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寄せ木細工〜雲剣 題雲・陽光の君 https://ungomu09.blog.fc2.com/

『太陽を抱く月』原作本の二次小説。 主人公は雲剣 題雲と陽明君。 ただ今、Blog整理中。

ジェウンの過去に遡ったお話と 陽明君を主人公にしたお話を 書いております どうぞお気軽にご覧下さいね♪ ただ今、Blog整理中。

小説ブログ / 韓ドラ二次小説

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玻璃 hari(あさひ改め)
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2013/07/19

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  • 春の宵[13] 龍眼茶

    ジェウンは白い手を優しく握ると並んで歩き始めるファヨンが見上げて微笑むとジェウンは穏やかな目で頷くいくつかの角を曲がり建物内に入るうちとある部屋に案内された足を踏み入れると、部屋には豪華な調度品が並んでいる勧められるまま屏風の前にあるポリョ(左右に肘掛と背もたれのある座席)に腰を下ろしたジェウン実母や朴氏夫人以外の女人の部屋に入るのは初めてのことだいつもはファヨンが座っている席であることにようやく...

  • 春の宵[12] 夜風

    胸にファヨンのぬくもりを感じジェウンは両腕にそっと力を込める春とはいえ夜風はまだ冷たく、ファヨンをその冷気から守りたかった僅かな隙間から入る夜風すら防ぎたくて高い背を屈め覆うように抱きしめるつと顔を上げると間近にジェウンの顔がある満ち足りた表情(かお)を見るとなぜかしら悔しいそういえば、名を呼ばれただけで後は何の言葉も掛けられていないファヨンはジェウンをほんの少しだけ憎らしく思う「寒くはないか?春と...

  • 春の宵[11] 桜

    やはり揶揄われていたのだ若様が私を慕って下さるなど有り得ぬこと妓楼へ来るのも嫌な若様が今日いらっしゃるのは私に逢いたいからなどと思うなんて自惚れだったのだわあの、桜の髪飾りも……?ハッとしたファヨンの眼は大きく見開かれ急く心のまま、駈け出していく遠くへ歩み去るジェウンの後を追うために背後から足音が聞こえてきたジェウンは何事かと振り返る目に入ったのはこちらへと駆け寄るファヨンの姿ジェウンが立ち止ると、...

  • 春の宵[10] 溝

    桜の花の舞い散る中で佇む姿はどこか寂しげだが、今、見るジェウンの姿は胸に迫るものがある佇むジェウンに声を掛けようとして、ファヨンは口ごもる『妓生は人ではない』という言葉が耳にこだまするあの時、できたことが今はできない何と声を掛けていいのかさえ分からずにいる今まで妓生として誇りを持って生きてきたヨンハの言葉を信じていない訳でもなかったジェウンの前で妓生であることが、厭われる妓生という立場を初めて、哀...

  • 春の宵[9] 手心

    「メヒャン。お前に見せたいものがあるのさ。」あの店で適当に選んで買った簪を袖口から取り出して見せるメヒャンは翠玉を真珠と金細工が飾る簪の豪華さに目を見張った「嬉しいわ!ありがとう、ヨリム様!」そう言って首に抱きつこうとするメヒャンを俺は扇子で制す「おっと!見せるとは言ったが、お前にやるとは、まだ言ってないぞ。」「もう…ヨリム様ったら意地悪なんだから。」ふくれるメヒャンの肩を笑いながら抱き寄せ「一番...

  • 春の宵[8] 違わぬ心

    ゆったりと肘掛けに寄り掛かると正面に座るファヨンを見ながら手元の扇子をパチン、パチンと打ち鳴らす「すまない、ファヨン。いつもはあんな奴ではないんだが…」「いいえ。お気になさらずに。あの方は本当のことを仰っただけですわ。」扇子を打っていた手が止まり、その目が光る 「本当のこと…?」「妓生は七賤のひとつ。人ではありませんもの。」とぼけた口調で、ゆっくりと探っていく「俺には一度会ったと聞こえたがなぁ~アイ...

  • 春の宵[7] 願い

    気付くと、あの桜の樹がある場所に足が向かっていたあの人の足取りに合わせ歩いたせいか 離れた場所に思っていたが 急ぎ歩いた為か思いの外に早く辿り着く まだ桜の花は残っており、 ひらひらと散っては 辺り一面を薄紅色に染めあげていた 自嘲がこみあげてくる  たった一度通りすがりに出会った 若造のことなど覚えておらずとも当然のこと  再び同じ時を過ごしたいと思い、会いた...

