個人的にどストライクの映画でしたが、最初から最後までノンストップで面白いタイプの作品ではないですね。近年のわかりやすいジャンクフードみたいな映画とは一線を画すので一般受けはしないと思います。序盤は主人公とは関係のないところで陰謀が推し進められるシーンや作中用語も頻繁に出てきて、非常にとっつきにくいですね。この作品を楽しめる人材かふるいにかけられているような印象を受けました。砂漠の惑星・アラキスにたどり着いてからは次々とトラブルに見舞われ、アクションやSFならではの見ごたえあるシーンも続くので娯楽性が高くなります。ときおり挿入される未来視のシーンが冗長で物語のテンポを大きく削ぐのがストレスに感じ…
この作品をふくめ、シリーズ3作すべて読んでいますが、1番面白かったです。ぐいぐいと引き込まれて一気に読んでしまいました。前2作のほうが話の出来はよかったような気がしますが、主人公たちのおかれている状況のヤバさとか、不木の研究の犠牲になった悲劇っぷりなど、読み応えがハンパなかったです。この小説を楽しむのなら、館のマップを文章と照らし合わせながら、ある程度把握しておくことが大事ですね。なるべく早い段階が望ましいと思います。 広間からしか地下に行けない 主区画は複雑なつくり 副区画はシンプル 主区画と副区画と別館は首塚を経由しなければ行き来できない …etc.このへんの情報は出そろった時点で、1度ま…
加賀恭一郎シリーズです。あらすじはWikipediaによると 脚本家の穂高誠が、結婚式当日に毒殺された。容疑者は被害者のマネージャー、花嫁の兄、敏腕編集者の3人。事件後、3人は密かに述懐する。『私が彼を殺した』と。 東野圭吾は好きな作家ですが、解決を書かないのはどうなんですかね?この作品より前に「どちらかが彼女を殺した」って作品も同じように解決まで描かれていないので、このやり方は当時の読者には「アリ」と受け入れられたということでしょうか?刊行当時が1999年ですから、ネットがいまほど普及はしていなかったので犯人がわからない人はずっとわからなかったんじゃないでしょうか?わかっても答えを確かめる術…
加賀恭一郎シリーズの4作目です。シリーズ屈指の面白さでした。おおまかなあらすじはWikipediaによると 有名小説家の日高邦彦が自宅で他殺体となって発見された。刑事の加賀恭一郎は、日高の親友である児童小説家の野々口修が書いた「事件に関する手記」に興味を持つ。加賀は聞き込みや推理を通して、野々口の手記に疑問を抱くようになる。やがて犯人が明らかになるが、犯人は犯行の動機を決して語ろうとはしないのだった…。 ここから先はネタバレありになりますので未読の方は注意してください。 物語が大きく二転三転するのでインパクトがあり、読む手が止まらず、一気に読了しました。野々口が日高のゴーストライターだったんだ…
玻璃ヶ浦の開発説明のため、企業に専門家としてまねかれた先で、湯川が事件と遭遇するといったガリレオシリーズでは珍しい展開ですね。東京以外だととたんにアウェイ感が出て新鮮でした。さらに、湯川が少年のためいっしょにロケットを飛ばしたり、宿題、ゲームをしたりと、意外な一面が描かれます。従来作とはいい意味で違う印象ですね。このように楽しい部分はたくさんあったのですが、事件のほうはなんだか釈然としなかったですね。 ここから先はネタバレありなんで未読の方は注意してください。事件のトリック自体は、一酸化炭素中毒をおこさせるため、脚の不自由な犯人が自身に代わり、子供を言葉たくみに騙し、煙突にダンボールでフタをさ…
アイデアが斬新でとても面白い作品だと思いました。文章や物語のテンポがよく、とても読みやすかったです。トリックの説明がわかりにくいとかいうこともなく、読者に登場人物を覚えやすくするための配慮がなされていたりとか、リーダビリティの高さも魅力ですね。キャラクターの造形や文章がどこかラノベっぽいですし、ふだん推理小説を読まない層にもアピール出来るんじゃないでしょうか? 映画化していますが、むしろアニメ向きでしょうね。映画のほうも観ましたが、ヒロインの女の子がやたらかわいいという点以外、とくに観るべき点はないヒドイ映画でした。しかし、うまいことメディアミックスすればもっと発行部数のびるんじゃないでしょう…
