ではよかったのかもしれない。うちのの話では、注射自体はまったくといっていいほど痛くなかったというのだが、痛かろうが痛くなかろうが、注射は嫌なのである。 当日はメールで届いたワクチン接種に関する情報を印刷し、保険のカードがあるのを確認し…

  • ワクチン接種の個人的顛末3

    承前 3 接種期日予約 二回のワクチン接種の間隔が三週間に戻すことが決められたのは、確か七月半ばのことで、その週の木曜日から適用されることになった。その時点で接種の申し込みをしようかとも思ったのだが、すでに日時の予約をしている人に関しても二回目の日程を変更するということなので、予約システムだけでなく現場でも混乱している可能性があると考えて、何日か様子を見ること…

  • ワクチン接種の個人的顛末2

    承前 2 接種にいたりし事情 五月から六月にかけては、あれこれ悩みながらも、どちらかと言えば、接種を避ける方向で考えていたのが、七月に入って方針を転換したのは、チェコ政府の楽観論に反して、国内の接種率がなかなか増えず、このままでは夏休みシーズン開けの九月になっても、規制の全面解除にはなりそうもないことがわかってきたからである。しかも、その規制の対象から、未接…

  • ワクチン接種の個人的顛末

    1 先送りした所以 七月の後半に一回目、八月の半ばに二回目の接種を受けて、ワクチンの接種は完了したのだが、最終的に接種を受けようと決めたのは七月始めのことだった。それまでは、あれこれ悩んでいたのである。 チェコの一般の健康保険に加入して、毎月保険料を支払って、いや給料から天引きされているから、チェコ人の保険加入者と同じ扱いでワクチンの接種を受けることができ…

  • ワクチン接種の顛末4

    承前 4外国人に対する接種 外国人は外国人でもEU加盟国の国民の場合には扱いが違う可能性が高いので、ここに記すのは、日本人を含むEU外出身の、長期滞在許可を持つ外国人に対する対応である。 簡単に言うと、これらの外国人は二つのグループに分けることができる。一つはチェコの企業などで仕事をしていてチェコ国内の健康保険に加入している場合で、この場合は一般のチェコ人と…

  • ワクチン接種の顛末3

    承前 3ワクチンの種類 現在チェコで使用できるワクチンは、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソンの四種類だが、実際に接種されているのはファイザー社のものが圧倒的に多く、80パーセント以上を占めている。これは、副作用の問題もあったけれども、最初にEUの認可を受けて供給されるようになったということが何よりも大きい。一回の接種で済むのならともかく、…

  • ワクチン接種の顛末2

    承前 2接種場所 一般の人が接種を受けるのは、多くは各地に設置された特設の会場である。既存の医療機関の一部を改装した小規模なものから、体育館やイベント会場などを利用して一度に何人もの人が接種できるようになっている大規模なものまで存在する。接種の実務を担当する地方政府によってやり方が違うようである。最近は接種希望者の数が減っており、大規模会場の中には八月いっぱ…

  • ワクチン接種の顛末1

    夏休み期間を利用して、ワクチンの接種を受けてきたので、その顛末を簡単にまとめておくことにする。その前に、チェコのワクチン接種の状況をまとめておく。 1対象者 チェコでコロナウイルスに対するワクチンの接種が始まったのは昨年末のことだった。当初は医療関係者が優先的に接種されていたが、一月には予約システムが稼動し高齢者への接種が始まった。最初は85歳以上が対象で…

  • リハビリ開始

    五年以上も、一時の例外を除いて、ほぼ毎日書き続けてきたこのブログだが、六年目の半ばになって更新がぱったり途絶えてかれこれ二ヶ月半になろうとしている。他人事のような書き振りではあるけれども、その原因は、仕事が忙しくて文章を書く時間がないからでも、体調不良で書くことができなくなったからでも、書くべきネタが尽きてしまったからでもない。 仕事に関していえば、五月…

  • 大統領失格(六月五日)

    日本の参議院と同じで、しばしば不要論が登場するチェコの上院だが、下院や政府から独立して機能しているので、特に議員の構成が下院と大きく異なっている場合に、独自の活動で存在感を示すという点では、廃止しても何の問題もなさそうな参議院とは違っている。去年の夏のビストルチル上院議長を代表とする議員団の、政府の反対を押し切っての台湾訪問も、その活動の一つである。 そ…

  • 推理小説三昧(六月四日)

