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  • げいりー話。

    イテテ…にわかに差し込みをおぼえ、ご不浄に走った。衣更えは済ませたものの、寝具が冬物のままなので、夜中に暑くなって布団をはね、お腹が冷えたかもしれない。便座にオシリを委ね、自然の呼び声のなすがままの数分。ヨロヨロと扉を出て、ある人の名を呟く。ウウウ… ゲイリー トミタ…(「伝染るんです」吉田戦車著 小学館刊)謎の男、ゲイリー富田。恰幅のよい中年男性であること以外、プロフィルは不明。胃腸が丈夫な私のも...

  • まじょの話。

    あの頃私は、魔女と呼ばれていた…えらく不穏な書き出しになってしまったが、事実である。その昔、学校帰りにパフェやクレープを食べるのは、女子学生の楽しみであった。甘いもの好きな友だちいわくあそこのクレープはクリームがたっぷりよ!ここのパフェは山盛りだから 椅子から立たなきゃおいしさ=物量であるあたり、若さだなアと思う。私は今も昔も、甘いものが得意ではないうえ、小遣いがあまり潤沢ではなかった。たまに懐の...

  • だぶるの話。

    私はオバサンなので、生協をやっている。晩酌の傍らカタログを見ているとあ、スモークチーズ…ツマミによさそうなチーズを見つけた。以前買ったことがあるのとは違って、これは初めて見る商品だ。熟成やW受賞の文字が輝くパッケージに、うっすら不吉な予感がしたがま、いっか…前のと値段は同じだし、なにせビールを飲みながらなので、あまり考えもせずポチリと注文した。翌々週の配送日、届いたチーズを手にとったときあ やっぱり…...

  • てをきる話。

    今日は朝から職場で会議。ここ数年リモートで、こうして顔を合わせての打合せは本当に…久しぶりだなア…ちょっとした感慨を抱きつつ、なんだかむずがゆかったので、無意識に手の甲を掻いた。…なんですけど…あ、その件は…私が発言しようとしたときキャッ!…血!隣にいた同僚が悲鳴を上げたので、おどろいて手元に目をやるとなんでこんなとこに傷が…先ほどポリポリ掻いた箇所は、浅い切り傷だったみたいだ。ゴメンナサイと断って、と...

  • いかいか話。

    点けっぱなしのテレビで、タレントがブラブラするコーナーが終わったら、お料理に変わった。(→関西テレビ よ~いドン!)毎週旬の食材をひとつ、テーマに取り上げるコーナーである。今日の食材は…漫才コンビが画面に示した竹ざるの上には… ホタルイカで~す!桜色の小さなイカが並んでいる。ホタルイカといえば富山湾が有名であるが、じつは関西ではよく獲れて、あんがい身近な食材だ。下処理して茹でたものを買えば調理も手軽...

  • ぎざぎざ話。

    郵便局に行ったら、窓口にチラシが貼ってあった。硬貨取扱料金改定のお知らせ今まで50枚を超すとかかった手数料が無料になるなど、引下げになるという。諸式高騰の折柄、値下げとは珍しいことだ。一部の銀行で硬貨の入金に手数料が要るようになった、というニュースを最初に聞いたときはあー これで小銭貯金もなくなるな…思ったものだが、小銭を貯めたい人の気持は、意外に強かったのかもしれない。不評だった手数料を下げると...

  • かたのに話。

    このごろあんまり眠れないし、寝ても疲れが取れない。朝起きた瞬間から、肩が凝っている。季節の変わり目によくある不調だ。休むほどではないけどくたびれているのに、仕事のあと、お稽古がある。仕事にプラスになるかな?と、始めた習い事で、大雑把に例えるなら、シェフが陶芸を習ってお皿を作る、みたいなことである。月に2時間のお稽古で、できることは限られているので次のお稽古までに ○○しておいてくださいね毎回課題が出...

  • かしぱん話。

    以前テレビで見た人気ピアニストは、母親からスパルタ的音楽教育を受け、朝から晩までピアノ漬けの幼少期を過ごしたそうだ。ところが、その同じ母親が、彼に子供が生まれておばあちゃんになると子供はのびのびと育てるのがいちばん!ぬけぬけと言うので、彼もあきれてしまったという。鬼の形相で子供を叱り飛ばしていたことはすっかり忘れ、都合のいいことばかり覚えていて、母親としての自画像を描いているのである。私も母親の1...

  • もんどう話。

    朝のワイドショー。おはようございま~す!画面が切り替わったと思うと、レポーターの誰だかが、中継先のどこだかで、大声を出している。今朝はドコソコの ナントカ工場にお邪魔していま~す名物のなんだかを紹介するらしい。スタジオの ダレソレさ~ん!あ、例のアレか。テレビを見ていて、おそらく世界一ムダだと思うことはこの 大~きなタンクの中 何が入ってると思いますかァ?クイズとも言えない、謎の問答である。スタジ...

  • にっしょく話。

    経済番組を見ていたら、皆既日食の話題が出た。アメリカで観測されたのは2017年以来とか(と言われてもつい最近のような気がするが)、各地で日食フィーバーが起きている、と報じていた。ナイヤガラの滝やタイムズスクエアに集まって、お揃いの保護メガネをかけ、ヒューだのフーだの騒ぐ様子が映る。イベントや関連商品での経済効果は15億ドルにのぼるとやら、へえ~と思っているととつぜん画面上のカロリーと血糖値が跳ね上...

  • 4と9の話。

    よく買物する店の駐輪場は、前輪を突っ込んで停めると、ガチャンとロックがかかるタイプ。店の周りにずらっと並んだラックには、番号が振ってあって、ロックを解除するときは、精算機にその番号を入力する。この駐輪場では以前、精算機の故障で足止めを食った(→てんちょう話。)ことがあってひょっとして また壊れるんじゃないか毎回ちょっとビクビクで利用している。壊れたらヤダなあと思いつつ、できることといえば、少しでも...

  • あすてか話。

    花が散る前に間に合ったランチ会(→ぐるめの話。)。お勧めの店の、おいしい料理に話が弾む。…だよね~あ~ハイハイ あの角のヘンなマンションねえ?そんなのあった?あるよホラ あの、アステカ文明~!みたいな…へ?アステカ?そうそう 2段に塗り分けてあって…茶色で ギザギザで……あ~アレかァ!念のため申し添えるが、我々はメソアメリカの専門家ではない。その建築について語れ、と言われても、誰ひとりまともな答えは出せ...