10巻まで読みました。高2の時点で経験値ゼロの状態から東京芸大を目指す受験編は、美術部なのにスポーツ漫画的な面白さを感じました。タッチもスラムダンクも主人公は高校入るまでは未経験でしたよね。経験がなくて様々なテクニックがないぶん自分の長所、限られた武器を使って、うまく立ち回るところなんかがよく似ていると思います。がむしゃらな情熱がいかにも青春って感じがしてよかったですね。熱中出来るものに出会う前と後で人間が変わるじゃないですか。青春時代、何か目標を持って努力したことがあるなら人間なら応援したくなるのが人情だと思います。私立はいけないから東京芸大一本に絞って受験ってのも緊張感がありました。明確な…
いろんな賞を受賞しているだけあって傑作ですね。多作な作者の中でもとくに評価の高い作品の一つです。物語のかなり序盤で殺人がおきるので、物語への興味が早い段階でわき、最後まで飽きることなく読み終えました。ガリレオ、予知夢とシリーズの前2作を読み、主人公の湯川学は他のシリーズの加賀恭一郎ほど魅力を感じなかったのですが、この作品でだいぶ印象が変わりました。意外と友人想いなんですね。この作品は誰が犯人かはわかっているので、犯人当てとはまた違った読み味でした。東野圭吾作品だと「赤い指」は、読者が誰が犯人かわかってる状態で読み進める話でしたね。元夫を殺害した母娘とその犯行を隠蔽する隣人・石神とのやりとりは、…
綾辻行人の文章は読みやすくていいですね。ページをめくる手が止まらず一気に読んでしまいました。「緋色の囁き」と比べると少々物足りなさを感じましたが、それでも面白かったです。むかし流行った角川ホラー文庫で出ててもおかしくないような感じの話でしたね。ホラー要素とミステリー要素がほどよくミックスされた良作じゃないでしょうか。こっから先はネタバレありなんで未読の方は注意してください。厳粛な家庭環境で、同世代の子供たちが当たり前のように触れてきたメディアにふれたことがないから、主人公の拙い作り話ですら感銘を受けてしまうというイノセンスな兄弟の2人3役の会話ってのはゾっとしました。1人2役ならよくあると思う…
面白かったんですけど、前作ほどではなかったです。ちなみに↓こちらが前作の感想 nakanet.hatenablog.com 今作最大の脅威であるインドラプトルは、前作のインドミナスほど迫力がなくて、少々物足りなかったです。設定的に戦闘力は インドミナス>インドラプトル 頭脳は インドミナス<インドラプトル なんでしょうけど、劇中の描写を観ると、インドラプトルの頭脳はインドミナスと同じぐらいの印象を受けました。前作のインドミナスもそうとう頭よかったですからね。逆に戦闘力はあきらかにインドミナスのほうが上の印象を受けます。デカさが全然違いますから。なのでどうしてもインドラプトルはインドミナスの劣化…
途中まではかなり面白いと思って観ました。避難民村でシンジくんが自分を取り戻すまでの過程は、全体からすると少々尺が長いと感じましたが、丁寧な描写には好感が持てました。戦艦で敵地に乗り込んでバトルするのは最高に燃えましたね。いままでは自分たちのホームで敵を迎え撃っていましたが、今回は完全アウェイですから緊張感の質がまるで違うのが新鮮でした。シンジくんが「落とし前をつけたい」って腹をくくってラストバトルに赴くシーンは「オレはこういうのが観たかったんだよ」と感動すら覚えました。しかし、ここがピークでしたね。なんかよくわからない心象風景バトルがはじまり、たいして魅力的でもない碇ゲンドウというキャラクター…
文庫で読みました。舞台は架空の国で登場人物も外国人名ばかりで覚えられるかな、とちょっとだけ読むハードルが高かったです。しかし、読みはじめるとわりとあっという間に読んでしまいました。ここからはネタバレありなんで未読の方は注意してくださいね。物語のSFチックな部分は丁寧なんですけどトリックが雑な印象を受けました。L字形のつっかえは、そういう形状のものを紐を使って、外から思いっきり引っ張れば可能な感じがしますし、クローズドサークルに死体をバラバラにして持ち込むのは「かまいたちの夜」とか、よく見るパターンですよね。犯人の手記じゃないところに叙述トリックを仕込むという荒業を繰り出したにもかかわらず、そこ…