    時代小説、歴史小説を濫読して飽きた後は、推理小説に手を伸ばした。赤川次郎の『三毛猫ホームズの推理』があるのを思い出して、久しぶりに読んだのが、推理小説に移ったきっかけである。中学時代に、確かシリーズの十冊目ぐらいまでは読んだと思うのだけど、一冊目の時点ではシリーズ化はあまり考えていなかったような印象を持った。一冊目が売れたから、出版社の要請で続編を出してシリ…

  • 内閣不信任案否決(六月三日)

    すったもんだの果てに、野党の二つのグループ、海賊党と市長連合のグループと、市民民主党、TOP09、キリスト教民主同盟のグループが合意に達し、下院議員の署名を集めて提出したバビシュ内閣に対する4回目だったかの内閣不信任案の審議が今日行われた。選挙まで半年をきったこの時期に不信任決議が可決されても、大統領はゼマン大統領だし何も変わらないとは思うのだが、バビシュ氏を追い…

  • アイスホッケー世界選手権異変グループA(六月二日)

    チェコが入っていたグループAは、さらに大きな驚きが待っていた。こちらのグループに入っていたのは、ロシア、スウェーデン、チェコの準々決勝常連国に、最近安定して結果を出してい印象のあるスイス、不安定だけど強いときには強いスロバキア、さらにはデンマークと元開催国のベラルーシ、イギリスという組み合わせだった。 そもそも、イギリスがアイスホッケーの世界選手権に出場し…

  • アイスホッケー世界選手権の異変グループB(六月朔日)

    ラトビアで開催されているアイスホッケーの世界選手権で、自分の目を疑ってしまうような異例の結果が相次いでいる。そもそもベラルーシとラトビアで共同開催だったのが、政治的な圧力でベラルーシの開催権が剥奪されてラトビア単独開催になったこと自体が異例だし、観客なしでの開催も異例なので、異例の結果が出るのも当然なのかもしれない。 アイスホッケーの世界選手権には、以前は…

  • フォルトルナリガも終了1(五月卅一日)

    昨シーズンが完了しなかった関係で、降格するチームがなく昇格するチームを受け入れて全18チームで行われたチェコサッカーの一部リーグ、フォルトナリガも土曜日に最終節が行われて全日程を終了した。最終の2節は全試合同時開催になっていて、以前はチェコテレビで一試合中継しながら、大会上でスコアが変化するたびに割り込みでその様子が伝えられたのだけど、今年の最終節の中継ではそ…

  • エクストラリガも終了(五月卅日)

    女子のインテルリガに続いて、男子のエクストラリガも、日曜日の午後の決勝の最終戦で、終了し最終順位が決定した。 優勝と準優勝以外はすでに決まっていて、下から紹介すると、9位から12位の4チームで行われたプレーアウトと呼ばれる追加のリーグ戦は、レギュラーシーズンの勝ち点をそのまま持ち越すこともあって、順位に変動はなかった。つまり、9位ブルノ、10位フラニツェ、11…

  • インテルリガ終了(五月廿九日)

    テレビでは全く放送されず、存在を忘れてしまいそうになるハンドボール女子のインテルリガのレギュラーシーズンが終わり、いつの間にかプレーオフが始まっていた。スロバキアのほうは知らないが、チェコ側のプレーオフは終了して最終的な順位が決定した。予想通り今年もまたモストが優勝。これで八回目だというが、来シーズンはコレショバーがドイツから帰ってくるからさらに強くなりそう…

  • 検査(五月廿八日)

    やんごとない事情で来週職場に出る必要が出てきた。現在のチェコでは、職場に出るためには、光の条件が課されている。感染したこともなければワクチン接種を受けたこともない人間には、検査を受けるしかない。職場が提供している定期検査は、金曜日の午前中というこちらに外せない用件がは言っている時間帯設定されていたため、受けることができず、ずっと自宅で仕事をしていたのだが、そ…

  • 最近読んだ本(五月廿七日)

    さて、と文章を始めるのもどうかとは思うが、お休み期間中に何をしていたかと言うと、読書である。仕事も一山越えて気が抜けていたので、久しぶりにSDカードを引っ張り出して、リーダーで古い小説を読むことにした。何となく時代小説か、歴史小説が読みたくなったのである。いわゆるウェブ小説で、歴史を題材にしたり、過去を舞台にしたりした作品の多くは、現代人が過去に転移、転生して…

