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どんぴんからりん すつからりん https://blog.goo.ne.jp/ogawasaito

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・・。それにしても奥が深い。(2012.9から)

どんぴんからりん すつからりん
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2015/11/21

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  • そらのほんやさん

    そらのほんやさん/くまくら珠美/理論社/2023年作者の紹介に、猫絵作家/画家/漫画家とあり、「そらのきっさてん」「そらのゆうびんやさん」も発行されているのでシリーズものです。宇宙のどこかにある<そらのほんや>は、ふたりの猫が店主の喫茶店&本屋さん。いろんな楽器の音が聞けたり、おいしいにおいつきの本などこだわりのお店。一匹の犬(オサム)がさがしていたのは、作家と一緒だったころ、作家がちっとも遊んでくれなくて、はらをたて、やぶって庭に埋めた本の半分。片方は、作家の引き出しにしまいこまれていました。でかけていった作家が帰ってこなくて、ひとりぼっちになったオサムが、埋めた場所がわからなくなった半分を探していたのです。この本屋さんには、半分にちぎれた本がありました。あわせるとぴったりでした。ホシガラスが探していた...そらのほんやさん

  • しっぺいたろう

    しっぺいたろう/脚本・津田真一絵・田島征三/童心社/2018年(12画面)人身御供の娘を助ける旅の坊さんと、しっぺいたろうという犬の話。「しっぺいたろうはおるまいのしっぺいたろうにゃみつかんな」という話声で、しっぺいたろうを探すにいくと、それは犬で、娘が運ばれる危機一髪のとき、犬を連れ帰ったお坊さんと犬が、ヒヒを退治。田島さんが描く、坊さんよりおおきい犬の存在感が抜群。絵本も出版されています。全国各地に残され、地元にもあるという感想が寄せられていました。・土ぐもたいじ(奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会編/日本標準/1977年)タイトルがかわっていますが、化け物は、ヒヒではなく土ぐも。お坊さんははじめからサンという犬を連れていています。お坊さんがもっている杖に、太い糸が、なんすじも、なんすじもぐるぐるま...しっぺいたろう

  • わたしを 描く

    わたしを描く/曹文軒・作スージー・リー・絵申明浩:広松由希子・訳/あかね書房/2024年八歳のウロが、自画像を描くキャンバスをさがして、お父さんと画材屋をみてまわりますが、なかなか気にいるキャンバスがありません。やっといきついた店で雨露にさらしてつくられた雨露麻のキャンバスを買うことにしました。このキャンバスは、高名な画家が発注していましたが、一昨日突然亡くなって店頭にならべられていたものでした。はじめ、キャンバスがもったいないというウロは、父さんにはげまされ、二週間かけて、やっと自画像を描き上げました。その夜、父さんはウロの先生や自分の友だちに電話をかけ、ウロの自画像をみてほしいと、つたえました。ところがつぎの朝、キャンバスの自画像は、絵の具が流れてドロドロの色になっていたのです。せっかく描きあげたのに...わたしを描く

  • ボボンバ ボンボン

    ボボンバボンボン/高畠純/光村教育図書/2023年かばはなにもしませんでも1、2、3と数えたらボボンバボンボン。ぞうはなにもしませんでも1、2、3と数えたらパオパオーン。うまとうしはなにもしませんでも1、2、3と数えたらヒヒンバヒヒンバモーラモーラモモンデモーラぶたがおどり、だちょうがおどりごりらがおどり。わには?三つ数えてもうごきません。うごきません。ごりらがやっきて三つ数えてもうごきません。それでも絵本は裏表紙まで見ないとわかりませんよ!声を出して読まないと面白くありません。踊り最高、リズム最高。ボボンバボンボン

  • お田引いたん、見いたかえ・・奈良

    奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年むかしむかし、地黄という村に惣五郎という名のじいさまがいた。ある年の田植え時期に三段御作(約0.3ヘクタールの広さの田)の田の植えつけをおえて、夕方家に帰ろうとすると、道ばたにある野井戸の中に子ギツネがはまっておぼれ死んでいた。えらいところで死んだものやと、子ギツネを拾いあげ、畑のすみっこに小さい穴を掘ってていねいにほおむってやった。その夜、トントン戸を叩く音がして目を覚ますと、「惣五郎どん、お田引いたん、見いたかえ、三段御作、みな引いた。」と誰かが叫んだ。じいさまが戸を開けてみたが、だあれもいなかった。朝になって、じいさまが田んぼにいってみると、きのうえらいめいして植えた苗が、なんと一本残らず引き抜かれておった。すぐに近所の者にたずねたが、だあれ...お田引いたん、見いたかえ・・奈良

  • しろい からす

    しろいからす/脚本・上地ちづ子画・福田庄助/童心社/1975年初版ハトの餌を横取りするため、白くなろうとしたカラスが、小麦の袋にくちばしで穴をあけようとすると粉がいっぺんにでてきてゴホンゴホンとせき込んでしまいました。つぎに、染物屋さんですっかり白くなるとハトのところで餌を食べることができましたが、うますぎてカアーとなくと正体がばれておいはらわれてしまいます。仲間のところへ行くと、こんどは白いからと仲間外れ。そこでカラスは・・・・。頭がいいとうぬぼれていたカラスは、ずるがしこく立ち回ろうとしなくなったかな?「たのしいイソップ」のお話しです。しろいからす

  • やさいのはな なんのはな?

    やさいのはななんのはな?/構成・文宮崎祥子写真・網野文絵/岩崎書店/2023年これからは夏野菜の本番。ふだん食べるだけだと野菜の花と言われてもピンとこないかもしれません。おなじみの野菜の花が、おおきな写真で示され、何の花?とクイズ形式になっています。キュウリ、さつまいも、れんこん、大根、ニンジンなど。小さいながら家庭菜園を楽しんでいますが、写真で見るゴボウの花をみて、今年はよく観察してみようと思わされました。たまねぎは、葉っぱとあったり、ジャガイモは、土の中でふくらんだ茎とあって、新しい発見もありました。花はどうなふう?と会話しながら食べると、一層野菜に興味がわくかもしれません。やさいのはななんのはな?

  • 手品師・・豊島与志男

    赤い鳥代表作集2/小峰書店/1998年豊島与志雄(1890ー1955年)が1923年に「赤い鳥」に発表したもの。村や町をめぐりあるいて、広場に毛布をしき、そのうえで手品を使いいくらかのお金をもらってその日暮らしをしていたハムーチャという手品師。お金が入ると、その金で酒ばかり飲んでいたのでいつもひどく貧乏でした。ある日、ひとりの旅人から、「世界でただひとりきりという世にもふしぎな手品師」のことを聞きました。それは手品師というより、むしろ立派な坊さんで、善の火の神オルムーズドにつかえるマージでした。長い間の修業で、火の神オルムーズドから、どんなものでも煙にしてしまう術をさずかりました。このふしぎな術を見ようと思って、いくたりもの人がでかけましたが、ひとりとしてむこうにいきついた者はいないというのです。ハムーチ...手品師・・豊島与志男

  • にいちゃんの なみだスイッチ

    にいちゃんのなみだスイッチ/文・いとうみく絵・青山友美/アリス館/2017年幼稚園年中さんのなおちゃんはちょっとたよりないお兄ちゃんに不満たらたら。ほかの友だちのお兄ちゃんは、すごくつよかったり、格好良かったり、おもしろかったり。ところが、幼稚園年長のお兄ちゃんは、ピーマンをのこしてお母さんに注意されたり、お風呂でシャワーが顔にかかったり、ともだちにブロックをとられたり、ぼくにお医者さんが注射するのを見てすぐになみだスイッチがはいって、すぐになく。ところが、動物園の遠足の前日に熱が出ていけなかったぼくに、たいせつにしていたドキドキモンスターの人形をもってきた。それから熱が下がると、お兄ちゃんは、縄跳び電車に乗せて、部屋の中をぐるっとまわるとドアを開けた。すると階段の手すりの下には動物たちの絵。それだけでな...にいちゃんのなみだスイッチ

  • ふしぎな力をもった七人の鉱夫・・チリ

    新装世界の民話Ⅱ/アメリカ大陸Ⅰ/小沢敏夫他・編翻訳/ぎょうせい/1977年初版「ふしぎな力をもつ」といえば、それこそ”とんでもないやつら”。教訓めいたものがなく、冒険を楽しむ話。むかしひとりの王さまが、城の外にオレンジを三つのせたテーブルを置き、姫の額にオレンジをぶっつけることができたものに、めあわせようという看板を掲げた。城の外からだから中にいるお姫さまにぶっつけることは不可能と考えたのだろうが、お姫さまにとってはいい迷惑。ひとりの巨人が馬に乗ってきて、オレンジをすぐさまお姫さまの額にあてたので、お姫さまは巨人と、巨人の住む島へ。巨人の留守番をしていたのは蛇。ある日、一羽の鳩がやってきて、「あなたを救い出せるのはふしぎな力をもった七人の鉱夫けだといいます。お姫さまは、すぐに手紙を鳩に託し、鳩は手紙を城...ふしぎな力をもった七人の鉱夫・・チリ

  • きんいろのうま

    きんいろのうま/脚本・おかもとあつし絵・伊藤秀男/童心社/2017年(12画面)「むかしむかしとさのあるむら」とはじまるので、高知の昔話がもとになっているのでしょうか。ある大晦日かの晩、貧乏で怠け者の吾作のまえに貧乏神があらわれ、「ながいことせわになっていたがこれからいいところへつれてやってやろう。」と、ひらひらと雪の舞う山のふもとへつれていきました。シャラリンシャラリンとなにかが近づいた音がして、金色の馬がやってくると、貧乏神が馬を捕まえるようにいいます。馬はやまのようなたからものを積んでいましたが、みたこともないたからものをみてからだががちがちでうごけないうちに馬はとおりすぎていってしもうた。つぎに、すずのねをひびかせて銀色の馬がやってきました。貧乏神は、吾作に捕まえるよう大声でさけびますが、たからも...きんいろのうま

  • 今日の桜 2024.4.7

    二日ほど前まで寒さが厳しいと思っていたら、今日は20度越え。川岸でシートを広げて花見をしているグループがありました。満開になるとは思っていなかったのでびっくりでした。今日の桜2024.4.7

  • すべて金・・福井

    福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/197とても欲深い男が、神さまに、ともかく金が欲しいとお願いすると、神さまが「どのくらいほしいか」いうので、男は四六の蔵ほどという。神さまが、そんなものでいいかというので、男は国中、世界中と、お願いをエスカレート。神さまは、男のねがいをかなえることにします。すると、男がご飯を食べようとすると、箸が金になり、茶碗が金になり、着物を着ようとしたら、その着物が金になる。そんな調子で、手でさわるもの、からだにつけるものが、みんなほいほいと金になるものだから、男はどうしようもなくなって、神さまに謝るという話。ルーツといえるかはわからないが、ふれるものがすべて黄金にかわるというのはギリシャ神話の王ミダースの能力。グリムの「金のがちょう」は、三人兄弟の末っ子が、木の中か...すべて金・・福井

