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文芸誌の旅 http://blog.livedoor.jp/tokyo_ueno/

5つの文芸誌を中心に、創作や評論のレビューをしていきたいと思っています。

文芸誌の楽しみは、突然の出会いがあること。 読んだことのない作家の作品、 新しい人の作品 自分の中に既存の知識に邪魔にされずに読める至福の媒体。 あとは購入したり、借りたりした書籍のレビュー書きたい。 よくばって映画や雑誌の記事、展覧会・美術展の紹介などもの書きたい!

タカピン
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2016/02/08

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  • 三木三奈『アキちゃん』「文學界」2020年5月号

    三木三奈『アキちゃん』「文學界」2020年5月号まず読み始めてから、いったい主人公「ミッカー」は何歳の時点からこの物語を振り返っているのだろうかと、ずっと頭から離れなかった。(それは最後、本当に一番最後に明らかになる)とうのもこの「突き指もしたことがない」主人

  • 岡本学『アウア・エイジ(Our Age)』「群像」 2020年2月号

    第163回芥川賞候補作品昔バイトしてた、飯田橋にある名画座でのもうすっかり終わってしまった苦い思い出が記憶の中に風化しそうになっていた思い出が多くが謎のまま取り残されていた。しかしふとした偶然の重なりがあって、しかもそこには曖昧にしてはならない何かがある

  • 田村俊子『女作者』「新潮」1913年1月 (『日本近代短編小説選 大正編』岩波文庫から)

    突然友人が訪ねてきて、こんなことを言われた。あなたもはや人生をあきらめている。その点私はあきらめない、なぜなら自分は自分だから、私は自分に生きるのだから、自分が芸術に生きるというのことは、自分に生きるということだから、だから好きな人と結婚するけれど、一緒

  • 「インポッシブル・アーキテクチャ展」埼玉県立近代美術館

    埼玉県立近代美術館「インポッシブル・アーキテクチャ展」に行ってきました。実際に建設されることのなかった建築物を紹介する興味深い展覧会でした。その実現しなかったもののアイディアや設計図のほか、一部は模型やCGを使って再現したものがありました。この展覧会の私の

  • 原民善「夏の花」『日本近代短篇小説選昭和編2』(岩波文庫)

    この作品を読み、主人公と街を歩く。歩いてみても私にはその悲惨さをおそらく私がもしそこにいることができたとしたら感じ取れれるであろうということと同じくらいには決して感じることはできないないことは承知ししつつもそれでも気づいたことがある。そして私のようにあと

  • 森本智子『枇杷』「mon」vol.13

    よく人生を知っている人は、物を持ちすぎないことが大事だと言う。物にこだわる人ほど取得してしまうのだし、取得してしまったら、捨てられないし残してしまったら、あとに残る人の良心に波風を立たせてしまうし・・・この作品で両親はもちろん、妹せりかも片付けられない人

  • 水原涼『干潮』「すばる」2018年5月号

    いつまでも覚えている記憶というものに感情の色彩を帯びていないものが、はたしてあるのだろうか?確かなものと曖昧なものが混在する記憶には、過去の事実との関係においては、いろいろ微妙な距離感があると思うが、逆にある時点での感情の痕跡が記憶であって、そこに事実が

  • 本谷有希子『奥さん、犬は大丈夫だよね』「群像」2018年3月号

    主人公の嫌な性格、その主人公の思考が地の文を支配する。自分の中にマイナスの感情生じても、それ自体を悪としない。逆にそう感じさせる、まわりを悪とする。無口な旦那は、話し合いは口論となり、不毛な時間が続くことを知っているのか、主人公の「心の病」を癒そうとする

  • 望月なな『透明な切取線』「mon」Vol.11

    五十嵐が茅野の才能に圧倒されて創作意欲がなくなってしまうことと単なる作業といえるようなことに不本意ながら安住していることへの罪悪感そこが基本ベースさて「保守」ということば。この単語が二回出てきた。一回目に出てきたとき、それはなにか気取ったように感じた。こ

  • 本谷有希子『本当の旅』「群像」2018年3月号

    確かにカジュアルであることと、未熟であることとを見極められないことは確実に精神的にあるいは物理的に人を悲惨な状況を迎えてしまうことだろう。この作品はそのことを寓話的かつ悲劇的にわかりやすく描いたことで痛快なところもある。その一方で作者は彼らに容赦ない。バ

  • 岩城けい『Matt』「すばる」2018年2月号

    歴史的な知識が肉親の受け売りで、それが子どもたちの意見となり、歴史観となる過程で、それがアイディンティティの一部となってしまい、もはや単なる情報のレベルではなくなってしまい、自らの出自との不可分の要素となってしまう。マット・Wがそうした性格を与えられた人物

  • 小山田浩子『家グモ』「文學界」2018年1月号

    主人公には子供ができる兆候がない。しかし部下は一人が産休、一人が時短、派遣の人は出産のため退職してしまった。なんと妊娠・育児でいなくなった人たちの仕事は子供いない私が負担することに・・・。友達も妊娠をし産休に入った。昔は食生活もズボラだったのに、油量制限

  • 多和田葉子『文通』「文學界」2017年1月号

    「やおい」って書いたら失礼になるのかな?山もあるし、落ちも一応あるし、でも意味は?「なにがなんだかわからないうちに穴蔵みたいな店にはいり」「家に変えるとどういわけか本当に手紙を書きたくなって」「どういうわけか接吻にいたった」自分の行動に無関心、とうより病

  • 沼田真祐『夭折の女子の顔』「すばる」2018年1月号

    この作品の主人公、女子中学生里紗をはじめ、 なんて実在感のない人ばかりなんだ。いやいやそうした人たちが何か痕跡を残して去っていくのも小説だろう。登校拒否になった里紗にたいして盛岡の叔母から気分転換かあるいはリハビリか、とにかくしばらく暮らしてみないかと訪

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