有栖川国名シリーズです。かなりの名作だと思いました。まず舞台が会津磐梯のロッジっていうのがいいですね。自分が福島県民だからってのもありますが、静かな冬のロッジっていうのが、物悲しい殺人事件の舞台としてふさわしいと思います。ストーリーの構成もいいですね。探偵役の火村は事件が起きてから、有栖に呼ばれるので、物語の途中からの登場となります。事件解決の突破口が見えず、行き詰まった閉鎖感の中での火村の登場はとても心強く感じました。京極夏彦の京極堂シリーズを思い出しました。あのシリーズは謎解き役の中禅寺の登場をめちゃくいちゃ引っ張りますからね。登場人物もよかったです。童話作家の乙川リュウ、その妻ヴェロニカ…
有栖川有栖の短編集です。国名シリーズの第1作目にあたります。さくさく読めるので気軽に手にできますね。全6編の感想を簡単にですが、書いていきます。ネタバレもあるので未読の方は注意してください。 動物園の暗号 動物園の鳴き真似が得意という特殊スキル持ちのアニマル岡田という容疑者がいましたが、事件に何も関係なかったです。思わせぶりなヤツだったな、と。 屋根裏の散歩者 この短編集は暗号を解くことが犯人を見つけることとイコールになっているものが多いです。このエピソードもそうでした。ユーモアのある暗号だったと思います。良質ななぞなぞのようでした。 赤い稲妻 雷鳴が轟く中、向かいのマンションで女性が転落する…
ひさしぶりに「妹さえいればいい」の感想です。海津とアシュリーがくっついてよかった。海津の生き様がすごくカッコイイと思うんですよ。この人ってヒット作を書けなくても、作家を何年もやってるんだから、才能がないわけではないじゃないですか。ただガチの天才がまわりにいくらでもいるから、相対的に凡人に見えるだけで。 ……あいつの葬式のとき誓ったんだよ。俺は一生、しみったれた作品を書き続けてこの世界にのうのうと居座り続けてやるって。……才能のカケラもない、大ヒット作とも誰かの人生を変えるような傑作とも無縁な平凡な作家が、それでも平気な顔して生きていることで、才能と感受性豊かな後輩たちに『こんなんでもいいんだ。…
ジャンプでやってた頃のるろうに剣心が好きだったので、この北海道編も追いかけています。現在、単行本を揃えている数少ない漫画です。読んでて感じるのは、和月伸宏ってすごくキレイでカッコイイ絵を描くんですけど、画面の情報量が多くてオレの2.58MBぐらいの脳みそでは整理しきれないんですよ。コマ割りは基本断ち切りで、効果線とかフラッシュとかも多用するし、斜めに割るコマも多い。セリフのフォントも多種にわたる。なので重要な情報が埋もれてしまうんですよね。最近の多くの漫画はこんな感じだろってつっこまれそうですが、こういった画面作りって、勢いで読ませる漫画とは相性がいいけれど、るろ剣はちょっと違うような気がしま…
10数年前に読んだのですが、内容をすっかり忘れていたので再読しました。有栖川有栖さんの著作はこの本のほかにも何冊か読んでおり、やる夫スレでも学生アリスシリーズを読んでいます。やる夫スレって何?って人も多いかと思いますが、詳しくはググってみてください。ネットが生んだ愛すべき文化だと思います。 この46番目の密室ですが、まずシュチュエーションがいいですね。日本のディクスン・カーと呼ばれる推理小説の巨匠の別荘に集まる小説家と編集者。それぞれの部屋への思わせぶりないたずら。夜のうちにおこなわれた二つの密室殺人。謎の暗号。被害者と容疑者たちとの間に、様々なトラブルがあったこともじょじょに明らかになってい…
東野圭吾さんの書くマスカレード・ホテルの主人公、新田と山岸が出会う前の前日譚にあたる短編集です。4つの短編の感想を簡単にしていきます。ネタバレありなので未読の方は注意してください。 それぞれの仮面 ヒロイン山岸がコルテシア大阪に短期赴任します。そこで元プロ野球選手のマネージャーとなった元彼と再開します。4つのエピソードの中では一番地味な印象を受けましたね。元彼の宮原は善良で不倫なんかしなそうな人物ですから、お相手は元プロ野球選手の愛人なんだろうなと当たりを付け読み進める人は多いと思います。 ルーキー登場 ある会社経営者がジョギング中に殺害されます。事件の黒幕は料理教室の講師をしている被害者の妻…