  • ぼうせん話。

    帰りの電車で読む本を求めに、古書店に入る。ハードカバーは荷物になるので、店先の均一台から、文庫本を1冊選んで買った。空いた電車に乗り込んだら、端っこの席に座り、バッグを膝にのせて、本を開く…と…あっ!シマッタ…前の持主が、傍線を引いている。いつもなら必ず、ページをパラパラ繰ってから買うのに、ダストジャケットがキレイだったものだから、油断した。古書にはよくあることだけれど、知らない誰かが重要だと思って...

  • かふぇーの話。

    家族LINEになにやらオシャレげな画像が来たと思ったらねえねえこのカフェ行った?続いてイモートのメッセージが入った。見ればうちの近所だが、お店に疎い私(→ぐるめの話。)はもちろん知らなーい 流行ってんの?気のない返事をしたら知らないの?インスタ上がってるよ!チッ、またインスタか。あんなもんのせいで、地元を離れて30年、首都圏住まいのイモートが、私より私の近所に詳しくなるのだ。わが街は基本、ただのイナカ...

  • ぐるめの話。

    お花見ランチに行きましょう、ということになった。グループLINEで日時を決めたら、場所の打合せ。ピッツェリアナントカはどう?いいわね~ ランチはピザ食べ放題だしちょっと見てみたら 予約いっぱいみたい残念!じゃあドコソコカフェは?テーブルが小さいしちょっとうるさくない?あそこはビストロカントカに元いたシェフがオープンしたのよねデザートはおいしいけど…談論風発、しかし私は一言もさしはさめなかった。なにしろ...

  • こふんの話。

    週末バスが混んでた、と同僚のムラカミさんが言う。お宅はたしか、近郊の閑静な住宅地で、混雑する印象はない。なんで…あ お花見ですか?ちがうちがう アレよ…デスクにボールペンを置くと、手をクネクネ動かして見せたのでアレ?…ああ!アレ! 察しの悪い私もさすがに気がついた。ムラカミさんのおうち周辺はこんな感じ↓のよく整備された新興住宅地で、広い公園もある。その公園の一角にあるのがそう、ちかごろ注目を集めた古墳...

  • みやびな話。

    今日は週に1度の生協の配送日。届いた品物は、すぐに冷蔵庫には入れず、マットの上に並べて明細と突合する。ごくたまに足りなかったり、頼んでないものが入ったりすることもあるので、念のためだ。プリントしたお届け明細を声に出して読んでいると絹豆腐…低脂肪乳…プチトマト…あれ?鶏のモモ肉…カボチャ半分…なぜだろう、優雅な気分だ。にら…もやし…チクワ…厚揚げ…ヨーグルト…これは…温泉玉子…ささがきゴボウ…アレだな。さあ皆さ...

  • はなどき話。

    あちこちで、遅い花の便り。はやく換えなきゃ、と思いつつ、つい無精して冬物の寝具で寝てしまった日の明け方、長い夢で目を覚ました。私は、修学旅行で宿にいる。なにしろ夢だから、自分が生徒だか先生だか、どこの場所なのかもわからない。とにかく出発時刻が迫っていて、荷造りしなければならないのに、なぜか部屋はがらんどうで私の荷物はどこ?焦って探し回るとカギのかかった部屋の前に出た。カギがかかっていて入れないのに...

  • いつわる話。

    思いつきで参加した、地元のバスツアー(→つあーの話。)。車内を見回せば、3、4人連れのお友達同士が多いが、ぽつぽつとひとり旅らしき人もいた。午前中は古墳巡り。スマホ手に手に賑やかに写真を撮り合うグループ客のあいだを、ひとり客はそれぞれ、フワフワと漂うように回遊している。私もまた、人だかりを避け、見たいところだけ見て楽しんだ。やがて集合時間、再びバスに乗り込んで、昼食場所へ。団体客向けの広い会場には...

  • つあーの話。

    花どきの混みあう駅前通りを走りながら…その昔 タケミカヅチノミコトという神様が 白い鹿に乗り…観光客に混じって、聞いたことのある話を聞いているのは…ただいまバスは たくさんの鹿が群れ遊ぶ公園に さしかかってまいりました…定員いっぱいの観光バスの中である。そもそもは、不意の思いつきだった。地元の観光地が、朝のテレビで紹介されるのを見てそこも…ここも…行ったことないな…いつか行きたいと思いつつ、先延ばしにし...

  • うすめる話。

    毎日書いてスゴイね、とたまに言われるが、針小棒大を旨とするわがブログの、内容はいたって希薄である。ただでさえ書くとダラダラ長くなる質であるから、うっかり大きなテーマなど扱ったら、何万枚になるか分からない。他の方がわざわざ書かない、些細なことばかり書いているとこんなつまんないことだけでいいのだろうか…時には反省するが、さりとてミッチリ重厚な記事を、いきなり書こうたって無理なのだ。よそ様の内容豊富な記...

  • おとくな話。

    このところ、冷蔵庫を開けるたびどうしようかなァ…ついついヒトリゴト。原因は、扉にマグネットでとめてある市民だよりである。物価高騰に直面する市民の家計を支援するため生活応援プレミアム付商品券を発行します!1万円で、1万3千円分の商品券が買えて、指定の商店で利用できる、こういう商品券は、以前にも何度か発売された(→ぷれみあ話。)。ひねくれているわりに素直なところのある私はなるほど おトクなのネ…そのたび...

  • どうぶつ話。

    パソコンを開けたら、画面下の検索バーにアヤシイやつがいた。水に浸かっているところを見ると、カバだろうか?カーソルを載せたらカピバラ文字が浮かんだので、なるほど、と納得した。この場所には時々動物が登場するので、以前からちょっと注目している(→ぺんぎん話。)。犬だな、とハッキリわかるものや何だコレ?猿?と、やや不安になるもの、いろいろあって、どうも同じ画伯の作品らしい。なにしろ実寸6ミリ×12ミリほどの...

  • おともれ話。

    夕方の電車、ロングシートに空きを見つけて、なんとか腰を下ろす。雨で濡れた足元が、暖房でポカポカとあったまるにつれて、眠気がさしてきた。いつの間にウトウト眠ってしまったのだろう。…ボン…ボン……ボボボン…ボン…おかしな音にハッと目を覚ました。…ボンボン……ボンボン…ボン…見回すと、不気味な重低音の張本人は、向こう端に座っている70代くらいのオジサンと知れた。若い人が使うイヤフォンではなく、語学学習用みたいな小...

  • あつまる話。

    職場で旅行のお土産をもらった。信州の名刹の門前に店を構える有名な七味屋のものだ。七味は使うかどうかわからないからさ…七味そのものではなく、唐辛子味の柿の種をくださったのだが、うちではもうせんからこの七味を使っているので、詰替え用が欲しかった!というのが正直なところだ。いやいや、いただき物に文句を言ってはバチが当たる。有難くいただいてうちに帰り、しまっておこうと食品庫を開けたらあっ!同じ七味屋のコラ...