  • ポストが ぽつん

    ポストがぽつん/北川チハル・文小池アミイゴ・絵/アリス館/2023年野原にぽつんと立つポスト。ある日、嵐で吹き飛ばされ、海に落ちてしまいました。カメに「これはおてがみをだすもじゃ」と教えられた魚たちが、貝殻に声を吹き込みポストにいれました。長い間つかわれず、ねむりについていたポストは、「ひさびさのお手紙だ」と、ぼすぼすどんどん風の吹く方へ泳ぎだしました。宛先はつむじ風。魚たちが空を飛んでみたいと手紙を出したのでした。魚たちは、空を飛んで大喜び。ポストはうっかり飛びすぎて森にボスーン。森はお日さまが寝坊して真っ暗。ふたごの小鳥が、”つぼみ”に声を吹き込みました。ポストが、ぼぼぼぼぼすーんととびはねて、「うちゅうだんち1ごうしつのおひさま」に、手紙を届けると、お日さまが夜のカーテンをあけました。ポストはひかり...ポストがぽつん

  • 浦島太郎・・福井

    福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年この昔話には、話し手の方のお名前がのっていますが、いかにも自由自在に話されている「浦島太郎」です。浦島太郎という人が、おっかさんと大阪の住吉のお宮の祭りにでかけたときのこと。混雑でおっかさんとはぐれて海辺に来るとカメが子どもたちにいじめられているのに遭遇し、銭をもっていなかったので、着物とひきかえに、カメを助けました。カメは、いちど海の中へ入っていったが、すぐに大きなミノガメになってうきあがり、礼をしたいという。礼なんかいいという浦島太郎がいいますが、しばらくしてまたでてきて、もういちど礼をしたいという。三度同じことを繰り返し、四度目には、美しい女の人になってやってきた。カメは、「今助けてもらったお礼に、竜宮に連れて行ってあげますから、背中におぶ...浦島太郎・・福井

  • 11ぴきのねこ ふくろのなか

    11ぴきのねこふくろのなか/馬場のぼる/こぐま社/1982年とらねこ大将を先頭に遠足に行った11ぴきのねこ。花畑に「はなをとるな」の看板。ひとつだけひとつだけといいながら、あたまにさしました。吊り橋の入り口には、「きけんはしをわたるな」の看板。「みんなでわたればこわくない」と、つり橋を渡り、「きにのぼるな」の看板を無視して、11ぴきのねこは、木の上でお弁当。変な袋があって、「ふくろにはいるな」と書いてある紙が、石でとめられていました。ここまでくると、袋に入るのかと期待しているとそのとおり通りになりました。ところがこの袋はおおきなばけもの「ウヘアハ」が労働力調達?のためにおいていたものでした。ダメと言われるとやってみたくなる心理をうまく利用したウヘアハ。11ぴきのねこは、広場に運動場をつくるため重いローラー...11ぴきのねこふくろのなか

  • 野ばら・・小川未明 紙芝居の脚色

    定本小川未明童話集2/講談社/1976年小川未明(1882年~1961年)の「童話」ははじめてです。きっかけは、この話を語りで聞いたことです。「童話」というとなかなか手が出ませんが、ずーっと余韻が残りました。大きな国とそれよりはすこし小さい国が隣り合っていました。そこには両方の国から、ただ一人ずつの兵士が派遣されて、国境を定めた石碑を守っていました。大きな国の兵士は老人、小さな国の兵士は青年でした。都から遠く、いたってさびしい山で、まれにしか旅する人影は見られませんでした。二つの国の間は何事もおこらず、平和でした。はじめ二人はろくろくものも言いませんでしたが、ほかに話しする相手もなく、いつしか仲良しになりました。国境のところには一株の野ばらが茂っていて、その花には朝早くから蜜蜂が飛んできて、羽音を立ててい...野ばら・・小川未明紙芝居の脚色

  • カラスの行水・・福井

    福井のむかし話/福井のむかし話研究会編/日本標準/1977年「わてをよめさんにしておっけ」とやってきた女の人。ところがこのよめさんたいへんなふろぎらい。なんべんいってもふろに入ろうとしない。それでもしぶしぶふろにはいったよめさんがほんまにふろにはいっているかたしかめてやろうと、おっじゃんがふろ場をのぞいてみると、着物を脱いだよめさんが、ふろおけのふちにとまってて、おっじゃんをみると、あわててまどからカアーカアーと鳴いて、飛んでいったんやて。よめさんは、カラスやったんやて。ことわざも、昔話で意味を理解できると興味がわきそう。カラスの行水・・福井

  • イチからつくるホウキ

    イチからつくるホウキ/宮原克人・編堀川理万子・絵/農山漁村文化協会/2024年絵本がなかったら箒のことを考えることもなかったかも。いま箒は、落ち葉掃除など外用だけ。少し前までは座敷帚がありましたいつのまにかなくなりました。掃除機があるのに、いまさら箒とは?と思いながら、「道を掃くときは電気がないじゃないか」、「小石を吸い込んだら故障の原因になる」といわれ、ぎゃふん。箒は、こわれて捨てても自然に帰る素材だから環境にやさしいし、電気もつかわず、そのつもりになれば工夫してつくることもできるすぐれもの。小学校四年生の四人組が、お寺の和尚さんから話を聞いたり、自分たちで調べたりして、箒を作ることで暮らしを見直きっかけを見つけていきます。いま日本の箒はそのほとんどが外国産、それでも少ないながら箒づくりをしている人も紹...イチからつくるホウキ

  • だいくと ねこ

    だいくとねこ/文・荒井悦子絵・堀川波/教育画劇/2012年(12画面)北風の吹く寒い朝、まいごのねこを家に連れ帰った大工の佐吉。みけと名前をつけ、一緒に暮らすことにしました。ある日、仕事中に倒れてしまった佐吉は目が見えなくなってしまいました。医者からは、もう目は治らんといわれました。たまのために、魚いっぴき買えないと落ち込む佐吉。佐吉がうとうとするとみけが、佐吉のからだよじのぼり、両目をぺろぺろなめはじめました。来る日も来る日もなめつづけました。ある朝、にぎやかな声がして、「なんだろう?」と、扉をひらくと、光が一面にさしこみ、光のあたたかさが感じられました。外は春爛漫、桜の花が見事に咲いていたのです。ところがみけをよぶと、目は白く濁って何も見えないのでした。おいらのかわりに、みえなくなったんだなと、佐吉は...だいくとねこ

  • どろぼう・・久米正雄

    赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年おなじような外国の昔話がありましたが、結びが楽しい。ある村の貧乏な商人が、よその土地で財を成し、泥棒にあうことを恐れ、お金を宝石に変え、わざときたならしい着物を着て、宝石を入れた小箱をもって自分の村から三十里ほどはなれたある土地につきました。生まれ故郷で、ゆっくり一生をおくりたいと思ったのでした。この町で、立派な品物を売っている店で、少しの買い物をして、世間話をしていると、村へ帰る途中には、近頃泥棒が出るので、大事なものをもっていては大変ですよと言われました。思わず小箱に、着物の上から手を当てた商人は、むざむざこれを盗まれては大変と、とっさにかんがえ、小箱を預かってもらうように頼み込みました。間違いがあると困るからあずかれないと店の主人は断りました。村の若い者十人ばか...どろぼう・・久米正雄

  • 今年の桜

    東京では30日開花宣言。当地の30日の桜。今日は夏日で開花が進んだよう。今年は入学式に桜満開かな?ソメイヨシノ陽光桜今年の桜

  • ゆめをしんじた大工の長者・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年若い貧乏な大工が、腕を磨くため出稼ぎにいって、大きな川のそばの村に着いた。その村は川をこえて向こうに行こうにも橋もなく、流れがはやくて渡し船も難儀していた。なんとかしてこの川に橋をかけたいとおもった大工の夢に、神さまが現れ、船橋を作ればいいもんだと教えてくれる。大工は村の庄屋へいって、橋を架ける仕事をさせてくれるよう頼みこみ、船づくりの大工をあつめてたちまち百艘ほどの船をつくった。ところがあと一艘、川の真ん中に浮かべるおおきな船を作る木がなく、はたとこまった。お宮さまにとまりにいった大工が、神さまにお願いすると、親船の木なら、このお宮のクスノキを切って作れ、人のためなら、喜んで切られるべ、という。つぎの日、さっそく村いちばんの...ゆめをしんじた大工の長者・・山形

  • 小さなみやげ話・・島崎藤村

    赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年1919年「赤い鳥」掲載。「太郎もおいで。次郎もおいで。お末もおいで」父さんが、遠い外国で聞いたきたみやげ話をしましょうと、三つのごく短い話。国語教科書でしかなじみがなかったが、島崎藤村が、こんな話を書いていたというのもあたらしい発見でした。・うさぎとはりねずみうさぎとはりねずみが競争しようということになりました。はりねずみは、メスとオスが、出発地点と到着地点にかくれて、うさぎが勝ったと思った瞬間、顔を出し、先についたといいました。もういちど、もういちどと、なんと七十四へんもやり直し。はりねずみは、力がつきたうさぎを、自分のたちの巣にはこんでいき、いいごちそうにありつきました。・いちご伯母さんは、庭にいちごがつくっていましたが、娘に、いちごにさわらにようにいっていまし...小さなみやげ話・・島崎藤村

  • アラジンとまほうのランプ・・紙芝居

    アラジンとまほうのランプ/脚本・若山甲介画・中村景児/童心社/1999年(16画面)紙芝居はながくても16画面程度。もちろん原作が大分省略されているが、コンパクトにまとめられていて物語の雰囲気を味わうのには最適。アラジンが古ぼけたランプを手に入れるところから、かがやくばかりの宮殿を手にいれ、お姫さまと結婚。ところがランプを魔法使いにとりあげられ、元の木阿弥。七年と七か月旅をし、ケガしたロック鳥を助けたことから、ランプを取り戻し、お金持ちでも幸せに限らないと気づくところまで16画面。ある日、ひとりの男から声をかけられ、町のはずれの穴の中にはいっていったアラジンが見つけたのは男が探しているランプ。ランプをすぐにわたそうとしないアラジンは、大きな岩で入り口をふさがれてしまいます。ところがきたないランプのほこりを...アラジンとまほうのランプ・・紙芝居

  • ヴィンセントさんの しごと

    ヴィンセントさんのしごと/乾栄里子・文西村敏雄・絵/福音館書店/2024年(初出2019年)こどものとも2019年10月号特製版。ヴィンセントさんのルーチーンは、毎朝7時におきて、夜9時にベッドにはいること。朝ごはんは、ゆで卵、トースト、フルーツ、ミルク。夕食後はチョコレートケーキを食べながら、テレビのニュースを見ます。帽子をかぶりカバンを下げて「ヴィンセント事務所」にはいると、世界中の子どもたちが送ってきた手紙に目を通します。今日は、南の島の子トントの「雪が見たい、雪で遊びたい」という願いにこたえることにしました。そう、ヴィンセントさんの仕事は、世界中の子どもたちからの手紙を読み、それにこたえること。とてもむずかしい問題は、さきおくりすることあります。何かを調べ、たくさんの計算をして地図の上の線を引き、...ヴィンセントさんのしごと

  • 大木の秘密・・山形

    山形のむかし話/山形とんと昔の会・山形県国語教育研究会共編/日本標準/1978年中津川の山の上に大きなスギの木が生えていた。一晩たつと一尺、二尺のびして、くにじゅうのどこからも見えるほどになった。「大スギのために、酒田の海がみなかげになってしまって、魚がよりつかなくなった。このへんの漁師が困っているから、スギの木を切ってくれ」と、いわれた中津川の村の人が相談するがなんともならない。そこで、酒田と中津川から若いもんをだして、大スギの木にのこぎりを入れることにした。ところが毎日ズイコズイコとのこぎりでひいても、つぎの朝になると、みんなきのうののこぎりのあともみえないように、もとどおりになってしまった。切りはじめてから、ひと月ふた月たっても、スギの木はびくともしないで、のびてのびて、先の方は天まで届いてしまった...大木の秘密・・山形