  • 復帰(五月廿六日)

    五月の半ばに、仕事で大きな山を一つ越えたときに、気が抜けてしまってしばらく文章を書くのもサボってしまった。直接のきっかけは週末オロモウツを離れた際に予約投稿をするのを忘れていて、出先で投稿するのも面倒だと思ってしまったことなのだが、気が抜けていなかったらオロモウツに戻ってからすぐに再開していたはずである。 毎年、この時期に仕事が一段落つくので、気が抜けがち…

  • 凶器乱舞の文化(五月十二日)

    アロイス・ラシーンというと、チェコスロバキア第一共和国時代に、蔵相として財政改革、通貨改革などに邁進し、新国家の財政を確立した人物でありながら、狂信的な共産主義者の若者によって暗殺されたことで知られる人物である。これがチェコスロバキアにおける最初の共産党による、犯人は党籍は離れていたようだけど、最初の政治犯罪の一つといってもいいかもしれない。 このラシーン…

  • 暑い(五月十一日)

    五月に入って、気温も上がって過ごしやすい春が来たと喜んでいた。朝の最低気温は零度近くまで下がることはあるけれども、最近あまりないけど、こちらが外に出るような時間帯、午前十時から午後二時ぐらいまでの気温は、十度以上まで上がるようになっていた。今年はすでに三月ぐらいにこの九州の冬のような気温になったような気もするのだけど、その後寒波が再来して、最近まで寒い寒いと…

  • 営業再開(五月十日)

    厚生大臣の話では、過去一週間の新規感染者数の割合が、人口十万人当たり100人以下になることが、全てのお店の営業再開を許可する絶対的な条件で、場合によっては条件を満たした地方だけで先行的に許可をするということになっていたはずなのだが、チェコ全国の平均値で、数値的な条件をみたしたのか、昨日の時点で、数値を満たしていなかった地方も含めて、全国一律で全ての小売店の営業再…

  • 俳句雑誌のチャペク(五月九日)

    俳句雑誌の「層雲」というと、荻原井泉水が、明治四十四年(1911年)に、新傾向俳句の旗頭だった河東碧梧桐を後ろ盾にして創刊したものであるが、新傾向俳句に飽き足らず自由律俳句を提唱するに至る。驚くべきは、その自由律俳句の雑誌に、チャペクの作品の翻訳が掲載されたことである。作品の日本語訳の題名は「影」、訳者は青山郊汀で、掲載されたのは昭和十五年(1940年)の五月号であ…

  • 不思議の国チェコ2021(五月八日)

    先月半ばに、6年半前のブルビィエビツェの山中に置かれた弾薬倉庫が爆発した事件に関して、ロシアの秘密工作部隊GRUの関与が明らかになったことが発表された。その前後にハマーチェク大統領が、モスクワに出かけてスプートニクVのチェコへの輸入に関して交渉してくると言い出したり、それを取りやめた後になって、カモフラージュだったのだと言ったりしていた時点で、意味不明だったのだ…

  • マサリク大統領の手紙(五月七日)

    三つ目は、一番期待していると同時に、一番期待はずれを恐れていたマサリク大統領が日本の子供たちのために書いたという手紙で、現在の講談社の全身である大日本雄弁会講談社が刊行していた雑誌「少年倶楽部」の昭和六年七月号に掲載されている。国会図書館オンラインで確認できる書誌情報の…

  • シエレバッハの謎(五月六日)

    二つ目のコピーした記事は、「大日本山林会報」の184号(1898年4月)に掲載された「「ベーメン」國「シエレバッハ」市樂器製造用木材」という記事である。シエレバッハが現在のチェコのどの町に当たるのかは調べたけれどもわからなかったというのは、以前も書いたとおりである。わからなかったのも当然である。入手した記事のコピーを見たら町の名前は「シエレバッハ」ではなく、「シェン…

  • 「教育報知」(五月五日)

    今回国会図書館から届いたコピーのうち、原本の雑誌の刊行が一番古いのは、「教育報知」の第二十八号である。この号は明治十九年(1886年)六月一日付で発行されている。念のためにコピーした表紙の記載によれば、毎月三回、一日、十一日、廿一日に発行されていたようである。国会図書館オンラインでその二十八号の

  • 届いた(五月四日)

