かつて喫煙に寛容だった日本社会 昭和時代の娯楽作品には、タバコを吸う主人公がよく登場していて、タバコを吸うこと…
『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)能代 了 著 ⑤ – かつて喫煙に寛容だった日本社会/ディスプレイとしての健康 –
かつて喫煙に寛容だった日本社会 昭和時代の娯楽作品には、タバコを吸う主人公がよく登場していて、タバコを吸うこと…
『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)能代 了 著 ④ – 逸脱者の医療化と逸脱を許容しない現代のメカニズム –
資本主義と個人主義、そして社会契約といった思想に根ざす現代の通念 現代の通念や習慣は基本的に資本主義と個人主義…
労働者に期待される能力のハイクオリティ化 世界でも有数の人口を抱え、なおかつ混沌に陥らずに秩序によって快適さを…
『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)能代 了 著 ② – 社会化された小さな子どもたち/高いコミュニケーションがデフォルトな日本社会 –
社会化された小さな子どもたち 膨大な人口を抱えつつ、それでも混沌に陥らない世界でもトップクラスに秩序化された東…
『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)能代 了 著 ① – 健康的で清潔で、道徳的な秩序ある令和時代への疑問 –
本書の問題意識 ポリティカル・コレクトネスから外れた著名人が世間から袋叩きにあう昨今ですが、行き過ぎともいえる…
『ゼロからトースターを作ってみた結果』(新潮文庫)トーマス・トウェイツ 著 ③ – トースター作りからの教訓 –
完成したトースター 前回までの記事で著者がトースターづくりに挑戦した理由やその製造過程をご紹介しましたが、その…
『ゼロからトースターを作ってみた結果』(新潮文庫)トーマス・トウェイツ 著 ② – トースター製造にかかる様々な困難 –
鉄とプラスチックを精製することの困難さ プラスチックで出来た筐体(機器をおさめている箱のこと)をつくるには、プ…
『ゼロからトースターを作ってみた結果』(新潮文庫)トーマス・トウェイツ 著 ① – トースター作りへの挑戦 –
本書の概要 「ゆる言語学ラジオ」か「ゆるコンピューターサイエンスラジオ」のどちらかの番組でパーソナリティーの堀…
全国坊守・寺族女性連絡会 第一回東京支部会『基調講演録』池田行信氏「本願寺教団における坊守問題」② – 世間で称讃される良妻賢母像に置き換えられる坊守像 –
引き続き、2001年に築地本願寺で開催された全国坊守・寺族女性連絡会 第一回東京支部会における池田行信先生の基…
全国坊守・寺族女性連絡会 第一回東京支部会『基調講演録』池田行信氏「本願寺教団における坊守問題」① – 「坊守」という言葉の名称と歴史的変遷 –
ジェンダーに関する話題が続きますが、2001(平成13)年に築地本願寺で開催された全国坊守・寺族女性連絡会 第…
『サピエンス全史』(上)に述べられるユヴァ・ノア・ハラリ教授から見た男女間格差の考察 ②
引き続き、『サピエンス全史』(上)に述べられる性差に関する内容です。 農業革命以来、多くの社会では男性が優遇さ…
『サピエンス全史』(上)に述べられるユヴァ・ノア・ハラリ教授から見た男女間格差の考察 ①
前回まで、ジェンダーに関する話題を扱ったので、引き続き、ユヴァ・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』に述べられる…
『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』(河出新書)平野卿子 著 ④ – 言葉の豆知識 –
今回も前の記事に引き続き、言葉に関する豆知識的な情報をご紹介します。 和語と漢語の序列について 和語と漢語の序…
『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』(河出新書)平野卿子 著 ③ – 言葉の豆知識 –
本書を扱うのは三回目ですが、豆知識的なものをご紹介します。 西洋のレディーファーストの背景にあるキリスト教的価…
『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』(河出新書)平野卿子 著 ② – 日本の「性の美学」とその発端 –
ドイツ人から見た日本の「性の美学」 『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』の著者である平野卿…
