※「亮よ、久しいな、元気そうで何よりだ」と、諸葛瑾は面長の顔をほころばせた。面長で背のひょろりとした、実直そうな男。それが、諸葛瑾《しょかつきん》、あざなを子瑜《しゆ》であった。趙雲が見るかぎり、この兄弟は風貌があまり似ていない。背の高いところと、人品のよさそうなところは似ているが。「来てくださるとは思っておりませんでした」「何を言うか、おまえがわざわざこの地にやって来たのだ。兄たるわたしが会わずにいられようか」「うれしゅうございます、今日はゆっくり語り合おうではありませぬか」孔明の屈託のない笑顔を見て、諸葛瑾の連れてきたお供の二人のほうが感激して、「よろしゅうございました、よろしゅうございました」と、なぜかおいおいと泣いている。お供の名は宋章《そうしょう》と羅仙《らせん》といって、丸くて大きいのが宋章で...赤壁に龍は踊る一章その18兄弟の再会