  • なら梨とり

    病気の母親のために、兄弟がなら梨をとりにでかけ、三人兄弟の末っ子が、なら梨を持ち帰るのに成功するのですが、でかけていく途中のリズムが楽しい話です。・なら梨とり(子どもに語る日本の昔話3/稲田和子筒井悦子/こぐま社/1996年初版)病気の母親のため、三人兄弟がなら梨をとりにくという出だし。「いげっちゃガサガサ」「いぐなっちゃガサガサ」というフレーズが話の世界にひきこんでくれます。こぐま社版では、青笹、からす、ふくべが道をしめしてくれます。・山梨もぎ(かたれやまんば/藤田浩子)行く方向をしめしてくれるのが笹、鳥、滝で、ちんこいわらしが大きくなって、上の二人をのみこんでしまいます。三人兄弟が、病気の母親のために、山へ梨を取りに行きますが、次男の扱いは、長男と同様とそっけないものがあるなかで、藤田さんのものは次男...なら梨とり

  • みつごちゃんと びっくりセーター

    みつごちゃんとびっくりセーター/角野栄子・文西巻かな・絵/童心社/2024年三歳の三つ子ちゃん。名前は、アーちゃん、レーちゃん、マーちゃん。あわせると「あー」「れー」「まー」ママのスカーフ、パパのネクタイなどを利用してあそんでいて、みつけたのは、ビックリママのセーター。(どんなママかと思っていると、最後のページにちょこっと出てきます)三人いっしょにもぐりっこするとセーターはどんどんのびてびっくりセーターに。三人はセーターの中に入ってぽいぽい散歩。あひるさんも散歩のおじさんもびっくり。公園でいもむし、トランポリンお花をつけてファッションショー髭のサボテンおじさんに貸したらビリビリトゲトゲみつごのおばけちゃんにトゲトゲをとってもらいビリビリをつくろってもらって空を飛んでようやくおうちにかえってきました。花、木...みつごちゃんとびっくりセーター

  • ニッキーとヴィエラ

    ニッキーとヴィエラ/ピーター・シス・作福本友美子・訳/BL出版/2022年少し前「英国のシンドラー」という放送番組をみる機会がありました。ここにでてくるニッキーのことですが、タイミングが良すぎてびっくり。絵本の原著は2021年の出版で、番組の担当者にも影響を与えたのでしょうか。1938年12月スキーに行こうと思ってたニッキーのもとに、友だちから電話がかかります。「プラハへきてくれ」この年の10月、ドイツ軍がチェコスロバキアのズデーテン地方にはいってきました。村の人はドイツ軍をおそれ、もてるだけの荷物をまとめて逃げ出しました。戦争がはじまりそうなので、ニッキーは、できるだけのことを何とかしなければと思ったのです。イギリスでは17歳以下の子どもたちを難民として受け入れていました。それには、引き取ってくれる家庭...ニッキーとヴィエラ

  • 魔術・・芥川龍之介

    赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年1920年「赤い鳥」掲載の作品。「杜子春」や「くもの糸」も「赤い鳥」掲載作品でした。男の人生の落とし穴といえば、ギャンブル、酒、薬、女?か。男が訪ねて行ったのが、ハッサン・カンからまなんだ魔術をつかうというマティラ・ミスラ君。いくつかのお魔術を見せてもらい、ミスラの家に泊まり込んで魔術を教えてもらうことになりました。教えてもらう前に「欲がのある人間には、使えない」と、念をおされていました。それからひと月ほどたって、男が銀座のクラブの一室で、五、六人の友人と雑談にふけっていました。友人の一人がすいさしの葉巻をだんろのなかにほうりこんで、近頃魔術を使うと評判の男に、みんなのまえで使って見せてくれないかともちかけます。「いいとも」男は両手のカフスをまくりあげて、だんろのなか...魔術・・芥川龍之介

  • ぼくは ふね

    ぼくはふね/五味太郎/福音館書店/2024年ちいさな船がけっこうきままかなりきらくに海を進んでいくと、じゃま!どけ!と大きな船。どこからきたの・・どこへゆくの・・なにしているの・・むずかしいな・・嵐?ヘリコプターに助けられとりあえずありがとうおせわさまといったらどうやらすてられたようだ地面の上。「あのねきみみずにうかんですすむことにこだわりすぎているんだよ」といわれ地面をすすむとすすむすすむ!やまにものぼれる!はたけもいける!どこでもすすめる!どこへでもゆける!くらいところもゆける!もっととおくにもゆけそうだな!ぼくはぼくぼくはふね。あれこれいわれながらもぼくはぼく。自由に生きろとでもいっているよう。船は水の上をすすむものという固定観念を打ち破ってみれば?五味流でいえば、作家は家を作っても作家?・・子ども...ぼくはふね

  • たのしいイソップ かえるのはなし二つ

    たのしいイソップかえるのはなし二つ/脚本・堀尾青史画・二俣英五郎/童心社/1975年二本立ての紙芝居。「ぱんくがえる」と「ぺちゃんこがえる」で、各々6画面。<ぱんくがえる>こがえるが、池のそばで見た大きな牛にびっくり。おとうさんがえるにはなすと、池で一番大きいと自慢しているおとうさんが沽券にかかわると、おなかをふくらませました。もっと大きいと言われ、もっとおなかをふくらませるとおなかの皮がつっぱっていたいこといたいこと。こがえるからもっとおおきかったといわれ、おなかは風船玉のようにふくれごろんところがってしまいます。それでももっと大きかったといわれ、おとうさんがえるがりきむと、おとうさんがえるのおなかはとうとうぱんくしてしまいました。われわれも「井の中の蛙大海を知らず」になってはいないでしょうか。<ぺちゃ...たのしいイソップかえるのはなし二つ

  • しろいやさしい ぞうのはなし

    しろいやさしいぞうのはなし/かこさとし/復刊ドットコム/2016年(初出1985年)1985年紙芝居「ぞうのむらのそんちょうさん」と絵本をもとに復刊された絵本。インドの実話といいます。やさしくておとなしい、しろいぞう。しろいぞうは、弱虫で負けるとべそをかきました。かくれんぼや棒倒しで転んだり、したになるとすぐに泣きました。そんなしろいぞうが、ある日、へんなにおいがする、きっと火事だと、森のみんなに危険を知らせます。まもなく、あたりに煙が流れてきて、パチパチ音を立てて火事が広がってきました。森のみんなが逃げる中、走るのが遅く逃げ遅れたしろいぞう。まわりは燃える火とゆらめく炎で、真っ赤になりました。お母さんぞうは、水を吸い込み、しろいぞうのまわりに鼻で水をまきますが、三度目に水を汲みに行ってかえったとき、さす...しろいやさしいぞうのはなし

  • 一郎次、二郎次、三郎次・・菊池寛

    赤い鳥代表作集1/小峰書店/1998年1919年「赤い鳥」掲載の作品。「赤い鳥」は、鈴木三重吉が創刊した童話と童謡の児童雑誌。1918年に発行され1936年廃刊。寄稿者には、芥川龍之介、谷崎潤一郎、泉鏡花、高浜虚子らの名前もみられる。両親に別れた三人の兄弟が、都を目指します。大きい銀杏の木のところから、道が三本に別れ、一郎次は右の道、二郎次は真ん中、三郎次は右の道を進むことになります。ここまでくれば昔話風の展開。右の道をすすんだ一郎次は左大臣藤原道世につかえ、盗賊や悪者をとらえる検非違使になります。真ん中の道をすすんだ二郎次は、殿様に仕えるつもりが泥棒になり、頭が殺された後は、仲間の大将になって、多能丸となのり、家を荒らしまわります。左の道を進んだ三郎次は、鬼と呼ばれた余命まもない加茂の長者にこわれ、一人...一郎次、二郎次、三郎次・・菊池寛

  • なんて いいひ

    なんていいひ/文・リチャード・ジャクソン絵・スージー・リー訳・東直子/小学館/2024年外は雨。そんななかでも子どもたちは、部屋の中でくるくるまわりおどり、ゆらゆらおどり傘をもって外へ。傘をさしながら水たまりをはねあげスキップしてうたをうたってくちぶえをふいて・・。なんていいひ・・。やがて雨がやむと、草原をすべり、木登りして、おやつを食べ・・。白黒から、色がだんだんつき空の青、木や草の緑が広がります。色調からだいぶ前の絵本と思ったら、原著は2017年の発行。カラフルな傘を見上げ、ぶら下がって空を散歩する子どもたちの笑顔。生きることの躍動感をしめしたかったのでしょうか。なんていいひ

  • 地主の花嫁・・ノルウエー

    ノルウエーの昔話/アスビョルンセンヨーレン・モー米原まり子・訳/青土社・訳/1999年広大な領地をもっている地主だったが、一人暮らしで何か物足りなかった。ある日のこと、近くの農場から来ていた娘をみてすっかり気に入り、少女に「あんたをわしのよめさんにしようとかんがえておるんじゃよ!」と言った。少女は「いやですわ!でもまあ、ありがとうございます!」と答えたが、そんな日が来ることは決してないだろう思った。しかし、地主は「いやだ!」などという言葉を聞くのに慣れていなかった。そして少女が嫌がれば嫌がるほど、彼の方ではますます思いをつのらせていった。少女と話していたのではいっこうに事がはかどらないので、少女の父親を呼んで、もし娘と結婚できるように取り計らってくれたら貸した金のことはわすれてやろう、そのうえ、牧草地の横...地主の花嫁・・ノルウエー

  • ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?

    ぽつぽつぽつだいじょうぶ?/しもかわらゆみ/講談社/2017年雨の絵本ですが、でてくるのが動物。毛一本一本繊細に描かれた動物、雨の様子が繊細です。「ぽつぽつぽつ」ふってきたら、ねずみさんはキノコ。「ぱらぱらぱら」ふってきたら、うさぎさんは、大好きなニンジンの葉っぱ。「さらさらさら」ふってきたら、きつねさんとたぬきさんはけんかをやめて相合傘。「ざあざあざあ」ふってきたら、くまさんは木の葉っぱかえるさんは雨がふってきても傘などいりません。風が吹いて雨がやむとみんなでみずたまりにジャンプ。土砂降りは嫌ですが、小雨ならどうでしょう。カンカン照りのとき、雨は恵みにもなります。ぽつぽつぽつだいじょうぶ?

