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2012/09/02

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  • エピローグ4

    結局、舞の懇願もあり離婚は留まった。凛は何も知らないとはいえ不穏な空気は感じ取っているようだ。それから現在に至る。舞は以前のように世奈ちゃんとよく遊ぶようにな…

  • エピローグ3

    『ねぇ…』「ん?」憔悴しきった夫に改めて尋ねた。『好きなの?彼女のこと』「…もう好きじゃないよ」『夫がいたから?』「それもある」『じゃぁ他に理由はなに?さっき…

  • エピローグ2

    松原琴美たちが去ったあとの部屋は私と夫のすすり泣く声で充満していた。夫が寄り添うたびに私は彼から離れようと身を捻って手の中から逃げ出す。彼はそれを捕まえようと…

  • エピローグ

    テレビのワイドショーでは有名な芸能人が不倫をした話でもちきりだった。他人のことなど放っておけばいいものをコメンテーターの肩書を持った芸人やタレントになりかけた…

  • 決着20

    「あなたさえいなければ」そう叫んだ彼女の言葉が耳から離れない。私という人間が存在しなければ16年前の事件は起きなかった。果たしてそうだろうか。あれは北沢静香が…

  • 決着19

    「あれでよかったのですか?」帰りの車の中で大塚が困惑した表情のまま私に尋ねた。『いいのよ。あれで』「そうですか」『解決策なんて他にないもの。私と彼が別れる以外…

  • 決着18

    『それではこちらからの請求分を引いた額をお支払いいたします』私は大崎弁護士に向かって言った。そして今度は飛騨に視線を向けると彼に尋ねた。『ところで飛騨さん』「…

  • 決着17

    確かに彼は私にプロポーズをした。君を迎えに行くとそう言った。しかし、今目の前にいる彼はそのことを忘れているらしい。笹塚紗代の訝し気な視線が私の体に突き刺さる。…

  • 決着16

    「夫って…どういうこと?独身じゃなかったの?」浩くんの魂の抜けた問いかけに私はニッコリと笑って頷いた。彼は蒼ざめた顔をして呆然と私を見つめる。「そういうことで…

  • 決着15

    『大塚』「はい」『今のところ、近藤との離婚は想定していないわ』「え?」『笹塚家が離婚をすることになったら考えるかもしれないけど』「…そうですか」大塚は不思議そ…

  • 決着14

    『はい、もしもし?』電話の相手は浩くんだった。普通を装って応答したが心臓はバクバクと動いていた。今、ここで別れさせられるかもしれない。そんな気配もしていた。「…

  • 決着13

    浩くんと会った翌日は休日だったため大塚を呼んで最終打ち合わせをした。「打ち合わせと言ってもですね先方からどんな請求をされるかわかりませんから何とも言えませんよ…

  • 決着12

    近藤の運転する車に揺られながら大塚に連絡を入れた。『1週間以内には慰謝料請求をされると思うから準備しておいて』「準備は完了しております」『そう。さすがね』大塚…

  • 決着11

    『あーあ』大きく伸びをして去っていった2人の母子の姿を見送った。浩くんは能天気に伸びなんてする私を訝し気な視線で見つめながらも顔は青く冷や汗も止まらないようだ…

  • 決着10

    「あなた…柴崎さんでしょう?」笹塚紗代は私に向かって問いかけた。その言葉に驚いたのは私だけではなかった。舞ちゃんもそして浩くんも頭にハテナマークを浮かべている…

  • 決着9

    欲しいものなど何もなかったがモールの中をブラブラと歩いた。「欲しいものはあったの?」『ううん。まだ見つからない』「そう」彼は既に飽きているようだ。『ねぇ、映画…

  • 決着8

    浩くんと会う日は決まった。こちらから舞ちゃんに連絡をして何日に行くから向こうで会えたらいいねなんて、話をすることもできたがあまりにもわざとらしい。北沢静香が松…

  • 決着7

    近藤のプロポーズに応えないまま私は婚姻届を彼に持たせた。近藤は恭しく頭を下げて部屋を出ていく。これで私たちは夫婦となった。一方、大塚は近藤から受けた指示に困惑…

  • 決着6

    『何…言ってるのよ』「この結婚を解消せずにそのまま私といてくれるのかと聞いているのです」『な、なんで…』見たことのない近藤の迫力に押されて私は戸惑いを隠せなか…

  • 決着5