  • 春の宵[6] 叶わぬ場所

    半ば脅され向かった先に見えるのは、あの妓楼行きたくても行くことが叶わぬ場所と分かって連れてきてくれたのか妓楼に行く伝手などない自分にはありがたいことだった少し押しが強くお節介だが、いい先輩だこの妓楼でも上客らしく丁重にもてなされている先輩をしり目に再び会えるかと期待する財力では羽林衛の中で敵う者などない先輩は離れ(別棟)を予約していた中庭をはさんだ離れへと向かうため、あの人と出会った道を通る思い出...

  • 羽林衛の奇跡[4] 奇跡

    あれこれと好みを尋ねる素振りで適当に品を見繕うと主にほんのついで、とでもいうように「それも買おう。別に包んでくれ。」とうとう例の品が売れてしまい、ジェウンはかなり気落ちしているそんな姿に気付かぬふりをし一緒に店を出ると例の品の入った方の包みをポンっとジェウンに渡してやる包みを手にしたアイツは驚いた眼で俺を見た「一緒に選んでくれた礼だ。遠慮なく受け取れ。」ジェウンは包みを大事そうに掌に乗せ俺に向かい...

  • 羽林衛の奇跡[3] 品定め

    たった今、気付いた、という顔をして「こんな所で会うなんて奇遇だな~どうだ、俺に付き合って『奥の間』で一緒に贈る品を選んでくれないか?」主が例の品を奥の間へ運んだところはジェウンも見ているだから俺の出したエサにきっと食らいついてくるはず! むふふっところが、ヤツときたら「何方かへ贈る品を選ぶなど…無粋な私には無理なことです。」なんて気のない返事をしてくる「いいんだ。いいんだ。そんなことは気にするな。...

  • 羽林衛の奇跡 [2] 高嶺

    ”羽林衛の奇跡”と呼ばれる、この俺は本当は忙しい人間なのだがこの件に関しては、黙って指をくわえている訳にはいかぬま、『人助け』だと思って、可愛い後輩の面倒をみるつもりさジェウンの行き先は以前から耳に入ってきているまったく、俺の情報網を侮らないでくれ目指すはあの店だ店の外には娘達が鈴なりだもう既にお出ましになっているらしい…そんなにヤツが見たいのかねぇ若い娘達をかき分け店内に入ると、すぐさま主がやって...

  • 羽林衛の奇跡[1] 雲隠れ

    ジェウンは最近、様子がおかしいいつもなら修練場に居残り独り黙黙と鍛錬を続けるような真面目過ぎる奴なんだだが、妓楼に行った日以来、修練場での訓練が終わるや否や飛ぶように消えてしまう他の奴なら当たり前過ぎて不思議でも何でもないが、今までのジェウンを知る者には見てはならないものを見たような驚きだった途中で姿を消したジェウンに何かあったのは確実これは理由を問い質し、手を貸すべきだ!!…というのは建て前で、...

  • 今日からの物語とお願い

    春の宵をお読み下さり有難うございます。今日からspin-offのお話となります。spin-offの4話を外してお読み頂いても物語としては繋がりますが…ジェウンの心を伝えたい為お読み頂けたら嬉しいです。お読み頂く前に注意事項がございます。spin-offのお話にはチョン・ウングォルさんの『キョジャンカク閣臣の日々』に登場する四人組の中で私の一番好きな方をお借りしております。ドラマの成均館の四人組とは描かれ方が違う為、 違和感...

  • 春の宵[5] 花ほころぶ

    立派な枝ぶりをした桜の大樹が、紺藍色の空に向かって枝を広げている白に近いほど淡い薄紅色に染まった桜の花があふれる如く咲いているところどころ鴇色にふくらんだ蕾が彩りを添え華やかに麗らかだ桜の花がはらはらと舞い散る姿は移ろい行くだけに一際美しいジェウンは息をのむ無言のまま紺藍色の空に広がる桜を見つめたまま「見事な桜でしょう?ここから見る桜はとても美しいの。若様にも見せて差し上げたくて…」「こんな美しい...