  • とまがしま

    とまがしま/脚本・桂文我絵・田島征三/童心社/2004年殿様の帰りを土下座しているまっている人たちのなかに、鼻血をだしているたけやんがいました。鼻血をだしていると怒られると、鼻血をとめるおまじないをしたのはまっちゃん。首すじの毛を三本ぬくと、本当に鼻血がピタッととまりました。さて、殿様は、とまがしまに怪物がいると聞いて、さっそく船で退治にでかけました。空にはおおきなワシがゆうゆうととんでいてだれかを狙っているようでした。家来が鉄砲を撃ちますが、弾は届きません。家来たちが悔しがっていると突然じめんがゆれ、近くにあった木の切り株がパカッと二つに割れると、太くて長いおおきなヘビがあらわれました。おおワシが、おおヘビにむかっておりてきますが、おおワシはめまいをおこし、海の中へ沈んでしまいました。それからおおヘビは...とまがしま

  • なみなみのへっぴりじじ・・岩手

    岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年”へ”の話もいろいろ。正直で一生懸命働くずんつぁが、長者どんの山で、パッカパッカ木を切っていると、長者さまに見つかって、「そこで木を切るやつ。どこの何者だあっ」と、大きな声で叫ばれた。「なみなみのへっぴりじじでがす」というと、長者は「こごさきて聞かせろ」という。ずんつぁは、「へっつーものに、ポー、ピー、スーと三いろあって、スーと出るのがいちばんくせいが、このじじのたれるのは音っこのほうでがす。一番大きいのは、てっぽう玉へで、つぎは太鼓へ、そのつぎははしごへです」といったれば、長者が「みんなたれてみろ」という。ずんつぁは、まずドカンとてっぽう玉へをやらかして、つぎに太鼓へでポンポンポン。それからブー、ブーと二回たれてはしごへ。よろこんだ長者が...なみなみのへっぴりじじ・・岩手

  • へダルの森でトロールに出会った少年たち

    ノルウエーの昔話/アスビョルンセンヨーレン・モー米原まり子・訳/青土社・訳/1999年トロルは、北欧ではかかせない存在。ただ話によってイメージがかわってきます。兄弟が、鷹匠がどんなふうにし鳥を捕まえるか見てみたいとヘダルの森へ出かけた。ところが秋も終わって、兄弟は休む場所を見つけられず、森の中で道に迷ってしまった。二人は小枝を集め、火をおこして、松の枝で夜の宿にする仮小屋をこしらえた。横になっていると、くんくんというひどく大きな鼻息が聞こえてきた。兄弟は耳をそばだて、その音が動物たちなのか、話に聞いたことのあるトロルなのか一心に聞きとろうとした。すると、さっきよりも激しく鼻をならし、「ここはキリスト教徒の血の匂いがするぞ!」という。大地を踏みつけるひどく重そうな足あとが聞こえ、あらわれたのはトロル。トロル...へダルの森でトロールに出会った少年たち

  • おにとあんころもち

    おにとあんころもち/おざわとしお・くのあいこ・再話半田強・絵/福音館書店/2017年1月号「こどものとも」発行おかあが太郎の七つの祝いにあんころもちをつくったて。太郎があんころもちを食べようとすると、三つ目のあんころもちが、ころころころころにげていっちゃうげな。太郎が追いかけていくと、山道をくだってのぼってやまの真ん中にある穴の中へ。穴の中には鬼がいて、あんころもちは鬼の大将のおなかのなかへ。鬼の大将は、ほんとにうまかったと、あんころもちをつくるよう鬼たちへ命令。鬼たちは、大将の口元についとったあんこをとって、すり鉢の中へいれると、すりこぎでくるくるくる。ほのつぎに、大将の奥歯にはさまっとった餅をとってまたすりこぎでくるくるくる。あんこも餅もいっぱいになって、はらいっぱいくった。鬼がみんな眠ってしまったの...おにとあんころもち

  • なんじゃもんじゃはかせの おべんとう

    なんじゃもんじゃはかせのおべんとう/長新太/福音館書店/2023年第3刷(初出1993年)なんじゃもんじゃ博士と友だちのゾウアザラシが、お弁当を食べようとしたら、へんな木が「お弁当をちょうだい」とやってきました。くるわくるわオバケノの木。大急ぎで逃げだした博士たちは、がけから川へ落ちてしまいます。一難去ってまた一難、川の中には、博士たちの百倍以上の大きいエビ。「お弁当だ。お弁当だ!」と叫ぶエビに、博士がお弁当のエビフライをグイッとエビに見せると、エビは、「ワーッごめんなさーい!エビフライにしないでちょうだーい」と、いってしまいます。ところがこんどは、ジャガイモのお化け。博士がお弁当のコロッケをグイッとみせると「ワーイコロッケにしないでちょうだーい!!」と、逃げていきました。ブタの鼻のお化けにはトンカツをみ...なんじゃもんじゃはかせのおべんとう

  • 字はうつくしい

    字はうつくしい/井原奈津子:文・構成/福音館書店/2023年(月刊たくさんのふしぎ)ときどき手書き文字の絵本があって、そこには作者の思いがこめられていて、活字体にはないぬくもりを感じます。いまはほとんど手で書くことがなくなり、たまに書くと漢字が思い出せないことも多い。習字教室を開いているという作者の「わたしの好きな手書き文字」への思いが込められていて、あらためて文字のことを学ばせていただきました。有名人の手紙や普段何気なく見ている街角で見られるポップや喫茶店のメニューから、手書き文字の歴史まで。読めなくてもうつくしいという藤原定家の字。当時、本は写本でつくられ、なんどもなんども書き写していたので、その人独自の書き方ができあがったのでしょう。折り込みに、「飛鳥から令和ひとっ飛びー日本の手書き文字1500年」...字はうつくしい

  • あざみ姫の首・・岩手

    岩手のむかし話/岩手県小学校国語教育研究会編/日本標準/1976年五助という男が、きくという妹といっしょに山の中に暮らしていたが、きくが遊びにいってからなかなか帰ってこない。つぎの日の朝はやく探しにいくと、きくの下駄が落ちていた。ようやく山のおくの、大きな岩のなかに、きくをさがしあてたが、そこにはおおきな山男がいて、「あざみ姫の首持ってきたら、きくをわたしてやる」という。山男には勝てそうもないと、家に帰ってきたが、山男がいう、あざみ姫の首が気になっていた。何日かたって、ぼろぼろの着物のおじいさんが、「今晩ひと晩とめてけろ」という。食べ物などはいらないから泊めてくれといわれ、五助は、おじいさんを泊めることにした。五助が、いなくなったきくのことを話すと、おじいさんはあざみ姫のことを話し、いつのまにか姿を消して...あざみ姫の首・・岩手

  • 人形からとどいた手紙

    人形からとどいた手紙ーベルリンのカフカ/ラリッサ・トゥーリー・文レベッカ・グリーン・絵野坂悦子・訳/化学同人/2023年副題に「ベルリンのカフカ」とあるので、あの作家のカフカ?と思いながら読みはじめました。カフカと恋人のドーラが公園の散歩中、人形をなくしたというイルマにあいます。悲しんでいるイルマに、人形のスープシーは、ちょっと旅にでたんだと語りかけたカフカ。人形の手紙をあずかる郵便屋となのり、このあと人形からあずかったといって手紙をイルマにわたします。一通目は1923.10.23の日付で、冒険の旅に出たという手紙。つぎの日はハイキングして山にきた。そのつぎの日はパリ。好きなものだけ食べている。イギリスでピーターくんとお茶をしたこと。スペインのバロセロナでは、ガウディさんに建築の話を聞いたこと、エジプトの...人形からとどいた手紙

  • におうと どっこい

    におうとどっこい/泉さち子・文西村達馬・画/教育画劇/1998年(12画面)日本一の力持ちを自称するにおうが、唐という国にはどっこいという男がいて、におうよりもずうんと力持ちだと村の人に言われ、唐の国で力比べをしようと、唐の国にわたりました。わたる前、おぼうさんから、こまったときに役立つだろうとヤスリをもらっていました。ひとりぶんの飯のおおさに、どもぎをぬかれ、逃げ出そうとするとすると、地震のような大きな物音。どっこいの足音と言われ、におうは船でにげますが、どっこいがなげた、かぎのついた鎖がにおうの船にくいこみました。そこで、におうが、お坊さんからもらったヤスリで、鎖を切ると、そのひょうしにドッシーン!とひっくりかえったのは、どっこい。そのとたん、大地震がおき津波がおきて、におうがのった船はあっというまに...におうとどっこい

  • ジョーンとあひる

    ジョーンとあひる/マーガレット・ロウ・作松野正子・訳津田櫓冬・絵/福音館書店/2023年(初出1998年)ジョーンとお父さんは毎週日曜お昼から公園の池のあひるたちに餌をやりに行きます。紙袋の中には、白いパン1かけ、茶色いパン1かけ、スポンジケーキ1かけ。毎週あひるに餌をあげているのであひるは、姿を見たらすぐ池からあがってきました。白いあひるには白いパン、茶色のあひるには、ちゃいろいパン、そして赤ちゃんあひるには、スポンジケーキ。あひるたちはまだ食べたくてがあ!があ!があ!と鳴きます。もうちょっとちょうだいといっているように。お父さんが、空っぽの袋をみせてやるとあひるたちは、おしりをふりふり池へ帰っていきました。餌やりのあとは、おやつの時間です。とってもかわいい、白、茶、黄色のあひるでした。お父さんとジョー...ジョーンとあひる

  • はい、タッチ

    はい、タッチ/脚本・絵とよたかずひこ/童心社/2011年可愛らしい動物たちのグータッチの絵におもわずほっこり。ねこさんとねこさんは「こんにちわ」くまさんとくまさんは「こんにちわおひさしぶりー。」「こんにちわ。おげんきそうで、なによりなにより」へびさんは「こんにちわ。あら、ふっくらされましたね。」「ありがとう。こんどぬまのほとりでおしょくじでもしましょうね。」でっかいでっかいかいじゅうとちっちゃなおててのたろうちゃんは「ぼくたちなかよし!」へびとへびのタッチはどんな?幼児が楽しめそうな紙芝居。はい、タッチ

  • 愛しい人の贈り物・・ウクライナ

    世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年遠い昔、浜辺に住んでいたアザという娘が、とてもハンサムな若者を愛していた。ところが動乱の時期になり若者はトルコとの戦いにでていった。若者は戦争に出ていく前に金の指輪を渡して、「待っていてくれ、忘れないでくれ」「もしこの指輪をなくしたら、君の不実のあかしだ」と、いいのこします。娘は贈り物を大事にし、何年もずっと若者の帰りをまっていましたが、若者は戻ってきませんでした。あるとき、娘が海へ洗い物をしにいき、物思いに沈んでいて、指輪をするっと海に落としてしまいました。そこへいきなり波がきて贈り物は消えてしまった。哀れなアザは、大事な贈り物を取り戻そうと波に飛び込んだが、おぼれてしまった。いらい、海はアゾフー不幸な娘、愛しい人の帰りをまつこと...愛しい人の贈り物・・ウクライナ

  • ホットドッグ

    ホットドッグ/ダグ・サラテイ:作絵矢野顯子/学研/2023年暑い夏、都会の喧騒をのがれて、飼い主の女性と向かった先は海。浜辺でいっぱいあそんだあとは、ベッドにもぐりこんで、海くらいふかーくねむったダックスフンド。シンプルですが、動画のように絵がいきおいよく動く感じ。焼けつく道、工事や消防自動車のサイレン、人ごみの中を急に近づくローラースケートに「もーやだっ!もう1ミリだってうごいてやらないもん」と横断歩道に座り込んだワンちゃん。大都会の様子は縦長。タクシー、電車、船をのりついでついた先は、自然がいっぱいの島。海と浜辺の様子は、横長。浜辺は2ページまるごと、ワンちゃんが走り回る様子は、1ページを4分割、夕日が沈むシーンはさわやか。ホットドッグがしあわせそうに走り回るシーンが、印象的。でも明日はまた暑そう。今...ホットドッグ