『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』(河出新書)平野卿子 著 ① – 著者が女ことばに関心を持つにいたった経緯 –
本書を知るきっかけ 本書を知ったきっかけは、本書が新聞に紹介されていることを教えてもらったことでした。その新聞…
テクノロジー関連のニュースを追うため、「足立明穂のITトレンドX」(PODCAST)という番組を普段聞いている…
テクノロジー関連の技術進展と次々と新しいサービスが出てくるので、若干、追いつけてませんが、大手企業が相次ぎ採用…
『進化論はいかに進化したか』(新潮選書)更科功 著 ③ – ネオダーウィニズム(総合説) –
懐疑的な目を向けられるダーウィンの自然選択 ダーウィンの『種の起源』が1859年にイギリスで出版されると、すぐ…
『進化論はいかに進化したか』(新潮選書)更科功 著 ② – 誤解されて広まるダーウィンの考え方 –
『種の起源』に述べられるダーウィンが考える進化のメカニズム 以下の内容は、前回の記事と同じものですが、チャール…
『進化論はいかに進化したか』(新潮選書)更科功 著 ① – 『種の起源』の中で示されたダーウィンが考える進化のメカニズム –
『種の起源』の中で示されたダーウィンが考える進化のメカニズム 不屈の業績を誇るダーウィンが『種の起源』で述べた…
美術品の価値 – 資本主義上の価値と美術館にとっての価値の相違 –
Vol.73 未知の価値を未来に届ける〜ミュージアム・学芸員の眼差し 上記URLは、TAKRAM RADIOの…
『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)阿部恭子 著 – 教育という側面から距離を置く –
今回、ナラティブ(物語)の負の側面という観点から『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)阿部恭子 著に取り…
『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)阿部恭子 著 ③ – メディアの偏向報道と苛烈な上級国民バッシング-
事件の概要 2019年4月19日、東京・東池袋で飯塚幸三氏が運転していた車が暴走し、二名が亡くなり、九名が負傷…
『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)阿部恭子 著 ② – 「東池袋自動車暴走死傷事故」の概要 –
前回の記事の概要 前回の記事では、大治朋子氏の著作『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』…
『家族が誰かを殺しても』(イースト・プレス)阿部恭子 著 ① – 上級国民バッシングというナラティブ –
影響力のある被害者ナラティブ 少し前の事ですが、大治朋子氏の『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わさ…
『ビジネスの未来』(プレシデント社)山口周 著 ④ – コンサマトリー(目的的)行為と責任ある消費 –
本書の概要 以下の概要は「『ビジネスの未来』(プレシデント社)山口周 著 ② – 経済成長の終焉 –」の冒頭に…
『ビジネスの未来』(プレシデント社)山口周 著 ③ – 経済成長を終えた社会に求められる発想の転換 –
本書の概要 以下の文章は前回の記事でまとめたものです。 著者の問題意識は明確で、「物質的貧困を社会からなくす」…
『ビジネスの未来』(プレシデント社)山口周 著 ② – 経済成長の終焉 –
本書の概要 以下の文章は前回の記事でまとめたものです。 著者の問題意識は明確で、「物質的貧困を社会からなくす」…
『ビジネスの未来』(プレシデント社)山口周 著 ① – 問題意識 目指すべき社会の姿とは? –
本書の問題意識と目指すべき社会 確か、Podcast番組「超相対性理論」の中でTakramの渡邉康太郎さんが紹…
『チッソは私であった 水俣病の思想』(河出書房新社)緒方正人著 ④ – 水俣病と現代社会 –
本書の概要 初回記事の冒頭にも掲載した本書の概要です。 水俣病について|メディカルノートによれば、水俣病とは熊…
『チッソは私であった 水俣病の思想』(河出書房新社)緒方正人著 ③ – 水俣病患者の抗議活動の変遷(係争から和解へ) –
本書の概要 初回記事の冒頭にも掲載した本書の概要です。 水俣病について|メディカルノートによれば、水俣病とは熊…
『チッソは私であった 水俣病の思想』(河出書房新社)緒方正人著 ② – 筆者の生い立ちと水俣病との関わり –