  • くつぬぐ話。

    お弁当も食べた(→べんとう話。)ことだし、あとは到着まで特急料金のぶんゆったり過ごそう。後ろの席を確認してから椅子を倒し、足元を見るとあ、フットレストがあるフットレストを使うとふくらはぎがむくまないので楽だ。喜んで足を載せようとしたとき、注意書があるのに気づいた。靴を脱いでご利用くださいはア?ところかまわず靴を脱ぐ習慣にはかねがね苦々しく思っていた。長時間のフライトでスリッパに履き替えるのは仕方な...

  • べんとう話。

    移動先の予定を考えて、特急車内で食事を済ませてしまうことにした。スルドイ視線を売店に投げてこれだ!選んだのはトルコライス風弁当なる代物。この清々しいほどの不健康さ。見るだけで血糖値とコレステロール値が上がりそうだ。図解すると具らしい具も無いケチャップスパゲティ―とカレーピラフは、ほぼ炭水化物。野菜的な要素は、申し訳程度のコーンとポテサラ、ビニールのバランの緑色でごまかしている。ふだんは自分で作った...

  • やっぱり話。

    今日は実家。点けっぱなしのテレビから流れるワイドショーは、通訳某の話題で持ち切りだ。6億8千万だって!人のお金で 大それたことを…ダイソレタなんて言葉、久しぶりに聞いた。世のババア連中の例にもれず、老母もオオタニ贔屓である(→おおたに話。)。だいたいあの男 前から気にくわなかったのよ!そういえば、たしかにそうだった。いつぞや、今と同じようにテレビを見ていて何あの人…金魚のフンみたいについて回って…お気...

  • みらーの話。

    気持のいい晴れの日、私は目的地に向かって張り切って歩を進めていた。今日という今日はアレを確認するのだ。花どきには早く、観光客もチラホラの歩道を歩けばあった!アレだ!スマートフォンを構える自分の姿が映り込まないよう、角度を変える。通りに面した家のガレージに、白い車が停めてあるのが、うっすら映り込んだこのミラー。おそらくこの家の住民の便利のため、設置したものと思われるがやっぱり!街路樹に直接ネジでぶっ...

  • つながる話。

    今日はお彼岸のお墓参り。国際的観光地であるわが街では、暦次第で道路が大変混むので、天気予報ともにらめっこしつつ、日程を決めた。昨年までは、祥月命日にも墓参していたが、今年は命日あたりに寒波が襲来、高齢の母を丘の上の霊園まで連れていくのもためらわれてもうお彼岸だけでいいんじゃない?私から提案したのである。父の命日と、お彼岸は20日しか離れていない。没後10年を経過し、昨年はついに妻子2人して命日を間...

  • でんたく話。

    …カチャカチャカチャカチャ…先日、実家で確定申告の集計をやっていたらずいぶん物持ちがいいわねエ…お茶を淹れてきたおばーちゃんの視線が、私の手元に注がれていたのであー、これ?使っていた電卓のことだと分かった。うちから持って行った愛機カシオ801-MR。言われてみれば、カチャカチャ鳴る電卓自体、相当古めかしい。製品番号を調べてみたら発売後50年が経過している。いくら私が物持ちがいいといっても、小学生時代の...

  • めいぶつ話。

    出張で、はじめての場所に行く。知らない街に緊張しつつ、ちょっと旅行気分だ。無事に仕事が済んだら、今日は直帰だから、何か食べて帰ろう。せっかく遠くまで来たんだから、ここでしか食べられないものを食べたい。スマートフォンで検索し…あ!ここ いいかも!駅ビルの中によさそうなのを見つけて、向かう途中にん?気になる看板が目に飛び込んできた。いやいやいや あんなの どこにでも…全国チェーンのどこにもある店…なのだ...

  • まぼろし話。

    私は方向音痴である。地図を見るには困難を極めるし、口頭で説明されて目的地に着くのはほぼ不可能だ。よくぞいっちょ前に社会人面をしているものだと思う。あの辺にあるんだよ~ムスメがおいしいカレー屋を教えてくれてもじゃあ連れてってよ~ひとりで行く気は全く無かった。ところが先週、別の用件で街を歩いていて、偶然それらしき店を見つけたのである。店名も同じだし、ムスメが見せてくれたショップカードと同じイラストが看...

  • やじうま話。

    遅くに帰宅して、ベランダの洗濯物をあわてて取り込んでいると、階下がなんだか騒がしい。ヒョイと見下ろしたら、エントランスにやけにハデなクルマが停まっていた。離れたところでサイレンを止めてきたのか、それとは気づかなかったが救急車だ。ライトグレーの制服の救急隊員がバラバラと降りてきて、勢いよくストレッチャーを押していく。テキパキしてるなア…当たり前のことに感心していると、残された救急車の傍に、数人の住民...

  • きょうりゅう話。

    恐竜が動き出す?特撮映画さながらの大パニックかと思いきや…北陸新幹線の延伸を控え 駅周辺では 恐竜のロボットが動き始めました…なあんだ、ロボットか…この辺りは恐竜の化石がいっぱい見つかる自称・恐竜王国。王国というからには王がいるはずなのに、そこに触れる人はいない。…モニュメントやロボットは全部で22体あり 訪れた人は 恐竜だらけの駅に…20年ほど前、恐竜博物館ができた当座は、もうちょっと遠慮がちだった...

  • いくせい話。

    家にいる時は前髪が垂れないよう、ヘアーバンドをする。オシャレではなく、意味合いとしてはハチマキだ(→はちまき話。)。無いと困る必需品なので、いくつか持っているが、ゆるすぎてずれるのあり、逆にきつくていつの間にか外してしまうものあり。単なる布の輪っかなのに、なかなかシックリするのがなくて、気がつくと同じ黒のヘアーバンドばかり使っている。数ある中で、いわば1軍のエースピッチャーであり、プリマドンナ的存...

  • たんれん話。

    反復練習とか訓練とか、そういうことが苦手な性分である。スポーツや楽器がうまくならないのも、そのせいだろう。…とまあ、そんな風に思っていたのだが。いつぞや右手を怪我したとき、左手でハサミを使って、切れないのに驚いた(→はさみの話。)。こんなことができないなんて!意外性で何かのスイッチが入ったらしい。飲み終えた牛乳パックを切り開くとき、ハサミを左手で使うようになった。うまくは切れないけれど、資源回収に出...