前半部分の展開に関しては観ていてキツイもんがありました。時効になった絞殺事件の犯人・曾根崎が事件についての本を出版。曾根崎のキャッチーなキャラクターが世間にウケて各メディアに引っ張りダコ。この展開は流石にないな、と思いました。事件の加害者側の人間の本を出したがるアホな出版社はいくらでもありますけど、テレビ局は最近やけに保守的だし、仮に放送してもそれを受ける大衆側の拒絶反応がスゴいことになるハズなんですよね。劇中のような世間をにぎわす大フィーバーになるとしたら、日本の倫理観は終わりじゃないですか。いくらフィクションとはいえ、どんだけ的外れに世間を描いているのかと思いました。はっきり言って前半部分…
パニック映画の傑作ということで観てみましたが、ちょっとテンポが悪いというか退屈なところがありました。1974年の古い映画です。上映時間が2時間半と長く、途中で飽きてしまいました。火災がおきるまで30分以上あるのですが、その間に描かれる人々の群像劇もあまり興味を惹かれませんでした。上映時間が長いパニック映画といいますと、タイタニックを思い出しますが、あれももう20年前になるんですね…このタワーインフェルノ、当時としては洋画の最高ヒット作だったようですが、そういうところもタイタニックを思い出しますね。映像的にはスゴいと思います。CGなんてない時代の映画ですから、本物の火を使うしかないわけで、いまの…
いろんな役者がいますけど、ジャック・ブラックは出演しているから観てみようという気にさせてくれる数少ない役者の一人です。見ているだけで楽しい気分にさせてくれるオーラのようなものを感じるんですよね。この「ガリバー旅行記」でジャック・ブラックはいつもどおりと言いますか、うだつの上がらないお調子者を演じております。こういう役をやらせると右に出るものがいませんね。日本語吹き替えもいつもどおり高木渉が演じております。名探偵コナンの高木刑事役の人ですね。ジャック・ブラックの声はだいたいこの人が当ててるんではないでしょうか?ハマり役だと思います。映画の内容ですが、これもまた平常運転といいますかB級感あふれる内…
映画が公開されましたが、原作本の感想です。東野圭吾の小説を読むのは、これが3作目です。読むたび思うのですが、この人の小説は非常に読みやすいですね。文章に過不足がなく、テンポがいいのですいすい読めます。このマスカレード・ホテルは文庫本としては厚いほうだと思うのですが、2日で読めました。ホテルのフロントマンとして潜入捜査に入っている刑事・新田と教育係の山岸の関係がいいですね。最初はお互い反発があったけど、じょじょに心の距離が近づいていくという黄金パターン。おっちゃんこういうの好きだわ~連続殺人事件の次の犯行現場が現場に残された暗号から「ホテル・コルテシア東京」だとわかり、潜入捜査を行っているのです…
「祈りの幕が下りる時」を観たら、本作をまた観たくなったので再視聴しました。父子をテーマにした良作ですね。事件被害者の父子関係と主人公の父子関係が重なります。物語は被害者が腹部を刺された状態で、犯行現場から日本橋の麒麟像まで歩き、そこで力尽きるところから始まります。推理ものの導入部分としては最高の部類ですね。彼を刺したのは誰なのか?なぜ麒麟像まで歩いたのか?という謎を提示しつつ、視覚的にもインパクトを持たせ、冒頭から一気にストーリーに引き込むことに成功しています。 ここから先はネタバレなので未見の人は注意してください。 物語の構成は、被害者の務める会社の派遣社員による、労災隠しとリストラの恨みを…
実話をもとにしてるらしいですね。暴走した列車を止めるアクション映画です。単純明快の実にわかりやすいストーリーで終始ハラハラしながら楽しめました。列車を止める作戦をいろいろ試すのですが、脱線させるとか、ほかの列車を連結させてブレーキをかける、といった列車ならではのものなので、そこも楽しめるポイントだったと思います。 展開は作戦の失敗による犠牲、主人公たちの決断、損失を最小限にしようとしておろかな選択をする上司…etc まさに王道ですね。毒物を積み込み暴走する777号の真っ赤なボディが禍々しかったです。 大きな山場は、列車の連結を成功させるところと、減速させてカーブを曲がりきるところですが、もうひ…