本書の概要 前回の記事の冒頭にも掲載した本書の概要です。 水俣病について|メディカルノートによれば、水俣病とは…
『チッソは私であった 水俣病の思想』(河出書房新社)緒方正人著 ① – 本書の概要 –
水俣病について|メディカルノートによれば、水俣病とは熊本県八代海沿岸及び新潟県阿賀野川流域において発生した四大…
『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)高野秀行 著 ③ – 標準語の生成と差別意識 –
概要 今回も言語と序列に関する話題です。ワ国という政治的秘境の国に渡った筆者は、紆余曲折あって村ごとで通じるロ…
『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)高野秀行 著 ② – 言語間における階層構造 –
言語内序列の法則 公用語・ローカル語といった具合に複数の言語が用いられるコンゴにおいては、言語の間に序列関係が…
『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)高野秀行 著 ① – 言語間における階層構造 –
今回紹介するのは、冒険家・著述家である高野秀行氏の『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)から、…
CHATGPTが生み出す成果物の精度としの進化のスピードに驚かされる中で、、日々進歩するこの技術を使いこなすこ…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ⑨ – 罪を受容するまで –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ⑧ – 再燃する母・妙子の強要、そして殺害へ –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ⑦ – 看護師への道 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ⑥ – 母の執拗な干渉 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ⑤ – 母・妙子の過剰な演出 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ④ – 母・妙子のエリート思考 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ③ – 第一審の結末 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ② – 事件の発覚 –
事件の概要 先ずはじめに、この事件の概要を述べますと、医学部へ進学するよう母親から強要されたこの物語の主要人物…
『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 著 ① – 本書の概要 –
ふと立ち寄った本屋のノンフィクションコーナーで目に入ったのが『母という呪縛 娘という牢獄』(講談社)齊藤 彩 …
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ⑥ – 複数のナラティブに触れる忍耐力 –
本書に関して触れた一連の記事は今回で最後にしたいと思いますが、最後は複数のナラティブに触れる事について扱ってい…
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ⑤ – SNSを用いた大規模な情報感染とその手法 –
ケンブリッジ・アナリティカ事件の概要 ケンブリッジ・アナリティカは、英国に拠点を置くデータ分析企業で、軍事心理…
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ④ – ナラティブの負の側面 –
前回まで、ナラティブによるプラスの部分に焦点を当ててきましたが、本記事はナラティブの負の側面についてご紹介いた…
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ③ – ナラティブの正の側面 –
日本の道徳観と物語 日本の民話とドイツのグリム童話との比較を通じて、物語がどのように道徳観を育てるかを考察する…
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ② – 身近に溢れるナラティブ –
前回の記事の要約 「ナラティブ」という言葉は、「語る行為」と「語られたもの」を含む概念で、専門家は通常の日本語…