    『近藤』「はい」『準備はできた?』「はい」この日、私は近藤と入籍をした。今日にいたるまでの彼の葛藤は毎日見てきた。私と結婚をしたくないと、いうよりかは本当に結…

  • 決着4

    「バラすってどうするんですか?」大塚は目をランランと輝かせて言った。彼の表情に私は不快感を覚えたがそのことには触れなかった。『偶然を装ってバッタリ会ってしまう…

  • 決着3

    「飛騨を調べてきました」大塚から連絡があったのはあれから1か月以上が経ってからだった。『遅かったわね』「すみません。本業が忙しいもので」厭味ったらしい口調も相…

  • 決着2

    「綾さんに会ってきました」『早かったわね』「それから、北沢静香さんにも」彼の一言に私は飲んでいた紅茶を置いて顔を上げた。『会えたの?』「綾さんが呼んでくださっ…

  • 決着

    近藤に呼ばれて大塚は少しばかり迷惑そうな表情をしながら尋ねてきた。『仕事終わりかしら?』「途中ですよ」これ見よがしに不満げな口調だったが私は気にしなかった。『…

  • 初恋10

    いつかどこかで浩くんと一緒にいるところ舞ちゃんが目撃するという可能性はかなり低いと思っていた。デートの場所はいつだってお互いの自宅から遠く離れた場所だ。万が一…

  • 初恋9

    北沢静香としても認められたいと思ってはいたがもちろん、彼の前に姿を現すようなことはしない。しかしさり気なく私の存在を見せつけておきたかった。舞ちゃんに送ったマ…

  • 初恋8

    初恋の人とは結ばれない。一緒になろうって言ったくせに彼は何も覚えていなかった。旅行から帰ってきて少し経った日の夜。ふと、スマホが震えた。相手は舞ちゃんからだっ…

  • 初恋7

    「結婚…ですか?」近藤はさっきよりもずっと困った顔をしていた。『えぇ』「それは…私と?ということですか?」『そうよ』「笹塚浩介が手に入らないから?と、言うこと…

  • 初恋6

    翌朝は何事もなかったフリをして彼と共に風呂へと入った。心なしか彼の表情が優れないのを見てもしかしたら夜中の声が彼に聞こえていたかもしれないと思った。だけどそれ…

  • 初恋5

    「いや、そんなわけない」ジッと見つめる私から瞳を逸らして彼は焦ったように呟いた。まだ気付かないの?『もし、浩くんの好きな人が現れたらどうする?』「抱きしめるよ…

  • 初恋4

    『誰に…』「奥さんが探偵を使っていたんだ」それは予想外の答えだった。あの笹塚紗代が探偵まで使って夫の不貞を確かめていたことに驚きを隠せなかった。彼女は天真爛漫…

  • 初恋3

    夜になり、一緒に風呂を楽しんだ。彼にとって私は体だけの存在だろうか。かつての私と重ねて好きになってくれたと思っていたのに結局、そうではなかったのだろうか。不安…

  • 初恋2

    彼に強く当たってしまったことを後悔しながら2人で海に出た。『2人きりだね』「うん」青く光る海を見つめて呟いた。このままずっと一緒にいられればいいのに。『ねぇ』…

  • 初恋

    部屋に荷物を置くと観光へ行くことになった。昼ご飯を食べながら浩くんは徐に言った。「琴美はSNSとかやってる?」唐突な質問に心臓がドキリと音を立てた。『私は全然…

  • 好物10

    「琴美?」『ん?』「何考えてるの?」浩くんは心配そうな顔で私に尋ねた。自分が墓穴を掘ったことに気付いているのか申し訳なさそうな表情にも見えた。『ううん。何も。…

  • 好物9

    車の中はあまりよく知らない歌手のCDが流れたままだった。私は彼と一緒にいられることで幸福を得ている。隣でハンドルを握る浩くんをチラチラと盗み見しながら今、この…

  • 好物8

    待ちに待った週末が来た。家の近くで彼と待ち合わせをする。北風が頬を掠めて肌がツンと冷えた。近藤は浩くんが来るまで家の中で待つようにと提案してきたが気持ちが先走…

  • 好物7

    「おはようございます」『おはよう』「今日はお早いですね」既に身支度を終えた近藤がキッチンに入るなり驚いた顔をしていた。『今日はお弁当を作ろうと思って』「お弁当…

  • 好物6

    「君が大学を卒業したら俺たち一緒になろう」『本当にいいの?』「あぁ、君を迎えにいけるように俺もちゃんとした大人になるよ」*******************…

  • 好物5

    この日の料理教室は噂好きなおば様が3人もいるレッスンだった。毎回、主婦ばかりのレッスンだが人によってカラーが違う。大人しい主婦たちが集まった日は大概、料理にま…