トム・クルーズ主演の1996年の映画です。おもしろい映画でしたが、2時間以上の上映時間は少々長く感じました。あと30分は短縮できたような気がします。主人公とヒロインに破局の危機が2度訪れますが、こういうのは1回で十分なんじゃないかな。ストーリーは仕事を成果主義でこなしてきた主人公が、そんな生き方に疑問を感じ、理想を追い求めるというお話。展開もこの手の物語の王道を行くようなものでしたが、観る者が望む展開をみせるのは悪いことではないので、評価したいところです。印象深かったのはアメフト選手役の役者さんですね。愛妻家で、テンションが高く、ノリのイイやつでたいへん魅力的でした。この映画でアカデミー賞の助…
テレビドラマや前作「麒麟の翼」がよかったので、劇場に観に行こうか迷った映画でした。結局、映画館には行かなかったのですが、これは劇場で観なかったことを後悔しました。かなりいい映画だと思います。 それにしても主演の阿部寛と舞台演出家役の松嶋菜々子の存在感はハンパないですね。絵になるのはもちろん、出演する映画の格をワンランク上のレベルに上げることができる役者だと思います。「麒麟の翼」に出てた中井貴一なんかもそういうところありますね。ストーリーもよかった。このシリーズは謎解きと同じぐらい、関係者たちのヒューマンドラマに比重をおいてますが、今作も見ごたえがありました。一番の見所は舞台演出家の過去の話です…
1日外出録ハンチョウの5巻の感想です。1~4巻の感想も機会があったら書きたいとは思うのですが、期待しないでおいてください。 福本漫画は最近スピンオフブームですね。 ハンチョウ以外ですと、スピンオフの先駆けになった「中間管理録トネガワ」や「最強伝説黒沢」のスピンオフ作品「最強伝説仲根」がありますが、個人的にはハンチョウが1番好きです。 今回読んだ5巻ですが、1~4巻までとくらべると少々パワーダウンしたかな?といった印象を受けました。そんな印象を受けた一番の要因はループもののエピソードが3話にわたって描かれてるんですよね。季節は夏ですし、涼宮ハルヒのエンドレスエイトのパロディなんだというのは、すぐ…
前回の更新からだいぶ間があいてしまいました。 なんとなくエスパー魔美を読み返したら、続きの巻も読みたくなって購入。ついでに止まってたブログもなんとなく再開しようかな、みたいな気分になりました。それでは印象に残ったエピソードの感想を書いていきます。 雪の降る街を 昔テレビで見たのか、読んだのかはわかりませんが記憶に残っているエピソードでした。自分の両親の恋のキューピットになる話です。魔美のパパの不器用なところが非常に好感を持てました。後述する「恋人コレクター」に出てくる軽薄なヤツとは真逆ですね。魔美のママは昔から美人ですよね。キャリアウーマンでしたね、たしか。魔美のおこした時間を超えた超能力は生…
キングコングをレイトショーで観てきました。怪獣映画はここ数年ですと「2014年版GODZILLA (ゴジラ)」と「シン・ゴジラ」を見ていますが、個人的にはこの2作品よりおもしろいと感じました。 怪獣映画観るときに何を求めて観るかによって人それぞれ評価が変わると思うのですが、自分は難しいことを考えずに巨大生物のド派手なアクション目当てで観ます。この映画はそんなシンプルな欲求に十分すぎるほど応えてくれました。 第二次世界大戦のときに髑髏島に墜落してしまったマーロウが日本兵のイカリと戦っている最中にいきなりコングが登場します。開始数分の話です。そこから舞台は1973年に変わり、髑髏島に到着するまでは…