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』(毎日新聞出版)大治朋子 著 ① – 物語るホモ・サピエンス –
ハイダー・ジンメルの実験 下記動画は、Youtubeの動画にアップロードされている「ハイダー・ジンメルの実験」…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ⑧ – 帰洛後のこと –
親鸞聖人が帰洛した頃の浄土教について 親鸞聖人が関東に赴いた理由として、今井雅晴先生は、関東の有力者・宇都宮頼…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ⑦ – 関東に関連する事 –
一切経校合について 現在、本願寺から頒布されている「御絵伝」(「親鸞伝絵」の康永本を元としている)に一切経校合…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ⑥ – 関東に関連する事 –
各宗派の立教開宗について 浄土真宗の立教開宗については、『教行信証』の中に唯一登場する年号である「元仁元年」(…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ⑤ – 流罪赦免後、関東へ赴いた理由 –
流罪胃赦免後、関東へ赴いた理由 親鸞聖人が流罪赦免後、関東へ赴いた理由について、『最須敬重絵詞』巻一には「事ノ…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ④ – 承元の法難と流罪地の越後について –
承元の法難「法に背き」とは何か? 親鸞聖人は承元の法難を思想弾圧と見ていかれますが、歴史家の先生方から見るとこ…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ③ – 三善家について –
三善家は日野家と同じく、学問で身を立てる事を目指す中流貴族でした。親鸞聖人の奥方である恵信尼様の祖父である三善…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ② – 比叡山での修行と下山 –
堂僧について 親鸞聖人が比叡山延暦寺で勤めていた「堂僧」について、過去の記事でも触れましたが(『親鸞聖人絵伝』…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ① – 日野家について –
2023(令和5)年10月9日(月)、千葉県柏市の正満寺にて千葉組北ブロックの親鸞聖人御誕生850年・立教開宗…
『親鸞聖人の一生』(合同会社自照社)今井雅晴 著 ③ – 三善家について –
三善家は日野家と同じく、学問で身を立てる事を目指す中流貴族でした。親鸞聖人の奥方である恵信尼様の祖父である三善…
「孫引きの歴史である仏教 」『西方指南抄講讃』(永田文昌堂)武田一真 著
私が真宗学の修士課程の一年の時、同じく内藤ゼミで博士課程の二年目であったのが、2023年の安居で副講師を勤めた…
『ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力』(光文社新書)川瀬和也 著 ③ – 生の情報は存在するのか –
本書によると、我々の認識にのために使っている能力ついてカントは、感性(生のデータとして受け取る)と悟性(生のデ…
『ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力』(光文社新書)川瀬和也 著 ② – 新しい言葉と性質 –
今回紹介する話は、新しい言葉が生まれるということは、今までにない性質をもった存在が現われることと同義であり、そ…
『ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力』(光文社新書)川瀬和也 著 ① – 存在は輪郭を持ちその設定は恣意的であるということ –
「存在する物」は、輪郭を持ちます。たとえば、机のうえに置かれた消しゴムは、消しゴムの輪郭によって机と区別され、…
タイトルの「(株)Ridilover【リディラバ】」はCOTENラジオのヤンヤンさんがラジオの中で紹介されてい…
友人に勧められ『ものがわかるということ』(祥伝社)養老孟司 著を拝読しましたが、先日このブログでも紹介した『神…
『国民とは何か』(講談社学術文庫)エルネスト・ルナン 著(長谷川一年 訳)② – その後のナショナリズムの研究 –
ナショナリズムに関する本格的な研究の端緒 前回に引き続き、『国民とは何か』(講談社学術文庫)エルネスト・ルナン…
『国民とは何か』(講談社学術文庫)エルネスト・ルナン 著(長谷川一年 訳)① – 国民形成に関するルナンの主張 –