  • ぷうとぶう まる てんてん のまき

    ぷうとぶうまるてんてんのまき/織田道代・文早川純子・絵/福音館書店/2024年「かがくのとも」660号ぷうとぶうはおとなりどうし。にているけれどちょっと違う。朝、ぷうの目覚ましはピピピピピピ・・・。ぶうの目覚ましは、ビビビビビビ・・・。ぷうはパシャパシャパシャッ顔を洗い、歯を磨いたらプクプクペー。ぶうは、バシャバシャバシャッ顔を洗い歯を磨いたらブクブクペー。同じシーンが濁音と半濁音で続いていきます。ひらがなをおぼえたらこんどはカタカナ。楽しみながら自然に、カタカナを覚えていけそうです。作者は、幼いころから仮名文字の右上に付いている点々や丸が気になっていて、髪留めやリボンでもつけているように、お洒落をしていると思っていたそうです。濁音は20音なのに、半濁音は5音だけ。とても苦労されたみたい。絵の右(ぷう)と...ぷうとぶうまるてんてんのまき

  • 木っこりじっこ・・秋田

    秋田のむかし話/秋田県国語教育研究会編/日本標準/1974年正直にして、まじめに働いていれば、いつでもいいごとあるもんだど。じっこ、山さ小屋たてて、木切にいったそうだ。いっしょうけんめい切っているうち暗くなると、なにかきたような音がした。ねこが三味線ひいていたそうだ。こんだ、むじな。いたち、きつねがいっしょうけんめい踊りだした。そして、おっかなくなって小屋のすみっこにいるじっこに、おっかなくないから、戸を開けてくと言ったそうだ。そっと戸あけると、みんなにぎやかに踊りだした。じっこも面白くなって、一晩じゅう踊った。夜が明けるとみんな踊りをやめて、また明日くるからといって帰っていった。みんないなくなったあとには、たくさんの木が切って積んであった。一生懸命働いているじっこをみて、みんな手伝ったのだろう。じつにシ...木っこりじっこ・・秋田

  • はつめい だいすき

    はつめいだいすき/ピップ・ジョーンズ・文サラ・オギルヴィー・絵福本友美子・訳/BL出版/2018年もじゃもじゃ頭でトンボメガネのイジーは発明が大好きな子。どこにいくにも道具袋をもち、肩からトンカチをぶらさげ、こわれそうなものがあると、すぐに修理するのがお手の物。ところが、「おちゃどうぞマシン」のバネがボヨーン、ジャバラがビロ-ンとこわれ、「スパゲッティぐるぐるまきマシンん」が、壁紙をばらばらまき、おじいちゃんのための「ひげそりマシン」がカチカチあばれだし、こまったことに。イジーはかんしゃくをおこして「やくたたず!もうやだ!やーめた!」「このおたんこなす」とマシンを蹴飛ばします。にんまりしたおじいちゃんは「へんてこマシンがぶっこわれたぐらいであきらめなさんな。なんどもなんどもやってみるんだ。うまくいくまでな...はつめいだいすき

  • こぶとり じい

    こぶとりじい/宮川ひろ・文蓑田源二郎・絵/ほるぷ社/1985年右のほっぺにこぶがある木こりのじいさまが雨宿りしているとき、天狗の酒盛りにでくわし、歌を歌いおどりまくり、その場を盛り上げたので、次の日もきてくれという約束のしるしに、天狗がこぶをとってしまいます。この話をきいた左のほっぺにこぶのあるじいさまが、天狗のところにでかけますが、歌も踊りも天狗が気にいらず、きのうのこぶをつけられ、両方のほっぺにこぶがあるじいさまになってしまう。宮川さんの絵本は、はじめてですが、好奇心が旺盛で天狗たちの踊りの輪にとけこんでいくじいさまと、となりのじいさまが、こぶをとってもらおうとでかけたはずなのに、ただふるえてしょぼしょぼするようすに、「自分にみあった生き方をしていけばいいよ」と、となりのじいさまをはげましたくなるとあ...こぶとりじい

  • アザラシ女房・・アイルランド

    世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年人間の女の姿をして岩の上で髪をとかしていたのは、アザラシの化身。そのことを知っていた一人の男が、女のそばにある上着を、さっと取り上げて、それをもって家に向かって一目散に走った。女は、上着を取り戻すため男のあとを追っていくしかなかった。その上着がないとアザラシはもとの姿に戻って海に帰れないからだ。男は家に入ると、すぐに上着を暖炉のそばにある中二階のずっと奥のほうに投げ込んだ。海に帰ることができなくなったアザラシの女は、男の家に住み、時がたつうちに数人の子が生まれた。その子どもたちの足の指と指にはガチョウやアヒルのような水かきがついていた。ある日、男が収穫したカラスムギを中二階に運び入れることを思いついた。中二階にはずいぶん長い間上がっ...アザラシ女房・・アイルランド

  • ピピは いっとうしょう!

    ピピはいっとうしょう!/ヒド・ファン・ヘネヒデン:文絵石津ちひろ・訳/バイインターナショナル/2017年てんてんオリンピック!は、テントウムシの世界で、4か月に一度開かれるちっちゃなスポーツ大会。開会式、閉会式もあって、陸上、体操、卓球などがあります。でも、小さなピピには、走高跳にはちいさすぎ、体操の吊り輪や平均台は難しすぎる。そんなピッピにぴったりなのが、四ひきの選手がのるボートにのって「そう、れっ!そう、れっれ!」と声かけをすること。ピピのかけごえにつられて選手は、必死にボートをこいで・・・。会長のあいさつは、「てんてんオリンピックで、大事なのは、勝つことでなく、参加することです!」ほかのだれかと比べることではなく、じぶんにできることをみつけてほしいということでしょうか?。地は白。かわいらしいてんとう...ピピはいっとうしょう!

  • けちんぼ長者と三吉さん・・秋田

    秋田のむかし話/秋田県国語教育研究会編/日本標準/1974年長者さんもなかなか苦労がつきないようで・・・。けちんぼ長者の楽しみは、奉公人が寝てしまってから、穴倉に隠しているぜぇんこ(お金)を、部屋いっぱいにひろげ、ジャンジャラ音させて、数がふえていくのをみて、よころぶことだった。こうもぜぇんこがたまってくると、泥棒に盗まれることが心配で、夜も眠れなくなり、あれこれ考えたあげく、ぜぇんこやお金を貸したという証拠の証文を、小屋の漬物桶にかくし、いかにもたくわんがっこ(漬物)と見せかけ、重い石をのせておいた。ところがある日、久しぶりにぜぇんこの顔を拝みたくなって、小屋の漬物桶をのぞくと、桶の中はからっぽ。奉公人をあつめ、問いただすが、誰も知らないという。「漬物桶にぜぇんこあるってこともしらねえから盗むはずがねえ...けちんぼ長者と三吉さん・・秋田

  • ほんはまっています のぞんでいます

    ほんはまっていますのぞんでいます/かこさとし/復刊ドットコム/2017年1985年発行の復刊。「読みたい本がある、たくさん読みたい、でも、本をたくさん買うにはお金がない。本屋さんでは立ち読みができない、そんな人のために図書館があります。」とはじまって、「本を読みたくない、すきでもないのに無理に読むことはありません。そういうときには外で遊んだり、友だちと元気にかけたりしてたのしみましょう。」まで。静かにしなければと注意されたり、本を読んでいると、アイスクリームやチョコレートを食べたられないなど子どもの気持ちにそって、図書館のイベント、貸し出しの利用、司書への相談、移動図書館、さらに家庭文庫、学校の図書まで、はばひろく紹介されています。1980年の資料として、10万人当たりの図書館数が、外国とくらべて少ないこ...ほんはまっていますのぞんでいます

  • おおきくなりすぎた くま

    おおきくなりすぎたくま/リンド・ワード・文画渡辺茂男・訳/ほるぷ出版/1985年日本では1985年の出版ですが、原著は1952年。というともう70年以上前の絵本。そのせいか図書館の開架書架ではなく、閉架書架にあってあまり借りる人がいないようでした。ページの左の下四分の一ほどに文、右側におさえた黒一色の絵と、いたってオーソドックなつくりで地味な印象の絵本。仕留めた熊の毛皮を納屋にほして誇示しているような村。ところが自分の家には毛皮がなく、引け目をおぼえていたジョニーは、村で一番の毛皮を作ろうと、銃をもって森の奥深くにはいっていきました。そこで見つけたのは熊は熊でもおなかをすかせているような小熊。連れ帰った小熊は、小牛たちの牛乳や鶏のエサ、リンゴ畑のリンゴ、ジョニーがおみせからかってくるかえでさとうを食べ、そ...おおきくなりすぎたくま

  • 九百九十九の石段・・秋田

    秋田のむかし話/秋田県国語教育研究会編/日本標準/1974年ナマハゲのおこり。むかし漢の武帝が白い鹿のひく飛車にのり、五ひきのこうもりをひきつれて男鹿にやってきた。そのときこうもりは、五ひきの鬼にかわってしまった。鬼は、武帝によほどこき使われていたのだろうが、一日だけ休みを許された。ところが鬼たちは、村の畑作物や家畜、しまいには娘たちまでさらってしまった。憤慨した村人が、鬼の退治に出かけるが、散々な目にあわされてしまう。そこで、みんなで相談し、「毎年、ひとりずつ娘をさしあげる。そのかわり、五ひきの鬼どもは、五社堂まで一晩のうちに、しかも一番どりのなく前に、せんだんの石段を築くようにしてくれ。まん一、これができなかったときは、ふたたび村へおりてこないでくれ」と、武帝にお願いした。村人は、一夜のうちに千段の石...九百九十九の石段・・秋田

  • にたものどうし

    にたものどうし/奥井一満・文U・G・サトー・絵/福音館書店/2013年(初出2000年)トンビとハングライダー、こうもりと傘、カメレオンのべろとおもちゃのべろぶえ、クジラと潜水艦など、自然が作ったものと、人間がつくったものを対比しながら、おなじようになった不思議。イモムシと新幹線は、イモムシが大きく描かれ迫力満点です。人間が、一番適したものを追求すると、自然のものにちかずく不思議。もっともっと自然に学ぶことが多い。この絵本の中にもでてきますが、蚊の口と注射針、痛くない注射針は、蚊からヒントを得て誕生したといいます。絵本にはでてきませんが、ハチドリのボバリングは、ヘリコプターに応用されていて、次世代素材には、鋼鉄より強度があるクモ糸素材が実用化されています。ゴボウの実をヒントにして生まれたのが、マジックテー...にたものどうし

  • かみなりさまと くわのき

    かみなりさまとくわのき/文・清水たみ子画・安井康二/教育画劇/1998年/12画面主人公は”げんごろう”という子ども。源五郎と言えば、湖に落ちた源五郎さんが源五郎ブナになる話が知られていますが、この紙芝居では、雲から落ちたげんごろうが、クワの木にひっかかり助かったことから、クワの枝を家の軒下にさしかみなりがよけにしたというオチ。雲へ行くのは、ナスの木?をのぼっていきます。ナスを食べてしまった雷さまが、ごめんごめんといいながら、げんごろうを歓待してくれます。そこで雷さまを手伝って、雨をふらせていると、はしゃぎすぎて落ちてしまいます。冒頭は、おじさんから、一本で何百も何千もナスがなるという苗を買うところからはじまります。どこの話がもとになっているかふれられていませんが、福島や群馬県に、おなじ昔話があるようですかみなりさまとくわのき

  • 海底の王国に行った船乗り・・イタリア

    世界の水の民話/日本民話の会・外国民話研究会:編訳/三弥井書店/2018年イタリア版「浦島太郎」。難破した帆船の船乗りが、離れ小島の浜辺につくとすぐ力がつきて気を失い、そのまま眠ってしまった。誰かが起こす声がして目を覚ますと大きな亀。男は好奇心が強く亀に誘われままネプチューンの海の王国へ。船乗りは王に迎えられ、王の娘と結婚し、幸せな日々を過ごします。ある日、船乗りは両親に会うため、地上に戻りたくなった。王女は考えを変えるよう泣いて頼みます。だがどうしようもないとわかると、蓋をした小箱をあたえ、けっして捨てないようにと頼んだ。船乗りが故郷にかえってみると、なにもかも変わっており、亀に出会ってから百年がたったことに気がついた。気落ちした船乗りが小箱を開けると、昏睡状態におちいり、目を覚ますと、長く白い髭の老人...海底の王国に行った船乗り・・イタリア

  • どこまでゆくの?