  • ごぼてん話。

    ふだん外食するときは、思いつきで通りがかりの店に入る。ドコソコにナントカを食べに行こう!食通の皆様のように、意気込んで出かけるということはまずない私が珍しくやって来たのは、大手チェーンのうどん屋である。うわさに聞いたごぼう天入りのうどん。かねがね福岡の、ゴボウの天ぷらをのせたうどんに憧れていた。しかし、それだけを目的に九州に出かけていくほど、家計にも日程にも余裕は無い。手っ取り早く似たものを食べよ...

  • にものの話。

    ひとり暮らしだと、作った料理が余る。簡単な煮物を作っても、食べきれずに2、3日分になり、しかも最終日には、1食分には足りないビミョーな量が残りがちである。そういうとき、よく作るのが煮物の玉子焼。煮物の具の野菜やお肉を細かく切り、煮汁もろとも玉子に混ぜて焼く。味付け要らずムダが出ず、ケチの私にうってつけの料理なのだ。今日も今日とて筑前煮が余った。ニンジンやレンコン、鶏肉にゴボウを刻んだら、煮物鉢に残...

  • まふらー話。

    母に持たされた紙袋(→おみやげ話。)は、ひなあられとお餅だけではない。帰りのバスで中を覗くと、ラップとレトルト食品類、それからマフラーなんかが入っていた。他はもらいものらしいが、マフラーはおばーちゃんが編んだものだ。この年代の主婦は、家族の衣類を手作りしたので、実家には布地や毛糸が大量にある。数年前まとまった量を地区のバザーに出し、かなり減らしたと思っていたのに、本人も忘れていた在庫が、まだまだあ...

  • もちもち話。

    今朝も家族LINEによる生存確認。何をする、どこへ行くという予定を報せ合うこともあるが朝ごはんはチーズトーストと紅茶ですうちは玉子かけごはん今日は食事の内容の話題になったので私はお餅を焼いて海苔巻にしました自分の朝ごはんを皆様にお伝えしてスマートフォンを置き、コーヒーなんか飲んでいると♪ぺぽん♪着信音が鳴ったので、画面を見た。お餅がまだあるなんて スゴイね!イモートがなぜか感心しているが、何もスゴくはな...

  • ぴかちゅう話。

    車内がバカに暖かい。冷え込んだ朝に家を出てきた乗客は、ダウンを着たり、マフラーを巻いたり、それなりの格好なので、みんな暑くて不快そうだ。ただでさえ、混雑でイライラしている。車内トラブルってこういう時に起こるのだろうな、と思いつつ周囲を見やると、3才くらいの女の子が目に入った。お母さんと並んで座席にかけ、楽しそうに絵本を眺めている。どうかこのまま、おとなしくしていておくれよ。子どもが大声を出し、誰か...

  • じょうれい話。

    ここのところ何度か名古屋に行く機会があった。なにしろ大都市であるから、通勤時間帯の地下鉄などはたいそう混むのに、不愉快を感じなかったのは、エスカレーターのマナーのおかげだと思う。コンコースを上下するエスカレーターの上、通勤客は左右両側に静かに立って乗っている。急ぐ若者が、階段を走っていく様子も爽やかだ。この地では昨秋名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例が制定された。要はエスカレータ...

  • じもとの話。

    朝のテレビで地元を特集しているのを見た。県の観光大使をやっている芸人がゲスト出演していて、VTRの感想を聞かれても、面白いくらいに何も知らない。彼の地元は鹿や大仏からは離れた市なので仕方ないとはいえ、じゃあ私は知っているかといえば、はなはだ心もとない。毎日ウロウロしている住民に限って、案外地元のことを知らないのは、観光地あるあるかもしれない。世界遺産やら、話題の人気グルメやらにはめっちゃ混んでるし…恐...

  • しっかり話。

    事務所に行くと、いつも笑顔で迎えてくれる同僚のムラカミさん、今朝はなぜか表情が冴えない。人の出入りの切れたときを狙って…どうかされました?ヒソヒソ小声で聞いてみたらハハハ…イヤだ!顔に出てた?破顔一笑されたので、少しホッとした。つまんないことよ 来る前にね…彼女のところでは、昨日が生協の配達日であった。朝になって、届いた玉子をパックから、冷蔵庫のドアポケットに移しているとき…落としちゃって…あ~ ある...

  • てぃしゅーの話。

    朝のワイドショーでティシューの節約法をやっていた。ヘエ~、なんて感心して見てるけど、じっさいやる気はない。節約しようにも、なにしろうちにはボックスティシューが無いのだ。花粉症のムスコが、大学進学で家を出たあと、買置きが切れて、それっきりである。ひとり暮らしになるまで、自分がティシューを使ってないことに、ちっとも気がつかなかった。まず、ほとんどハナミズが出ない。卓上はフキンで拭くし、指先が汚れたら洗...

  • おみやげ話。

    ひなあられ要らない?(→あられの話。)おばーちゃんに言われたとき、要らないという選択肢は無い。その時断っても、次に手渡される紙袋に、賞味期限に近づいた、くだんの品が潜んでいる。ならば新しいうちにもらってしまうほうが、なんぼかマシだ。要不要にかかわらず、買物は彼女の生きる楽しみであり、買ってしまった品物の始末をつけるのは娘である私の仕事。長年の付合いで、ようやく悟りの境地に達した。ノコノコと実家へ。...

  • あられの話。

    さて、今日はひなまつり。ちいさい内裏雛を飾って、桃のひと枝を活けてあとは…残るはひとつ、これが毎年悩みの種なのである。私のひなあられといえばこれ↓お米のポン菓子に甘いお砂糖をかけた関東のあられに対し、関西ではもち米のあられが主流。海老、あおさ、サラダ、醤油の塩味に、砂糖がけの甘いのが混じっている。中でも関西の老舗あられ店のひなあられには、いつのころからかチョコがけが入るようになって、おいしいオヤツな...

  • みなみの話。

    タダイマ…夜になって帰ってきたムスコが リビングに入ってきたと思ったらえっ…なにごと?なにやらたじろいでいる。ちょうど私はお風呂上りで顔の美容体操をしていた。アゴを引き、まぶたに力を入れて、上目を使う体操だ。目を見開くのに、オデコの筋肉でまぶたを引き上げていると、シワの原因になる。まぶたを鍛えることによって、オデコのシワを防ぐのである。久しぶりに帰った実家で、三白眼の母親に睨まれた、ムスコの当惑は察...