  • 好物4

    「おかえりなさいませ」『疲れたわ』度の入っていない黒ぶちの眼鏡をはずして近藤に渡すと彼はクロスの上に眼鏡を乗せてケースにしまった。野暮ったい服を脱いでそのまま…

  • 好物3

    「婚約!?あらぁ今が一番楽しいわ」「本当ね。私なんてもう昔のことすぎて覚えてないわよ」楽し気に笑う彼女たちを横目に笹塚紗代は目を輝かせて言った。「柴崎さんの彼…

  • 好物2

    どうして彼は彼女を選んだのだろう。私にプロポーズをしておきながらどうして離婚をしないのだろう。なぜ、私に会う前に結婚してしまったのだろう。彼女の魅力はなんだっ…

  • 好物

    ・・・『何度も夢を見ました。彼と結婚をしている夢です』笹塚紗代は窺うようにこちらを見つめている。『プロポーズをされたんです。高校生の時、笹塚浩介さんに…それか…

  • 告白20

    『どうかしら?』「バッチリでございます」『あんまり嬉しくないわ』全身鏡に映る影のような野暮ったい自分を見ながら私はため息をついた。真っ黒なウィッグを被り後ろに…

  • 告白19

    大塚から連絡があったのはあれから1週間が過ぎたころだった。『意外と早かったじゃない』「見つかりました。彼女、定時より前に帰ってるんですよ」『あら、どうして?』…

  • 告白18

    この日、私は弁護士の大塚を呼んでいた。「お久しぶりです。お嬢様」『お久しぶりね。あなたも立派な弁護士になったそうね。今のところ敗訴がないって聞いたけど?』「い…

  • 告白17

    何日にも渡って続いた彼の葛藤はいつしか納得に変っていた。「自分の人生がいつまで続くかわからないから後悔したくないんだ」どこかの恋愛小説にありそうなセリフを口に…

  • 告白16

    お互いの気持ちを探りながら少しずつ距離が縮まっているのを感じてはいたが決定打がなかった。しかし、それは突然訪れる。「松原さん、最近なんだか元気がないね」『え?…

  • 告白15

    どうして彼はプロポーズをしたのだろう。その場の勢いだったのだろうか。生まれてくる我が子を楽しみにしていなかったのだろうか。身重の妻を置いて高校生と寝た彼はどん…

  • 告白14

    4月の初め。異動してきた彼は年齢の割に爽やかな顔をして挨拶を行った。「初めまして。笹塚浩介です。よろしくお願いします」夢にまで見た彼が目の前に立っていた。それ…

  • 告白13

    『部長、お話があります』笹塚浩介が赴任する前広報部の部長に相談をした。「どうした?」どうしてか嬉しそうな顔をして部長は私を会議室へと連れて行った。席に着くなり…

  • 告白12

    入社して配属されたのは広報部だった。本来は2年ごとに部署替えがあるのだがどうしてか私は5年経った今も広報部に配属されている。そろそろ他の部署に異動になるのでは…

  • 告白11

    島田から連絡があったのはそれから数か月ほど経ち年が明けたころだった。『早いじゃない』「あ、大崎と連絡が付きまして…会長に就任していただくことになりました」『そ…

  • 告白10

    近藤が情報を集めに出て行ってから数時間もしないうちに彼は笹塚浩介が働く会社の名前と募集している求人を伝えに来た。『その会社知ってるわ』「大手の広告代理店ですか…

  • 告白9

    後から近藤に聞いた話だが…家を出る際に島田は近藤に問い詰めたらしい。「何をさせる気ですか?まさか、会社を潰そうなんて…」「ご安心ください。そんなことはしません…

  • 告白8

    『あら?大塚は?』「大塚さんは司法試験のため本日は繋がらない模様です」使用人の近藤がスケジュール帖を見ながらそう言った。近藤の筋肉質な体を見つめながらつくづく…

  • 告白7

    『酒井は静香と仲が良かったんでしょ?』「仲が良いといいますか…現場のリーダーでしたから接点はそれなりにありました」『柴崎さんとは接点ないのよね?』「ないです」…

  • 告白6

    大塚の報告を聞いて私は呆気に取られていた。『もうちょっとうまいやり方はなかったの?』「すみません」ヒステリックになりそうな自分を抑えて正座をする大塚を見下ろし…

  • 告白5

    静香への気持ちは晴れていた。やりすぎだと罵りはしたがこれは天罰だとも思っていた。売春の強要をした罪で彼女は男たちから暴行をされた。因果応報というものだ。その後…