  • 春の宵[4] 惑う心

    「人目につかない方がよろしいのでしょう?」ジェウンは一瞬ドキリとするあまり人目につかず帰りたいのは確かだだが、それを言い当てられたからではない言葉の持つ別の意味を意識してしまったからだそんな気持ちさえ顔色に表れぬのがジェウンである心は落ち着かぬままであったが「若様のお仲間にも見つからず、他のお客様と顔を合わせることもなく済むようにして差し上げますわ。どうぞ、ご安心くださいませ。」 先程までジェウン...

  • 春の宵[3] 宵闇の舞姫

    案内の者もすぐには見つからず、仕方ない故ひとり妓楼の中を長い脚でずんずんと進む今どの辺りにいるのかさえもよく分からぬままになんとか外に出たかと思えば、中庭をはさんだ離れへと続く道だった辺りはひっそりと静まりかえり中の喧騒とは無縁な様子である空にかかる月をひとり見上げていると遠くから風にのってかすかに楽器の音色が流れてくる舞の名手だった実母の元には教えを乞う者達が訪れることがあり実母はその都度稽古を...

  • 春の宵[1] 浮雲

    ヨヌの急死後、科挙を受け壮元[ソウゲン]で合格するも庶子身分故に羽林衛へ配属された題雲15、16歳頃のお話゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・ジェウンが羽林衛に配属されて数カ月が経った頃修練場での訓練が終わった後でも一人残り鍛錬に勤しむジェウンを見かねた同期の仲間や先輩が声を掛ける「おい、ジェウン。一生懸命にやるのもいいが、たまには息を抜くのも大事なことだぞ。今日一日休んだって実力が急に変わ...

  • 春の宵[2] 浮雲②

    大小の妓楼が立ち並ぶ賑やかな通りへと足を踏み入れる灯された明かりで真昼のように明るく夜だというのに驚くほど人が多い 一際立派な建物が現れると 先輩はここだ、というように入って行く  すぐさま案内する者が出て来ると 一行を連れ大きな建物の中を ぐんぐん進んで行く  廊下をとおり階段を上ると曲がり…を 繰り返すので何処を通っているのやら 次第に分からなくなる意識を集中し...

  • 淡墨桜[下] 煙雨一刻

    「妹御のことを…?」妹について語る話は初耳だった再び興味をそそられ始める否、一層強い興味を抱いたかもしれない目の前にいるヨムを見詰めながら話の続きを待っている陽明君の心は次第にさざめいていく胸が高鳴ってくるように思われるほどだ…やはり似ているのだろうかいや、待てヨムのように人並み外れた生真面目かもしれないぞだが、似ているならばすごいことになるやもしれぬその才能や人格もさることながら会った人間ならば必...

  • ヨヌと旼花王女

    まず、最初に謝りますヨヌのイメージを壊してしまいごめんなさい!原作本が好きといいながらこの改変ぶり…恐るべき私ずっと疑問に思っていたことを私なりの理由付けをして書いてみましたヨヌが書庫にある本を読んだとなぜ父である大提学は分かるのか、私はとても不思議でした大提学は多忙な身、毎日書庫を調べる時間は無いか短いはず書庫番からの知らせを受けるとしてお仕えするお屋敷のお嬢様が打たれるの知っていて話すかしら…書...

  • ただ今、Blog整理中

    ご訪問下さり有難うございますただ今、過去作品を見直しながら、新しい作品も時折UPさせて頂き、Blogを整理している途中でございます小春日和を2013年7月にUPしましてから5年の歳月がたちました今読み返してみると恥ずかしく加筆修正して掲載しておりますその他につきましても当時とは異なる環境になっております為、手直ししながら順次UPさせて頂きたいと存じますHNも心機一転しまして、あさひ から 玻璃~hari へと変更いたし...

  • 緑陰[2]出立前夜〜陽明君

    陽明君はあの一件以来、善楽斎に寄り付かなくなっていたが、ある日ふらりと姿を見せた王の側室としては最高位である「嬪」の住まう処には見えぬ善楽斎のひっそりとした佇まい久しぶりに見る母 晞嬪は質素に近い姿であるというのに美しいままなのがかえって憐れを誘う様で辛くいつもなら挨拶もそこそこに切り上げ帰るのだが、今日は珍しく上機嫌で座しているそんな陽明君が珍しく晞嬪はゆったりと水を向けた幼馴染のホ・ヨムとキム...

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