  • おわびの話。

    冷たい雨の予報なので、今日は家で仕事。…は~ ちょっと休憩…うーんと伸びをして立ち上がり、台所でコーヒーメーカーをセットしたあと、テレビを点けた。お昼のワイドショーは、温泉旅館を紹介していてふーん…行く気もないのについ見てしまう。コポコポ…コポ…ポポポポ…お湯が終わる音がしたので台所に行き、マグカップを手にテレビの前に戻るとん?画面の上、他の文字と重なって、テロップが浮かんでいる。先ほどの速報は誤りでし...

  • わっしゃの話。

    さて、ちょっとした買物(→とっての話。)を済ませて、さきほど家に戻った。乞うご期待!などと大げさに宣言したけれど、実のところたいしたアイデアではない。ほんの1、2ミリ、ネジ穴の位置がずれているために、取付けられない把手の金具。あたらしく穴を開け直すほどの違いではないため、逆に困っていたのだが穴を大きくすればいいのでは?当たり前といえば当たり前のことを思いついたのである。ネジ穴の径を、軸の太さより大...

  • とっての話。

    ペンチを出そうとしたら、何かがドサッと落ちてきた。袋を開けたら、中身はいわゆる建築金物、簡単に言えば把手。収納の奥に突っ込んで忘れていたのが、道具箱を動かした拍子に飛び出してきたらしい。今の家は、間取りや立地が気に入って選んだのだが、気にくわなかったのはドアのハンドルや抽斗のツマミの類が、ことごとく安物であったこと。ホームセンターに出かけて、気に入ったものを購入し、取替えられるものは取替えた、これ...

  • さんぷる話。

    表に出たら、ショボショボ細かい雨が降っていた。え~!聞いてないよ~!何をしても捗らず、パッとしない日だった。そんな日の締めくくりに、予期せぬ雨に遭うなんて、ぴったりし過ぎておかしいくらいだ。しょうがない。フードをかぶり、速足で歩きだす。若ければ走るところだが、駅までの距離を考えたら、走り通せないのは目に見えているからだ。軒先を選びながら歩いているとき、〒の看板を見つけて、郵便局に用があったのを思い...

  • かつどん話。

    連休最終日。どこへ行っても混むのは分かっていたが、そこしか日が無かったのでシブシブ出かけた。あんのじょう行く先々に人、人、人。かろうじて所期の目的を果たすとグッタリ疲れて何か 食べて帰ろっか…見回したものの、これまたあらゆる店が混んでおりええっ!こんなとこも?地元民はお金と時間の無いときにしか行かない、情けない店にまで行列ができている。仕方なく空き腹を抱えて電車に乗り、吊革にぶら下がればあー お腹...

  • くうはく話。

    今日はちょっと家で仕事。単純作業の眠気覚ましにテレビを点けっぱなしにしておいたら、音楽番組が始まった。知ってる歌には鼻歌を合わせつつ、調子よく進めていたが、知らない歌も多い。メロディーや歌詞のみならず、歌手ご本人にも誰?!全然知らない人がいるのは不思議だ。一世を風靡した曲だからこその紹介なのに、なぜ知らないのか、と思ったら、共通点があった。だいたい30年前と、25年前、その辺りの流行の知識が、ぽっ...

  • つなまよ話。

    土曜の朝はチコちゃん……の続きで、テレビを点けっぱなしにしていたら、カネオくんの番組が始まった。今日のテーマはおにぎりである。消費者のお米離れが叫ばれて久しいが、おにぎり市場は例外的に活況を呈しているとのこと。今でこそ、外での昼食に便利に利用するけれどおにぎりを お金を出して買うなんて…コンビニおにぎりに接したときのショックはけっこう大きかった。同じくらい驚いたのはツナマヨおにぎりの出現である。おっ...

  • ふじやま話。

    富士山にはあまり縁がない。東京に住んで、実家の関西とのあいだを新幹線で往来していたころも、天気が悪かったり、疲れて寝ていたり、車窓から見た記憶はサッパリだ。どうしても見たければ、山梨なり静岡なり、見えるところに行けばいいのに、行かないのだから、そもそも熱意が足りないのだろうとは思う。そのくせ、他の人が富士山を見たと聞けばいいなァ~…指をくわえるのだから勝手なものだ。先日、家で仕事をしていたら♪ぴんぽ...

  • さんぴの話。

    昨年末から食洗機の購入に迷っていたことは、ここにも書いた(→しょくせん話。)。とはいえ、怖がりで何事にも及び腰の私は、新技術の導入についても非常に慎重である。欲しい…なア… 欲しい…かなア…?食器洗いは私にとって、しないで済むならしたくない、キライな家事。還暦過ぎて もう嫌なことやりたくないよねそう思う反面今より忙しいときも 手で洗ってたんだしなどとも考える。小型の商品もあって、まるで手が届かないわけ...

  • こちこち話。

    お風呂に熱いお湯を張って、ゆっくり浸かる。長かった1日の疲れがほどけていく時間。入るとき、身体にかけたお湯が、排水口に流れる水音もやがて切れて、すっかり静かになると…こち こち こち こち …ちいさく聞こえてくるのは、秒針の音だ。脱衣所にある時計の音が聞こえてくるらしい。洗ったり流したり、ザーザー水音をさせているときは気にならないが…こち こち こち こち …浴槽に浸かってジッとしていると聞こえてくる...

  • ほけみの話。

    朝のテレビのホームセンター特集を見ていてそうだ ネジと刷毛が要るんだった…思い出したので、行動予定を書く裏紙のメモにホムセン行く走り書きした。「ホームセンター」では、2つある音引がまだるっこしい(→おんびき話。)からだ。ただし、略すのはこんなメモの上だけで、口に出して言ったことはない。話すときはこれ ホームセンターで買ったんですよちゃんと言っている。書くけど言わない、似た感じの略語にホケミというのが...

  • 1200話。

    頭がモサモサしてきたので、散髪に寄る。新型ウィルスの騒動をきっかけに、通い始めた千円カット(→かっとの話。)。最初は文字通り1000円だったのが1100円になり、今は1200円。看板に偽りありと思いきや、じっさい看板にはそんなこと、ひとっことも書かれていない。千円カット呼ばわりは、こっちの勝手なのだ。やむなく券売機に1200円を投入してチケットを買い、受付表に記入して待っていたらお待たせいたしまし...

  • かーどの話。

    ずいぶん前だが、見るものがなくて、教育テレビの俳句講座をつけっぱなしにしていた。投稿された視聴者の句に、ステキなのがあった。春の雨の中、傘を差さず小走りで郵便受に行くと、遠い人からの手紙雨が一粒、宛名の上に落ちて、万年筆の懐かしい筆跡が、少しにじむ…という情景を描いたものだ。ところが肝心の句がどうであったのか、全然思い出せない。それでは、と再構成を試みたものの、これだけの内容を17文字で表すのは、...