遅ればせながらようやく観てきましたよ、シン・ゴジラ。月曜日は映画が安い日ということで、公開初日からけっこう日が過ぎてると思うんですが、満席まではいかないものの、席が9割ぐらいうまってたと思います。 脚本も映像もかなりよかったですね。映像に関しては樋口真嗣が特技監督をしてるので、自分の中のハードルはだいぶ上がっていたのですが、期待以上のものを見せてもらったと思います。大迫力でした。余談ですが、この人の作ったガメラ3の映像はスゴかった。当時、京都に住んでいたのですが、本物の京都駅が本物のガメラに破壊されてるような気がしました。画面のカット割りなんかも印象に残っています。庵野監督の仕事なんですかね?…
1巻の感想に引き続き2巻の感想です。1巻とくらべると全体的にギャグ色が強いような印象をうけました。それではいつものように気になったエピソードをいくつか紹介していきます。 黒い手 かなり重い話です。交通事故で子供を失った父親が加害者の青年を殺そうとするお話です。加害者の青年は刑期を終え社会復帰していますが、反省の色はありません。罪に対する量刑の軽さなどについて作中で触れられます。復讐するために青年のもとに向かう父親の取り憑かれたような描写はSF短編集の「四畳半SL旅行」に登場する主人公の少年を思い出しました。魔美と高畑くんの機転で復讐は失敗に終わりますが、なんとも苦いエピソードでした。 うそ×う…
今回は最初から最後まで白川京の話でしたね。恒例の冒頭キ○ガイ小説も健在でしたが、内容はいつもより控えめでした。クロニカクロニクルは話題には出ましたがプレイはしていませんでした。白川京が出版社でバイトするのですが、那由多から原稿を取ってきたり、三国山蚕の親子関係を良化したりと大活躍。もうこの娘が主人公でいいんじゃないかというレベルです。蚕が漫画家をやることに反対している、彼女の父親に対して京のセリフ そ、それでも、一人の人間が人生を懸けて進もうと決めた道なんです!自分が本当にやりたいことを見つけられるのって、すごいことだと思うんです。そして実際にその道を進むのって、すごく勇気がいることだと思うん…
このブログではじめて映画をとりあげます。学生の頃はかなり映画が好きで、映画をみることが習慣のようになっていましたが、最近はあまり観ませんね。興味を失ってしまったわけではないのですが、まぁオッサンになったってことですかね。今回、感想を書くのはTSUTAYAで準新作になっていたのでジュラシック・ワールドです。かなりヒットしたらしいですね。当時の興行収入が歴代3位で、現在はフォースの覚醒に抜かれて4位のようです。さすがヒット作だけあって最初から最後まで楽しめるいい映画でした。個人的にジュラシック・パークは1が名作で2が駄作。3が凡作だと思っています。このジュラシック・ワールドはジュラシック・パーク1…
1話25ページ前後で1つ1つの話のクオリティが、T・Pぼんに負けないぐらい高いと思います。藤子・F・不二雄先生の作品の中でもかなり毛色が違いますね。女の子が主人公という点ではチンプイも同じですが、あちらはギャグ色が強いのに対し、エスパー魔美はストーリーに重点をおいている印象を受けます。困っている人を超能力で助けることによる登場人物の心境と状況の変化が丁寧に描かれているというだけでなく、1話目の最後の引きや、魔美が少しづつ能力を使いこなせるようになっていく描写などは、ストーリー漫画、つづきものならではですね。1話完結の形をとりながらも、全体としてストーリーがある特撮やドラマなんかに多い作劇法では…
森見登美彦はとても好きな作家で、小説はほとんど読んでいますが、この作品はあまり楽しめませんでした。オムニバス形式の作品で、それぞれのお話が少しずつリンクしていますが、作者が何をしたかったのか、見えてきませんでした。「新釈走れメロス」に登場した芹名や芽野が再登場しましたが、そもそも「新釈走れメロス」を読んだのが何年も前のことだったので、どんなストーリーでどんなキャラだったのか忘れており、話に入っていけませんでした。メロスを読んでいない人には、楽しめないと思います。「四畳半神話大系」からの登場人物もいますが、やはり読んでいない人に向けて書いているわけではないお話ですね。森見ファン向けだと思います。…