  • 告白4

    北沢静香は高校を中退後夜間の高校に転入した。彼女はどこでも人気者だったようで友人作りに困っている様子はなかった。しかし、高津雪穂のようなプライベートでも遊ぶ友…

  • 告白3

    被害届を出してから学校の様子は一変した。生徒たちは生気のない顔をして不安げな生活を送っていた。まさか北沢静香が売春の斡旋をしたなんてとても信じられないようだっ…

  • 告白2

    「それでは、あなたは北沢静香に成りすましていた」飛騨は念を押すように問いかける。『はい。舞ちゃんの前では北沢静香と名乗っておりました』「柴崎さんはどうなの?」…

  • 告白

    舞ちゃんの顔をSNSで見た時コウ君にそっくりだと感じていた。写真でしか見たことはなかったがどの角度から撮られた写真も全て彼に似ている。そして今目の前で私に羨望…

  • 15歳10

    ライブに参加し、ファン仲間を増やしSNSも人気のアカウントにまで成長させたころ舞ちゃんのことをライブ会場で探すようになった。インターネットのおかげで私の知名度…

  • 15歳9

    探し出すのは意外と簡単だった。彼女の誕生日や学校名習い事や趣味など様々なことを聞いておいた。彼は隠すことなくすべてを答えた。それを元にSNSで該当の人物を探し…

  • 15歳8

    飛騨の問いかけに笹塚紗代は視線に鋭さを増して私を睨みつけた。彼女は立派な母親だ。『舞ちゃんは16歳になりましたね』問いかけるように笹塚紗代に言葉を投げる。彼女…

  • 15歳7

    高津雪穂のことをあまり知らなかったので彼女の気を引くようなことを考えるのは苦労したが北沢静香は私の援助交際に随分と興味を持っていたことを思い出して渋々同じ作戦…

  • 15歳6

    『どうして』飛騨が図星を言い当てたかのような顔を見せる。私はそれが許せなかった。「あなたが北沢静香に成りすましているからですよ」飛騨は全てを知っているかのよう…

  • 15歳5

    部屋は静寂に包まれていた。誰も今の沈黙を破って話すものはいなかった。私に偶然とは何かを問いかけたあの探偵も重苦しい雰囲気をジッと耐えているようだった。「気の迷…

  • 15歳4

    コウ君はホテルの裏口から出ていく。手を振り、またねと彼は言った。私は手を振り返すだけで言葉を発することができなかった。正面の入り口から外に出ると北沢静香が満面…

  • 15歳3

    「驚いたな。そんなこと言われたの初めてだよ」『そう?みんな気付いてないのね』彼は真剣な眼差しを向けた。「本当にいいの?」『来て』誘いに応える形で彼は私を抱いた…

  • 15歳2

    北沢静香がなぜ自分の想い人と私を会わせたのかはわからない。もしかしたらコウ君と名乗った彼が自分の目的の人物かどうか確証がなかったのかもしれない。だから身代わり…

  • 15歳

    あの日みた光景を今も忘れてはいない。初めてあなたに会ったその瞬間から勝手に恋をしていた。『笹塚さん』夫婦の顔を交互に見比べながら私は当時のことを思い出していた…

  • 仮面15

    「どういうこと?って…そのままの意味です。彼と結婚するものと思っていたのにそれが叶わないとわかったので意地悪をしました。彼氏と旅行に行くと言ってみたらどんな反…

  • 仮面14

    「夫って…どういうこと?独身じゃなかったの?」夫はまるで魂でも抜かれたかのようにか細い声で松原さんに問いかけた。一方の松原さんはニッコリと笑うと「独身じゃない…

  • 仮面13

    夫の祈りもむなしく彼女はすぐに電話に出たようだった。先日の一件から別れたと言っていたがこれほど早く電話に出るということは夫からの電話を待っていたのだろうか。そ…

  • 仮面12

    「あの少女は自分のことを静香と名乗ったんですね?」「…はい、そうです」夫の返事に飛騨さんは大崎先生を見た。大崎さんも同様に飛騨さんを見て2人で何か納得したかの…

  • 仮面11

    『答えてよ!』好きだったのかどうなのか気持ちが彼女に向いたのかそれとも遊びだったのか聞きたかった。「…好き」小さくつぶやいた彼の言葉は私の心を粉々に砕くほどの…

  • 仮面10

    「笹塚さん、旦那さんにいくつか質問したいことがあるのでそちらのお話合いが終わりましたら私から旦那さんと話をさせてもらえませんか?」『えぇ、それはいいですけど』…

  • 仮面9