1882年3月11日、ソルボンヌで行われた講演を記した『国民とは何か』(講談社学術文庫)エルネスト・ルナン 著…
門徒推進の研修会のための事前準備として、『教行信証』の執筆時期に関する事と「鎌倉三本」と呼称される『教行信証』…
『ただしさに殺されないために 声なき者への社会論』(大和書房)御田寺 圭 著 ④ – 能力主義に隠れた女性たち –
「学力を軸とした序列化構造」に巻き込む能力主義 2020年、上智大学が1980年代から続いていたミスコン「ミス…
『ただしさに殺されないために 声なき者への社会論』(大和書房)御田寺 圭 著 ③ – 富の傾斜配分を正当化する新たなる差別の論理 能力主義 –
本記事の冒頭の部分は以前アップロードした「『やまゆり園事件』(幻冬舎)神奈川県取材班 ③ – 日本に息づく優生…
『ただしさに殺されないために 声なき者への社会論』(大和書房)御田寺 圭 著 ② – ベラルーシの放った人権ミサイル –
「多様性・多文化共生」という名の片務的責務を利用したベラルーシの放った人権ミサイル 不正選挙によって大統領の座…
『ただしさに殺されないために 声なき者への社会論』(大和書房)御田寺 圭 著 ① – 西欧的「正しさ」が孕む矛盾や問題 –
今回から紹介するのが、「御田寺圭 みたてら・けい」名義で言論活動を行う著者の『ただしさに殺されないために 声な…
【13店舗】ゆる言語学ラジオが選んだ言語学出版社フォーラムの本フェア
車の移動の際によく聞いているpodcast番組の一つ「ゆる言語学ラジオ」が紀伊國屋書店にて「言語学フォーラムの…
リスクに直面した場合、どの様な論理でこのリスクに対処していくのかということについて、「選択の論理」と「ケアの論…
ケアの論理と選択の論理 ① – リスクが極度に個人化された社会 –
『文化人類学の思考法』(世界思想社)松村圭一郎/中川理/石井美保 編の中の「ケアと共同体」という一章に相模原市…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ⑦ – 唯識と「羅生門」 –
客観的な世界が存在するのではなく、私たちの認識が世界を形成しているという仏教の「唯識」という考え方がありますが…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ⑥ – 「同じ」にする能力の行き着く果に待つ「音痴」 –
今回もまた言葉に関する話題です。私たちは、認識する対象の細かい差異を削ぎ落とし、「同じもの」と受容する特徴があ…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ⑤ – 自己を維持し続ける脳の機能 –
詳細は書かれていませんが、『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著の中で、脳出血を起こした自らの体験を記した神…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ④ – 連続的な現実を切断する言葉 –
養老孟司さんが書かれた書籍を色々読んでいると、いかに言葉に関心を持っているかが分かります。色々な媒体に寄稿した…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ③ – 矛盾に陥る自己言及 –
以前、下記の記事でもご紹介した矛盾に陥る自己言及についてのお話です。「私の言う事は全て嘘である」という発言は自…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ② – 変遷する価値観 –
解剖学者の養老孟司(以降、著者と略します)さんの著書によると、医学部を出て解剖学を専門になさる方は非常に少ない…
『神は詳細に宿る』(青土社)養老孟司 著 ① – 慈悲深き者がまず逝く –
解剖学者の養老孟司氏が様々な媒体に寄稿した文章をまとめた『神は詳細に宿る』(青土社)という書籍ですが、それぞれ…
『たのしいプロパガンダ』(イースト新書)辻田真佐憲 著 ④ – プロパガンダの実例 –
ベルリン・オリンピック 思想戦の理論・実践ともに通じていた清水盛明が述べる様に、プロパガンダの方法は多岐に渡り…
『たのしいプロパガンダ』(イースト新書)辻田真佐憲 著 ③ – 官民共同のプロパガンダ –
プロパガンダというと、政府の役人が製作した素人臭い説教的なものを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうが、それは…
『たのしいプロパガンダ』(イースト新書)辻田真佐憲 著 ② – プロパガンダが注目された機縁 –