    先月の七日に国会図書館オンラインで発注した雑誌記事のコピーがようやく到着した。申し込みから到着まで一ヶ月弱という期間には特に文句もない。ただ、四月十三日には、発送準備完了で、遅くとも翌日に発送するというメールが来ていたのに、それから三週間以上も時間がかかったのには納得のいかないものがある。日本の郵便局のページだと航空便なら一週間ぐらいで届くことになっているの…

  • ハンドボール男子ヨーロッパ選手権予選(五月三日)

    運動不足がたたったのか、一日中椅子に座っているのがよくないのか、腰痛が出た。体を前に倒したり、起したりする際に腰にひどい痛みが走り、PCの前に座っているのにも支障が出るようになった。それで、カイロを腰に当てて温めていたのだけど、すぐには快復せず、三日ほどPCの使用を制限することにした。以前のように何日も余裕を持って書き進めていれば、更新も継続できたのだろうけど、…

  • 仮文(四月卅日)

    所労有るに依り、今日より三箇日の仮文を出す。五月三日より再び記さんと欲す。

  • 規制緩和の動き(四月廿九日)

    チェコでは感染者数が増え、ワクチン接種も進んでいるおかげで、感染状況は一時期に比べると大幅に改善され、規制緩和の動きか進んでいる。平日の新規感染者数は2500人ぐらい、一週間だと1万5千人ぐらいとなっている。これを人口10万人当たりにすると、一週間で150人ぐらいという数字になるが、現時点ではこの一週間の新規感染者の数値が、人口10万人当たり100人以下というのを規制を解除…

  • 買い物日記(四月廿八日)

    電器屋のダタルトで洗濯用のネットが販売されているのを見つけたので、かねてから必要だと思っていたUSBの延長コードともども購入することにした。洗濯ネットは二層式を使っていた日本にいたころは特に必要だとは思わなかったのだが、こちらのドラム式の洗濯機で洗濯をすると、靴下やTシャツなんかに穴が開きやすいことに気づいて使い始めた。洗濯ネット自体も傷むので、しばしば新しい物…

  • このごろチェコで見ないもの(四月廿七日)

    何となくチャンネルをチェコテレビ3に合わせたら、おそらく視聴者参加型の番組が放送されていた。司会者が二人いて、素人が出てきてその間で得意な芸を披露するという形のようだった。この手の番組はこれまで手を変え品を変え制作されており、何という番組かは覚えていないのだが、このとき見た素人芸が、牛乳の1リットル一気飲みと言うものだった。 問題は、ってこともないけど、そ…

  • エクストラリガ・プレイオフ(四月廿六日)

    水曜日から来年のハンドボールの男子ヨーロッパ選手権に向けた予選の三連戦が行われるのだが、状況はあまり芳しくない。一月のフェロー諸島との連戦が延期されたせいで、今回水曜日にウクライナで、金曜日にフェロー諸島で、日曜日にはチェコで試合が開催されるため長距離移動を余儀なくされるのである。対戦相手で勝ち抜けを直接争うウクライナは、ウクライナからチェコに一度移動するだ…

  • ゼマン大統領予想通り(四月廿五日)

    2014年のズリーン地方で起こった弾薬倉庫の爆発事件に関して、ロシア軍の情報機関であるGRUの関与が明らかにされて以来、沈黙を保っていたゼマン大統領だが、民放のプリマが毎週日曜日に放送している政治番組で自ら見解を発表しインタビューに応じた。以前は、大統領選挙で協力したソウクプ氏の率いるバランドフテレビに、「大統領との一週間」という番組があって、そこであれこれ物議を醸…

  • 最近読んだ本2(四月廿四日)

    チェコテレビで、毎週土曜日に「シャーロック・ホームズの冒険」が放送されるようになって、俄に軽いホームズ熱が復活して、自分がどの話をドラマで見たり、本で読んだりしたことがあるかなんて考えていたら、読みたくなってしまった。今回テレビで見た作品を読んでもいいのだけど、最初の作品で、読んだことは覚えている『緋色の研究』を最初に読んでみることにした。ウィキペディアによ…

  • 『コスマス年代記』第二部(四月廿三日)

    エルベンの『花束』の翻訳のダウンロードなどでお世話になっている「cesko- STORE」からメールが来て、『コスマス年代記(第二部)』の翻訳の提供が始まったことを知らされた。「第二部の範囲は1035年から1092年」だというから、1034年に即位したブジェティスラフ1世から、スピティフニェフ2世を経て、ブラティスラフ2世の時代ということになる。1092年には一時コンラートが君主の座に…