    どこまでゆくの?/五味太郎/福音館書店/2010年「月刊かがくのとも」500号です。「おでかけしますいってきまーす」「いってらっしゃーいどこゆくの?」「どこまでもゆくのずっととおくまで」「きをつけて」「きをつけまーす」男の子がスーパーをとおりすぎバスに乗りバスを降りると交番をとおりすぎまたバスに乗ってバスを降りるとまた歩き地下鉄にのって町の中心部をとおりすぎ海のそばをとおりたどり着いたのは恐竜が展示してある博物館「だいぶとおくまできましただいぶむかしまできました」そこから、家に帰ります。文字は、最初と最後のページのみ。迷路のようですが、迷路ではありあせん。こんなに遠くまできてかえれるの?と心配すると矢印のぎゃくにいけばちゃんとかえれます!!ただ、歩く、乗る、歩くの繰り返し。矢印にそいながら、風景を楽しんだ...どこまでゆくの?

  • あなたのいえ わたしのいえ

    あなたのいえわたしのいえ/加古里子/福音館書店/1972年(初出1969年)戸建てやアパート、マンションがずらりでてきて、あなたのすんでいるいえはこの中にありますか?という質問からはじまります。家ってなに?といわれて当たり前すぎて首をひねったら、そこはさすが加古さんです。雨や太陽を防ぐ・・屋根風をさえぎる・・壁でたりはいったりする・・出入口そして・・・床、窓、台所など、家の作りをわかりやすく読者と同じ目線で考えていきます。「家のまわりがきたなくならないよう便所をつくる」・・外でおしっこしている場面で、おもわず笑いました。50年以上前の絵本ですが、屋根の上の小鳥たちが、はじめはねぐらがありませんがページがすすんでいくにしたがってねぐらもできて、子どもも増えています。床下にはアリ。戸のところでは猫が魚をくわえ...あなたのいえわたしのいえ

  • 冬のわらたば

    冬のわらたば/脚本・津谷タズ子画・西山三郎/童心社/1991年(16画面)<こわーいこわーいおはなし>とありました。あたり一面雪で、山仕事に出かけられないので、ばあさまは、大根を煮て。じいさまはゆきぐつでも編もうと、土間につんであったわらたばを、囲炉裏のそばに、どさりとおいたらわらぼこりがたちました。そのとき、じいさまのくびすじをつめたい風がかすめました。ひょいとふりかえってみると、わらぼこりのなかに背丈の低い男が三味線をかかえてたっていました。すこしあったまらせてくれという男は、ものもいわず背中をこごめてちょこんとすわりときどき囲炉裏のすみにしろいつばをとばしていました。じいさまが、礼儀を知らない男だなと思いながら、ゆきぐつを編んでいると、藁の中からちっちゃい虫が囲炉裏のそばにでてきました。男はすこもこ...冬のわらたば

  • 他人がなにをたべていようと、それをみて笑ってはいけない・・トーゴ

    お話しは土の城のテラスで/西アフリカ・トーゴの昔話集/和田正平/メディアイランド/2016年むかし、ひとりの男が荒れ果てた土地を耕しましたが、なぜか畑の一角だけは、荒れ地のままにして残していました。男は子どもに、「わしが留守のあいだ、畑のなかに残してあるあの荒れ地は、けっして耕してはいけないよ」と、きつく言いわたしました。ところが、男がでかけた留守に、子どもがその荒れ地を耕してしまいました。荒れ地の下には、ひとりのおばあさんが住んでいて、おばあさんは、子どもをひとのみにしてしまいました。のみこまれた子どもは、そのまま、おばあさんの尻の穴からでてきました。おばさんが、ふたたび子どもをのみこむと、子どもはまた尻の穴からでてきました。三度のみこまれ、三度尻から出てきたのです。さて、子どもが放牧のため牛を追ってい...他人がなにをたべていようと、それをみて笑ってはいけない・・トーゴ

  • 朗読会

    いつもとちがう図書館での朗読会にいってみました(2024.2.14)。数日前、ふらっとはいった図書館で、チラシを見たもの。三作品の朗読で、一時間ほど。・柴崎友香「喫茶店」・永井路子「紫式部」・松下竜一「絵本」このところもっぱら子ども向けの作品を読んでいるので、「おとな向け」の作品は、いつもとちがい新鮮な感じでした。開催したグループは30周年を迎えるとあって、息の長い活動です。「喫茶店」は、古い喫茶店で自分の作品の校正をしている小説家が主人公。背中にいる高齢の夫婦のような会話を聞いて、店を出ていく二人をみると、じつは若いカップル。若い人が「なつかしい」と言うギャップ。「紫式部」は、スーパーレディの式部が、いじわるとうぬぼれだったのではないかと、清少納言や藤原道長などの例をあげて指摘していきます。「絵本」は、...朗読会

  • ふしぎな はな

    ふしぎなはな/脚本・絵藤田勝治/童心社/2009年ジャワの月下美人にまつわる花の話。むかしジャワ島の王さまは、優しい王さまでしたが、国が栄えるにしたがって横暴になりました。大臣たちが、キアイというえらい坊さまに相談すると、キアイはさっそくお城にやってきて王さまを戒めます。王さまは、生意気な坊さまを懲らしめようと、おおぜいの兵隊とキアイを取り囲みますが、海からあらわれた龍が暴れまわり、「じぶんは、すべてが思い通りになるとおもっていたが、それはまちがっていた」ことを思い知らされます。風がおさまり、龍は消え、何事もなかったような、キアイの姿がありました。王さまはキアイに、「わたしはいままで、ひどく威張っていました。でも、本当はなんてちっぽけで弱いのでしょう。いったいどうすればよいのでしょうか」と相談すると、「向...ふしぎなはな

  • 小鳥に仕返しされた野ウサギ・・コンゴ

    お話しは土の城のテラスで/西アフリカ・トーゴの昔話集/和田正平/メディアイランド/2016年本のタイトルが気になって手に取りました。トーゴのタンベルマと呼ばれる人びとのお話。砦型住居から、このタイトルになったようです。収録は24話と多くはありませんが、野ウサギが悪役としてでてくるのが目立ちました。小鳥がまいたアワの種。実ったころ、野ウサギがやってきてすっかり刈り取ってしまい、そのあとに、壊れた土器のかけら、欠けたヒョウタン、イヌの骨を畑において帰りました。小鳥と野ウサギが激しい口論になり、村長のところへ訴えにいきます。野ウサギは、みんなに手伝ってもらったお礼に、三頭のヤギ、一頭の牛、一頭のイヌを殺してごちそうし、地酒も振る舞ったと主張します。村長は、小鳥がひとりで畑が耕せないと野ウサギに軍配を上げます。お...小鳥に仕返しされた野ウサギ・・コンゴ

  • おまえ うまそうだな さよならウマソウ

    おまえうまそうだなさよならウマソウ/宮西達也/ポプラ社/2023年むかし、ティラノサウルスが、うまれたばかりのアンキロアウルスのあかちゃんを「おまえうまそうだな」といって食べようとしました。ところがあかちゃんはじぶんの名前を「ウマソウ」と思い、テラノサウルスのことをお父さんだったと思って、だきつきました。はじめはおどろいたテラノサウルスでしたが、一緒に過ごすあいだに、ふたりは親子のようになっていきました。テラノサウルスはなやんだすえ、ほんとうの親にウマソウをかえしてやろうときめました。それから、20年。年老いたテラノサウルスが、野原の真ん中でたおれました。もうだめだとつぶやいて目を閉じると、ケツァルコアトルスがそらからまいおりてきて、テラノサウルスのしっぽにかじりつきました。そのとき、テラノサウルスを助け...おまえうまそうだなさよならウマソウ

  • ゆきのげきじょう

    ゆきのげきじょう/荒井良二/小学館/2022年雪のふる小さな町。男の子は、チョウの図鑑をみていました。黄色・赤・水色・白のうつくしいチョウ。遊びにきた友だちは、図鑑を貸してほしかったようです。お父さんが大事にしていた図鑑が、やぶれていました。お父さん怒るかなと思いながら、スキーを滑っていると、くぼみがあることを忘れておちてしまいました。そこに灯りのついた小さな劇場をみつけました。男の子が、舞台から落ちた人を、もとにもどしてあげると、雪の人たちはお礼に、今日の舞台に招待してくれました。くるくるまわるバレリーナがやってきて、クルクルささやくと、そこには、大きな雪の劇場がありました。雪の劇場がはじまりました。ふわりふわり、ゆっくりしずかな舞台。歌声が小さく小さく聞こえ、こまの歌をうたっていると、その歌がだんだん...ゆきのげきじょう

  • ガンのこ石・・石川

    石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年石川県珠洲市のお話。ガンはカニのこと。夕方になると、深い谷の上の村にたびたび不思議なことがおこった。人がとおると、7つか八ぐらいの男の子が出てきて、十歩ほど先を、右へ左へちょこちょこ歩いていく。走って追いつこうとすると、小走りで先へ行き、こっちがゆっくりと歩くと、向こうもゆっくり歩く。おかしなことと思うとると急に気味が悪くなって、からだがぞくぞく寒くなってくる。男の子がひょいと振り向くと、口のまわりをあわだらけにして目玉のとび出た化け物のよう。村のもんは、この話を本気にしなかったが、そのうち小さい子どもがさらわれたという話がつたわると、もう谷の上の村の者は、だれも通らないようになった。さわぎがおこっているとき、えらい坊さまがやってきて、この話を聞き...ガンのこ石・・石川

  • ぼくのにいちゃん すごいやろ!

    ぼくのにいちゃんすごいやろ!/くすのきしげのり・作福田岩緒・絵/ほんの杜/2016年ダイスケ、マナブ、ヒデトシの仲良し3人組がでてくるシリーズの一冊。ヒデトシは、新しい釣竿をもって、三人で魚釣りにでかけた。ヒデトシのお兄ちゃんは、「ヘ~イベィベー~!ちびっこたち、まあ、しっかりがんばってメダカでもつってくれたまえ」といつものようにえらそうにいうと、急いでサッカーの試合に。三人組がつろうとしていると、お兄ちゃんが、「オレの、ウルトラ・スーパー・スペシャル・ミラクルシュートまでは、必要なさそうだから、おまえらにつりをおしえにきてやったんや!」と、声をかけてきた。三人組は、サーッカーのメンバーにはいれなかったことがすぐにわかりましたがそのままつりをはじめました。お兄ちゃんがえらそうにいいますが、つれるのは三人だ...ぼくのにいちゃんすごいやろ!

  • ウーフは おしっこで できてるか??