思想戦の専門家・清水盛明 前回の記事で、ケインズの経済理論を背景としたニューディール政策への配慮からウォルト・…
『たのしいプロパガンダ』(イースト新書)辻田真佐憲 著 ① – 楽しいプロパガンダ –
楽しいプロパガンダ 先日、イソップ寓話の「アリとキリギリス」の物語をwikipediaで確認していると興味深い…
『マスクをするサル』(新潮新書)正高信男 著 ③ – 異文化のSEX観 –
自由な性を営むバンドという形態 「性」に関するテーマは今回で一区切りにしようと思いますが、人類学の定説によれば…
『マスクをするサル』(新潮新書)正高信男 著 ① – マスクが飛沫飛散防止以外の役割を担う日 –
マスクに隠された口唇部がセクシャルな意味を持つ日 私たちが普遍的だと思っている価値観が如何に時間的・空間的に限…
『マスクするサル』(新潮新書)正高信男 著 ② – 性と隠蔽の因果関係 –
性と隠蔽の因果関係 前回の記事(『マスクをするサル』(新潮新書)正高信男 著 ① – マスクが飛沫飛散防止以外…
『裸はいつから恥ずかしくなったか 「裸体」の日本近代史』(ちくま文庫)中野明 著 ③ – 変遷する裸体観 –
外国人に対する配慮から明治政府が混浴禁止令を出した背景 江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜の大政奉還を受けて、明…
『裸はいつから恥ずかしくなったか 「裸体」の日本近代史』(ちくま文庫)中野明 著 ② – 混浴以外の日本の裸事情と本音と建前の西洋人 –
続・日本人の裸体観 前回の記事では、『ペリー艦隊日本遠征記』に掲載されている日本の混浴の風景(一般に下田公衆浴…
『裸はいつから恥ずかしくなったか 「裸体」の日本近代史』(ちくま文庫)中野明 著 ① – 西洋人が驚く日本の裸事情 –
ドイツ人画家ヴィルヘルム・ハイネが描写した下田公衆浴場 異文化にふれる事によって、自分の中に内面化された規範(…
『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』(みすず書房)ダニエル・L・エヴェレット 著 ③ – 伝道師を脱信仰へと至らせたピダハンの特性 –
直接体験・実証を重んじるピダハンの文化 直接の体験、実証を重んじるピダハンの文化は、私たちの持つ常識では考えら…
『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』(みすず書房)ダニエル・L・エヴェレット 著 ② – 消滅が危惧されるピダハン語の特徴 –
私たちが常識だと思っているものが、如何に普遍的なもの(時間や場所に縛られない一貫した事柄)ではなかったと知らさ…
『法華経 上』(岩波文庫)坂本幸男・岩本裕 訳注 「信解品」長者窮子の譬え(和訳)
以下、『法華経』「信解品」の大部分を占める「長者窮子の譬え」に関する備忘録。 凡例一、本書は『妙法蓮華経』の原…
『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』(みすず書房)ダニエル・L・エヴェレット 著 ① – 脱信仰という結末を迎えた伝道師 –
謎の言語を操るアマゾンの民 ピダハン 以前、NHKEテレにおいて地球ドラマチック「ピダハン 謎の言語を操るアマ…
『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』(中公新書)田中拓道 著 ⑩ – 新しい社会リスク –
下記引用はこれまで通り、『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』(中公新書)田中拓道 著の末尾…
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かつて喫煙に寛容だった日本社会 昭和時代の娯楽作品には、タバコを吸う主人公がよく登場していて、タバコを吸うこと…
資本主義と個人主義、そして社会契約といった思想に根ざす現代の通念 現代の通念や習慣は基本的に資本主義と個人主義…
労働者に期待される能力のハイクオリティ化 世界でも有数の人口を抱え、なおかつ混沌に陥らずに秩序によって快適さを…
社会化された小さな子どもたち 膨大な人口を抱えつつ、それでも混沌に陥らない世界でもトップクラスに秩序化された東…
本書の問題意識 ポリティカル・コレクトネスから外れた著名人が世間から袋叩きにあう昨今ですが、行き過ぎともいえる…
完成したトースター 前回までの記事で著者がトースターづくりに挑戦した理由やその製造過程をご紹介しましたが、その…