  • あまんど話。

    昨夜は疲れていて郵便受を見なかったので、朝食を済ませてから、郵便物をとってきた。パッと色鮮やかなハガキが1枚。お花見のお誘いであるが、珍しいのは桜ではなく、アーモンドのお花見であること。(→東洋ナッツアーモンドフェスティバル2024)ピーナツなど、ナッツの加工をする工場の庭に、日本ではあまり見られないアーモンドがたくさん植わっており、春になるとみごとに花を咲かせる。花の時期に限って、工場の敷地を開...

  • ひりつの話。

    びしょびしょ降る雨の日。温かいものが飲みたくなって、駅前の喫茶店に飛び込んだ。人気のチェーン店だけれど、こんな日は人通りが少ないのか、店内は空いている。お好きな席にどうぞ~声に押されて、4人掛の真紅のシートにフカフカと納まり、甘いデザートの写真に心惹かれつつ、メニューのページを繰る。ブレンド、アメリカン、カフェオレとミルクコーヒー…カフェオレとミルクコーヒー?(カフェオレ 560円)(ミルクコーヒ...

  • いれかえ話。

    節分が過ぎたら、晴れた日を選んでお雛様を出す。小さな内裏雛だから、緋毛氈を敷き、金屏風を立ててお人形を並べればおしまいである。一歩下がって腰に手を当てふむ…飾り具合に満足して振り向くと、リビングのまんなかで、薄汚れた箱が日差しを浴びていた。お雛様を納めていたボール紙の箱だ。ムスメが生まれて30年、毎年出し入れを繰り返し、幾度もの引越を経て、すっかり古びている。よく見ると、厚紙が痩せて、角もつぶれて...

  • ちじんの話。

    実家の仏壇にチョコレートを供えに行く。父が生きていた頃は、ヴァレンタインデーだからといって、チョコをやったりしなかった。誕生日とか記念日とか、何をあげてもいい顔しない人だったから遠慮したが、亡くなってしまえばこっちのものである。父のムッとした顔を想像しながらチョコを置き、チーン!と鳴らして手を合わせる。茶の間に戻ったら、老母は頬杖ついてテレビを見ていた。淹れてあったお茶をすすりながら画面に目をやる...

  • はつめい話。

    ひとり鍋の夜、ふと思った。豆腐を発明した人ってスゴくないか。大豆は炒っても、茹でても、煮ても、そのままで十分おいしい。それをわざわざ水に浸けてすりつぶし、汁を絞る。お腹に溜まりそうなオカラのほうを取り除き、あえて汁のほうに塩化マグネシウムなど混ぜて四角くかためるなんて、どうかしてる。豆の原形を全くとどめない、徹底した加工っぷりは、ある意味異常と言ってもいい。もっとすごいのはコンニャクだ。コンニャク...

  • やすみの話。

    ♪ぷるる… ぷるる…部屋に帰ったら、ちょうど電話が鳴っていた。あわててクツを蹴って脱ぎ、リビングに飛び込んで受話器を上げるとモシモシ~?久しぶりの友の、懐かしい声。ゴメンゴメン ちょうどゴミ出しに…近々会う約束について、打合わせの電話だ。会おうね、というところまではLINEで済ませても、実際会うとなればつい、電話をしたくなるのが我々世代である。無事、集合時間と場所が決まったあとそういえばさ~ 祝日なのに収...

  • にがつの話。

    某日某所、問合せの電話をする。期限が近い、と焦っていたのが伝わったのか大丈夫ですよ 28日までで…ちょっぴり笑いを含んだ、優しいお返事をいただいた。なあんだ、今週中じゃなくて今月中だったのか。ひとまずホッとして、アレコレ話したあとでは今月中ということで…あ、ハイ 28日まででお願いします電話を切ろうとしたとき、ふともう1つ、確認しておきたい用件を思い出した。あ、そうだ ナニナニの件なんですけど…また...

  • ふほうの話。

    昨夜、世界的指揮者の訃報が流れた。世界の各地で、街行く人たちにマイクが向けられ突然のことで…残念ですファンでした とても悲しいですまるで予め準備していたみたいなコメントを、スラスラ述べるのが映る。会ったことのない人が亡くなったと聞いて、驚くことはあっても、悲しいと感じたことのない私は、人として欠けているのではと思ったりする。続いて画面に映るのは、在りし日の雄姿。短い映像でも、指揮棒を手にした壇上の...

  • がちゃぽん話。

    ひさびさに一杯機嫌の(→おはしの話。)帰り道、ぶらぶら歩いていたら、いつもなら行かない店に目がとまった。いわゆるガチャポン、カプセルトイの機械ばかりが、ずらっと並んだ店だ。昔から私は、酔っぱらうと散財する癖がある。たまには見ておかないとね 視察視察…いちおう内心言い訳しつつ、フラフラと入り込み、機械の正面のカラフルな商品写真にハハハ…面白い…へえ~ こんなもんがガチャガチャで…いつの間にか財布を出して...

  • おはしの話。

    出先で遅くなったので、夕飯は定食屋で済ませることにした。メニューを見たら中ジョッキ350円だったので、ご飯を止しておかずを単品にする。…むむむむ…んまい!バイトの子を驚かせてしまうので、大声で思うだけにした。なんとかいう期間限定の鶏肉のオカズもおいしくて、ビールが進む。しばし無心に箸を動かして、2杯めが空になるころ、ふと違和感を覚えた。????原因は手元の箸。なんか…長さが違う?なにしろかけつけ2杯...

  • あいすの話。

    生協で冷凍食品を頼むと、発泡スチロールの保冷箱の中にドライアイスがのっかっている。商品を取り出して、箱に残しておくと、空気になって消えてしまう。凍っているけど水にならない、ドライなアイスってホントだな、と思ったりする。子供が小さい頃は、わざわざ部屋に持って入って、水に入れて遊ばせた。ブクブク音をたてながら、洗面器のフチを超えて流れ出る白い煙に、キャーキャー喜んでいた子供も、すぐに大きくなる。ドライ...

  • あじつけ話。

    さあお昼休み。今日はコンビニおにぎりだ。パリパリとフィルムを剥いで、中身を手に取ると、おや?このベタベタの手触り…ハッ!不覚とったり!味付海苔ではないか。ケンミンがどうとかいう番組では、関西は味付海苔、と決めつけられたが、もちろん全ての家庭がそうではない。うちの母のおにぎりはずっと焼海苔だった。のみならず、わが家で海苔といえば焼海苔で、ご飯に巻くのも焼海苔に醤油。贈答品の詰合せで味付海苔がくること...