    ウーフはおしっこでできてるか??/作・神沢利子絵・井上洋介/ポプラ社/2004年(12画面)「くまの子ウーフ3」とありますので、シリーズでしょう。ウーフは、目玉焼きと、はちみつをつけたパンをたべながら、卵をぽんとわったらいつもきみと白みがでてくるので、ちょっと不思議。お父さんから、おさじは、ステンレス、パンは小麦粉、いすは木、座布団は、綿ときいてすっかり感心してしまいました。なにがなんでできているかきつねのツネタくんにも教えてやろうと外へ遊びに行きました。野原で散歩しているめんどりさんに、「あした、ぼくがいったら。」ときくと、めんどりは、「たまごを、またひとつうんであげるわ。」「その、あしたも。」「ええ、そのあしたも、あんたがもらいにきたら、そのたびにうんであげるわ」といいます。めんどりのからだに、たまご...ウーフはおしっこでできてるか??

  • ぼくには ひみつがあります

    ぼくにはひみつがあります/羽仁進・作堀内誠一・絵/主婦の友社/2023年「ぼくにはひみつがあります」といわれると、それだけで何?と思わず引き込まれるタイトル。アパートの階段のうしろに、とてもへんなかたちの、かわいいちっちゃな動物を見つけた五歳の男の子。まえに、野原で真っ白な犬をひろってきてよその人につれていかれたことがあった男の子は、だれにもだまって餌を運んでやることに。リスの仲間かなと思ったが、どんなことをしたらよろこぶかもわからない。絵をかいて、幼稚園の先生に聞いてみると、すぐに、「ムササビだろう」という。ちょっとふとっていて、飛ぶのは無理かと思っていたら、ある日、四ひきの子が増えていた。ある日、とうとうムササビがとぶのをみて男の子は、万歳。ところが子どもたちは飛び方がへたで、壁にぶつかったりします。...ぼくにはひみつがあります

  • 月ようびは なに たべる?

    月ようびはなにたべる?/エリック・カール・絵もりひさし・訳/偕成社/1994年アメリカのわらべ歌。「今日は、月曜日!月曜日は何食べる?月曜日はさやいんげん、おなかのすいた子、みんなおいで――」とはじまり、日曜日までの一週間の食べ物を、はりねずみ、へび、ぞう、ねこ、ペリカンなどの動物たちが歌っていきます。金曜日はペリカンで、おさかな。そのあと、月曜日から木曜日までの食べ物を繰り返します。エリック・カール独特の色鮮やかな世界。最後、車いすの子や、さまざまな人種の子が、なかよくテーブルをかこんで、おいしそうに食べています。水曜日は、ぞうがでてきて、”ゾーープ”を食べているのですが、これはぞうにひっかけたカールさんの遊び心のようです。巻末に楽譜も。ピアノを弾けなかったら、YouTubeでどうぞ。月ようびはなにたべる?

  • 長西ギツネ・・石川

    石川のむかし話/石川県児童文化協会編/日本標準/1977年能登半島地震では、電気が復旧したようですが、水道はまだ先のようです。あまり報道されていませんが気になるのは子どもたちのこと。幼稚園・保育園、小中学校は、どんな形で再開されているのでしょうか。親がなくなった子どもはいないのでしょうか。これまでの日常生活にもどるのは、まだまだ時間が必要なのでしょう。ところで、石川県は、南加賀、北加賀、口能登、奥能登にわかれ、この話は、口能登七尾市の昔話。二匹のキツネの話声を聞いたのは、馬売りの五平という大酒のみのじいさまが、家に戻れんほどになって、地蔵さまのところでねていたとき。いっぴきは長齢寺の縁の下にいる長さんギツネ、もういっぴきは、西光寺の縁の下に住む西さんギツネでした。どんな相談かというと、長さんギツネが馬に化...長西ギツネ・・石川

  • 人形劇団プーク公演

    昨日、店に貼ってあったポスターを見て、人形劇団プークの公演を見ることができました。主催は保育園とその父母会の主催で、関係者以外も見ることができそうだったので、申し込んでみたもの。普段街中に子どもの姿を見ることはほとんどないので、これだけたくさんの子どもをみて、びっくり。舞台からの呼びかけに、元気にこたえる子どもたちに思わずほっこり。人形だけなら見る機会もありますが、舞台装置、音楽があるところがミソ。300議席ほどのホール。第一部は、五味太郎のミニミニ劇場。人形が後ろで演技するのではなく、舞台全体をつかったもので新鮮でした。第二部は「きつねのコンとこだぬきポン」と、骨格のしっかりした人形劇でした。こんな企画をした保育園と関係者に感謝です。人形劇団プーク公演

  • まほうの くびかざり・・グリムの紙芝居

    まほうのくびかざり/原作・グリム脚本・堀尾青史画・かみやしん/童心社/1991年(16画面)きのみやきのこをとりに森にやってきた娘をよめにしようと森の中に住む三人の泥棒が、たがいに争った挙句、泥棒たちは、三人とも共倒れ。娘は森の中で迷子になりますが、うんよくハトに助けられ、木の穴でやすみます。そこに食べ物もありました。このハトは、魔法使いによって魔法をかけられていました。魔法をとくには、魔法使いの鳥がしている首飾りがないと、人間にはもどれません。魔法使いは目がみえませんが、においや足音には敏感です。ハトは、娘を奥の部屋に案内し、鳥がしている首飾りを手にいれますが、気がついた魔法使いが夢中でおいかけてきます。娘が首飾りをふりかざすと魔法使いは、くるったようにふるえて、あっというまにとけて池のようになりまった...まほうのくびかざり・・グリムの紙芝居

  • だれのうんちが せかいいち?

    だれのうんちがせかいいち?/マリー・パブレンコ・文カミーユ・ガロッシュ・絵おがわひとみ・訳/評論社/2023年ある晴れた日の森の広場でネズミがリスに、「せかいでいちばんすてきなうんちしちゃった」と、豆粒のようなうんちを自慢。それを聞いたリスが、「そりゃ、ちがうぼくのうんちがせかいでいちばん!」と、小石みたいなうんち。そこへイタチ、ケナガイタチ、アナグマ、キツネ、オジカが、「せかいいち!」と、うんちの競い合い。そこへ猟師がやってきて狙いをつけて・・・。決着は?せかいいちのうんち?は、大きさかな、形かなと思ってると意外なオチ。動物の危機を助けてくれたのがうんち。なんとも、ウンのわるい猟師に同情。まあ、しっぺがえしですね。動物たちだんだんおおきくなり、どんどんふえていく様子が、楽しい。動物たちも落ち着いたタッチ...だれのうんちがせかいいち?

  • 鹿よ おれの兄弟よ

    鹿よおれの兄弟よ/神沢利子・作G・D・パヴリーシン・絵/福音館書店/2004年祖先から続く猟師が、シベリアシホテ・アリニ山脈(樺太横の大陸日本海沿岸の山脈)のあいだからながれくる川を小舟をこぎ、鹿を求めてそのときをまつ。鹿を殺し、小刀で毛皮をはぎいっぽんの骨もおらずに、解体。服は鹿皮、くつも鹿皮。どちらも鹿の足の腱を糸にして縫ったもの。妻や子、自分の命をつなぐために、鹿の命をいただく。しかし、猟師は鹿に対する感謝と敬意を決して忘れることはありません。それが共存の前提です。幼少期樺太で過ごされたという神沢さんの叙情詩とハバロフスク在住のG・D・パヴリーシンさんのコラボ。どんな経緯で実現したのかにも興味がわきました。ひとまわり大きいページに、人の服装や、鹿の毛、木の樹皮や曲がりくねった枝、草花が緻密に描かれ、...鹿よおれの兄弟よ

  • かさボコホイ、みのボコホイ・・栃木

    栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年あるところのおおきな寺に、みのやかさの壊れたものがだいぶたまって、和尚さんは小僧さんに寺の床下にすてるよういいつけました。日が暮れておつとめを終えた小僧さんが、布団に入ってうとうとしていると、どこかで、「かさボコホイ、みのボコホイかさボコホイ、みのボコホイ」という声が聞こえてきた。ねむりかけた小僧さんが目をこすりながらおきてみると、だれもいない。つぎの夜も同じように声が聞こえてくる。気味が悪くなった小僧さんは、とうとう和尚さんにいっしょに寝てくれるようお願いした。「そんなにひとりで寝るのがこわいのなら、ひとつ、わしがいっしょにねてやろうか」と、和尚さんもその夜、小僧さんのそばに寝たんだって。その夜、和尚さんの耳にも、「かさボコホイ、みのボコホイかさボ...かさボコホイ、みのボコホイ・・栃木

  • まるのおうさま

    まるのおうさま/谷川俊太郎・文粟津潔/福音館書店/2019年(初出1971年かがくのとも)まるいおさらがぼくこそはまるの王さまだといったとたん棚からころがりおちてがちゃんそれをみたシンバルがまるの王さまはやっぱりおれだとおおわらいするとつぎはタイヤがでてきてそして円周率がでてきて、オレンジ、レコード、ビリヤードのたま、運動会のたまころがしの玉。地球が出てきて、太陽・・・雑多なまるづくし。おおきさを競ったり自分がいちばんと偉ぶってみたり。それぞれの”まる”に意味があり、ほかの”まる”と比較するのは意味がありません。大きさを競ったり、偉ぶるのではなくじぶんらしいまるを書いてみようと、結びます。まるのおうさま

  • たんばりん じゃじゃん

    たんばりんじゃじゃん/脚本・八木田宣子絵・和歌山静子/童心社/1976年(8画面)<labelfor="cpread"></label>あるひ、じゅんちゃんがホールのすみでみつけたのは、タンバリン。タンバリンをジャジャーンッと鳴らしていると、トトンと音がしました。「じゅんちゃん、いれて」と、やってきたのは、カスタネットをもった、りすさん。つぎ、やってきたのはトライアングルをもったうさぎさん。じゅんちゃんがジャジャン、りすさんがトトン、うさぎさんがリリーンとしていると、まただれかがやってきました。・・・それから、保育園中の子どもたちがやってきてみんなで演奏会です。背景は、落ち着いた感じの赤。とちゅうから、次は何が出てくるか、想像するのが楽しそうです。たんばりんじゃじゃん

  • ベンジーの もうふ

    ベンジーのもうふ/マイラ・ブラウン・文ドロシー・マリノ・絵まさきるりこ・訳/あすなろ書房/2010年原著は1962年アメリカの出版。二色刷りで、文章は長めです。ベンジーは、あかちゃんのときの毛布がだいすきで幼稚園に行くときも、床屋さん、歯医者さんにいくときもいつも一緒。お隣のトルーディーから、「ぼろぼろじゃない、いつすてるの?」といわれ、おとうさんからも、「そろそろそのあかちゃんもうふ、いらないんじゃないかい?」といわれ、おにいさんのジムも、同じことをいいます。しかし、幼稚園のかえりや、靴屋さん、スーパーマーケットなどで、毛布を忘れたりするようになりました。そして、こねこの泣き声に悩んでいたトルーディーのために、こねこのかごのなかに毛布をいれてあげると・・・。ベッドや足が大きくなり、精神的にも成長していく...ベンジーのもうふ

  • いたずらからす

    いたずらからす/さとうわきこ・作絵/福音館書店/2022年月刊絵本「こどものとも」「ばばばあちゃん」12年ぶりの新作。おいしそうにりんごが赤くなりました。「もうたべごろかな」と、ばばばあちゃんの仲間たち。そこへからすの親分がやってきて、「ひとくち食べれば全部のりんごがおいしいかどうかわかるんだよ」というので、「ひとくちたべてもいいよ」とばばばあちゃん。ところがひとくちだけではすみません。からすがいっぱいやってきてりんごにとびかかり「あしたくるカアー」。ばばばあちゃん、仲間たちと、ひもに空き缶や水の入ったコップ、じょうろ、なべ、もろもろつりさげて、カタカタカタジャランガラン、カラコンカラコンと、音を立てますが、からすはそのうえをいって音を立てて遊んでいます。それではと、おもちゃの弓でからすをねらっても「はず...いたずらからす