    飛騨さんと会う約束をしたのは夫の件があった日から3日後のことだった。『お母さん行ってくるね』「うん。行ってらっしゃい」舞は今日も学校を休んだが放課後は世奈ちゃ…

  • 仮面8

    「不貞の証拠は今から集めるのは色々と厳しいと思います。今日の一件で別れているかもしれない。事情を説明してもらうにしても弁護士とか必要になるかもしれない」『そう…

  • 仮面7

    飛騨亮二に電話をかけ夫が松原琴美という女性と浮気をしていたことを告げた。そして相談がしたいと、お願いをした。飛騨の事務所まで行っても良かったが群馬のショッピン…

  • 仮面6

    「嘘だ…」舞は信じることができずに松原さんの顔をジッと見つめた。見つめられた彼女は舞の視線を避けるように顔を背けた。柴崎さんでもないと言われて私も信じられずに…

  • 仮面5

    無言は数秒の間続き私は彼女に見入っていた。柴崎雪穂がイメージを変えたらきっとこんな風に見違える。と、思っていた風貌そのものだったからだ。『あなた・・・柴崎さん…

  • 仮面4

    『着いたよ』「わーい」舞は嬉しそうに車から飛び降りるとこちらの制止も聞かずに駐車場を走り出した。『危ないから気を付けなさい』咄嗟に大きな声を出したせいで駐車場…

  • 仮面3

    最近どうなの?と、聞かれてなぜか心臓がドキリと音を立てた。『どうって?』「料理教室、忙しいんでしょ?」『あぁ、まぁ…でも大丈夫』舞は心配そうな顔でこちらを向い…

  • 仮面2

    支度をして出かけたのは午後1時を過ぎたころだった。「お父さんは今日はどこまで行ってるのかなぁ」『さぁ?』泊りがけの仕事のときはどこに行くのか聞くこともあるが日…

  • 仮面

    『今日は何時に帰るの?』「夜ごはんまでには帰るよ」夫に尋ねると彼はそう言った。土曜日だと言うのに取引先を訪ねなければいけないと言う。彼は幾度も休日出勤をしてき…

  • 大崎先生20

    馬口工業について飛騨は話を始めた。「北沢静香は19歳になる年まで確かに馬口工業で働いていました。彼女が保護観察処分中であることも馬口は理解していました。あると…

  • 大崎先生19

    「会ってお話しませんか?」飛騨から電話があったのは最後に電話をしてからしばらく経ってからだった。『いいですよ。どこでお会いしますか?』「Kamiという名前の喫…

  • 大崎先生18

    『松原ホールディングスについては何かわかっていますか?』「取締役は松原幸雄。家を調べて周辺を聞き込みしましたが彼には妻と息子と娘がいるようです」『娘…』「娘は…

  • 大崎先生17

    大崎は沖からもらった情報を飛騨に流すことにした。そして、島田にも会いに行こうと考えていた。まずは飛騨に電話をかけると彼も既に新しい情報を得ているようだった。「…

  • 大崎先生16

    大崎は営業部の須藤が馬口工業の窓口をしていたことや人事部の井上が雪穂の入社に関わっていたことそして馬口工業は雪穂が入社する1年前に廃業したことを記したメモを見…

  • 大崎先生15

    沖さんから馬口工業についての解答が来たのはあれから2日後のことだった。「ご報告します」『随分と早かったね』「ありがとうございます」『それで?』「馬口工業とは8…

  • 大崎先生14

    『馬口工業の件はこちらで調べてみるよ』大崎は落ち着けと言わんばかりに自らの手を固く握りしめた。「はい。わかりました」『君はペルランモーター社にはどういう経緯で…

  • 大崎先生13

    「はい。柴崎です」『もしもし、大崎です』大崎は柴崎雪穂に電話をかけていた。『少し、話がしたいんだ。今、いいかな?』自分の書斎に籠り飛騨から聞いた話を整理したメ…

  • 大崎先生12

    16年前、飛騨の依頼人からの相談によって調査していた男が北沢静香の斡旋により少女を買った。そして16年後飛騨の依頼人の娘が北沢静香と会っている。例えばその娘が…

  • 大崎先生11

    『あなたが調べたいのは北沢静香のことですよね?』「えぇ、まぁ」『では、高津雪穂は興味がない』大崎の言葉に飛騨はピクリと眉根を動かした。「興味がないわけではない…

  • 大崎先生10

    大崎は飛騨と手を組むことを考えた。『私から見た16年前の事件についてとあなたから見た事件について擦り合わせをしましょう。そのうえで今後についてあなたの力になれ…

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