鉄とプラスチックを精製することの困難さ プラスチックで出来た筐体(機器をおさめている箱のこと)をつくるには、プ…
本書の概要 「ゆる言語学ラジオ」か「ゆるコンピューターサイエンスラジオ」のどちらかの番組でパーソナリティーの堀…
引き続き、2001年に築地本願寺で開催された全国坊守・寺族女性連絡会 第一回東京支部会における池田行信先生の基…
ジェンダーに関する話題が続きますが、2001(平成13)年に築地本願寺で開催された全国坊守・寺族女性連絡会 第…
引き続き、『サピエンス全史』(上)に述べられる性差に関する内容です。 農業革命以来、多くの社会では男性が優遇さ…
前回まで、ジェンダーに関する話題を扱ったので、引き続き、ユヴァ・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』に述べられる…
今回も前の記事に引き続き、言葉に関する豆知識的な情報をご紹介します。 和語と漢語の序列について 和語と漢語の序…
本書を扱うのは三回目ですが、豆知識的なものをご紹介します。 西洋のレディーファーストの背景にあるキリスト教的価…
ドイツ人から見た日本の「性の美学」 『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』の著者である平野卿…
本書を知るきっかけ 本書を知ったきっかけは、本書が新聞に紹介されていることを教えてもらったことでした。その新聞…
テクノロジー関連のニュースを追うため、「足立明穂のITトレンドX」(PODCAST)という番組を普段聞いている…
テクノロジー関連の技術進展と次々と新しいサービスが出てくるので、若干、追いつけてませんが、大手企業が相次ぎ採用…
懐疑的な目を向けられるダーウィンの自然選択 ダーウィンの『種の起源』が1859年にイギリスで出版されると、すぐ…
『種の起源』に述べられるダーウィンが考える進化のメカニズム 以下の内容は、前回の記事と同じものですが、チャール…
以下、『法華経』「信解品」の大部分を占める「長者窮子の譬え」に関する備忘録。 凡例一、本書は『妙法蓮華経』の原…
謎の言語を操るアマゾンの民 ピダハン 以前、NHKEテレにおいて地球ドラマチック「ピダハン 謎の言語を操るアマ…
下記引用はこれまで通り、『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』(中公新書)田中拓道 著の末尾…
前回までの復習 下記引用は、標題にもある書籍の中、末尾の方に記されている政治思想(経済と価値観)の変遷をまとめ…
名著という評判を知って手に取った『社会心理学講義』(筑摩書房)にはじまり、『増補 民族という虚構』(筑摩書房)…
第二次世界大戦後、リベラル・コンセンサスを基礎として先進国は繁栄しましたが、二度のオイルショックや産業構造の変…
前回の記事では、第二次世界大戦後の繁栄の基礎となったリベラル・コンセンサスが国際的理由(グローバル化によるケイ…
第二次世界大戦後、「生産性の向上」という合い言葉を掲げ、経営者と労働者はリベラル・コンセンサスを形成し、ケイン…
第二次世界大戦後のリベラル・コンセンサス 下記引用は、『リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで』…
前回までのお復習い 17世紀、個人の権利(生命・自由・財産)を守る目的として登場した近代の自由主義は、19世紀…
前回のお復習い 自由主義の出発点をどこに置くのか諸説あるものの、その中核的な思想が成立したのが17~18世紀の…
「現代リベラル」の変遷 概括 先ず、17世紀の西欧に登場した近代の自由主義がどの様な変遷を経て「現代リベラル」…
初めてまともに聞いた、故・梯實圓の講義は仏教の知識に留まらず、様々な学問の知識を援用されながらの講義でした。そ…
『宗教の本性 誰が「私」を救うのか』(NHK出版新書)佐々木閑 著に興味深い話が紹介されていました。著者は毎年…
平和を実現するために必要な2%の演説 「天才」とともに「原爆の祖父」という不名誉な二つ名のあるアインシュタイン…
アメリカの大手雑誌「タイム」において20世紀を代表とする「パーソン・オブ・ザ・センチュリー」に選出され「天才」…
上の動画はたまたまYouTubeで見つけたものですが、この動画に影響を受けて『晩年に想う』(講談社文庫)アイン…
本書(『別冊NHK100分de名著 読書の学校 苫野一徳 特別授業『社会契約論』 (別冊NHK100分de名著…
今回は、法話らしいエモーショナルな話をご紹介したいと思います。 地域経済論や障がい者雇用論を専門とする坂本光司…
2022年12月20日、武田一真和上と井上見淳和上の司教昇階祝賀会が藤鷲会(故・内藤知康和上に教えを仰いだ主に…