  • たこ屋半兵衛・・栃木

    栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年たこ屋半兵衛が伊勢参りにいって大阪の金持ちの家にとまりました。そこでは、金屏風をたてて、たいしたごちそうでもてなしてくれました。じっさいは、掘立小屋に住んでいたたこ屋半兵衛ですが、「こんなものは、うちにもある」「おら、よめさまほしいんだ」とおおぼら。金持ちは、「よめさまほしけりゃ、おらげのむすめやんべ」と、約束。年の暮れに大阪からやってきたよめさまが、掘立小屋を見てという。、「よめに行くべえと思ってきた以上は、その人に会って、顔を見ねえではおら帰んねえ」と、親子の縁を切られてもたこ屋半兵衛のもとへ。ところが、たこ屋半兵衛の掘立小屋が狭いため、ばけもの屋敷にとまることに。ところが夜中になるとガタガタがはじまり、でっけえ音がしたり、うなり声がして、ばけも...たこ屋半兵衛・・栃木

  • 雪だるま ルートヴィッヒの ねがいごと

    雪だるまルートヴィッヒのねがいごと/レーロ・トゥンガル・文レジーナ・ルック-トゥーンベレ・絵塩崎香織・訳/化学同人/2023年雪だるまのルートヴィッヒにたりないものなどないはずでした。けれどある日、小鳥の会話から、クリスマスツリーのことをきき、おなじように部屋においてもらえるにちがいないと、そばで遊んでいた子どもたちの家に、どうにかこうにかいきました。そのとき、石段のところで、おかあさんの声がきこえてきました。「ふたりとも、また雪がついたままではいってきたのね!あっちもこっちもびしょびしょにして‥ながぐつの雪はおとしてって、なんかいいえばわかるの」。雪だるまは困りました。ながぐつの雪ぐらいであんなに叱られるなら、まるごと雪のぼくが入っていけば、何をいわれるか・・・。悩んでいると、小鳥たちが森のこびとたちの...雪だるまルートヴィッヒのねがいごと

  • おんどりと二まいのきんか

    おんどりと二まいのきんか/安藤美紀夫・訳堀尾青史・脚本画・うすいしゅん/童心社/1993年ルーマニアの昔話。子どもはどこの国の話であるかか気にしませんが、大人はどこの国の話か興味があるところ。貧乏なおじいさんとくらすおおぐいのおんどりが、おじいさんがあまり食べものをくれないので、食べるものを探しにいって、とちゅうでピカピカにひかる二枚の金貨を見つけました。そのとき、馬車でやってきた村いちばんの大金持ちの地主から、金貨をとられ、池にポチャンとほうりこまれてしまいます。ところがおおぐいのおんどりは、池の水をガボガボ飲むと、金貨を返せと地主の旦那をおいかけます。地主は、手伝いの男に命じて、おんどりを暖炉にほうりこませます。ところがおんどりががっぽり飲んだ池の水を噴水のようにふきだしたので、部屋の中はまるで池のよ...おんどりと二まいのきんか

  • サンタさんは どうやって えんとつを おりるの?

    サンタさんはどうやってえんとつをおりるの?/マック・バーネット・文ジョン・クラッセン・絵いちだいづみ・訳/徳間書店/2023年時期が過ぎたのが残念でした。クラッセンの絵は、個人的にはぴったりのタッチ。サンタの黒目が下へ行ったり、左右にいったり、さらに眼鏡も独特で、最初から最後まで存在感があります。トナカイも二本足でたって、コーヒーをいれたマグカップでお手伝い。地の文は、おみやげをもらう子どもの疑問?。サンタさんはからだが大きいのに、どうやってえんとつをおりるの?ねずみくらいちいさくなる?あたまから?あしから?もしかしておしりから?とちゅうでつっかえたら?トナカイにおしこんでもらう?えんとつからはいったらふくもまっくらにならない?つぎからつぎへとうかぶ疑問を演ずる喜怒哀楽のないマイペースのサンタです。ニヤリ...サンタさんはどうやってえんとつをおりるの?

  • ごちそうごよみ

    ごちそうごよみ/谷山彩子/小学館/2023年一月から十二月までの行事にあわせたおいしそうな食べ物がイラストでどっさり。野菜、魚、海産物。お酒もお茶も。一月はおせちや鏡もち。三月の彼岸はぼたもち。夏はうなぎ。十二月はあったかい鍋料理、年越しそば。外国初の日本で定着したバレンタインデー、クリスマスはもちろんチョコレート。「う」のつく食べもの、「ん」のつく食べものも。秋の彼岸は萩の花から、おはぎで、春の彼岸のぼたもち(ぼたんの花から)からよび名がかわるというのは新しい発見。二十四節気(小寒、大寒、啓蟄、立夏、夏至など)には季節の移り変わりが端的に表現されています。日本では昔から四季の移り変わりを食べ物でも味わってきました。ごちそうごよみ

  • だかと龍の駒・・鳥取

    子どもに贈る昔ばなし18/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2022年いわばシンデレラストーリなのですが、朝日長者のきろ松という男の子が、夕日長者の娘の婿になるという話なので、枠ははみでています。きろ松が長者の家をでることになったのは、長者の後妻が病気になり、後妻の病気を治すためには、きろ松の生き胆をのませないとなおらないといわれたこと。長者は妻と、きろ松のいずれれとるか思い悩みますが、妻の病気をなおすことを選びました。そして男衆が芝居見物といつわって、きろ松を駕篭に乗せ生き胆をとろうと山へ行きますが、かわいそうと思った男衆が、きろ松を逃がし、かわりに猿の肝をとって男衆はもどりました。きろ松が山の中を歩いていくと、新しい墓がありました。きろ松が墓を通り過ぎようとすると、あたりは急に日が暮れたようになり、...だかと龍の駒・・鳥取

  • おべんとう わくわく せーの パカッ!

    おべんとうわくわくせーのパカッ!/脚本・磯みゆき絵・林なつこ/童心社/2019年(8画面)けんちゃんは、みんなとピクニック。お楽しみはおべんとう!うさぎちゃんはサンドイッチにたんぽぽサラダ。ねこちゃんは、あじのひらきとおにぎり。にわとりさんは、かぼちゃにとうもろこし、こまつな。けんちゃんのおべんとうは二段重ね。おべんとうばこをパカッ!とあけてみると、二段とも白いご飯。でもおにいちゃんがもってきた二段重ねのおべんとうばこには・・・。おいしそうなおべんとうがいっぱい。みんな、ニコニコで「いただきまーす!」と笑顔です。おべんとうわくわくせーのパカッ!

  • だれが姫の病気をなおしたのか・・イスラエル

    新編世界むかし話集⑦/インド・中近東編/山室静・編著/文元社/2004年イスラエルの昔話といいますが、アラビアンナイトの「空飛ぶじゅうたん」と酷似しています。出だしは、両親がなくなった三人兄弟が旅をするところからはじまります。一番上の兄は、アメリカにいって、小さい飛行機を作ることに成功します。二番目の兄は、インドにいって、どんな遠くの国でおこったことも映る鏡、末の弟はアフリカへいって、食べたらどんな病気でも治るというリンゴを手に入れました。二番目の兄が、魔法の鏡で、遠い国のお姫さまが、重い病気になっているのをみつけ、一番目の兄の飛行機でかけつけ、弟のリンゴでお姫さまの病気をなおします。王さまは、姫の病気を治したら、娘を三人の兄弟のひとりと結婚させると約束していました。夫を選びなさいといわれた姫は、あなたが...だれが姫の病気をなおしたのか・・イスラエル

  • なぞなぞで おやしきたんけん

    なぞなぞでおやしきたんけん/石津ちひろ・文こみねゆら・絵/アリス館/2015年狭い家だと、なぞなぞたんけんというイメージはわきにくいなあと思っていると、8LDKはありそうな洋館。おばあちゃんの住むおやしきにひとりで遊びにきたさやちゃん。朝、こつこつと窓をたたく音で、目を覚ますと、窓から一羽の小鳥がはいってきて、なぞなぞ遊びをすることに。小鳥が、「ちいさないきものがあかいドレスをひらひらさせておどるようにおよいでるそれはいったいだあれ?」となぞなぞをだしました。部屋の中に、金魚鉢があって赤い金魚が泳いでいたので、さやちゃんはあっというまに答えました。「きんぎょ!」「ぴかぴかひかるはりがねでできたおうちことりさんはだいきらいそれはいったいな~んだ?」。部屋にはとりかごがあってすぐに気がつきます。なぞなぞのつぎ...なぞなぞでおやしきたんけん

  • おいの森とざる森、ぬすと森・・宮沢賢治

    おいの森とざる森、ぬすと森/原作・宮沢賢治脚本・国松俊英画・福田庄助/童心社/1996年(16画面)岩手山のふもとに、おいの森、ざる森、くろさか森、ぬすと森の四つの森がありました。ここにやってきた四人の男は、森に声をかけて許しをもらい、丸太の家をたて、クワを奮って野原を切り開いて畑を開墾しました。つぎの年にはソバやヒエがたくさんとれました。土のかたくこおった朝のこと。四人のこどもがいなくなりました。森に声をかけますが、知らないといいます。子どもを探すに行くとおいの森の真ん中で、火が燃えて、まわりでオオカミが歌いながら踊っているところに、子どもたちがいました。みんなが子どもをつれて森をでようとすると、逃げていったオオカミが、おくのほうから叫びました。「わるくおもわないでけろ。クリだのキノコだのうーんとごちそ...おいの森とざる森、ぬすと森・・宮沢賢治

  • シカものがたり

    シカものがたり/おおなり修司・文飯野和好・絵/絵本館/2023年詩吟のように、好きなように節をつけて読めば・・・とありますが、普通に読んでもダジャレにたのしか!。立派なツノを持つシカが、ツノが枝にぶつかりツノはおれ”かなしか~”。おれたツノを医者へもっていくと”むずかしか~”リスやキツネにわらわれて”はずかしか~”・・・ひとりになったしかが、片方のツノも失いながらオオカミと夢中になってたたかう助けたしかと暮らしそれから二年、家族が増えてツノもはえ家族並んだ様子は、まるで・・・。震えながらもオオカミにおわれたしかを助け出そうと勇気を奮ってオオカミに立ち向かう勇気あるしかの物語。シカものがたり

  • モスルの旱魃

    新編世界むかし話集⑦/インド・中近東編/山室静・編著/文元社/2004年イスラエルの昔話とされる話。北バビロニアのモスルの町では、ユダヤ人と回教徒が、もう何代にもわたって平和と相互理解のうちに、となりあって暮らしていました。ある年のこと、この地方には少しも雨が降らず、空は大地をうるおすことをやめました。今年は旱魃になるらしいと、人々が心配していると、食料品の値段があがってきて、小麦の値段は、一週間、一週間ごとにあがりました。全回教徒がモスルの大寺院に参拝してお祈りをささげましたが、無駄でした。回教徒たちは、じぶんたちの祈りがきかれないのをみて、ユダヤ人の隣人のところにやってきて、きみたちも神に祈ってくれるよう訴えました。モスルの町のユダヤ人は、みなシナゴグ(ユダヤ人の会堂)にあつまって、それから彼らの先祖...モスルの旱魃

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