  • 最近読んだ本1(四月廿二日)

    日本を離れて以来、新しい本を入手する機会というものは限られている。日本にいる知り合いに送ってもらうことも遭ったけれども、何度も繰り返しお願いするわけにはいかないし、本屋に出入りしておらず、どんな本が出ているのかわからないので、お願いのしようもない。hontoなんかのネット上の店では、手にとってぱらぱらめくることができないから、書影やあらすじだけでは読み取れない本の…

  • 『欧米学校印象記』(四月廿一日)

    次に、国会図書館オンラインで見つけたチェコスロバキアが登場する、いや正確にはプラハが登場する戦前の本は、井上貫一著『欧米学校印象記』(同文館、1923.11.25)である。「はしがき」によれば、著者は岡山県の人で、刊行の前年に県の依頼でアメリカからヨーロッパを回って各国の教育事情について視察したらしい。 目次…

  • 世界選手権予選プレイオフ(四月廿日)

    去年の十二月のヨーロッパ選手権では、スウェーデン、ロシア、スペインというハンドボール大国相手に善戦はしたものの、一勝もできずにチェコに帰ってきたハンドボールの女子代表だが、今年の十二月にスペインで行われる世界選手権の予選のプレイオフで、スイスと対戦した。スイスはこれまでヨーロッパ選手権にも、世界選手権にも出場したことのない国なので、チェコがあきらかな勝ち抜け…

  • 大正十一年のチェコスロバキアの政党(四月十九日)

    国会図書館オンラインで、チェコについての古い記述を探していたら、一般向けに刊行したのか、関係省庁にだけ配布したのかは知らないが、外務省が行った各国の政治状況の調査結果をまとめた本が見つかった。『各国の政党』と題された本は、大正十二年(1923)付けで刊行されているが、実際に調査が行われたのは、前年の大正十…

  • 嘘か真か(四月十八日)

    ペトシーチェク外務大臣を解任して、ザオラーレク氏に大臣就任を拒絶されたハマーチェク内務大臣兼暫定外務大臣は、後任の外務大臣としてクルハーネク氏を選出して、バビシュ首相を通じてゼマン大統領に任命するように依頼した後、ロシアのワクチン、スプートニクVの輸入に関する交渉のために来週の月曜日にモスクワに行くと発表した。それが、あちこちから批判をあびるようになると、当初…

  • GRU健在(四月十七日)

    1980年代のエンターテイメント小説で、悪のスパイ組織として登場してくるのは大抵旧ソ連のKGBだった。その実態をわかった上で小説に使っていた作家もいたけど、安直な使い方だなあという印象を持つ作品もあった。そして、もう少し謀略の世界に詳しい作家だと、情報機関であるKGBだけではなく、破壊工作の実行部隊を抱えるGRUを登場させることもあった。GRUと、その特殊部隊スペツナズの存…

  • レンジャーズの呪い(四月十六日)

    本当はスラビアとアーセナルのヨーロッパリーグの試合についてでも書くつもりだったのだが、UEFAが胸糞悪くなるような最低な裁定を試合の前に発表するという嫌がらせをしやがったせいで見る気が完全に失せてしまって、0−4で負けたという結果を確認しただけである。 レンジャーズのとの試合で、「人種差別」発言をしたとされたクーデラには、10試合の出場停止、クーデラを襲撃して…

  • 外務大臣任命?(四月十五日)

    ザオラーレク氏が、突きつけた条件は、ハマーチェク内務大臣兼暫定外務大臣にも、ゼマン大統領にも飲めるものではなかったようで、ザオラーレク氏の任命を諦めて、別な候補者を選定して代務大臣の地位にすえることにしたようだ。首相で内閣全体に責任があるはずのバビシュ氏は、外務大臣は社会民主党の担当だから、その決定を尊重するとほとんど他人事のような対応である。連立といいなが…

  • 国会図書館からメールがきた(四月十四日)

    国会図書館の利用者登録をして、遠隔複写の申し込みをしたのは、四月七日のことだった。ちなみにお願いしたのは、雑誌記事四本。一つは「チェツコ・スロバキヤ大統領マサリツク閣下より日本の少年へ」という講談社の雑誌「少年倶楽部」(1931年7月号)に載った記事。この記事の存在を知ったときには気づかなかったが、たった1ページ分しかないようだ。それでも、どんなことが書かれている…