藤子・F・不二雄先生の作品の中でとくに凄みを感じるのがSF短編とモジャ公とこの「T.Pぼん」です。読みきり形式なのに1話1話のクオリティが相当高いというとんでもない漫画です。この漫画は、様々な時代の様々な境遇の人々が登場する娯楽性の高い作品ですが、いまいち知名度が高くないのはなぜでしょう?連載していた雑誌がマイナー雑誌で後半は不定期連載になったからでしょうか?自分としては、子供の頃読んだときは気になりませんでしたが、今回、数年ぶりに大全集で読んでみるとタイムパトロール隊の設定の甘さが引っかかりました。やはりタイムパトロールの仕事が「過去に行って、過去の人物を助ける」というのが倫理的にどうなのか…
コンビニのワイド版で読了しました。手塚漫画はそこまでたくさん読んでいるわけではありませんが、手塚先生の作品の中でも、かなりうまくまとまった傑作だと思います。 あとがきでページ数の都合上、イスラエルを舞台が変わってからの話はかなりかけ足だった旨が語られていますが、エピローグだと思って読んだのであまり気になりませんでした。 そのあとがきに具体的にどう話が進んでいくか書いてあり、それを読んでしまうと、当初の予定どおり描いてほしかったな、とは思いますが、峠草平とランプの決着ぐらいしかモヤモヤは残りませんでした。 いったいこの漫画の主人公は誰なのかな、と思います。 自分は狂言回しだと言う峠草平が、一番し…
1967年開始だけあって古さはいなめませんが、ギャグとは言えヒーロー漫画で、毎週読みきり形式で連載していたのだから、スゴイですよね。 それでは気になったお話をピックアップ。 パーマン誕生 ちょっとびっくりしましたね。第一話がこれでいいのか?っていうくらいアバウトな展開で、主人公のみつ夫がパーマンになります。 バードマン(この時点ではスーパーマンと名乗っています)が居眠りしてしまい、ヒーローになる人物をさがすノルマを達成できなそうだから、たまたま近くにいたみつ夫にパーマンセットをたくします。 こんな適当な感じなのに、パーマンの正体がバレたら動物にするって、冷静に考えるととんでもないやつですね、バ…
「僕は友達が少ない」の作者・平坂読先生のライトノベルです。基本的にラノベはアニメ化した作品のアニメになっていないぶんしか、読まないのですが、唯一「はがない」だけは全巻揃えました。それほどまでにハマった作品なので、同作者が書いたものならば、無条件に揃えてしまいます。 冒頭ではお約束になりつつある伊月のキ○ガイ小説からはじまります。鉄板ネタですね。自分以外あらゆるものが妹になった世界って…… 登場人物の項目に「お母さん 僕の妹。44歳」って書いてありますから。 あとがきにもありますが、今回はかなり頭の悪い話が多いです(褒め言葉) 新キャラで下着マニアの漫画家・三国山蚕が初登場します。伊月の書く「妹…
古代から中世にかけて奥州で栄華を極めた藤原氏のはじまりと滅亡を三部にわたってえがいた大河ドラマです。よく言われることですが、第三部では脚本家が変わり、出来が非常によくないです。一、二部の感想メインで書いていきます。 第一部 北の埋(うず)み火 奥州藤原氏初代・藤原清衡の父である藤原経清という武将が主人公です。このドラマを観るまで聞いたことのなかった人物ですが、非常に魅力的に描かれていると思いました。 通常、源氏は善玉として描かれることが多いですが、この物語では敵として登場し、源義家以外は浅ましく、卑怯な人物の集まりとして描かれています。 当時の平均視聴率が17.7%と振るわなかった理由に主人公…
藤子・F・不二雄先生の漫画の中でもファンの間でかなり評価の高い漫画です。 先生は21エモンの連載を続けたかったらしいですね。雑誌の連載を頼まれたとき、21エモンみたいなのをやらせてくれと言ってモジャ公がはじまったそうです。以下、巻末のあとがきより (21エモンは)作者が面白がって書いたわりには読者が面白がってくれなかった。連載は終わらざるを得ません。書き残した材料は、まだまだあったのに。ま、よくあるケースです。 そこへ「ぼくらマガジン」から新連載の依頼がありました。低学年読者を対象としたギャグまん画を、ということです。そこで、ま、言ってみたわけです。 「”21エモン”を続けたいんだけど。もちろ…
