日本の農業従事者の平均年齢が、68.7歳という衝撃的な数字は、このままでは後10年もすれば農村・農業は崩壊することを意味している。このことは、1961年の「農業基本法」と1999年の「食料・農業・農村基本法」は失敗だったことを如実に物語っているのである。その検証がなければ先はない。実体二、三次産業の高度経済成長に伴走しようとし、一次産業の本質を見失ったからに他ならない。農民にコメを生産しなければ金を出すとか、土地生産性には限度があるのに、労働生産性当たりの生産額に奔走した結果、勤勉な農民から労働意欲を奪い、化学肥料や農薬に大きく依存し、環境への負荷を高める農業を助成する結果になった。一方で農村から労働力を奪って都会へと大きな流れを加速させた。日本農業は生産性が低く、土地が狭く規模が零細であるという妄信から...循環や環境を無視した大型化への農業政策の失態を、さらに繰り返そうとする