  • たまごの話。

    朝いちばん、スマートフォンを開けると、届いている通知。今日は煮卵の日ですはア~ いろんな日があるもんだねエ…ふだんいちいち目をとめたりはしないのに、今日に限って気になったのは卵という漢字である。教科書的に間違っていないことは分かっているのだが、こう書かれると食べる気がしない。生物学の用語としてなら問題ない。池の中のカエルの卵とか、葉っぱの裏にびっしりついた虫の卵とか。卵という字は、卵細胞とか受精卵...

  • まめくう話。

    無頭のイワシで失意の節分(→いわしの話。)から一夜明けて、さっそく直面するのはこの、福豆の残りをどう食べるか問題である。ネット検索をしてみると、お菓子に煮物、炊き込みご飯、実に様々なレシピが紹介されているが、共通するのはそのまま食べるよりめんどくさいという点である。そりゃまあ当然だ。しかし、余り物を食べるために、余計な材料や時間が必要になるのは、ケチで貧乏性の私には耐えがたい苦痛である。いろいろ試...

  • いわしの話。

    昨今の流行に反して、恵方巻とやらは決して食べないと決めている(→うちそと話。)が、豆まきはマジメにやっている。イワシを焼き、食べたあとの頭をヒイラギに刺して飾る鬼やらいも、粛々と行う。うちの近所のスーパーでは、お魚売場にヒイラギの小枝が山積みされご自由におとりください親切な貼り紙がある。おそらく、大手資本のスーパーでは見られない地方色だろう。ところが今年、私は致命的なミスを犯した。今年はなぜか、い...

  • ねあげの話。

    バスの運賃が、今日から上がる。いつも乗る区間は220円だったのが、30円アップの250円だ。わずかの差に見えても、行って帰って500円。2往復で千円ともなると、いささかギョッとしてしまう。値上げがケシカランと言いたいわけではない。燃料価格に人件費、諸式高騰の折柄、それを反映するのは、正当なことと頭では分かっている。しかしなァ…貧乏は理性に勝るのである。カードに定額をチャージしているバス代は、値上げ...

  • にがおの話。

    今年のお正月は、姪っ子に会えなかった。以前はイモート夫婦ともども、盆や正月には揃って帰省してきていたが、大学進学を機に、ひとり暮らしを始めたメイちゃん。お正月には両親の待つ家に帰ったのだ。そうだよな~ あの子の実家はおばーちゃんの家じゃなく イモートの家なんだ当たり前のことにやっと気づいてアンタも実家の母になったのね~イモートを冷やかしてやった。姪っ子の顔を見られないのは寂しいなと思っていたとき、...

  • めいわく話。

    画面いっぱいに、眉を寄せたおばあさんの顔が映ったと思うと子供には迷惑かけたくない…葬式代くらいは準備したい…タメイキまじりの頼りない声が流れてそんなあなたにピッタリのプラン!今すぐお電話 0120…よく見る保険会社のCMである。これに限らず、年寄りが子供には迷惑かけないようにお題目のように唱えているのをよく耳にする。人生百年時代と言われだして久しく、老後の生き方は誰しも考えるところだ。しかし、トシをと...

  • おかしの話。

    最近のお菓子は個包装になっていることが多い。ビスケットやクッキーは、紙箱の中に2、3枚ずつの小袋に分けてあったりする。外装を開けるとすぐドバッと中身が出てくるのは、ポテトチップやおかきくらいか。(↑直接ドバッとの例)包装過剰な気もしつつ、やっぱりいちどに食べきれないので、個包装はありがたい。残ったお菓子は、乾燥材を入れた大きな缶に移す。もともとの外装は捨てるわけだが、彩り鮮やかな箱や大袋をゴミにす...

  • こころの話。

    昔はなかったけど、今は当たり前のように聞く言い方に「心が折れる」というのがある。ノンキに見える私でも、このトシにもなれば、それなりに苦しい思いはしてきたつもりだが、心が折れそう…もしくはもうダメ、心が折れてしまったわ…のように思ったことは、たぶん一度もない。そもそも、折れるという表現がヘンだ。折れるものは一般に、棒のように細長い形状をしている。それでは、心は棒状なのであろうか。心だからハート型よ♥年...

  • たいそう話。

    健康のため(→にわりの話。)といえば、ときどきストレッチをしたりもする。健康つまり生死の問題だから、大マジメだ。マジメにやっているのだが、しかしストレッチというやつは地味で退屈である。フトンの上であちこち伸ばしながら昔は美容体操なんて言ったな…ふと退屈まぎれに思い出した。マンガやドラマで、きれいなお姉さんが家で過ごすシーンには、かならずやっていた美容体操。とくに足を中空に浮かして自転車を漕ぐように動...

  • にわりの話。

    事務所の昼休み。ひょんなことから健康談議になった。平均年齢やや高めの職場なので、当然といえば当然である。あのサプリが、この体操がと言い合ううちこのトシになったらね!やけに語気強く、言い出した人が健康のために 収入の2割は使わなきゃ!キッパリと言い切った。2割の根拠が何なのか、何を以て健康のための費用とするのか、うっかり聞きそびれたが、彼女の口調があまりにもキッパリしていたので収入の2割は健康のため...

  • まるかく話。

    昔、幾何の授業で円を扱うとき、黒板にフリーハンドで描いて見せる先生がいらした。肩を支点に大きく腕を回し、ひと息で描き上げると、なぜか得意げな表情。生徒のほうはどう反応していいか、薄ら笑い。よく気のつく子がいるクラスでは、パラパラと拍手が起こったりする。私はこういう時、ムダに反感を抱く少女でマル描いて何がえらいねんひとりムッとしていた。サノ先生はマルを描くのは苦手らしく、幾何の授業ではでっかいコンパ...

  • ゆめみの話。

    昨日は疲れて、帰ってすぐ寝てしまった。お風呂にも入らず、寒さですくめた肩が凝ったまま寝たものだから、夢見が悪い。なんだか悲しい、つらい夢だった。布団の中で目を閉じて、夢の記憶をたどると誰か 迷子になったような…夢の中でムスメか、ムスコか、どっちかが迷子になっていた気がする。子供はどっちも成人し、最後に迷子にしたのは、もう20年以上前のことだけれどいない…ハッと気づいたときの、胸の底が冷たくなるような...