少年SF短編1巻の感想です。この巻に収録されているのは ポストの中の明日 ひとりぼっちの宇宙戦争 おれ、夕子 未来ドロボウ 流血鬼 ふたりぼっち 宇宙船製造法 山寺グラフィティ 恋人製造法 それでは印象に残った作品をピックアップ ポストの中の明日 主人公は部分的にですが、未来を見る能力に目覚めます。その能力は必ずしも主人公の生活に豊かなものをもたらすものではありませんでした。しかし、友人とハイキングに行き、遭難した際、未来の夕日を目撃します。そこから方向を割り出し無事生還するというストーリーです。 この話を大人になってから読んでファーストガンダムみたいだな、と思いました。ファーストガンダムの主…
SF・異色短編のレビューも最後の4巻になりました。しかし、少年SF短編も3冊残っていますので、これで終了って感じはしませんね。4巻に収録されているのは ドジ田ドジ郎の幸運 ヒョンヒョロ 自分会議 換身 箱舟はいっぱい ウルトラ・スーパー・デラックスマン T・Mは絶対に 幸運児 大予言 老雄大いに語る 光陰 オヤジ・ロック 一千年後の再会 ある日…… 俺と俺と俺 カンビュセスの籤 宇宙人レポート サンプルAとB 並平家の一日 昨日のおれは今日の敵 殺され屋 それでは気になった作品というか、これは語らねばならんだろうという作品の感想です。 ヒョンヒョロ 大全集ではじめて読みました。 宇宙から来た大…
SF・異色短編のレビューも3巻目に突入です。3巻に収録されているのは ぼくの悪行 メフィスト惨歌 神さまごっこ あいつのタイムマシン いけにえ 超兵器ガ壱號 テレパ椎 旅人還る 白亜荘二泊三日 福来たる 求む!求める人 倍速 侵略者 マイホーム マイシェルター 裏町裏通り名画館 有名人販売株式会社 それでは気になったエピソードをピックアップ。ネタバレを含むので未読の方は注意してください。 メフィスト惨歌 この漫画はどんでん返しのアイデアが秀逸でした。主人公は悪魔に願いを叶えてもらう代わりに、死後に魂をわたすという契約をするのですが、知識が乏しい悪魔を出し抜く手腕が実に見事でした。 主人公の願い…
SF・異色短編2巻に収録されているのは どことなくなんとなく 3千3万平米 分岐点 女には売るものがある あのバカは荒野をめざす パラレル同窓会 クレオパトラだぞ タイムカメラ ミニチュア製造カメラ 値ぶみカメラ 同録スチール タイムマシンを作ろう 夢カメラ コラージュ・カメラ 懐古の客 四海鏡 親子とりかえばや 丑の刻禍冥羅 鉄人をひろったよ 異人アンドロ氏 8~11、13~16、18は未来から来たヨドバ氏が不思議なカメラをセールスするシリーズです。もう少し話が多ければ、短編ではなく一つのシリーズとして単行本化もあったかもしれません。 それでは気になったストーリーをいくつかピックアップしたい…
藤子・F・不二雄先生の短編集は子供の頃、単行本や文庫本で揃えていたのですが、全話コンプリートしたいと思ったのが大全集を揃えるきっかけでした。 S・F異色短編集の第1巻に収録されているのは ミノタウロスの皿 カイケツ小池さん ボノム 底ぬけさん じじぬき わが子・スーパーマン 気楽に殺ろうよ アチタが見える 劇画・オバQ イヤなイヤなイヤな奴 休日のガンマン 定年退食 権敷無妾付き ミラクルマン ノスタル爺 コロリころげた木の根っこ 間引き やすらぎの館 気になったストーリーをいくつかピックアップしたいと思います。 ミノタウロスの皿 非常に有名な作品ですね。 藤子・F・不二雄先生が大人向けの短編…
藤子・F・不二雄大集をそろえています。 新品1冊あたり1000円以上するので、そうそう頻繁に買うわけにもいかず毎月1冊づつ購入しているのですが、ときおり安く買えたりするので頻繁に通販サイトを覗いたりしています。 今回紹介する「オバケのQ太郎」は、日常の中に異分子が住み着いて、さまざまな騒動が起きるという藤子先生の王道パターンを確立し、社会的に大ブームを巻き起こした大ヒット漫画です。 子供のころオバケのQ太郎のアニメが放送してたので、その流れでコミックのほうも読んでいたのですが、何十年も前の記憶ですし、はじめて読むような感覚でページを開きました。 「思ったより古いなぁ」 というのが最初の印象。1…
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