  • 混乱は終わらない(四月十三日)

    事前の根回しなしに、いきなり外務大臣への就任を求められた社会民主党のザオラーレク文化大臣だが、よほど腹に据えかねたのか、就任のための条件を突きつけた。一つはゼマン大統領の下でロシア関係を担当している特任外交担当官の解任で、もう一つは、文化大臣の後任として、ハマーチェク氏がビルケ氏ではなく、文化行政に携わった経験のある別の候補者を選定して就任させることである。 …

  • 混乱は続く(四月十二日)

    週末、屋外で20人までは集まって活動できるという子供たちのスポーツに関る人たちにとって待ちに待った規制の緩和が撤回されたことに、サッカー協会で要職に就くチェコサッカー界の伝説の一人カレル・ポボルスキーがぶちきれたというニュースが流れた。授業を自宅で受けることで子供たちが運動を全くしなくなっていることに危機感を抱いている人も多く、関係者が厚生省と必死の交渉の結果…

  • 社会民主党党大会(四月十一日)

    昨年末に予定されていたが非常事態宣言のせいで延期されていた、社会民主党の党大会が、延期したかいもなく、オンラインで開催された。党大会では指導部の選挙が行なわれることになっており、ハマーチェク内務大臣が党首の地位を守れるかどうかに注目が集まっていた。結果次第では、現在のANOと社会民主党の連立内閣が、この総選挙まで半年という時期になって解消される可能性もでてくるの…

  • 厚生大臣は代っても(四月十日)

    イースターの終わりと共に、寒さも終わると期待したのだけど、イースターと共にやってきた寒波は、イースター後も居残り、オロモウツでもしばしば雪を降らせた。その寒波が去って暖かくなったと喜んでいたら、来週また降雪を伴う寒波がやってくるようだ。オロモウツでは、とりあえず雪ではなく雨で、最低気温もマイナスには行かないという予報だけど、天気予報が外れることも多いのは、チ…

  • 弱きを助け、強きを挫く(四月九日)

    何週間か前、スラビア・プラハが、ヨーロッパリーグの試合でレンジャーズと対戦したとき、レンジャーズが無敗でスコットランドリーグの優勝を決めたというのが話題になっていたが、それをいうなら、スラビアだって、今シーズンは無敗なのである。それどころか、昨シーズンの最後も12試合負けなしで終えているから、現時点でチェコリーグでは、37試合負けなしという記録を更新中で、2位の…

  • スラビアぼろぼろ(四月八日)

    ヨーロッパリーグの準々決勝、アーセナルとの連戦を控えて、スラビアのディフェンスはぼろぼろの状態になっていた。まず、レンジャーズの殺人サッカーの犠牲になったキーパーのコラーシュが治療とリハビリに入り、アーセナルとの試合には間に合わないだろうと見られていた。 そして、ディフェンスラインの要であるクーデラが、チェコ代表のウェールズとの試合でベイルに明らかに意図的…

  • またまた厚生大臣更迭(四月七日)

    すでに三月中には噂に上っていた厚生大臣の交替だが、四月に入って一週間、感染症対策の重大なポイントとされたイースターが終了すると共に、実行に移された。三月下旬のインタビューでバビシュ首相は「三月中の大臣の交代はない」と語っていたのだけどね。もう一人、更迭を噂されていた文部大臣のほうは、結局解任されずに留任となった。 バビシュ首相による公式の解任理由としては…

  • カレル・ポラーチェク(四月六日)

    テレビドラマ「Bylo nás pět」の原作で知られるポラーチェクは、戦前のチェコスロバキアを代表する作家の一人である。チェコ語版のウィキペディアによれば生年は1892年、没年は1945年。亡くなった場所は、ナチスドイツの強制収容所。ユダヤ系のチェコ人だったのである。ポラーチェクは1943年にテレジーンの「模範強制収容所」に収容されるが、その直前に娘をイギリスに逃がすことに成…

  • 非常事態宣言の終わり(四月五日)

    イースターの時期に規制を緩和すると、感染の拡大が起こるのは明らかだとして、規制緩和を拒否してきたチェコ政府だが、イースター開けの規制のあり方を巡って、駆け引きが始まった。一つは、学校への子供たちの登校の再開で、現在の非常事態宣言が切れる四月十二日月曜日からという方向で調整が進んでいるようだ。 問題は、どのような条件で学校での授業の再開を認めるかで、文部省…

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