  • ずずずず話。

    身の周りに風邪っぴきが増えてきた。電車やバスの移動中も、誰かのセキやクシャミが聞こえないことはない。早めに休んだ方がいいよ もう帰ったら?親しい人なら助言できるが、電車で乗り合わしたくらいでそうは言えない。それにしても、セキやクシャミの出る人に限って、マスクをしてないのはどういうことか。はなはだしきは、直前までかけていたマスクをハークション!クシャミの瞬間に外す輩もいる。ほうほうのていで電車を降り...

  • かれーの話。

    …だったのよ~テレビで見た店で買物した(→どこいこ話。)と、お昼休みに話しているとアレありました?あのカレー?同じ番組を見ているミヨシさんが言う。美味しそうだったんですよね~ 今度あそこを通ったら ぜったい買おうって思ってて…番組で出演者が買っていたレトルトカレーのことである。あったあった アタシは買わなかったけど…じつはこのごろ、カレールウを使ったカレーやレトルトカレーを食べると、その時おいしくても...

  • どこいこ話。

    出先での仕事のあと、メンバーのひとりと、なんとなく流れでお茶を飲むことになった。あんまり話したことのない人だがお疲れさまでした~ お腹減りましたね軽い挨拶のつもりでそう言ったらホントですね じゃあお茶でも…予想外の反応がかえってきたのだ。駅ビルの中の無難な喫茶店で、お茶とケーキをはさんで向かい合ったものの、あんのじょうというかなんというか、話が弾まない。相手もどうやら同感のようで、そそくさと飲むも...

  • あるかぬ話。

    どこに行っても混雑、行列の日。観光客でいっぱいの駅構内をやっとこさで抜けて、ホームへの長いエスカレーターに乗った。ホームにまもなく到着のアナウンスが聞こえて、タタタと駆け下りたいところだが歩かず立ち止ってご利用くださいこのごろ増えてきた表示が、私の足を止める。前にいるのは、スーツケースを持った、大柄な外国人観光客の男性。荷物を足元に、ゆったり運ばれていく背中にそうだよね 急いでも 誰が待つじゃなし...

  • もくげき話。

    帰りがすっかり遅くなった。年も明けてずいぶん日は長くなったものの、この時間になるともう真っ暗だ。住宅地の中を通る帰り道に人けは無く、地面は夕方までの雨で濡れている。いつものように石段のある公園を突っ切ろうとしたが、ふと思い直し、踵を返した。少し遠回りの別の道をとりながらありゃダメだ 目撃者がいない…自分の頭に浮かんだことに、自分で驚く。つまり、雨に濡れた石段から、滑って落っこちて打ち所が悪ければ、...

  • じまくの話。

    老母とふたり、ニュースを見ても気が滅入る一方なので、チャンネルを再放送のサスペンスドラマに変えた。コレ誰?え~?帽子の人? ダレソレじゃないの…俳優の名前を言うとちがうちがう 探偵?容疑者?あーそっちか えっと容疑者の恋人?まったく揃いも揃って、何をどう見ているのか。しかも、おばーちゃんは常時字幕をオンにしており、感興を削ぐことはなはだしい。一般に字幕といえばこういうものだがテレビの字幕機能を使う...

  • きおくの話。

    マイド~!いつもの挨拶をしながら、実家の勝手口を入る。茶の間に上がると、おばーちゃんは眉をひそめてテレビに見入っていた。能登の震災の映像だ。いつもはテレビを肴に、後生楽に言い合いする私たち親子も、さすがに言葉を失って、一緒に画面を見つめる。ニュース番組が終わって、どちらからともなく2人タメイキをつき怖いねエ…怖かったねエ…それだけ言って、しばらく黙った。母はなんとなく身の回りを見回していたが、ふとあ...

  • かーどの話。

    今日はおばーちゃんの通院に随行。病院までは私鉄を乗り換え、降りたらタクシー、総計1時間強の行程である。ここ数年、通い慣れたる道のりではあるが、毎度毎度イラッとするのは改札前のマゴマゴ。母も私も交通系ICカードを持っているので、いちいち切符を買う手間はない。カードを出して自動改札機にピッと当てるだけなのに、そのカードが出てこないのだ。えーッと… どこだったかな…改札の前まで来てあれ?無い…無い…カバンの中...

  • ウラムケ本。

    読む本が無くなったので、図書館に行こう。そう決めて出かける寸前に、今日は月曜、休館日と気づいた。あーあ…ガッカリしたものの、今はインターネットという便利なものがある。図書館のサイトに入って、次に借りる本を検索しよう。うちの市の図書館では、検索するとこんな風に蔵書を見ることができタイトルや著者名、ページ数などの書誌情報の他に、大まかな内容や、表紙も見られる。本がそこに無くても、表紙を見ると、読んでみ...

  • だんごの話。

    今年届いた年賀状を見ていたら、電話番号が書いてある1枚に目がとまった。わざわざ手書きした数字に、久しぶりにお話ししましょうよ、と言うミツコさんの笑顔が浮かび、気がついたら電話を手に取っていた。♪ぷるるる…直接話すのは何年ぶりだろう、ちょっとドキドキしていると…ハイ もしもし?電話の向こうで懐かしい声が響く。彼女とはいわゆるママ友だが、子供同士はさほど親しくなく、母親同士ふつうの友だちになった。その後...

  • AMPM話。

    トシとともに早寝早起きが嵩じてきた。眠くなったら寝る、では真っ暗なうちに目が覚めてしまうので、なるべく頑張って起きていても、11時が限度である。ところが、若いヤツらは宵っ張りで、LINEを寄越すのも真夜中ばかり。私は朝起きて連絡に気づくことになる。ある時ムスコから明後日ちょっと帰る報せてきたので、メッセージの時間を見ると、夜中の2時。つまりこれは今朝だから、明後日は明後日だな、と思っていたら…タダイマ...

  • れじめの話。

    ウーン…デスクに向かって私は朝から難渋していた。じつは来週、聴衆を前にちょっとしたお話をすることになったのだがレジメを作ってください先方から言われたのである。いやいや…レジメなんて たいした話じゃありませんし…だいいち、言いたいことを紙に書いてしまったら、言うことが無くなるではないか。しかし相手は、慣例ですから、簡単でいいですからと、レジメ作れの一言を譲らない。しかたなく、ペーパー1枚にテキトーにま...

  • いやほん話。

    帰りの私鉄急行はほどほどの混み具合。疲れていたけれど、立っていた前の席が空いたので、ホッとして腰かけた。隣席は、どっかり股を開いた若い男。私がぶら下がるように吊革につかまっていたときから、目をつぶり、ヒザをビンボゆすりのように小刻みに動かしている。イヤホンから流れる音楽に聞き入っているらしい。耳から冷凍うどんの切れっぱしのような、例のアレが出ている。次の停車まで30分弱、このガクガクと付き合うのか...

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